K−1 ファイティングイリュージョン 翔 |
B | |
エクシング | 7.9 | |
97/1/31 | 5800 | |
K−1を題材にした3Dポリゴン格闘。バーチャなどのインチキな技はなく、リアルに徹した作り。K-1のことはそれほど詳しくないが、個々の選手や技はかなり雰囲気が出ていると思う。特にK−1の売りである、ダウンシーンはとてもリアル。フックを食らえばフックを食らったように、ボディーを食らえばボディーを食らったようにマットに崩れ落ちる。製作者は凝るべきところを分かっている。 ゲームとしては、技が少なく、やり込む点もなく、底は深くはない。しかしゲームで重要な成りきり感は十分。プレイ中私は確かにフグでありホーストだった。 ゲーム的には、結局相手の体力を0にしたら勝ちという、よくある格闘ゲームになってしまっている。K−1の醍醐味である、一発入ったら勝ちというところが再現しきれていない。もうちょっとダウン率を高めても良かったのでは。スタミナゲージが今一つ有効に使われていないので、もうちょっと煮詰めればもっといいゲームになったと思う。キャンセルによる連続技もあるが、今一つこのゲームにマッチしていない。 オープニングがすごくかっこいい。そしてエンディングは必見。本物の選手達のモーションキャプチャーの現場がムービーになっている。リングの上では戦鬼の彼らだが、普段の素の笑顔を見ることができる。 CPUのアルゴリズムをいじって戦わせることができるモードがあるが、今一つ。戦いに勝てばちょっとずつ強くなっていくのだが、全然勝てない。見てるだけで単調なので、3回トライして3回とも居眠りしてしまってゲームオーバーになっていた。 |
CRITICOM |
E | |
ビック東海 | 4.1 | |
97/2/28 | 5800 | |
ポリゴン格闘。粗いポリゴンや洋ゲーの匂いのぷんぷんするキャラクターなど、味があって結構私好みだ。しかしながらゲームとしての出来は最低ランク。 技のコマンドがLを押しながらAだとか特殊で、かなり技が出しにくい。特に投げはL+R+前という変則コマンド。何度やっても出ないと思ったら、相手が投げられないキャラだった(怒)。バーチャ3のように避けがあるのだが、左避けと右避けが別のボタンで、自分の向きによって思ったのと逆の方向に行ってしまうことがしばしば。CPUはむかつくほどガードが固く、技ごとの威力などのバランスが全然取れていない。体力の半分のダメージを2回与えたら勝ちという変なルール。一見普通の3本制やセイバーのシステムかと思ってしまうが、なんのことはない、実は1本制ということ。リングアウトならその場で勝ち。1時間以上粘って6人ぐらいに勝ったが、ほとんどリングアウト勝ちだった。なんでも、全面クリアするには同じ敵に何度も勝たなくてはならないらしい。やってられるか。 BGMはなかなかかっこいい。 |
アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ |
D | |
TGL | 5.8 | |
97/3/14 | 7800 | |
2Dギャル格闘。ギャルは全てウェイトレスの制服を着ているという、かなり対象をピンポイントに絞ったゲーム。はなからゲーム性には期待していないが、18歳以上推奨ということで、付加価値に期待。一人倒すごとに多少露出度の高いCGが表示されるが、たったこれだけ?しかも無音&無言でただ表示されるだけなので、なんだか不気味。 必殺技が2つか3つしか無く、通常技も少なく、淡白な内容。一応超必殺もあるが、コマンドが全く取り説に載っていない。SEがおとなしいので、乱舞技を食らわせたところで爽快感に欠ける。 グラフィックや動き、レスポンスなどは、ギャルゲーの割には頑張っているほうかもしれない。少なくともプリティーファイターXの10倍は良く出来ている。しかしそれはアリンコとミジンコを比べるようなもので、カプコンの良作群と比べれば、どっちもどっちだ。 難易度はやたら低く、必殺技を出せば食らってくれるし、ガードされたところでまず反撃は受けない。正直負けることが難しいぐらい。難しすぎるよりはましだが、なんだか馬鹿にされた気分。 通常の勝ち抜き戦の他に、ストーリーモードもある。「VG・・・それは最強のウェイトレスを決めるべく年に一度開催される格闘技大会である。」などというアーパーな設定の割に、クローンが出てきたり、バシバシ人が死んだり、かなりメチャクチャ。でも割と面白かったが。 正直もうちょっとエロさが欲しかったところ。ヴァリアブルジオVSプリティーファイターとか作ってくれたら、結構いけるかも。 |
サイバーボッツ−フルメタルマッドネス− |
D | |
カプコン | 8.6 | |
97/3/28 | 5800 | |
ロボット同士の2D格闘。拡張ラム対応(必須ではない)。音声の新録、使用キャラが増えた、大判の限定版など、カプコンが気合を入れて作っているのは分かる。が、ゲームの出来は今ひとつ。 なにより、肝心要のロボデザインがイマイチ。どいつもこいつも、どうでもいいようなスタイルだ。大河原邦男氏とか永野護氏あたりにデザインを頼めればいいんだけど。個々の技もあまりカッコよくなく、爽快感も乏しい。ロボの外観と技の特性が結びつかない技も多く、ロボの無個性化に拍車をかけている。ロボットだからということか、ガード音とヒット音に大差が無く、技を叩き込む爽快感が薄い。ガード時は大げさなぐらいにカンカン(キンキン)音、ヒット時は嘘っぽくてもバシバシ(ドスドス)音でよかったと思う。 また、選ぶキャラクター(パイロット)によってストーリーが違うのだが、キャラクターとロボは完全に別なシステムになっている。つまり、選んだキャラクターに関わらず、すべてのロボットに搭乗できるようになっている。これがまた、ロボの無個性化に一役買っている。もちろん、沢山のロボを使いこなせなくても全キャラのエンディングが見れるように、という配慮だとは思う。が、ここは多少のデメリットは覚悟しても、キャラと搭乗機は固定でよかったと思う(裏技で解除というのはアリか)。 ぱっとしないロボ群の中、スーパー8だけが異彩を放っている。タコ型の機体で、足の1本1本がドット絵ではなく、プログラムで動いている(と思う)。その特異な動きは必見。2D格闘の行き着く先はキャラクターのリアルタイム描写だと思っていたが、基盤がそこまで進歩する前に格ゲー自体が下火になってしまった。2006年現在の基盤パワーとマンガディメンションなどのソフトウェアノウハウがあれば出来そうなものだが、どこかやってくれないものか。シュマゴラスの触手が60フレームでウネウネ動いているところを見たいものだ。 操作は大小の攻撃ボタンと、ダッシュボタン、ビットのようなものに攻撃させるウェポンボタンの4つ。もっと整理すれば、2ボタンでも出来そうな内容ではある。特にウェポンは、ちょろっと弾を出すだけでショボイ。多分やり込めば連続技のつなぎなどに重宝するのだろうけど、そこまでの魅力に欠ける。操作キャラが格闘家からロボットになったことで、ゲージが増えたり操作系がややこしくなったりと、取っ付きが悪くなっただけで、そのマイナスをカバーするプラス要素をどこにも見つけることが出来ない。 CPUが強めでストレスが溜まるのも難で、昇竜拳系の出の早い反撃技を持っていないロボだと、ラスボス辺りかなり苦しい。豪鬼が出るというので面白そうだと思って買ったが、いまだに一度も豪鬼を見たことが無い。 |
