兵庫の山々 山頂の岩石
「石と地層と地形を楽しむはりま山歩き」
橋元正彦

を紹介します
2021年11月12日 第1刷発行
2022年 4月15日 第2刷発行


 CONTENTS

はりまの大地はどのようにしてできたか
はりまの地質形成史

1 比延山(西脇市) コラム「山はなぜできるのか」
2 黒滝から赤松峠(三木市) コラム「帝釈山地の山々」
3 雄岡山・雌岡山(神戸市) コラム「水晶の採集」
4 屏風ヶ浦(明石市) コラム「明石市立文化博物館」
5 高峰神社から愛宕山(加西市) コラム「文化財は大切に」
6 加西アルプス(加西市) コラム「播磨に石造文化をひらいた長石(おさいし)」
7 小野アルプス(小野市・加古川市) コラム「流紋岩のいろいろなつくり」
8 大藤山(加古川市) コラム「花崗岩をつくる鉱物」
9 石の宝殿から竜山(高砂市) コラム「三色の竜山石」
10 砥峰高原から夜鷹山(神河町) コラム「砥峰高原のススキの草原」
11 峰山高原から暁晴山(神河町) コラム「峰山高原の周氷河地形」
12 川辺城山(市川町) コラム「層状チャート」
13 日光寺山(福崎町・市川町) コラム「日光寺山のフズリナ」
14 桶居山(姫路市) コラム「桶居山のいろいろな岩石」
15 増位山からそうめん滝(姫路市) コラム「山頂部はなぜ平ら?」
16 蛤岩・蛤山から舟越山(姫路市) コラム「姫路平野の小さな丘」
17 麻生山から仁寿山(姫路市) コラム「火山豆石」
18 千町岩塊流から段ヶ峰・フトウガ峰(宍粟市) コラム「溶結凝灰岩にできる節理」
19 一山(宍粟市) コラム「舞鶴帯の地層」
20 ダルガ峰(宍粟市・岡山県西粟倉村) コラム「火山とは」
21 国見山(宍粟市) コラム「山崎断層帯」
22 飯野山城跡(佐用町) コラム「鉱山跡で鉱物を見つけよう」
23 屏風岩・鶴觜山(たつの市) コラム「風土記の中の屏風岩」
24 宮山(相生市) コラム「カルデラの縁に貫入した流紋岩」
25 ビシャゴ岩(赤穂市) コラム「カルデラの痕跡」
26 赤穂御崎・唐船山(赤穂市) コラム「カルデラとコールドロン」
27 家島(姫路市) コラム「家島諸島の地形と地質」「コウナイの石と石神」

はりまの石を見分けよう
はりまの石 ミニ図鑑

「本書をお使いになる前に」より
 
  山の歩き方は人それぞれですが、花や木の名前がわかったり、鳥の鳴き声がわかってくると楽しくなってきます。それと同じように、今歩いている山がどのような岩石でできているがわかってくると、これもとても楽しいのです。岩石や地層は、ここで過去の地質時代に何が起こったのかを教えてくれます。地層が南の海からプレートに乗ってやってきたり、カルデラをつくるようなとてつもなく大きな火山噴火があったり、湖の底で静かに泥や砂がたまったりと、そんな大昔のはりまの姿が目に浮かんでくるのです。

本書は、はりまの山々を歩きながら地質や地形を楽しむための案内書です。紹介した27のコースは、できるだけ多様な地質を取り上げられるよう、また地域にかたよりがないように選びました。自然への関心は採集から始まることがよくあります。そこで、水晶やフズリナ化石、火山豆石などの採集や、海辺の小石集めなどもコース紹介の中で取り上げました。

はじめに、「はりまの大地はどのようにしてできたか」を読んでいただくと、はりまの大地の歩みが大まかにつかめます。また、「はりまの石を見分けよう」には、はりまで見ることのできる岩石の解説と写真を載せています。本書の中や実際の山歩きでわからない岩石が出てきたら、ここを参考にしてください。少しずつ見分けることができる岩石がふえればいいと思います。「ここには、どんな石が出ているのかな?」と、山を歩くときにちょっと石を見ることから始めてください。


山と渓谷(2022年3月号) 「読む 注目の本」
日本地質学会News(Vol.25 No.1 January 2022) 「紹介」
神戸新聞広告(2021.11.28)
神戸新聞 発言欄 「福浦のビシャゴ岩へどうぞ」(2022.03.11)
赤穂市福浦 地域の便り「ビシャゴ岩 赤いポスト」(2022.03.10)
地学研究Vol.67 No3・4(2023)「本の紹介」