湊のアンモナイト                                        
アンモナイトと二枚貝の化石を発見



写真:湊で採集したアンモナイト

 HP「白亜の窓」の小西逸雄さんに、このアンモナイトはプラビトセラスではないかと教えていただいた。プラビトセラスとは淡路島の西淡累層に特徴的に産する種であり、巻きの最後がS字型に湾曲した”異常巻き”アンモナイトである。
(太さ:3.4cm、この部分の長さ:9.5cm)

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 淡路島には、和泉層群と呼ばれる白亜紀に堆積した地層が分布している。これは、白亜紀に活動した中央構造線の北側にできた堆積盆に、たまった地層である。
 湊の海岸には、和泉層群の下部にあたる西淡累層が露出している。ここの地層は、砂岩と泥岩のリズミカルな互層である。かつては、アンモナイトがよくとれる露頭として知られていたようだが、今回行ってみると、テトラポットが地層の多くの部分を隠していた。化石を探すには、テトラポットの切れ目で地層が露出している部分の岩石をたたくことになる。
 1時間ぐらいの間に、私が写真のアンモナイトの化石を、同行した私の子が二枚貝の化石を取り出すことができた。この露頭は、潮が満ちると水面の下に沈んでしまうので、干潮の時に行かなければならない。
 学生の頃、北海道でアンモナイトの化石がいっぱい出てくる沢を歩いたことがある。ノジュールという白っぽい石灰質の丸い固まりをハンマーでたたくと、よくアンモナイトの化石が出てきた。化石を採って売ることを職業にしている人達とも出会うような沢であった。
 今回のアンモナイトは、その時以来である。化石を発見したときの何ともいえない感動を思い出した。

■岩石地質■ 白亜紀 和泉層群西淡累層 砂岩・泥岩の互層
■ 場 所 ■ 南あわじ市湊 25000図=「福良」
■ 交 通 ■ 県道31号線を湊の市街地より1.5kmぐらい西に進んだ海岸
■探訪日時■ 1997年10月11日


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