神凰拳 |
D | |
ザウルス | 7.0 | |
97/4/4 | 5800 | |
レンダリングCGを使った2D格闘。レンダリングといってもリアルタイムで描画しているわけではなく、あらかじめ作ったCGを取り込んでいる。テイストとしては実写格闘が近い。 独特な絵柄なので期待していたのだが、プレイしてみたらあまり面白くない。原因は2つ。ひとつはヒット音がへぼで、連続技を入れても爽快感に乏しいこと。二つ目は元がNEO−GEOなので、やたらボタン同時押しが多く、超必殺などが出しにくいこと。二つ目はほとんど全てのNEO−GEO格闘に当てはまり、ハード設計者は真剣に反省してほしい。そういえばDCも4つボタンだ。馬鹿めが。 ゲームはラスボス以外は簡単で、連続技も簡単に入る部類。パッケージには「白熱のAERILA BATTLEが闘いを変える!」などと書いてあるが、今一つよくわからない。確かに打ち上げ技があって敵を浮かしてコンボを入れることが出来るが、それよりも小P〜大P〜昇竜拳と入れたほうがお手軽でダメージもそこそこ。大体敵に密着して斜め上+小PK同時押しなんて不自然なコマンドがとっさに入れられるだろうか。やり込めば空中コンボの面白さが発見できるかもしれないが、そこまでやるほど面白いゲームではない。 選べるキャラは8人だが、ボスが3人もいてプレイがだれる。一度クリアすると、ラスボス戦をいきなりすることができる。KOFもそうだが、謎の仕様だ。別メニューでそういうのがあってもいいが、普通にプレイしようとして適当にボタンを押していると、いきなりラスボスになってしまうのは疑問。 文句ばかり書いているが、SEを直してコマンドを整理すればそれなりに面白いゲームになったはず。残念。 |
ファイターズヒストリー・ダイナマイト |
D | |
セガ | 7.6 | |
97/7/4 | 5800 | |
ストIIのパチもん。ストIIが出たのが1991年。これが出たのが94年。94年と言えばストIIXの出た年。両者のあまりのレベル差に悲しくなる。前作の「ファイターズヒストリー」は、ストIIに似すぎということでカプコンに訴えられた(最終的には和解した)経緯がある。私は前作を知らないが、続編である本作も十分ストIIの劣化コピー。まずキャラ選択画面からしてモロにストIIテイスト(BGMまで似ている)。そのくせキャラはストIIに比べてダサすぎる。データイーストのゲームは「濃ゆい変なテイスト」が特徴だが、本作は濃いとか変とか言う以前にキャラが全てダメっぽい。似たような雰囲気の「ワールドヒーローズパーフェクト」はまだヘボい中にも味を見出せないこともなかったが、本作はもう完全にヘボいだけでどのキャラも魅力ゼロ。 前作は6ボタンだが、本作はネオジオなので4ボタン。大小のパンチとキックで4つ、サターンパッドの余った2つのボタンは大小PKの同時押しがデフォルトで設定してある。溝口以外になんの役に立つのかは不明。取説には「アシスト」とか書いてあるが意味分からん。 前述のようにストIIXと同時期に出たにしては、システムはあまりにもシンプル。超必殺技もコンボ数のカウントも、ダッシュ・投げ抜け・受身・空中ガード・ガードキャンセルなども一切無し。唯一独自のシステムが「弱点システム」。キャラ毎に決められた弱点に3発攻撃を当てると、ピヨってしまうというもの。あんまり面白味があるとは思えないし、脚を弱点に設定されたキャラはご愁傷様。 CPUは超反応型でガードが堅く、こちらは技も少なけりゃすることも少ないので、結局飛びこみからの連続技を狙うしかないのだが、CPUはきっちり対空技で落としてくる。しかも昔のゲームらしく、CPUはやけに投げが上手い。つまらないCPUの見本のようなアルゴリズムだ。久し振りにプレイしたら、50回コンティニューをしてもボスはまだまだ遠かった。設定をイージーにすれば、それなりにプレイ可能ではある。 いいところも挙げておくと、まず拡張RAMを使っているため、面間の読み込みがほとんど無く快適。その分電源立ち上げ時の読み込みは結構長いが、まあ1回だけなので黙って溝口の拡大画面でも見ていよう。それから、ネオジオのゲームには珍しく、技がとても出しやすい。右・左下・右下+Kなんて変なコマンドも、スムーズに出てくれる。コマンド投げの半回転コマンドは、逆回転でも受け付けてくれるという親切ぶり。その親切心を、CPUのアルゴリズムにも活かしてくれたら・・・。 |
GROOVE ON FIGHT |
B | |
アトラス | 8.6 | |
97/5/16 | 5800 | |
タッグバトルの2D格闘。豪血寺シリーズ3作目らしい。 豪血寺シリーズらしく、キャラが皆一癖あって面白い。お梅&お種コンビとか魔法少女とか下乳女とか。どちらかと言うと貧弱な体つきのリュウケンとか魔法使いのようなお嬢様とかラスボスの悪魔とかもいい感じ。かっこいいキャライラストに比べて、実際のゲーム画面は地味な感じがするがまあOK。 ゲームとしては、やけに超必の威力が大きかったり、味方を投げる攻撃が強かったりと、大味な感じ。カプコン系のように弱気な修正が余り入らないので、連続技はごっそり体力を持っていけていい感じ。待機キャラはもりもり体力が回復していくが、まあこのゲームらしい大味さということで悪くはない。 タッグバトルで、タッチ時の隙が大きいので、攻められているときはまず交代ができない。CPUにそのまま攻め殺されたりするとかなり切れそう。一応交代時にゲージを使って交代ができるのだが、非常に決めづらく実用性は薄い。 拡張RAM必須だが、ロードはちょっと長い。ただその間キャラのイラストを見せてくれるのが良い。デミアン(隠れキャラ)のエンディングはすごい。その筋の人は一見の価値あり。 4人同時プレイもできるので、機会があったら是非やってみたい。 |
D−XHIRD |
D | |
タカラ | 6.0 | |
97/5/30 | 5800 | |
