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千ヶ峰(1005.2m) 多可町 25000図=「丹波和田」 雪でさらに気高く、千ヶ峰 千ヶ峰……山名の由来は、「千ほど多くの峰がある」とも「仙人が降りた峰」とも言われている。標高1005.2m。1000mを越す山としては、中国山地のもっとも東にあたる。
登山口から渓流に沿ってしばらく歩くと、丸太の橋にさしかかった。雪をのせたこの橋を渡って、右岸を登った。 大きな一枚岩を水が滑り落ちる「雌滝」を過ぎ、橋を渡って再び左岸へ。渓流の岩は雪をのせ、その間を水が流れていた。ところどころにつららが下がっている。 道の雪は、先行者によって踏み固められていた。トレッキング・ポールで支えながら、すべりやすい道を進んだ。 つららを下げた黒い岩盤の「雄滝」が現れた。その横を高巻くように登った。
やがて、渓沿いの道は小さな滝にさえぎられた。その手前で、道は谷を離れ山の斜面を上っていた。このあたりの積雪は20cm程度。昨夜、新たに積もったのか、真白いきれいな雪だった。
最後の急な坂を登ると、頂上へ続くゆるくて真白い稜線が見えた。踏み跡をたどり、白い空に向かって進んでいくと、雪に深くおおわれた山頂に達した。 頂上は風が強かった。冷えた汗が体温を下げた。熱いお茶を飲み、ザックから手袋とウィンドブレカーを、この日初めて出した。
しばらく山頂に立ち、周囲を眺めていると、北西からの風が雪を舞い揚げて視界を閉ざした。市原峠までの稜線歩きは、次回の楽しみにとっておくことに決め、同じ道を下山した。 山行日:2000年2月27日
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| 行き:三谷登山口〜雌滝〜雄滝〜岩座神コース分岐〜千ヶ峰山頂 (三谷コース) 帰り:行きと同じ |
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| 千ヶ峰には、多可町側から三谷コースや岩座神コース、神河町側から木谷コースや岩風呂コースなどがある。その中で、今回は三谷コースをたどった。 登山口には、広い駐車場がある。始めは三谷川に沿って歩き、上流で急坂を登って尾根に出て岩座神コースと合流するルートである。 |
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| 山頂の岩石 後期白亜紀 生野層 |
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| 登山口には、石英閃緑岩が見られた。 「雌滝」「雄滝」の手前からは、流紋岩が露出していた。ここの流紋岩は、黒っぽい色をしていることが多かった。細粒ガラス質で、斑晶をあまり含んでいない。流理構造による縞模様がはっきりと見える部分があった。 千ヶ峰には、古来より雨乞いが行われていたとされる「雨乞岩」、市原峠南の「岩の展望台」など興味深いものがある。しかし、今回は、渓流を離れると積雪のため岩石の観察はできなかった。 |
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