閉鎖病院
(ヴィジット)


<ストーリー>

時は大正末期。
国内でも屈指の大病院、国立大東亜病院で主人公は薬剤師として働いていた。
ある日、主人公は職員定期検診を受けた直後、高熱を出して倒れてしまう。
診断の結果、ただの風邪ということで、実際数日で回復したが、
上司の板垣、新人看護婦の島と、自分と親しい人間が次々と同じ症状で倒れる。
自分が風邪をうつしてしまったのではないかと気に病む主人公だが、やがて恐ろしい事件が起こる。
一旦は回復したかに見えた板垣が、大量の吐血と共に無残な死を遂げたのだ。
敬愛する上司の突然すぎる死にショックを受け、同時にその死に不審を抱く主人公。

この病院に隠された恐ろしい秘密とは…?
そして、それを知ってしまった主人公は…?


「最終電車」「19時03分上野発夜光列車」に続く、ヴィジットのサウンドノベル第3弾です。
前2作とは異なり、今度は病院が舞台で、しかも大正時代と大幅に設定が変わりました。
「琥珀色の遺言」「ノスタルジア」などの往年の名作AVGを思わせるレトロな雰囲気です。
これは、好きな人にはたまらない雰囲気でしょう。

 

この作品、前作と比べてシナリオ数が大幅に増えた点がうれしいです。
メインシナリオの「閉鎖病院編」「研究所潜入編」「氷の制裁編」「悲しき実験体編」
サブシナリオの「蘇る悪意編」「板垣の秘薬編」「夜の診察室編」
外伝の「盲目の探偵編」「屋根の上の主編」
そしてさぶシナリオ「男達の楽園編」と、すんごいボリュームたっぷりです。
前作までは、どうもシナリオの数が少ない感じが否めなかったため、このボリューム増はうれしい限りです。
現在(達成率70%)ではまだプレイできないシナリオもありますし…。
やはりサウンドノベルの基本は「どれだけ異なる展開が見られるか」ということですからね。

 

ただ、個人的にひとつ気になるのが、人物の3DCGです。
私は、どうもあのツルツルの3D人物絵が好きになれません。
たぶん、背景画ばかりだと見た目が地味なので人物画も入れたのでしょうが、かえってそのせいで
雰囲気が壊れてしまっている感じがするのです。
ましてサウンドノベルの場合は「文章が命、絵や音はあくまで想像を補うもの」なのですから、無理してまで
ポリゴンムービーや人物画を入れる必要はないと思います。
ないものは空想で補うのがサウンドノベルの楽しみなのですから。
どうもPS2の発売以来、「見た目が派手でないゲームは駄作」という偏見にいっそう拍車がかかっているような
気がしてなりません。
けっしてそれだけを求めてる人ばかりではないはずだと思うのですが…。

 

とにかく、サウンドノベル好きな人ならやってみて損はしないでしょう。
「やればやるほどいろんな展開が増えていく」という楽しみを味わえます。
久しぶりにギャルゲーでないサウンドノベルがプレイできました。

おまけ:登場人物紹介


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