3D格闘。前作の闘神伝URAに比べると、グラフィックがかなり綺麗になっている。ゲーム内容は闘神伝より少しVF寄りで、闘神伝ぽくもなければリアルでもない、中途半端な路線。 ゲームとしては今一つ面白くない。キャラの動きがもったりしていて、技のモーションが非常にかっこ悪い。壁を使った技とか、武器を捨てたりいろいろできるようだが、CPU戦では小斬りからのコンボしか使わないので、まったく無意味。たとえば主人公なら技表に25の技が載っているが、技表に無い小小大小斬り〜ダウン攻撃で体力の1/4ぐらいを奪える。当然これしか使わない。なぜかダウン攻撃がマニュアルに書いてない。 ストーリーやキャラ設定など凝っているようだが、肝心のゲームがこれでは。しかもエンディングを見てもストーリーは意味不明。2に続くなどと書いてあるが・・・。 オープニングの歌はへたくそで聴くに耐えない。じゃあオープニングをとばせばいいのだが、トップレス女子高生のせいでつい見てしまう? ちなみに題名は「ディ・サード」と読む。「ディー・サード」じゃないので間違えないように。間違えても一向に構わないが。 |
わくわく7 |
C | |
サンソフト | 7.4 | |
97/6/20 | 5800 | |
ファンタジックな2D格闘。まるるんやティセを始めとして、キャラがみな魅力にあふれている。キャラは7人しかいないが、それで十分。各々のエンディングも面白い。 ところが残念なことに、処理落ちがひどい。デカキャラやパワーアップモード時など、ちょっとゲームになっていないほどの酷さだ。またデモをとばすモードにしないと、ロードがやたら長い。デモをとばしてしまうと各キャラの会話が見れなくて残念。 ゲーム自体は大味な感じ。発動時間が極端に長いガード不能技や、無敵時間がやたら長く攻撃力まであるパワー開放など、あまりバランスがいいとは思えない。ダウン攻撃や起き上がり攻撃も、とりあえずつけたという感じ。まああまり難しいことを考えずに、威力のある必殺技や超必殺でごり押しするのもつまらなくはない。 ラスボスのむちゃくちゃなリーチと攻撃力にはあきれを通り越して怒りを覚える。 もうちょっとバランス感覚のある人間がディレクターで、処理落ちなどを無くすことができたら名作になっていただろう。今からでも遅くない。続編を希望。 |
羅媚斗 |
B | |
EAV | 7.7 | |
97/6/27 | 5800 | |
ラビットと読む。マイナーなタイトルだが、なかなか遊べる。魂斗羅とは関係無い。 獣神召還というJOJOのスタンド似の(外見だけだが)システムが新しい。ブロッキング似の「払い」というシステムもある。が、システムをフル活用した綿密なプレイをするより、適当に超必殺を出し合ったりするほうがお勧め。 キャラクターの容姿や設定は、ジャンプに漫画化して掲載したら人気を博しそうな感じ。獣神のグラフィックもかわいげでいい感じ。 3つボタン押しがZに割り付けられていたり、その場コンティニューがあるなど、ユーザーフレンドリーなツボは外していない。 ただ、せっかくキャラクターが魅力的なのに、グラフィックが無理やり拡大してあって、非常に見にくい。荒いドットと極彩色の背景が重なって、最初自分がどれだかわからなかった。 CPUのアルゴリズムは割とお馬鹿さんだが、ラスボスだけ異様に強くてテンポを損なっている。 カプコンの一線級のゲームのような戦略性や緊張感は無いが、たまにはこんなお気楽な格闘ゲームもいいのでは。 |
ラストブロンクス |
C | |
セガ | 7.9 | |
97/8/1 | 6800 | |
ポリゴン格闘。ヤンキーが武器持って殴り合う、よく考えりゃすごいゲーム。あんまり評判はよくなかったが、そんなに悪くはないかな。グラフィックは割と綺麗。壁が絡むとポリゴン消えが起こるが、ゲームにはほとんど影響しない。コマンドやコンボの練習モードがあって、初心者に親切。しかしロードの多さにほとんどの人が投げ出すだろう。むしろディスク1枚にしてもらったほうがよかったかも。 ダッシュにくせがあるため、大技をガードして投げとかがやりにくい。まあ武器を持った人間が投げをするなんて変だから、そういうコンセプトなのかも。空中コンボが売りなんだが、相手が遠くまで吹っ飛んでしまうため、前述のダッシュもあり、入れるのが難しい。だからどうしても右下P→PPPPPなんて単純なコンボに頼ってしまう。それでも威力は十分だが。 CPU戦が易し目なのはいい。リサでPを連打しつつ他のチャンネルを見ていたら、4分でエンディングまで行けた。エンディングのアニメは短くてちょっと。その分スタッフロールは長〜い。しかも飛ばせないし。後前前P+Kとか、左下前Pとか、入れにくいアキラコマンドが多いのはだめ。 ゲーム内容もキャラも悪くはないが、VFを超えるには役不足。武器によってヒット音を変えるぐらい凝ってもらわなきゃ。 |
マーブル・スーパーヒーローズ |
C | |
カプコン | 8.4 | |
97/8/8 | 5000 | |
X−MENの続編。前作のキャラがマイナーだったためか、本作では日本でもメジャーなスパイダーマン、ハルクなどが参戦。シュマゴラスやブラックハートなどの、人外の化け物がいかにもコミック的で楽しい。 前作の反省より、CPU難易度が大幅に落ちている。Xメン>M.VS.S>X.VS.S>MSHといったところか。前作の激難度も問題だが、本作のあまりの難度の低さもどうしたものか。技を出せばほぼ食らってくれるし、ボス2人もかなり弱い。難易度を下げるのは結構だが、極端すぎ。 出典のストーリー上仕方ないのかもしれないが、ボスの2人が異様にかっこ悪いのはどうにかならないか。前作では巨体のインパクトとカリスマで、ラスボス2人の威厳は十分だったのだが、本作ではまさにボス猿。キャラクターはデフォルト10人+隠しで3人の13人で、奇しくもストZEROと同じ。しかし、性能も見かけもバラエティーに富んでいるので、決してキャラが少ない印象は無い。隠しでアニタが使えるのは笑えるが、対戦で使えるのはマズイだろう・・・。 前作にあった打ち上げからの空中コンボが、エリアルレイブとしてシステムになった。本作から、打ち上げた後に上を押すだけで自動でスーパージャンプで追いかけてくれるようになり、直感的にやりやすくなった。ただし、取説に詳しいことが書いていない(空中チェーンやチェーン終了技、空中投げがつながることとか)し、CPUが仕掛けてくることも無いので、雑誌などで情報を仕入れないことには使いこなすのは難しそう。97年発売にしてトレーニングモードが無いので、ひたすらエリアルの練習が出来ない点もマイナス。 ジェムというアイテムによるパワーアップも本作の特徴。悪くはないのだが、やはり真剣勝負にアイテムは不要なのでは。不評だったのか、ジェムシステムはこれ1作(&ポケットファイター)のみで、システム的に熟成されることは無かった。 本作は拡張RAM対応なのだが、それでもロードが長めで、大きなキャラを使うと処理落ちが頻発する。特に処理落ちは厳しく、キャラによって全くゲームスピードが変わってしまうのは厳しい。 エンディングやフェイスパネルにアメコミ色が強く残っているのがいい。VSシリーズになって、ストゼロキャラと合わせるために絵柄がマイルドになってしまった。むしろアメコミ風リュウ・ケン・春麗を見たいのだけど。 処理落ちさえなければ、本作も良作足りえたのだが。拡張RAMではまだ力不足なのだろうか? |
ストリートファイターコレクション |
