しゃくし岩(210m) 姫路市・たつの市 25000図=「龍野」 山頂をおおう一枚岩 map 山頂をすっぽりとおおう一枚岩。しゃくし岩は、姫路市林田町とたつの市神岡町の境界尾根に位置する標高200m余りの小さなピークに広がっている。
小さな峠を越して下ると、舞子池の畔(ほとり)に出た。メジロの群れに出会った。メジロは、ヤブツバキと竹の間をせわしなく動き、しばらくしてどこかへ飛んで行った。
舞子池を過ぎて、田んぼの間の道をしばらく歩く。山にさしかかって霊園を抜けると、鳥居の向こうに石段が見えた。
岩国神社から雑木の尾根道を登っていった。落葉樹がすっかり葉を落とし、柔らかい冬の陽が射し込んでくる。落ち葉の上には、ソヨゴの小さくて赤い実が点々と落ちていた。
そこから少し行くと、岩稜が現れた。小さな火山礫の飛び出した岩の上は歩きやすく、前方に展望が開けた。岩稜の先にしゃくし山。そこから稜線は、その右奥に見える228.5mピークへと続いていた。
岩稜を過ぎ、雑木の中を登る。枯れ木の中に、ソヨゴとヒサカキの葉の緑が目立つ。ヤマガラの声が聞こえてきた。
岩の表面は、うす緑色の地衣類におおわれている。一部に、オレンジ色のダイダイゴケの仲間も見られた。
しゃくし岩を下り、登り返す。あたりはヒサカキの林。オレンジ色を帯びたうす茶色のヒサカキの細い幹が林立し、ところどころにコナラの太い幹が混じっている。冬至の一日前の陽は、正午が近くても低くて木々は地面に長い影を引いていた。
登り詰めた岩盤の上には、いくつかの岩が乗っていて、岩と岩の間を土が埋めている。そこに、228.5m三角点と境界標石が埋められていた。
山頂を後にして尾根を下った。ずっとよく整備された道がついていた。
いくつかの小さなピークを越えて山を下ると、舞子池の畔に出た。
舞子池の北の分岐を東に進んだ。マンリョウが、赤い実をつけていた。小さな高みに東屋が建っていて、そこからと奥池の畔に下った。
山行日:2021年12月21日
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はやしだ交流センターゆたりん~舞子池~岩国神社~228.5m三角点~舞子池~ゆたりん |
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ゆたりんから舞子池まで道がついている。岩国神社鳥居からしゃくし岩、三角点を経て舞子池に下るコースはよく整備されていた。 帰りは舞子池北の分岐を右に折れて奥池・立合池を巡る。このコースは、道が消えかけているところがあった。 |
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山頂の岩石 白亜紀後期 伊勢層 火山礫凝灰岩 |
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伊勢層は、主に火砕流堆積物からできている。白亜紀後期、ここでも大規模なカルデラ噴火があった。今回歩いたコースでは、火砕流堆積物としての火山礫凝灰岩が見られた。 写真は、しゃくし岩で採集した標本である。非溶結の火山礫凝灰岩で、基質の火山ガラスは変質して黄土色をしている。 標本の左右に見られる濃い茶色の穴は、軽石が粘土鉱物に変質して抜け落ちた跡で、有名な「大谷石」では「みそ」と呼ばれている。この穴の中には、軽石の繊維状の構造が残されていることがあった。 流紋岩と黒色頁岩の岩石片や、長石と石英の結晶片をふくんでいる。 この火山礫凝灰岩は、岩石片の量に変化が見られた。また、弱く溶結しているところもあって、そこではレンズ状に押しつぶされた軽石が見られた。 岩国神社では、デイサイトが見られた。緑色を帯びた石基の中に、斜長石の斑晶が目立つ。板状~柱状の節理がやや発達しているところがあり、岩脈として貫入したと考えられる。 |
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