宝 珠 山  (180m)      赤穂市                       25000図=「相生」

花と陽気に誘われて、海辺の丘陵・宝珠山へ

宝 珠 山 ひょこりひょうたん島の生島

 春休みの一日、子供たちを山に誘い出した。といっても、なかなかすぐにはのってこなかった。そこで、花見に行こうということにした。コンビニで一番デラックスな弁当を買って、おやつも持っていこう!岩石ハンマーを振り下ろす回数も減らすからと……。

石段の上から

 花見なら、桜満開の低い山がいい。赤穂市の宝珠山にした。

 大避神社の横の公園は、桜にこんもりとおおわれ
て、その下でゲートボールの音がのどかに聞こえた。神社の左の小さな沢にかかる橋を渡ると、明るく広い石段に出た。ここも、桜に彩られている。石段の上から見下ろすと、桜の花の向こうに青い海が透けて見えた。
 妙見寺から広い道に出た。常緑樹の緑の中にミツバツツジが桃紫色に咲いている。今日は、わずかの距離しか歩かない。親子三人でゆっくりゆっくり歩いていった。

奥の院の桜の下で

 妙見寺奥の院の前に、桜が一本咲いていた。その下にビニールシートを広げ、弁当を開いた。「卒業式の前に、グランドに桜を植えたんや。穴を掘ったら、砂利が出てきてその下には電線が通ってたんや。一人の生徒がな、電線まで根が伸びたら、桜の木が光るなって言っとった。」親子三人だけで、けっこう盛り上がった。
 弁当を食べ終えて、さあ山頂へ。「私はな、もう帰ってもえんやけど。」と娘。 「まあ、そんなこと言わんと……。」

 聖観音像の立つコルを左に折れ、まず茶臼山へ。
 千種川の先に瀬戸内海が光っている。河口は、小さな丘に隠れて、あと少しというところで見えない。「河口いうて何?」という娘に、兄が説明している。目を左に移せば、ひょっこりひょうたん島の姿そのものの生島が原生林をこんもりと乗せて、海に浮かんでいる。
 もう一度、先ほどのコルに戻り、上り返してツツジ咲く路を宝珠山へ。茶臼山の山頂から、「第三十一番 土佐ノ国 吾台山」などと彫り込まれた石仏が次々と現れる。四国八十八カ所霊場の石仏が、妙見寺から茶臼山を通り宝珠山へ巡らされているのである。「今度は、何番や」と、娘が先頭を歩き始めた。
 宝珠山の山頂は、丸く小高い丘である。伐採された跡に、ウバメガシが疎らに伸び始めていた。まだまだ、先へも行きたいが、今日は花見に来たことになっている。そろそろ、ここらで引き返そう。

山行日:2002年3月30日

山 歩 き の 記 録

行き:大避神社〜妙見寺〜妙見寺奥の院〜聖観音コル〜茶臼山山頂(160m)〜聖観音コル〜宝珠山(180m)

帰り:宝珠山〜宝珠山北東コル(140m+)〜宝珠山〜聖観音コル〜妙見寺〜大避神社

 赤穂市坂越の大避神社前の駐車スペースに車を止める。大避神社の左奥からの道を進むと、小沢に橋(金欄橋)がかかっている。この橋を渡ると、アスファルトの道に出るが、その道を横切って土手を上ると広い石段が見えた。桜の下のその広い石段を登っていくと、山の斜面にもたれた懸け造りの妙見寺観音堂に達した(石段から妙見寺まで、地形図破線路)。
 妙見寺の上で、石段の下で分かれたアスファルトの道(地形図実線路)に再び出た。ミツバツツジが所々に咲く、気持ちのよい道である。妙見寺奥の院で、弁当。茶臼山と宝珠山の間の、聖観音の立つコルに達する。
 まず、アンテナの立つ茶臼山に上り、このコルに戻ってから宝珠山に上った。
   ■山頂の岩石■ 白亜紀後期 赤穂層   流紋岩質凝灰岩

 茶臼山への道沿いに、好露頭がある。岩石は、帯青灰色のガラス質流紋岩質凝灰岩である。石英の斑状結晶が多く含まれている。基質は緻密であり、肉眼観察であるが、ガラス質に見える。全体的に形質で、硬い。風化の進んでいる部分は、全体的に白っぽくなっている。

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