B | |
カプコン | 8.6 | |
97/9/18 | 5800 | |
スーパーストII、ストIIX、ZERO2’の3本パック。拡張ラムは未使用だが、3作ともロード時間も長すぎず、移植度は良好。ホークがスーパーコンボを決めたときなどに処理オチがあるが、プレイには支障ないレベル。 大方にとっての目玉はストIIXだろう。今でこそDC、PS2、XBOXなどでプレイできるストIIXだが、当時は家庭用では3DOでしかプレイすることが出来なかった。泣く泣く実写版をやっていた諸兄もこれでほっと一安心。 スーパーストIIは、スピードアップしたターボで間口を狭めた反省からか、スピードを遅く、CPU戦も難易度を抑えてある。久しぶりにプレイすると「うわっ、遅えっ」と思ってしまうのだが、しばらくプレイするとそのゆったりテンポが気持ちいい。最近の格闘ゲームでは見てから昇竜拳なんて私にはとても無理だが、本作のスピードなら私にもOK。スピードを早くするだけで、攻めが強くなって対応型の待ちは弱くなるが、相手が対応できないのをいいことに暴れるだけの単調なプレイが横行してはいないだろうか。 本作から新しい基板(CP−システムII)が使用され、グラフィックが美しく描き直された。新キャラが4人追加され、どのキャラも魅力的だが、特にホークのカッコ良さは神がかり的。当時のカプコンは本当に凄かった。ところで、ノーコンクリア時のBGMだけが馬鹿みたいにうるさく、夜一人でプレイしているとビックリする。 スーパーストIIXは、スパIIが出てから半年もたたないうちにリリースされた。当時は正直まだまだスパIIで楽しみたいと思ったが、スーパーコンボの快感を知ってしまうと、もう前作には戻れなくなってしまう。対戦バランスも良く、今でも愛好者の多いロングランヒットになった。本作の魅力はなんといってもスーパーコンボ。攻撃することによってゲージを溜め、一気に高威力のスーパーコンボで相手を叩きのめす、以降の対戦格闘で主流となるスタイルを作り上げた。 本作は業務用よりCPU難度が抑えられているようだ。DC版だと1面でゲームオーバーになるような私でも、調子が良ければ豪鬼をぶっ倒すことも可能。カプコンの人気キャラ豪鬼は本作が初登場だが、時代劇の宿無し浪人のような見てくれのかっこ悪さに、初めて見たときは拍子抜けしたものだった。 本作からカプコンのゲームにスピードセレクトが搭載されるようになった。アーケードでは誰も彼もが速いスピードを選ぶので、前述のようにゆったりしたプレイを欲する私はだんだん居場所が無くなってしまった。そもそも、ゲームスピードはゲームバランスの根幹に関わる部分だ。それをプレイヤーが好きに選べるなんてどう考えてもおかしい。 ストリートファイターZERO2ダッシュは、アーケードのZERO2ALPHAの移植版(だと思う)。アルファはZERO2のバランス調整版で、ZERO2で強すぎると言われた春麗が弱体化している。ニューバージョンなのでZERO2より完成度は上がっているはずだが、ナッシュの小サマーが空中ガード可能になったり、ザンギのスクリューが相手の起き上がりを投げられなくなったりと、目に付きやすい弱体化が多く、前作のほうがいいと言う人もいるようだ。 オマケ要素として、隠しキャラでキャミィや裏キャラに殺意リュウ、真豪鬼と戦えるモード、スーパーコンボを使い放題に出来る(しかも通常の必殺技のコマンドで)モード、などが入れられた。が、どれも所詮オマケなので、普通にプレイする分にはZERO2とあまり変わらない。ZERO2を持っていれば、ダッシュは無くても可。 トレーニングモードは3作中ZERO2ダッシュのみ実装。他にも、メガドラのスーパーストIIであったようなトーナメントモードなどもほしかったところ。 個人的にはDCやXBOXのストIIXより、本作のXの方がプレイしやすくて好きだ。使いやすいパッドが標準装備なのが嬉しい。結局DCでもXBOXでもコンバータかましてサターンパッド使ってるけど。 |
サムライスピリッツ 天草降臨 |
C | |
SNK | 8.5 | |
97/10/2 | 5800 | |
SNK人気シリーズ第4弾。本作が発売されてしばらく続編(2D)が発売されなかったため、本作がサムスピシリーズ最終作だと思っていたが、実に7年後にサムスピ零、2005年に天下一剣客伝が発売された。 本作は拡張ラムが必須で、4Mではキャラ化けが起きるのが残念。 コマンド受付が、斬紅郎より若干甘くなっているようで好印象。しかし斬紅郎ほどではないが、相変わらずCPUは強め。とにかくガードが固く、なかなかダメージを与えられない。CPU戦がタイムアタックになっていて、一定時間以内にボスまで辿り着かなければいけない、というシステムもイライラさせる原因になっている。オプションで難易度を落とせば十分簡単になるが、オプションをいじらなければ楽しめないというのはどうか。 説明書に載っている特殊操作だけで、避け(KOFの避け)、回り込み(KOFの前転?)、不意討ち(リープアタック)、突き飛ばし(投げ)、引っ張り(投げ)、当て身(ブロッキング、月華の弾き)、真剣白刃取り。追い討ち1(小ダウン攻撃)、追い討ち2(大ダウン攻撃)、移動起き上がり、クイック起き上がり、ダウン回復、武器飛ばし必殺技(超必殺技)、怒り爆発(サイクバースト?)、連ね斬り(簡単連続技)、一閃(簡単高威力技)と、頭が痛くなりそう。さらに取説に載っていない、14連斬(なんでこれが取説に載っていないのか?)、鍔迫り合い、武器捨て挑発、自決、断末奥義(究極神拳)と、システムが必要以上に盛り沢山。ボタン同時押しの組み合わせでコマンドが分かれているので、「あれ、一閃のボタンはどれだっけ」というようなことが頻発。全てのコマンドを自在に操れるようになった頃には、次のゲームをプレイしたくなることは受け合い。もうちょっとシステムを整理できないものか。特に回り込みなんて不自然だし(そのくせ効果大)、本作には全く必要無いと思う。14連斬は鉄拳の10連コンボのようなもので、取りあえずシステムでコンボを作ってみました、みたいな感じ。いかにも付け足しっぽいシステムで賛否両論だが、全キャラコマンドが共通で、10連や月華の乱舞奥義のように個々のコマンドを覚えなくてもよく、入力も結構ラフでOKなのは嬉しいところ。ただ14回も斬り付けるわりには威力がやたら低く、威力が低い分「終了後に自分の怒りゲージがMAXになる」という訳の分からない付加価値が付けられている。本作では敵に斬られる以外に怒りゲージが溜まらないので(前作では怒り溜めコマンドがあった)、14連斬は怒りゲージを溜めるのが主目的になっている。 システムが複雑なうえに、前作から引き継いでキャラの剣質選択システムがある。剣質を変えると必殺技が変わるというもので、1キャラで2キャラ分楽しめるというのが売り文句。ならばむしろ1キャラに技を集約して、キャラの完成度を高めるべきではないのだろうか?