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新田山(97m) たつの市 25000図=「龍野」 「烏岩」と「重ね岩」、巨岩を乗せた風土記の山
たつの市の新田山は、栗栖川の畔にたたずむ標高100mにも満たない小さな山である。この山の山頂に、「烏岩」と「重ね岩」の二つの巨岩がある。
栗栖川に架かる西光橋のたもとに登山口があった。「西山公園」の案内板が立ち、ここから四国八十八ケ所霊場巡りの石仏が並んでいる。
山頂は、広場になっていた。タンポポンの花が点々と咲いている。藤棚の下のベンチに座った。
アカマツの下をさらに進むと、テイカカズラにおおわれて上に尖った大きな岩が現れた。この岩が「烏岩」で、兵庫県郷土記念物の標柱が立っている。 烏岩の下に回り込んでみると、この岩の全貌があらわになった。テイカカヅラにおおわれているのは岩の頂部で、岩全体の高さは8mぐらいある。柱状の岩に三角の岩が乗り、栗栖川に向かって突き出していた。
烏岩を後にしてさらに北に進むと、突端部に四角い大きな岩が乗っていた。岩の表面は、乾いた餅のようにひび割れている。これが「重ね岩」で、もとは「とうの岩」と言った。
重ね岩の先に立つと、北の展望が開けた。向かいに立つ大鳥山の若葉の色が瑞々しい。その右には、天神山と大寺山。眼下には新宮の街並みが広がり、栗栖川がここを取り巻くように湾曲して流れていた。
満開のアセビの花を見て下った。タネツケバナが、白くて小さな花を付けていた。大師堂から石段を下った。クサイチゴの花が、風に揺れていた。
山行日:2013年4月27日
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| 登山口(西山公園案内板)〜新田山山頂〜配水池〜烏岩〜重ね岩〜大師堂〜登山口 | ||||||||||||||||||||
| 栗栖川に架かる西光橋のたもとに登山口がある。ここには、「西山公園」の案内板があって、新田山に登るコースが記されている。西側からは、山頂まで車道も伸びている。 | ||||||||||||||||||||
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| 山頂の岩石 白亜紀 揖保層 安山岩質溶結凝火山礫凝灰岩 | ||||||||||||||||||||
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岩石は、輝石と斜長石の結晶片を多く含んだ火山礫凝灰岩で強く溶結している。また、岩片として安山岩の火山岩塊や火山礫を含んでいる。新鮮な部分は、暗灰色を呈する。 烏岩や重ね岩など山頂に点在する岩石も同じ岩石であるが、文化財なので割ることができない。 左の写真は、岩石の表面(風化面)である。5mm程度の黒い安山岩の火山礫、3mm程度の斜長石と輝石の結晶片を認めることができる。 |
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