| 伊勢山(353.0m)〜空木城跡(270m) 姫路市・夢前町 25000図=「姫路北部」「前之庄」「龍野」「安志」 |
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標高353m、姫路市の北西部に位置する伊勢山は、山頂部の切り立った岩が豪快な景観をつくり出している。雑木林に開かれた小径を谷から尾根へと上り、山上の岩峰へ。伊勢山からは、北西の尾根伝いに空木(うとろぎ)城跡まで足を伸ばした。梅雨空で視界には恵まれなかったが、変化に富む山歩きが楽しめた。
やがて径は沢を離れ、山の斜面を上っていった。ヒノキの植林が現れたが、すぐに雑木林に戻って径は尾根上の小径となった。コナラ、ソヨゴ、アベマキなどの高木が多くなり、コシダが林床を敷き詰めている。湿気で蒸れた林内に、ウグイスの鳴き声が軽やかに響いた。
岩窟横の分岐から、北西へ伸びる尾根を進んだ。灌木とコシダの中の消えかかってはまた現れる道をたどって、370mピーク空木城跡へ達した。細長く伸びた平坦面が、かつてここに城があったことを今に伝えている。「赤松遠見の城」とも呼ばれたこの城で、原田大炊助は置塩城最後の城主赤松則房と命運を共にしたという。コザサにおおわれ、ネズミモチが白い筒状の花をつける城跡に、霧雨が降り、あたりが白くけぶった。
岩窟横の分岐に戻り、伊勢山本峰に向かう。西峰北端岩壁から見たときに、小振りながら尖った頂を突き上げていたのは、本峰手前の340mピークであった。このピークを越えて、伊勢山本峰にたどり着いた。西峰とは対照的な、木々に囲まれた静かな山頂であった。 山行日:2003年6月15日
※「伊勢山西峰北端岩峰」、「伊勢山本峰」、「神坐の窟」の名や「空木城跡」に関しての記述は、『はりま歴史の山ハイキング』(横山晴朗、2003)から引用しました。 |
菅生川に沿った車道を、打越の交差点で西へ折れ、北西へ進んで緑台の最奥へ。「姫路打越 木もれ日の森」の駐車場に車を止める。駐車場に隣接した「ヤマザクラ広場」から、沢に沿って一本の小径が続いている。途中、東へ東尾根分岐、西へ展望広場分岐(284mピークの展望広場・あずま屋を経由してヤマザクラ広場へ続く道)があるが、沢沿いの小径をそのまま直進して、伊勢山西峰の南尾根にとりつく。尾根道を上り、西峰の316mピークを越えて西峰北端岩峰へ達する。 |
| ■山頂の岩石■ 流紋岩質多結晶凝灰岩 (白亜紀 相生層群伊勢累層) 伊勢山には、相生層群伊勢累層が分布している。西峰に露出しているのは、石英・長石・黒雲母・角閃石などの結晶片を多量に含む流紋岩質多結晶凝灰岩である。全体的に風化による変質が進み、褐色を呈する。産状は、塊状で不規則な割れ目がおおまかに入り、風化面は凹凸に富んでいる。 山体の他の部分も同様の岩石から成るが、西峰の南尾根や本峰の南東尾根の一部で黒色頁岩などの岩片を多く含む緑色の凝灰岩(「長石」に似ている)が分布している。 |