また前作に続きレベル選択があるが、あんまり意味が無いと思う。 登場キャラは17人で、現在のレベルから見れば少な目ではあるが、当時としては悪くない。むしろ火月や蒼月なんて覇王丸や右京とかぶってるから要らないのでは。リムルルも閑丸も不必要な気がする。CPU戦はマイキャラによって対戦相手がある程度決まってしまうため、全然CPUで登場しないキャラがいるのもマイナス点(そりゃ全キャラ使えばいいのだろうけど・・・)。ラスボスも天草四郎でいいのに、なんで斬紅郎なの? 体力ゲージが2本あってぱっと見攻撃力が大きいように感じたり、嫌味なほど無駄に必殺技のヒット数が多いのも、ゲームの爽快感を無理やり(安易に)底上げしようとしているように見える。14連斬もそう。もっとゲームの本質に帰って、サムスピの面白さはどこにあるのか、しっかり練り上げて欲しい。 総じて前作よりずっと遊びやすさは上がっているが、完成度はまだまだ。処理落ちも結構気になる。ゼロとか剣客伝とか全くやる気がしないが、私が望むような方向に洗練されていっているのだろうか?最後に大きな欠点を。対戦モードが無いので、仲間内で対戦を行うとき、勝った側はキャラを変更することが出来ない(乱入のイメージ)。97年の発売にしてそれは無いだろうと思うのだが・・・。 |
御意見無用〜Anarchy in the NIPPON〜 |
D | |
KSS | 7.9 | |
97/10/2 | 5800 | |
バーチャをぱくった3D格闘。人が(その人の中には製作者自身も入るが)言うほどにはクソゲーではないと思う。キャラの動きや当たり判定はきちんと出来ていて、ゲームとしてきちんと成立している。最大の欠点は、キャラクターに魅力がまったく感じられないところだ。ファーストプレイでキャラ選択のとき、「マジでこの中から誰かを選ばなきゃいけないのか」と思ってしまった。キャラデザインはプロの漫画家(加瀬あつし氏)が担当している。原画は悪くないのに、ポリゴンキャラに落とすところで大幅に製作者の悪趣味が紛れ込んでいるようだ。ポリゴンキャラもさることながら、背景のグラフィックがファミコン並にダサい。技のモーションや技名にあからさまに受けねらいのものが多いのも嫌な感じ。キャラ設定も含めて、どうも製作者の内輪ウケが多すぎる。 ゲーム内容はこれといって特徴がない。避けが使えるバーチャ2か。パンチじゃKOできなかったり、バックダッシュするとこけたりするが、それがなに。ジャンプできないのはいいかな。空中コンボが入りやすいのは面白いのだが、いかんせんこのキャラとちゃちな背景のせいでプレイ意欲がわかない。製作者がキャラで出てきたりするのは悪ノリしすぎ。 このゲーム、当時バーチャの鉄人と呼ばれた人たちが作っている。彼らは相当「チキン」な対戦相手に悩まされていたようで、このゲームは完全に攻めた者勝ちなバランスに仕上がっている。例えばガード崩し技の存在や、やたら長いコンボ技など。それはそれできちんと製作者の思想がゲームに織り込まれていて、評価すべきことだと思う。ただ私的にはとにかく攻めれば有利というゲームはあまり好きではない。だからバーチャ4より3のほうが好きだ。 |
デッド オア アライブ |
B | |
テクモ | 9.3 | |
97/10/9 | 5800 | |
ギャルゲー要素の強い3D格闘。バインバイン揺れる胸ばかり目がいってしまうが、画面の美しさ、動きの滑らかさ共にサターン最高峰。キャラクターの出来も秀逸で、主人公のクノイチ・定番の忍者・ブルース・リーもどき・投げキャラの暗殺者・いぶし銀のジジイなど、どれもキャラが立っていて魅力的。続編でハードパワーが上がる度、キャラが人形っぽく見えてしまって(特に女キャラ)、魅力を感じなくなってしまうのは皮肉なところか。ストーリーモードをクリアするたびにコスチュームが増えるのが楽しく、ノーブラオーバーオールとかメイド服などのユーザーのニーズに直球勝負なところが嬉しい。新作では無駄に格調高く見せようとして、遊び心(エロ)が減少してしまっているのが残念。その点DOAUは立派。オープニングデモがかっこよく、ゲンフーの演舞(とかかすみのヌードとか)はモエる。トレーニングモードもよく出来ている。 ゲームはホールドという要素が新しい。もともと3D格闘は打撃・ガード・投げの3すくみが基本になっている。そこに「ホールド」という「攻撃的ガード」とも言うべきフィーチャーを入れて、完全に3すくみをシステム上で作りこんだ。まあ外門のパクリかもしれないけど。本作のホールドは上・中段と下段の2択。上中のコンビネーションも何のその、続編のように投げのハイカウンターが無いので、リスクは低い。その分ダメージも低く、いなすだけでノーダメージのホールドも多い。その為、ホールドの「してやったり感」は薄い。新作では中段パンチとキックが分かれた4択制になっているが、私は3択で十分だと思う。3択で取りやすく、ダメージが大きかったDC版2は爽快感があった。3も3択で悪くは無いが、シリーズが進むにつれてやたらにコンビネーションが増えて対処しにくくなってしまった点が問題だ。正直言って初代ぐらいの技数でも十分だと思う。 リングがダウンするとダメージが与えられるデンジャーゾーンに囲まれているのも特徴の一つ。それによって、リングアウトでの決着が付きにくくなっていて、リングアウトのあっけない即死で萎えることもあるバーチャの問題点への回答になっている。が、私はデンジャーゾーンはゲームゲームしすぎてあんまり好きではない。続編ではデンジャーゾーンは無くなり、追加ダメージの壁と落下ダメージという形で残された。 基本的な作りがバーチャ2なので、サターンで発売された頃にはすでに古臭い印象を受ける。96年発売のバーチャ3に比べ、投げのコマンドがH+PだったりP+KだったりH+Kだったりと統一性が無いところに如実に表れている。あとオフェンシブホールドと投げの差別化がはっきりされておらず、漫然とした印象。2以降では特定キャラの投げに吸収された形になったが、4でまたOHが復活した。バーチャ好きの私としては、投げ(キャッチ投げ)にまとめてくれたほうが分かりやすいのだが。 ガードがレバーガードなのがバーチャとの大きな違い。私はバーチャ派&アンチ鉄拳なので、レバーガードはどうも肌に合わない。2以降ではレバーガードとボタンガードの併用になった。私はボタンガードを使うので、とっさにガードしようとすると中段ホールドが暴発して上段技を食らうことも多い。それでも私は確定反撃が取りやすいボタンガードを使いたい。 レバーガードのせいかもしれないが、今ひとつCPU戦が面白くない。バーチャ2ほどではないが、CPUのアルゴリズムが的確なため、せっかくホールドで技を取っても大ダメージを与えるどころか、逆に反撃されたりする。後半ではうかつにホールドしようとするものなら、たちまち投げの餌食になる。まるで野球拳のインチキじゃんけんだ。そのおかげでせっかくの3すくみがCPU戦では楽しめず、CPUに決まりやすい技(サマーや足払いなど)をしつこく繰り返す単調なプレーになりがち。CPU戦がつまらないと、友達を誘って対戦する気も起きない。これだけ良く出来たゲームなのに、もったいないことである。あとラスボスがかっこ悪いのも減点。豪鬼くずれ→天狗→斜め視点武者→かすみゼリー、とまともなラスボスがいないのが本シリーズの特徴のようだ。 |
