朝日山(88m) 姫路市 25000図=「網干」 ウォーキングで親しまれる風土記の山 朝日山は、JR網干駅のすぐ北の小さな山である。標高わずか88m。
朝日山の山体は、沖積平野の中にぽっかりと突き出ているので、平地と山地の境界はシャープだ。山脚を流れる水路に沿って、西へ歩いた。
ゆるい坂を登っていくと、林が途切れて明るくなり、小高い丘の上に六角屋根の東屋が建っていた。標高44.5mの三角点が埋まる和久山の頂である。
南側にベンチがあって、そこから網干の街並みやその向こうの工場地帯が見渡せた。
和久山から、植樹された桜の中の道を進んだ。桜の枝越しに見える朝日山が意外と大きい。少し下ると、車を置いた朝日山公園駐車場に出た。
車道を二度渡って、階段道を登っていくと仁王門に達した。朱の色はあせているが、二体の仁王像も健在な風格ある建物である。
仁王門をくぐり、急な石段を登ったところが大日寺の境内だった。
五智如来石仏の横に石段があり、そこを登ると朝日山の最高点である。そこはコケにおおわれた平地で、聖天堂と英霊供養塔が建っていた。 山行日:2017年1月4日
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朝日山公園駐車場〜船つなぎ岩〜厳島神社〜和久山(44.5m)〜朝日山公園駐車場〜大日寺〜朝日山山頂(88m)〜朝日山公園駐車場 | |||||||||||||||||||
山全体が総合公園として整備され、各方面から大日寺に向かう遊歩道がつけられている。駐車場は、和久山と朝日山のコルにつくられた朝日山公園駐車場が広い。 | |||||||||||||||||||
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山頂の岩石 白亜紀 伊勢累層 火山礫凝灰岩 |
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播磨平野には、お椀を伏せたような小山がいくつも点在している。これらの小山をつくっているのは、丹波層群の堆積岩、あるいは白亜紀後期の火砕岩類である。朝日山は、後者にあたる。 山頂下の車道脇に大きな露頭がある。ここで観察されたのは、緑灰色の火山礫凝灰岩である。数cm以下の無斑晶の流紋岩、黒色頁岩、淡灰色のチャートなどの岩片を多く含んでいる。結晶片として、長石と少量の石英が観察された。 和久山山頂の南側にも大きな岩盤が広がっている。ここの火山礫凝灰岩は風化が進み、褐色でもろい。1〜3cmの流紋岩や黒色頁岩の火山礫を多く含んでいる。流紋岩の火山礫の中には、流理構造による縞模様が明瞭なものが含まれていた。 厳島神社の境内では、角閃石ひん岩が見られた。青灰色で緻密な基質と、斜長石と角閃石の斑晶から成る硬い岩石である。この角閃石ひん岩には、1mm以下の黄鉄鉱が含まれていた。 |
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