暁晴山F(1077.2m)      神河町    25000図=「長谷」


峰山スキー場から暁晴山へ

峰山スキー場から望む暁晴山

 砥峰高原から峰山高原までスキーで往復する予定だった。それが、砥峰高原に上がってみると雪はまばら。二つの高原をつなぐ道にも雪があったりなかったりで、スキーで歩けそうもない。
 そこで、峰山高原スキー場へ移動し、そこから暁晴山へ登ることにした。

センターコースの端を登る

 昨年度、オープンしたばかりの「峰山高原リゾート」。夏は「グリーン・ピーク」、冬は「ホワイト・ピーク」と洒落ている。スキー場は、日本一新しい。

 スキー場まで、雪はほとんどない。ガードレール下や、北面の日陰にわずかに残っているだけだった。
 しかし、スキー場は真っ白で全面滑走可。人工降雪機と高山の低温と、関係者の努力のたまものである。これなら、スキーで登ることができる。
 3つのコースの中で、センターコースを登ることにした。

 リフトが動き始めたばかりで、ゲレンデのボーダーやスキーヤーの姿はまばら。じゃまにならないよう、コースのいちばんはしっこを歩かせてもらう。

 雪面は凍って硬く、新雪がその上をうすくおおっている。シールはよく効いて、暖斜面を快調に登っていった。
 傾斜は少しずつ急になっていくが、それでもこのコースは真っ直ぐに登っていくことができる。スキー場に流れる音楽をバックに、シールが軽快な音を立てた。

スキー場の上へ

 コース脇には土が表れ、そのところどころに大きな岩が転がっていた。峰山高原特有の青っぽい安山岩質の溶結凝灰岩。火山岩塊や火山礫を多くふくんでいる。
 淡褐色に風化した表面は軟らかく、他の岩とこすれ合ったところが筋を描いていた。
 
峰山の溶結凝灰岩

 スキー場のいちばん上、リフト降り場の手前からコースを外れた。目の前には、山頂下の雪の斜面。枯れたススキが束になって、あちこちで顔をのぞかせている。
 スキー金具のかかとを一段高くして、この斜面にとりついた。ススキの束を縫いながら、雪のあるところを選んで登っていく。
 雪は横たわったススキの上に薄くて、ときどき割れてスキーが沈んだ。
山頂へ

 斜面を登り切ると、雪はほとんどなくなった。ラストは、スキーをかついで山頂へ。

 アンテナの林立する暁晴山の山頂。
 今日は、北の風が強かった。岩の上に置いた腕時計の温度計は、18℃からぐんぐん下がって-1℃を示した。体感温度はさらに低い。
 すぐ下に、スキー場が見える。人が大分多くなってきた。スキー用のヘルメットをかぶっているため、スキー場の音楽が小さくしか聞こえない。それより、野鳥の声があまり聞こえない。ヘルメットをかすめる風の音だけが強調された。

暁晴山山頂

 空半分に、低くて暗い雲が広がっていた。
 北西の高い峰々は、その雲の下でかすんでいる。氷ノ山は、山頂を雲に隠されていた。赤谷山が、氷ノ山の左で、斜光を受けて雪の山頂を淡くオレンジ色に染めていた。
 三室山の山肌は白いが、黒尾山にはほとんど雪がないように見える。その左に、西播磨の低い山々が墨絵のように重なっていた。

南西の山々(左に宮山、中央に長水山)

山行日:2019年2月21日

峰山スキー場〜暁晴山(下りはスキー場のコースを滑る)
 峰山スキー場まで、シーズン中は完全な除雪。今回、歩いたセンターコースは全長1170mである。

「兵庫の山々 山頂の岩石」 TOP PAGEへ  登山記録へ