あすか120%リミテッド BURNING Fest. LIMITED |
B | |
アスク講談社 | 8.3 | |
97/10/9 | 5800 | |
キャラがすべて女の子のストII。カプコンとSNKの作品以外でちゃんと遊べる珍しい例。 ボタンを2個(+1)しか使わない、昇竜拳系が下下A(B)で出せる、デフォルトでオートガードなど、初心者への配慮が盛りだくさん。(ぼそっと)女の子も結構可愛いし・・・。 ゲームはカプコンのVSシリーズのように、コンボがつながる系。必殺技が出しやすいので、初心者でもコンボの楽しみを満喫できる。反面、一発のダメージがかなり低く設定されているので、技を食らったときの痛みがぜんぜん感じられない。まあ女の子だからいいか。 ゲージが溜まると超必殺が出し放題というのはちょっとやりすぎか。CPUまで、超必殺を連発してくる。そこまで人間臭くしなくても・・・。 前ダッシュがガード状態というのもちょっと。それと別にガードキャンセルではなく、技同士でガシガシ相殺してしまうので、とにかく技を出してたほうがいいということだろうか。大味な気もするが。 ゲーム中の「がんばれ〜」という声援は超脱力もの。ジャケットの飛鳥のイラストは、なにか変なものを持ってるのかと思ってしまった。本田飛鳥と豊田可莉奈というのは車の名前から取ったのだろうか。アスカはいすずだけど。でも作ってるのはホンダ。 |
ZERO DIVIDE −THE FINAL CONFLICT− |
C | |
ズーム | 7.9 | |
97/11/20 | 5800 | |
キャラがロボットのバーチャ2。う〜ん、一言で終わってしまった。 「技に著作権はねえ」と島本和彦の漫画で誰かが言っていたが、モーションはもろバーチャ2のパクリ。しかし、ロボットのデザインやSE、ダメージを食らったときに装甲がはげていく、やられたときにふわ〜っと消えていくなどの演出に独特のかっこ良さがあり、単なる真似ゲーではない。 CPUはバーチャ2と同じで反応が良すぎる。後半は当然のように投げ抜けをしてくる。しかし、単純な連携(前P+ダウン攻撃等)を高確率で食らってくれたりして、勝つためにはそればかり出しているのが効率が良く、非常に寒い。 バーチャ2よりよくできている部分は多いが、発売された頃にはサターンでは3D格闘ゲームはすでに下火になっていたため、話題になることが少なかった。せめてあと1年早く発売されれば。 ラスボスだけ異様にかっこ悪いのはなぜ?小さくて弱いし。 |
X−MEN VS.STREET FIGHTER |
A | |
カプコン | 9.3 | |
97/11/27 | 7800 | |
サターン初の4メガラム専用ソフト。サターンの底力を(一部の)世間に知らしめた1本。前作のMSHは拡張ラムに対応していたものの、処理落ちがあって今ひとつな出来だった。しかしながら、本作では処理落ちはまったく無い。巨大なキャラクターが画面狭しと飛び回り、ド派手なハイパーコンボを撃ち合っても、処理落ちのショの字も無い。面間の読み込み時間も不満の無い速さで、まったくストレスを感じることが無い。素晴らしき哉!4メガラム!! X−MENの流れを引くアメコミシリーズ第3弾だが、本作から2対2のタッグバトルになり、「VSシリーズ」として新たな1歩を踏み出した。 アメコミキャラだけでは親近感がわきにくいというマーケティングの要請からか、ストリートファイターからお馴染みの面々が登場することになった。ミュータントたちと対等に渡り合うために、リュウたちも大幅にパワーアップ。真空”レーザー”波動拳や画面を覆いつくす気功掌、ヨガインフェルノなど、ド派手なハイパーコンボを身につけた。X−MEN側の新キャラには、イカツイわりに初心者でも扱いやすいセイバートゥース、相手の能力を吸い取る特殊能力を持ったローグ、ド派手なハイパーコンボにセクシーなダミ声のガンビットなど、魅力的な面々が参戦。前作のジャガーノートも今度は処理落ちなく暴れ回ることが出来る。 本作の売りであるエリアルレイブだが、初心者には難しい。打ち上げ技が総じてリーチが短いので、ダッシュを絡めないと入らないのがまずひとつ。打ち上げてもチェーンを入れるタイミングが取りにくいのがひとつ。現在のところ最新作であるマブカプ2では、跳び込みから地上チェーン〜打ち上げ〜エリアル数ヒット〜ハイパーコンボ、ぐらいの連続技が私にでも比較的簡単に出せるのだが、本作ではエリアル3発ぐらいが私にはせいぜい。エリアル練習モードが無いのがなんとも残念なところだ。エリアルのタイミングの練習用にか、ゲームスピードを極端に落とすことも出来るのが便利。スピードを最速にしてエスパーな戦いをやってみるのもまた一興。 ハイパーコンボは、ほとんどが波動+ボタン2個同時押しと、これ以上無いほどの簡略なコマンドになっている。それは評価できるのだが、波動コマンドのくせに、微妙に出しにくいような気がする。波動拳が出ないことなどまず無いが、ハイパーコンボが出てくれないことはよくある。同時押しの判定の問題だろうか?ヴァリアブルコンビネーションも、ただの交代が暴発することがありがち。コマンドと言えば、ザンギのスクリューが非常に出にくい。レバーを上に入れてからジャンプするまでの猶予時間の問題だと思うが、ZEROやストIIIの感覚ではまず出せず、スーパージャンプが暴発する。もともと使いにくいキャラなんだから、もうちょっとどうにかしてほしいところ。 CPU難易度は低目なので、たとえエリアルレイブが出来なくても、ド迫力なハイパーコンボの応酬だけで十分楽しめる。ラスボスのアポカリプスはデカくてインパクトはあるが、硬いだけであんまり面白味は無いかも。まあ他のシリーズには出せない無茶なキャラを出せたという意義はある。ラスボス後に、味方同士でタイマン勝負をする。操作するのはアポカリプスに止めを刺したキャラ。これはなかなか面白いアイディアだ。全16キャラなので、2人の組み合わせは16*15/2=120。それだけのパターンのエンディングを作っていたら、容量もマンパワーも膨大になってしまう。マブカプ2のように個別エンディング無しは論外だし、マーブルvsSFのようにラスボスを倒したキャラのエンディングに自動的に決まるのもどこか味気ない。本作のシステムはシリーズ中本作のみだが、いいアイディアだと思う。 マグニートーのEMディスラプターは「とりあえずケツバット」、ガンビットの勝ち台詞は「ネーチャン」と聞こえるのだが、他人の空耳なんてつまんなくてスマソ。 |
リアルバウト餓狼伝説スペシャル |
