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御旅山(140.1m) 姫路市 25000図=「姫路南部」 岩を巡る小さな山旅、御旅山
御旅山は、市川の河口、妻鹿にある。登山口は、灘のけんか祭りの練り場。山肌を階段状に削ってつくられた「さじき」を上に見ながら歩き始めた。
道は、さじきの横を回り込むように上っていた。トベラの実が割れて、中から赤くて粘った種が出ていた。シャリンバイが黒紫色の実をつけていた。
大きく曲がると北が開け、妻鹿の街並みの向こうに国府山(甲山)と御旅山の山頂が見えた。空の色は、冬の青。そこから少し登ると、さじきの一番上に出た。
八幡宮の左脇から、山道に入った。尾根の木々が疎らで、左に妻鹿の街がよく見えた。山陽電鉄を走る電車が山の下をくぐり抜け、市川に架かる鉄橋で音を大きくした。 標高90mの小さなピークには送電線の鉄塔が立っていた。鉄塔の横に立つと、御旅山がぐっと大きく迫って見えた。 御旅山の南面は、昨年、山火事が起こった(2013.1.26)。まだ火事の跡が生々しく、木々は黒く焦げ、地面は冬に枯れたササでおおわれていた。中腹には大きな岩が露出し、標高140mの小さな山とは思えないほど荒々しい。 道は、両側の送電線の間をゆるくアップダウンしながら伸びていた。常緑樹の林の中に入ると日差しがなくなり、空気の冷たさを感じた。カクレミノヤやヤツデが大きな葉を広げていた。 97mピークあたりは、緑色の岩石が道に表れている。緑泥石の含まれる火山礫凝灰岩であった。鳥の声に歩みを止めると、少し向こうの木にメジロが止まった。 次の小さなピークに立つ鉄塔から送電線を離れ、コルに下った。コルの上には、大きな岩が表れていた。表面がごつごつし、一部に赤い地衣類がついている。これは、流紋岩の自破砕溶岩。流紋岩の溶岩は粘り気が強いため、先に固まった溶岩を壊しながら流れ進んでいくことがある。 その先では、流紋岩溶岩の流理構造がきれいに表れていた。う〜ん、もう御旅山は地質の宝庫だぁ。
岩を見たあと、山頂をめざした。黒く焼け焦げた木。その間を埋める冬枯れのササとススキ。荒涼とした風景の中に、コンクリート製の丸太階段が上っていた。
やがて、オレンジ屋根の東屋の建つ御旅山の山頂に達した。
山行日:2014年1月11日
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| 国道250号線けんか祭り練り場〜御旅八幡神社〜97mピーク〜御旅山山頂(140.1m)〜北側登山口 |
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| 練り場から上がった最初のヘアピンカーブ地点に車を止めた。そこから松原八幡宮まで広い道が伸びている。 松原八幡宮からは、地形図の破線路に沿って歩いた。 |
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| 山頂の岩石 白亜紀後期 四郷層 流紋岩質溶結火山礫凝灰岩 |
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同質の流紋岩や異質の岩片を含んでいる。押しつぶされてレンズ型になった軽石を含む溶結構造が明瞭である。全体的に風化が進み、岩石は淡褐色を呈している。 本文に記したように、御旅山ではいろいろな地質が観察された。 練り場から少し上った道路には、頁岩が分布している。頁岩は、黄土色に風化している。 少し上ると、火山礫凝灰岩に変わる。頁岩とその上に乗る火山礫凝灰岩の境界が、道路脇の露頭で明瞭に観察できる(写真上)。 火山凝灰岩には、最大20cmの火山岩塊が含まれている。また、2〜3mm程度の火山豆石を少量ではあるが見出すことができた。 97m小ピークを下ったコル付近には、流紋岩が分布している。流紋岩には、自破砕構造を示す部分がある。また、流理構造による縞模様が明らかな部分もあった。 |
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