大岡山(652.4m)  豊岡市   25000図=「神鍋山」「栃本」


スキー場跡を登って真白い山頂へ

大岡山山頂へ

 兵庫でスキー場以外の雪山を滑ろうと思っても、木々がじゃまをしたり、斜面が急すぎたりして、なかなかいいコースが思いつかない。それでは、もう廃止されたスキー場ならどうだろうということで大岡山へでかけた。

 大岡山は、神鍋山の東に位置する標高652.4mの山である。スキー場は、2007年に廃止され、夏場はゴルフ場となっている。

 山宮の集落を抜け、南麓の標高393mヘアピン地点からとりついた。ブッシュを分けて、ジグザグに急斜面を登った。雪の深さは40cmほど。大部分が、ここ2,3日に降った新雪である。くるぶしまでのラッセル。表面が融けはじめて、スキーが重い。枝についた雪が融けて、ポタポタと落ちてきた。
 そのうちに夏道に出会った。夏道も木々を縫って急斜面をジグザグに上っていた。やがて傾斜が緩くなって、尾根が曲がったところで傾斜を失った。
 尾根は、コナラやリョウブなどの雑木林とヒノキ林を分けていた。ときどきヒノキの木から、大きな雪のかたまりがドサッと落ちてきた。

木々を縫って登る

 尾根にロッジ風の建物(大阪商業大学山の家)が建っていた。その横の大きなコナラの木の下にザックを置き、その上に座って弁当を広げた。シジュウカラがさえずった。もう春だ。イタチが林から出てきた。数歩走っては立ち止まり、あたりを見回しては、また数歩走った。

 ロッジの上の急斜面を苦労しながら登ると、大きな建物(園田学園大岡山グリーンキャンパス)の裏に出た。その建物を回り込んで、道路を一本渡るとゴルフ場が広がっていた。
 真白い雪原、その上の青い空、空には大きな積雲がゆったりと動いている。広くゆるいスロープが山頂に向かっていた。
スキー場跡(ゴルフ場)へ

 雪原の真ん中を、一人歩く。もう、行く手をさえぎるものはない。横手から、スノボーを持った二人連れがつぼ足で登っていた。
 雪原は、傾斜を変化させながら長く続いた。高みに向かって、左回りにゆるく曲がって進むと、小高い丘が見えた。その丘に立つ大きなアカマツの木の下が、大岡山の山頂だった。
 

登路を振り返る

 展望は南に開けていた。東床尾山、西床尾山、粟鹿山、須留ヶ峰、妙見山……。粟鹿山山頂部の北面が、雪を張り付けて真白く光っていた。

 さあ、シールをはずして滑ろう!
 しかし斜面は緩く、雪は重く、スキーはほとんど真っ直ぐに進んでいった。
 グリーンキャンパスから、東に広がる道路網を使って下りようとしたが、さんざん迷った。体力も時間も使い果たして、ようやく目印の昼食地点に戻った。そこから、スキーをかついでツボ足で急斜面を下った。

山頂より粟鹿山を望む

山行日:2011年3月5日

行き:南麓393mヘアピン地点〜大阪商業大学山の家〜園田学園大岡山グリーンキャンパス〜大岡ゴルフ場〜山頂
帰り:山頂〜園田学園大岡山グリーンキャンパス〜(東の斜面で道に迷って行ったり来たり)〜大阪商業大学山の家〜南麓393mヘアピン地点
 国道482号線を栃本の手前で右に分かれ、山宮を過ぎてヘアピンカーブ地点へ。ここまで、除雪は完全。このカーブ地点には小屋が建っていて、そこに「標高393m」と表示されていた。小屋の横に車を止めて、そこから山にとりついた。
 尾根をほぼ真っ直ぐに北へ。「大阪商業大学山の家」と「園田学園大岡山グリーンキャンパス」の建物を過ぎると、ゴルフ場の雪原に出た。雪原を北へゆるく登ると山頂に達した。

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