C | |
SNK | 8.4 | |
97/12/23 | 5800 | |
餓狼シリーズ第6作。サターンでは3作目。餓狼からリアルバウトになってちょっとだけ進化したが、さらにまたもう少しだけ進化している。 前作最大の欠点だったヒット音が少しだけ迫力があるものになって、技を叩き込む快感が増した。ゲームでは軽視されがちだが、SEはすごく大事。本作でもSEをKOFのものに差し替えたら、それだけで更に楽しくなりそうだ。 複数ラインのシステムがまた変更され、昔のように2ライン(別ラインが1本)になった。別ラインなんて、KOFの避けみたいなものだろう。バーチャ4やキャリバー2のように技に右属性・左属性があるわけじゃないので、別ラインなんて1本で十分。敵が別ラインにいるときは、パンチだろうとキックだろうと技を出せば敵に向かっていくので、前作のように敵がいない方向に必死にパンチを繰り出すような間抜けさが無くなった。前作で多分不評だったリングアウトも削除された。 キャラは人気作のガロスペから4人が再登場。完全新キャラはいない。デブとかジジイとかキモいの要らないんですが。個人的にはビリーやヌンチャク男も要らない。 前作でお手軽強力だったコンビネーションアタックは、調整されて前作ほど繋がらなくなった。前作でABBCCとしていたところをAB→C←Cキャンセル必殺技に変えるだけの話だが、まあ後者のほうが技を叩き込んでいる気分になれる。本作はトレーニングモードがあるので、連続技の練習が好きなだけ出来るのが嬉しい。トレーニングモードでは容易に繋がるのに、なぜかCPU戦では繋がらないような気がするのだが・・・。 ロード時間は、コンティニューするのに45秒ぐらい・・・って前作より長くなってるよ。なんでわざわざ敵の勝ち台詞なんか読みに行くかな。クイックコンティニューを付けようと思わなかったプログラマーの良識を疑う。 CPU難易度は前作より更に低め。初心者もお手軽に楽しんでくださいよ、ということか。ラスボスまでの時間も短いので、気楽にプレイすることが出来る。ただし、お祭り版のスペシャルということで、戦いのバックボーンも無ければエンディングも手抜き。何人ものキャラでクリアしたいとは全然思えない。やはり初心者を引き込むには、ちゃんとしたエンディングは必須。スタッフロール時のコントも、初見は笑えるが2度見れば飽きる。クリア後に下手糞なマリーの歌が流れるが、こんなのに容量使うこともないだろう。 サターンの餓狼3部作ではいちばんマシな出来だが、KOFがあれば餓狼はいらないかも。RB2が出てくれれば、また風向きも変わっただろうけど。 |
速攻生徒会 |
C | |
バンプレスト | 7.8 | |
98/1/29 | 6800 | |
製作に、今は無きゲーメストの人間が関わった2D格闘。 出来は・・・極めて普通。これと言って悪い点も無いし、際だって面白い点も無い。キャラは9人+隠れ3人。デフォルトの9人のうち、7人が女の子。中途半端にギャルゲーしているので、どうせならあすか120%ぐらいに割り切ったら?何より気に入らないのが、キャラ名が担当声優の名前だというところ。内輪ウケというか、声優を知らない人間を疎外しているようで不愉快だ。 ゲームとしての特徴は、ヴァンパイアのように通常技がつながり、必殺技を超必殺でキャンセルできること。それによって、跳び込み〜チェーンコンボ〜必殺技〜超必殺というコンボが考えられるのだが、実際には簡単にはつながらなく、修練が必要。それどころかフェイロンの烈火拳のような連続入力技があるのだが、出すだけでも難しい。はいはい、あなたがたはコマンド入力がお上手ですね、と嫌味も言いたくなるというものだ。ソニックコンボ(チェーンコンボ)は、ヴァンパイアシリーズのように全ての通常技がつながるのではなく、ギルティのようにつながるルートが決まっているタイプ。ゆえにキャラ別にに繋がるルートを調べなければならないので、正直面倒くさい。どんなルートもキャンセル可、空中追い討ちも自由自在と、自由度をもっと増やしたほうがドタバタハチャメチャで本作の特色が出せたのでは。 拡張ラムには非対応だが、ロードはそれほど長くない。サターン末期の発売にしては、キャラが小さめで地味か。必殺技はダイナミックで悪くないが、通常技が迫力に欠ける。カプコンやSNKのような一流の技グラフィックに感じられる、パンチと共に重心を相手に叩き付けるような躍動感が無く、その場で手だけ突き出しているような感じ。ただ、超必殺技を当てたときなど、音波が広がっていくような演出はなかなかカッコいい。 CPU戦は割と簡単。ゲージがやたら溜まるので、負けそうになったら超必殺10連発で逆転。なんか大味〜。エンディングはどのキャラも面白い。中間デモや勝ち台詞(音声付き)がボタンカットできないので、オプションでオフにしてしまう。そうするとボス前のやり取りまで聞けなくなるのが残念。実況もいい味出しているのになあ。 |
ザ・キング・オブ・ファイターズ’97 |
A | |
SNK | 8.9 | |
98/3/26 | 5800 | |
人気シリーズ第4作目。本作は拡張RAMが必須だが、96や天草と違い、4メガRAMでも問題なくプレイすることが可能。つまり4メガRAMが刺さった本体を1台用意しておけば、抜き差し時の接触不良にイライラさせられることなく、本作やセイバー、X−MENvsなどの名作格ゲーをいつでもプレイすることが出来る。 前作との大きな違いは、アドバンストとエクストラの2つのモードが選択できるところだろう。エクストラは、伝統的なKOFの操作系統に則っている。アドバンストは、ゲージのシステムが大幅に変わり、ゲージがストックできるカプコン系のシステムになっている。ゲージも、エクストラのように不自然なパワー溜めを行うのではなく、技を出すことによって自然に溜まっていくようになっている。アンチSNK派だった私としては、やはりカプコンのシステムが正しかったのだと溜飲を下げたものだ。実際、ほとんどの人がアドバンストを選んでいたようだ。また、小さな改良だが、小PK同時押しが前作では緊急回避・後転だったが、本作では前転(前作では前+小PK。本作では後転は後+小PK)になっていて、とっさに出しやすくなっているのがグッド。 それから、本作のもう一つの大きな特徴は、技を非常に出しやすいこと。「簡易コマンド」というシステムが大幅に導入され、たとえば6321463214Pのようなコマンドが、6161Pのような簡略化されたコマンドでも受け付けるようになっている。そのせいで暴発しやすいと格ゲーマニアには不評なようだが、私は諸手を挙げて大賛成。技なんて出やすい方がいいに決まっている。暴発しようが、出ないよりは何倍もマシ。本作なら、私のような不器用にも大パンチ→八稚女のような連続技を出すことが出来る。私が通常技キャンセル超必殺技を出せる(ことがある)のは、本作とKOF2002、ストIII3rdとGGXXぐらいなものだ。