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入相山② (780.0m) 神河町 25000図=「粟賀町」「生野」 岩屋から大屋峠を経て入相山へ map 四方を山に囲まれた神河町。市川と福知川が流れ出る谷底平野の他は、峠道によって隣りの町とつながっていた。
道は水の枯れた沢を渡っていたが、そこでは完全に崩れていた。地層の現れた岩盤がむき出しになっている。沢をおおうアカメガシワは果実がふくらみ始めて、先端に残る花柱が茶色に色づいていた。
谷はガレ石で埋まっていて、その中に峠道は消えた。ガレ石の上は歩きにくいので、右のスギ林にもぐりこんだ。
道がそれたことに気がついた。もとの地点まで戻り、方角を確認してガレ石の谷を進む。
道跡はやぶにおおわれていた。ミツマタを手で分けて進むが、ときどきサンショのトゲが体にささった。ジャケツイバラのトゲは返しがついていて、もっとやっかいだった。体に一度まとわれると抜け出すのに手間がかかった。
標高620m・・・。655mの峠まであと35m・・・。
峠で時間をとってゆっくりと休んだ。十分に給水し、おにぎりを食べる。ここからは、尾根に広い道がついていた。
ウラジロノキの新しい葉が落ちていて、その白さがきわだった。
山頂は木々に囲まれていたが、木々のすき間から東だけ眺望が開けた。
妙見山の右手には、幾重にも山並みが重なっていた。空は層積雲におおわれていたが、視程の良い日だった。遠くの山ほど青くて淡い。いちばん遠くに、京都の地蔵山から愛宕山への稜線が浮かんでいた。
入相山の山頂から北東へ尾根を進んだ。750mのピークを越えると、あとは高坂峠へと下るだけだった。
山行日:2023年8月5日
賽の神の大岩~大屋峠~入相山~662mピーク手前のコル~高坂峠 map |
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| 岩屋から大屋峠への峠道は、途中で消える。谷を埋めるガレ石の上を、ヤブを分け、倒木を乗り越えて登っていった。 大屋峠から入相山山頂を経て662mピーク前のコルまでは、尾根道が続いている。コルから、沢に沿って下っていくが、途中ガレ石の中に道が消えているところがある。 高坂峠に置いていた自転車で、賽の神の大岩へ戻った。 |
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| 山頂の岩石 白亜紀後期 笠形山層 溶結火山礫凝灰岩 |
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大屋峠から入相山、高坂峠の尾根には、笠形山層の溶結火山礫凝灰岩が分布している。特徴的な赤褐色で、石英・斜長石・カリ長石・黒雲母の結晶片に富んでいる。このうち、野外では石英の結晶片がぎらぎらとよく光って目立つ。黒雲母は変質している。普通角閃石も少量ふくまれている。この地層は、火砕流堆積物と考えられる。 賽の神の大岩から旧峠道の標高350mあたりまでは、成層した緑色の溶結凝灰岩の地層が見られる。斜長石とデイサイトの岩片をふくんでいる。この地層は、火砕サージ堆積物と考えられる。 高坂峠からの峠道には、デイサイト溶岩が分布していた。
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