| 竜ケ岳(816.7m)〜鳴尾山(753.2m) 加美町・氷上町 25000図=「丹波和田」「大名草」 |
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清水坂から竜ケ岳を経て鳴尾山へ
外に出ると、霧が出ているのか曇っているのか、木星と天頂付近に冬の1等星2つがにじんで見えるだけだった。日本海を西へ進む低気圧から伸びる寒冷前線が、今日の午後にも近畿地方を通過しようとしていた。雨の降り出す前に山を下りようと、薄明前の午前5時過ぎに自宅を出発した。
峠からは、稜線を北にたどる。スギ・ヒノキの植林にコナラ・ソヨゴ・アカマツ・クリなどから成る自然林が混じる。樹間をぬって吹き上げてくる風は、しだいに強くなってきた。
鳥羽坂から大きく北へ上り返して、さらに稜線を進んだ。まだ幼いアセビの木々が囲む小さな伐り開きの中に鳴尾山山頂の三角点が埋まっていた。ツタやリョウブなどが赤や黄色に色づき始めている。風が吹くと、何本もの平行な斜線を描くようにして木々の葉が舞い降りた。 山行日:2002年10月6日
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竜ケ岳の山頂までの道ははっきりしているが、そこから先は不明瞭な部分も多い。678mピークはヤブにおおわれていたが、木々に間から行く手に鳴尾山、振り返れば竜ケ岳の姿を垣間見ることができた。 鳥羽坂は、678mピークと699mピークの間のコル(Ca.590m)にある(地形図の峠道を示す破線は間違っている)。鳥羽坂から、699mの大きな高まりを越えて、鳴尾山へ。 鳴尾山から舟坂峠のスタートは順調だった。進路の方向や上り下りが、地形図上の稜線とぴったり合っていた。しかし、606mピークの手前の高まりを、606mピークだと思い込んでしまった。北東方向への急斜面を下りに下って峠道の一つ南の谷に下り付いてしまった(地形図破線路の先端近く)。ここから、この谷を東に下って、桜大池(三方大池)の堰堤でタクシーを呼んだ。 |
| ■山頂の岩石■ 白亜紀 生野層群下部累層 流紋岩質凝灰岩 竜ケ岳から鳴尾山にかけては、生野層群下部累層が分布している。尾根に露出する岩石は、全体的に風化による変質が著しい。竜ケ岳山頂の岩石は、黄褐色や帯青灰色を呈する変質の進んだ凝灰岩である。粘土鉱物化した斜長石の結晶を認めることができる。 |