曹長岩の中に金雲母が集まっている部分があります。
真珠光沢のある褐色の板状結晶で、放射状に集合していることもあります。結晶面は、湾曲していることが多くなっています。
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| 金雲母(写真横13mm) |
金雲母(写真横13mm)
放射状に集合している |
鋼玉(写真横13mm)
松内さんに頂いた標本
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鋼玉は、曹長岩中に曹長石や白雲母に伴って産出します。濃い青紫色で、双眼顕微鏡で見ると、破断面がぎざぎざになっていることが分かります。
大変硬く(硬度9)、写真を撮るために虫ピンで周りの曹長石や白雲母をこすり落としたのですが、鋼玉にはまったく傷がつきませんでした。
日光の下で水で湿らせると、パッーとその青紫色が鮮やかになりました。
9月生まれの娘に、「はい、誕生石のサファイア!」と見せると、「磨いたのをちょうだい。」と言われました。
曹長石に伴って産出する緑泥石(写真横13mm)
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続緑泥は、ヒスイ輝石や曹長石に伴って産出します。
鮮やかな緑色で、雲母のような板状の結晶が劈開面で光を反射します。
緑泥石は、結晶片岩中やいろいろな岩石中の変質鉱物としてよく見ていましたが、これほど大きくてきれいなものを見たのは初めてでした。
曹長岩は、ほとんどこの曹長石からできています。
細粒の結晶が集合していることもありますが、大きく成長している場合は10cm以上にもなっています。色は白い場合が多いのですが、淡く灰色がかっていたり緑色がかっていたりすることもあります。
黒いかんらん岩や蛇紋岩の中で、白い曹長岩は非常によく目立ち、転石の中でも一目でそれと分かります。
曹長石はヒスイ輝石やソーダ雲母を伴うので、それらの鉱物を探すよい指標となります。
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| 大屋川に見られる曹長岩の転石 |
曹長石(写真左の曹長岩の表面) |
これも曹長岩中に、短柱状あるいは先の尖った長柱状の結晶として産出します。
また、転石の中には繊維状〜柱状の角閃石類の結晶だけが絡むように交差して集まってできた岩石が見られました。
角閃石類にはいろいろな種類がありますが、これらの角閃石類が何という種類なのか今後調べてみる予定です。
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角閃石類(写真横13mm)
角閃石類が集まってできた岩石 |
角閃石類(写真横13mm)
曹長岩中に放射状に産出するもの |
養父市の蛇紋岩体の中には、夏梅鉱山や大谷鉱山がありました。これらの鉱山からは、紅砒ニッケル鉱、硫砒ニッケル鉱、針ニッケル鉱、ニッケル華などのニッケル鉱物が産出しました。
蛇紋岩に伴って産出するこれらの鉱物は、どれもが魅力的です。ただ、最近は業者が根こそぎ持ち帰ってしまう場合も多いそうです。したがって、このページには、詳しい産地を記すことはできません。
鉱物を採集する場合は、必要最小限の量にとどめ、できるだけ後の時代まで残さなければなりません。
■ 場 所 ■ 養父市 25000図=「関宮」
■探訪日時■ 2006年8月22日 (一部は2006年7月15日)