不動の滝 神河町 25000図=「丹波和田」「但馬新井」「生野」 不動の滝から白口峠へ map 越知川の向こうに、「不動の滝」が見えた。朝日に映える新緑の中で、おとといの大雨で豊かな量の水が白い筋となって落ちていた。
滝の左に掛けられた鉄の階段を登る。途中で小沢を渡ると、階段の勾配が急になった。階段を登り切ったところが、滝の上の「かっぱのさら」見晴台。
階段を下り、沢に沿った遊歩道を進む。
滝の右の切り立った崖に狭い谷があって、そこを流れる水が滝の下で合流している。その谷を下から見上げると、洞窟が見える。
坑口から滝の下に戻る。滝の左に丸太階段が上っていて、ここを登ると滝の上段の下に出た。ほとんど水は真上から落ちてくる。
道はここまでだった。滝の左手の急な斜面を登ることにした。 地面に出た木の根や岩、木の幹に手足をかけて登っていく。岩の上のコケは水をたっぷり吸いこんでいて、岩に手をかけると手袋がぐっしょり濡れた。 少し傾斜がゆるんだところで右へ回り込むと、千檀の滝の落口の上に出た。 そこからも急な斜面がしばらく続いた。ようやく緩くなってくると、谷がいくつかに分かれるところがあった。方向を左に取りながら進んでいくと、谷の上に杣道がついていた。 杣道は谷を何度も回り込みながら、ほとんど水平に南へ向かっていた。このまま進むと、いくらたっても目ざしている林道に出ることができない。 杣道に別れ、尾根を登って林道に出た。 林道脇の切り株に座って一休み。登山靴も手袋もどろどろになっていた。ミソサザイの声が聞こえてきた。 林道はどんどん進めた。道はスギゴケやゼニゴケの仲間、マツカゼソウやチドメグサなどにおおわれていた。 小さなコルから尾根道を歩いた。尾根も切り開かれていて歩きやすかった。あたりはスギやヒノキの植林地。 林床に、シキミが枝を広げて芳香を漂わせている。先ほどから、ツツドリがずっと鳴いていた。 ひと登りしたところが、標高805.5mの点名黒尾のピークだった。三角点の標石は、落ち葉や枯れたシダによって半ば埋まっていた。 地面をおおうヒカゲノカズラは、先端がふくらんで白い毛が集まっている。その白が陽光を受けて目立った
尾根を西へ緩く下っていく。倒木が多くなってきた。コルから登り返すと、地籍図根三角点のあるピークへ達した。
尾根道をさらに進んでいくと、道が広くなった。尾根道がそのまま作業道になっていた。
三角点を南に進み白口峠に下った。
山行日:2023年5月9日
スタート(大歳神社前)~不動の滝(水ヶ野滝・千壇の滝)~805.5m三角点(点名黒尾)~682.0m三角点(点名白口)~白口峠 map |
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ゴールの白口峠に自転車を置き、新田の大歳神社から歩き始める。 千壇の滝まで遊歩道がある。千檀の滝から谷に沿って登り、杣道に出る。杣道から林道に出て、尾根を西に進み白口峠に下る。尾根には切り開きがあり、途中から作業道となる。 |
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山頂の岩石 白亜紀後期 生野層 安山岩 |
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今回歩いた尾根上には、生野層の安山岩が分布している。風化していることが多いが、新鮮な安山岩は灰色で、緻密で硬い。斑晶として長柱状の斜長石と短柱状の単斜輝石をふくんでいる。単斜輝石は緑簾石などに変質していることが多い。この安山岩は、越知川をはさんだ千ヶ峰に分布している安山岩と同じものだと考えられる。 一方、不動の滝は流紋岩質の溶結凝灰岩にかかっている。強く溶結していて、石英の結晶片がよく目立つ。 不動の滝の入口では、成層した頁岩の地層が見られた。 |
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