藤ヶ峰(941.9m)~南千町ヶ峰(985.6m) 神河町・宍粟市 25000図=「長谷」「神子畑」 若葉の森と森の海老フライ map 風薫る五月、神河町と宍粟市の境界尾根に並ぶ藤ヶ峰から南千町ヶ峰を歩いた。
取付き地点には、ロープが下がっていた。ロープを伝わって、ヒノキ林に入る。落ち葉の上にうっすらとついている踏み跡をたどると、境界尾根に出た。
尾根の急坂の途中に「地籍図根三角点」が立っていた。
木肌にクマの爪痕があった。そんなに新しくはなかったが、コンパスの横にぶらさげている笛を慌てて吹いた。
小さなピークを下ったコルから登り詰めると、藤ヶ峰の山頂にたどり着いた。三角点の横に、「宍粟別選5名山」の標柱が立っている。
山頂を北に下ると、尾根が広がった。落ち葉で埋まった地面に、かすかに踏み跡がついている。
ときどきホオノキの大きな葉が空をおおっていた。丸い形の葉をつけた木があった。葉を持って帰って調べると、コハクウンボクだとわかった。
917mの小さなピークを過ぎると、ほとんど平らになった。地面に這う木の根やその間にたまった落ち葉を踏んで進んだ。
鉄塔を過ぎると南千町ヶ峰の山頂が近づいてきた。ケヤマハンノキの老樹が数本立っていた。幹の下の方に、無数のコブをつけている。この高所で、何年も風雪に耐えてきた風格のある姿だった。
若葉の林を抜けると、南千町ヶ峰に達した。三角点は上空を木々に囲まれ、低いところをアセビに縁取られていた。アセビの若葉は、やわらかいオレンジ色をしていた。
南千町ヶ峰を東へ下った。午後2時を過ぎ、日が陰ってきた。若葉の林にもう日の射すことはなかった。クロツグミがずっと鳴いていた。
山行日:2022年5月18日
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スタート~藤ヶ峰(941.9m)~南千町ヶ峰(985.6m)~ゴール map |
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ゴール地点に自転車をデポして、森林基幹道「千町・段ヶ峰線」の起点に車を止める。そこから、福知川に沿って10分ほど道を下れば藤ヶ峰への取付き地点(スタート地点)に着く。 ロープを伝って山に入る。踏み跡程度の道が、境界尾根に沿ってゴールまでついている。途中、尾根が広がって道がわかりにくいところがあるが、ピンクのテープを見落とさないように進む。 ゴールのあと、自転車で林道を2.8km下って始めの林道起点に戻った。 |
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山頂の岩石 白亜紀後期 段ヶ峰層(仮称) 溶結火山礫凝灰岩 |
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多くの石英(Q)・長石(F)と、少しの黒雲母・角閃石を結晶片としてふくんでいる。 左の写真では見られないが、軽石がレンズ状に伸ばされた溶結構造が肉眼でも観察できるところがある。また、数mm~数cmの粘板岩などの岩石片がふくまれている。 段ヶ峰で見られる溶結火山礫凝灰岩と同じ岩相である。 |
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