大 師 山(278m)       福崎町    25000図=「北条」「前之庄」


1年1組のお別れ登山

福崎西中学校から望む大師山(1999.3.23.)

 大師山は、福崎町中心部の北西に位置する標高277.7mの山である。
 
福崎西中学校の校歌に、「気はすみわたる大師山 朝露こぼす松籟に ひじりの声がしのばれる……」と詠われている。
 体育館二階の卓球練習場から窓いっぱいに広がるこの山を見ながら、ここ数ヶ月、私は手術した膝のリハビリを続けてきた。

 この大師山に、お別れ遠足として1年1組の生徒とともに登った。

 福崎町スポーツ公園の体育館の裏が登山口である。いきなり荒れた急な上りを北へ直登した。5分ほど登ると、大きな岩盤に着いた。
 この岩盤は、珪化した頁岩でできていて、水晶を採集することができる。この山は、「水晶山」とも呼ばれ、ここで水晶が採れることを生徒たちはよく知っていた。ハンマーやノミを持ってきた生徒もいて、採集した水晶を大切そうにバッグに詰めた。

岩場で水晶を採集するH君(手前)


 30mぐらい続くこの岩盤をはうように登り、さらにそのまま松や雑木の中をまっすぐに進んだ。登り切ったところで進路を西にとり、なだらかな尾根をしばらく歩くと三角点のある山頂に達した。

 山頂は、松にさえぎられて視界は開けていなかった。生徒達が三々五々登ってきては、いろいろとしゃべって帰っていった。
 私も、数人の生徒といっしょに山頂を後にした。もと来た道を帰るつもりであったが、どこかでコースをはずれて道なき道を下った。

 気温は低かったが、よく晴れ渡った穏やかな天気で、途中の岩場で弁当を食べるなど、楽しい山のひとときであった。

山頂にて
 
山行日:1999年3月23日

福崎町スポーツ公園登山口〜山頂
 道は踏み跡程度。一部で消えたり、他の踏み跡と交差している。生徒たちは、適当にコースを外れながらさまざまなルートで下山していた。

山頂の岩石 ジュラ紀 丹波帯U型地層群八千種コンプレックス 珪質頁岩
大師山山頂
 
 今回の登山コース全体が、珪化した頁岩である。一見すると、チャートのように見える部分もあるがチャートのように緻密ではない。

 コースの岩盤部分には1〜5cm幅の石英脈が見られる。コースを少しはずれると、明るい灰色の頁岩となる。

 大師山の山頂にも露頭が見られた。岩石は珪化した頁岩で、褐色に風化していてもろい。

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