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六甲の新緑、長峰山から新穂高へ 六甲駅で阪急電車を降りると、ビルの上に長峰山が見えた。橋を渡ったところで大きな通りを右に折れ、階段状に流れる六甲川の水を見ながら歩く。 六甲川を離れて市街地の急な坂を登ると、山すその登山口にたどり着いた。 登山口の草むらに小さな花を付けているはトキワハゼ。オオイタドリの茎をかむと、酸っぱくてなつかしい味がした。
山は新緑にあふれていた。アベマキやコナラの幼い葉がみずみずしい。モチツツジはまだ、ピンクの花を残している。近くでツツドリが鳴いていた。 砂防堤を越えると、それまで谷沿いだった道は斜面をトラバースして尾根に上った。急な坂に、クスノキの芳香が漂った。マテバシイの大きな木が多くなり、林床にササが現れた。コマユミが黄緑色の小さな花を付けていた。 標高600mあたりまで登ると、尾根が広がり高原状となった。登山道の岩の間に、シハイスミレが咲いていた。
傾斜のゆるんだ尾根を西へ進んだ。登山道には、アカマツやソヨゴの葉を透かして光が降り注いでいた。
小さなピークを2つ越えると、長峰山の山頂「天狗塚」に達した。
山頂には、広さ6畳ほどの岩盤がゆるく傾いて広がっていた。花崗岩の冷却節理が岩を縦にいくつにも割って、溝をつくっている。溝の広くなったところに、三角点が埋められていた。
山頂から緑のトンネルを急角度で下った。山頂西のコルは、ヤブツバキの純林。落ちたツバキの花が、登山道を赤く染めていた。次のピークを越え、分岐を左に進んだ。上り下りを何度か繰り返しながら進むと、杣谷峠に達した。
ドライブウェイに戻る手前から徳川道に入った。道が谷を下り始める手前に、新穂高の登山口を示す小さな標識が掛かっていた。
クマザサの下にかすかな踏み跡があった。リョウブやコナラの新緑をくぐり、クマザサを分けて進んだ。
木々の間にようやく見えた新穂高は、新緑に柔らかく包まれていた。
標高590mのコルから、クマザサに胸まで埋まって踏み跡を登ると新穂高の山頂に達した。雑木に囲まれたこの狭い山頂に、かまぼこ板の山名プレートが一つ掛けられていた。
609mピークから、送電線鉄塔を目印に急なザレ場を下った。ニガイチゴが咲いていた。徳川道に下りて南に進んだところが桜谷出合。
山行日:2012年5月5日
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| 阪急六甲駅〜長峰山登山口〜長峰山山頂「天狗塚」(687.8m)〜杣谷峠〜穂高湖〜徳川道新穂高登山口〜新穂高山頂(648m)〜609mピーク〜桜谷出合=(桜谷道)=摩耶山山頂(702m)〜ロープウェイ駅 |
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| 六甲駅から長峰山までは、一般的な登山道。GWでも静かな登山を楽しむことができた。 穂高湖の周りには、遊歩道が整備されている。 徳川道の新穂高登山口は分かりにくい。標高590m地点に小さな木の標識が掛かっている。 新穂高山頂から、西の609mピークに寄って、南西に下る。桜谷出合から桜谷道を上って摩耶山にたどり着いた。 |
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| 山頂の岩石 後期白亜紀 六甲花崗岩 黒雲母花崗岩 |
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今回コースで観察できた花崗岩は、中粒〜粗粒で、主に石英(灰色透明)、斜長石(白)、カリ長石(ピンク)、黒雲母(黒)から成っている。また、少量の普通角閃石を認めることができるものもあった。 六甲花崗岩がピンクっぽく見えるのは、ピンク色のカリ長石を含んでいるためである。 また、長峰山までの登山道でひん岩の岩脈が見られた。暗灰色、珪質で、一部に流理構造が観察された。 |
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