武嶋山(160m)・大木山(375.0m) 西脇市・多可町 25000図=「中村町」 武嶋山の岩峰から秋に染まる大木山へ もう少し待っていたら、霧にたたずむ岩山の幻想的な姿が浮かび上がったのかもしれない。今朝の武嶋山は、濃い霧に包まれていた。
石垣を抜けると、その上の清巖寺に出た。
境内の右手にかかる鉄のハシゴを登る。そこから、一枚の大きな岩が山の尾根をつくっていた。岩の割れ目には、ネズミサシやアカマツが根を下ろしている。
岩は、球顆流紋岩だった。直径数mm〜数cmの球顆がたくさんふくまれている。球顆は珪質で硬く、岩の表面に飛び出して細かな凹凸をつくっている。
左右が切れ落ちた岩場を抜けると、岩塔の上に出た。武嶋山の山頂である。そこには、高度感のある風景が広がっていた。
山頂から少し北に進むと、大きな岩盤の上に出た。北に215mピーク。そこから東へ大きく回り込んだところに、大木山が見えた。大木山の山肌は、コナラやアベマキの葉がオレンジ色や茶色に染められていた。
道のりはまだまだ長い。尾根の踏み跡を、ひたすら登った。
大木山の山頂は、切り開きの中に三角点の標石がひとつ。無粋なプレートや標柱などは何もない、こじんまりとした静かな山頂であった。ヒサカキが小さな実を枝先に並べていた。
大木山の山頂から、尾根を南へ下った。ここまでよりずっと長い周回の帰り道。踏み跡は相変わらず、現れたり消えたりをくり返した。頭からヤブに突っ込んでいくところもあった。
途中で西に分枝する尾根に乗り、260mピークへ。標高205mで送電線鉄塔に出て、そこから巡視路を北へ下った。 山行日:2018年11月21日
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武嶋ひぐらし荘〜清巖寺〜武嶋山(160m)〜215mピーク〜送電線鉄塔〜大木山(375.0m)〜260mピーク〜送電線鉄塔〜武嶋キャンプ場 |
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武嶋山の登山口は、武嶋ひぐらし荘。獣除け柵を開いて中に入る。 清巖寺までは、古い参道。そこから武嶋山山頂までは岩盤を登る。 武嶋山から大木山を巡る周回コースをとったが、ずっと踏み跡が見え隠れする尾根だった。 |
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山頂の岩石 武嶋山 白亜紀後期 鴨川層 球顆流紋岩 大木山 白亜紀後期 鴨川層 火山礫凝灰岩(弱溶結) |
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表面は風化が進んで黄土色をしているが、内部は淡灰色のことが多い。 直径数mmから数cmの球顆を大量に含んでいる。球顆は珪質で硬く、岩の表面にゴツゴツと飛び出している。球顆の密集したところでは、2,3の球顆がくっついているように見える。 石英、斜長石、カリ長石の斑晶を含んでいる。長さ2mm、短柱状オレンジ色のカリ長石が観察できるところがあった(写真、本文中) 流紋岩や軽石、頁岩、砂岩などの岩片をふくんでいる。軽石は緑色に風化し、やや扁平になっているところもあった。石英や斜長石、カリ長石の結晶片をふくんでいる。 |
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