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尼子山② 259.2m 赤穂市 25000図=「相生」 新緑の城跡と「尼子の大岩」 map 「赤穂岩山三山」というのがある。「ビシャゴ岩」の毘沙門山、「弁慶岩」の有年城山、そして今回訪れた「尼子の大岩」の尼子山である。
千種川の河川敷駐車場に車を止めて、下高野の田んぼの中の道を歩く。凛とした朝の空気に、牛舎からのなつかしい匂い。
落ち葉と木の幹の茶色、常緑樹の葉の濃い緑に囲まれたトンネルの中の道を進む。朝の木漏れ日が気持ち良い。
分岐を左にとってひと登りすると標高75mの「はげ山」。山頂のアラカシの若木に、小さな山名プレートがひとつ掛かっていた。木の間から千種川が見えた。
四合目を過ぎると、道は一旦緩くなった。足元のシダの葉は、茶色に枯れていた。
道はその岩盤の左を巻くように上っていた。急坂を登り切ってその岩盤の上に出ると、八合目の標識が立っていた。
八合目のすぐ上に上高野分岐。見上げると、もうここから山頂手前の石の鳥居が見えた。
山頂には尼子神社が建てられている。一対の灯篭や狛犬の奥に簡素な社殿。社殿の後ろや左には土塀の跡が残っている。社殿の右の境内に三角点が、ほとんど地中にうずもれるようになって頭だけを出していた。
尼子の大岩は、山頂を西にわずかに下ったところにあった。ちょうどいい具合に割れ目が斜めについていて、この割れ目に沿って登ることができる。
眼下には千種川が大きく湾曲して流れ、その両側に田んぼや住宅地の広がる平野をつくっている。平野の向こうには雄鷹台山や高山や高雄山などの山々。南に目を移すと、坂越の集落の上に播磨灘が淡い水色で広がり、家島諸島の島影がうっすらと浮かんでいた。
岩の後ろには、木々の樹冠が迫っていた。アカマツは、新しい枝先に開花した雄花をたくさんつけている。カナメモチが、サンゴのように枝分かれした先端に丸いつぼみをつけている。ウラジロノキは、白く粉を吹いたような若葉を広げようとしていた。
山行日:2025年4月30日
千種川河川敷駐車場~尼子神社(ふもと)登山口~はげ山~尼子山山頂~尼子の大岩(往復) map |
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| ふもとの尼子神社から山頂まで登山道が整備されている。四合目と八合目は展望所で、標識が立っている。「尼子の大岩」に登るときは慎重に。 前回は八合目の分岐から上高野に下りたが、今回は来た道を戻った。 |
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| 山頂の岩石 後期白亜紀 赤穂層 溶結火山礫凝灰岩 |
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岩石は流紋岩質の溶結凝灰岩である。暗灰色~淡灰色であるが、風化すると褐色に変化する。一部で火山礫に富むところが見られた。 左の写真は、尼子山山頂付近の溶結凝灰岩である。大きさ1mm程度の石英の結晶に富んでいる。長石は変質している。有色鉱物は観察できない。軽石や火山ガラスが引き伸ばされた溶結構造が明瞭である。 |
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