| 後 山(1344.6m)〜駒ノ尾(1280.7m) 兵庫県千種町・岡山県東粟倉村、西粟倉村 25000図=「西河内」 |
|---|
|
樹氷咲く雪稜をスノーシューで歩く
とけ残った雪の上に、新しい雪が真白く積もっていた。沢沿いの道に別れ、山の斜面をつづらに上って尾根に達すると、それまで付いていたトレースが厚みを増した新雪に消えていった。その尾根を、主稜線上のピーク、船木山をめざして真っ直ぐに上っていった。
船木山の西肩で主稜線に達した。そこには、樹氷咲くブナの木が立ち並び、遥かどこまでも見渡せるような展望が広がっていた。
雪の斜面を真っ直ぐに上り、後山山頂に達した。遥か南、低くぼやけたもやの上に四国の山影が浮かんでいる。双眼鏡で、石鎚山と剣山の白い山の姿をとらえることができた。東に幾重にも重なる山並みの上に、灰色の雲の層が水平に薄く線を描き、その上にとぎれとぎれに白と黒のまだらになったかたまりが蜃気楼のように浮かんでいる。もしかすると、それは本当に蜃気楼だったのかも知れない。
午後1時、後山から1時間半ほどで駒ノ尾にたどり着いた。雪原の高みには、山名の刻まれた石柱が立っている。遮るものが何もないこの山頂には、風が南から通り抜けていた。その風に、最後まで残った樹氷がパラパラと音を立てて雪の上に落ちた。 山行日:2003年2月28日
|
中国自動車道作用ICから国道373号線を北上。兵庫県から岡山県に入って、大原町古町の交差点を右折して国道429号線へ。東粟倉村の後山集落を抜けて、左折し大規模林道に入る。行者川を渡って西に約500m進むと、北へ後山キャンプ場に向かう車道が分かれている。後山キャンプ場の駐車場に車を止める。 |
| ■山頂の岩石■ 雪で観察できず 兵庫県と岡山県の県境である今回の縦走路では、積雪のため露頭の観察はできなかった。 ただ、駒ノ尾山頂東の稜線で、迷子石的な岩石がひとつ雪から顔を出していた。これは、花崗閃緑岩であった。 山頂部以外では、ある程度岩石の観察のできる露頭があった。山を下りた「林道竹の頭線」の終点には、花崗閃緑岩が分布していた(後期白亜紀〜古第三紀 波賀複合花崗岩体)。 その他、丹波帯に属すると思われる緑色岩の露頭が数ヶ所で見られた。 |