また、ジャンプ攻撃から連続技につなげやすいので、連続技マニアでなくてもコンボの爽快感を味わうことが出来る。上述の簡易コマンドにより、投げの必殺・超必殺技が出しやすくなり、大門やクラークを手軽に使えるようになったのも好印象。 もうひとつ、超必殺技の発動時に「ピカーン」と画面が暗転する演出もかっこいい。これもカプコンからのイタダキか? ストーリーは、地球に破滅をもたらすオロチの復活がどーたらこーたらと、安っぽいRPG風。当時こそクダラナイと思ったものだが、ネスツ編とか体験した後だと、これで良かったのかもと思う。特に京・庵・ちづるの真エンディングは、オロチシリーズを締めくくるに相応しい熱さがある。アッシュ編ではまたオロチがどうとか言っているそうだが。 完全新キャラは七枷社・シェルミー・クリス・矢吹真吾の4人。さすがSNKで、どのキャラも皆魅力的だ。特に社なんかは単なるイケメンではない独特のカッコよさで、カプコンには真似できないだろう。なぜか続編では、技が減らされたりして無鉄砲な打撃キャラっぷりが消え、つまらないキャラになっているような気が。シェルミーは取りあえず大Pしか押さなくていいお手軽さがいい。旧ゲーメストではチャンと並び「先生」呼ばわりされたりしている(困ったときのお手軽強キャラ。やっちゃって下さい)。シェルミーは次作以降どんどん痴女化が進行していくので、魅力的なのは本作までか。真吾は言動がお茶目なのだが、ダンのようなただのギャグキャラではなく、動かして面白いのはさすがだ。キャラ数は9チーム27人+2人の29人がデフォルト。そこに隠しコマンドにより、オロチ社・シェルミー・クリスと暴走庵・レオナと京旧バージョンが追加されてさらに大所帯になる。オロチキャラはまだいいとして、暴走キャラはやりすぎだろう。暴走庵が氾濫して97から離れた人も多いと聞く。キャラ数は94から順当に増えていっているが、バランスを取る上で、あるいはプレイする側からしてもこれぐらいが限界なのではないだろうか。98では裏キャラがわんさかいて、いい加減ウンザリする。 CPU難易度も96よりさらに抑えてあり、前述の連続技の入りやすさと合わせて、非常に楽しいCPU戦になっている。ラスボスのオロチは、KOFシリーズ再弱とさえ言われている。普通に闘うと強いのだが、あからさまに隙が設定してあるため、そこを突けば勝てるようになっている。しかしまあ、素手の人間に殴り殺される神様(?)って一体・・・。SWATが出てくれば一瞬でカタがつくような。 本作では、やっと練習モードが搭載された。CPUに攻撃させることも出来るので、練習モードだけやっていても楽しいぐらいだ。もちろん普通に連続技練習のデクにすることも出来る。 本作で一つ気に入らないのが、キャラの相性によってゲージの引継ぎが出来なかったりする点。確かに設定上キャラには相性があるのだが、そんな腐女子用設定を対戦にまで持ち込まないで欲しい。ゲージ一つがあるかどうか、それが勝敗を分けることも多いはず。キャラゲーである前に対戦格闘であるのだから、そこいらはわきまえて欲しい。98では、日によってランダムに相性が変わるという、さらに謎の設定になってしまった。 取りあえず、私が所有している家庭用95・96・97・98・2001・2002・NEOWAVEのなかではピカイチの出来。最近出たPS2版ではプラクティスが無いそうなので、KOFの中のどれか1本を選べと言われれば、私はサターン版の本作を推すだろう(XBOX版2002もいい出来)。 |
プライマルレイジ |
D | |
ゲームバンク | ― | |
98/3/26 | 5800 | |
クレイモデルを使った実写恐竜格闘。動きは滑らかで一見の価値あり。ハリーハウゼンのシンドバットシリーズやタイタンの戦いを思い出させる。あるいはアイゼンボーグ辺りか。 残念ながら格闘要素のほうは3流。必殺技のコマンドが「Y+A+波動拳」などとかなり特殊で出しづらい。究極神拳(神罰と言うらしいが)にいたっては、ボタン全押し+・・・などとパッドで出すのは不可能。モーコンと違ってCPUが究極神拳を出してこないので、私はそれを見たことがない。 そうそう、究極神拳のコマンドどころか、究極神拳の存在自体がマニュアルに載っていない。PS版はマニュアルがかなり面白いそうだが、サターン版は味も素っ気もない。 小パンチ→中パンチ→大パンチが連続技になるのがバンパイアシリーズみたいだ。しかし大パンチが入っても反撃されるのが不条理。 雰囲気はすごく私好みなので、カプコン辺りがバランスを取ってくれたら名作になっていたかも。あ、でもSFリアルバトルとかあるし・・・。 |
ヴァンパイア セイヴァー |
A | |
カプコン | 9.3 | |
98/4/16 | 5800 | |
ヴァンパイヤシリーズ第3作。4Mラムが必須だが、その威力は絶大。キャラパターンは滑らかで処理落ちも無く、読み込み時間もほとんど感じさせない。まさにセガサターン2D格闘の頂点と言えるだろう。 まず本作の新要素として上げられるのが、インパクトダメージシステム。通常のように2〜3本先取ではなく、ダメージゲージが複数本あり、相手のゲージを1本減らしても、自分の体力は回復しないで試合が続行される。相手の体力ゲージをすべて無くせば勝ちで、簡単に言えば1本先取制だということ。私はこのシステムを支持する。ゲームセンターで手だれのプレイヤーと対戦した場合、相手が手加減でもしてくれなければ、まず確実にストレート負けを喫することになる。ラスト1ドットの接戦を演じようが、為すすべなくボコられようが、1本も取れないことに変わりは無い。そしてやる気を無くしてゲームから離れてしまうことになる。本作の場合、むしろ事故勝ちの少ない、強者に都合のいいシステムになっている。しかし、セットごとに体力が回復するわけではないので、たとえ負けるにしろ、頑張れば相手から1本奪うことは不可能ではない(例えるなら、小選挙区から大選挙区制になって死票が減る理屈)。同じだけ頑張って、ストレート負けの屈辱と一矢は報いた満足感、その差は大きい。 ただし、なぜかこのシステムに回復という要素を持ち込んでしまった。そのため全般的にダメージが低いような印象を受ける。逆に一気に畳み掛けられて、あっという間にやられてしまう不合理感を味わうことも多い。また回復ダメージがたまると、どうしても逃げ腰になってしまう。ここは普通のダメージシステムでもよかったのでは無いだろうか。確かにラッシュをかけて一気に倒すのは爽快だが、システム的にそれだけを優遇する必要は無い。遠間から足払いで相手の体力を削っていく、それだって立派なプレイスタイルだ。 もうひとつの新要素は、ダークフォース。ボタン同時押しで簡単に発動し、一定時間パワーアップするというもの。キャラによって効果はさまざまだが、全般的に使いにくく、新要素としては地味。全部取っ払って、ハンターのように各キャラのEX技に吸収してしまったほうが良かったのでは。 他に、ボタン連打で敵を押し返せるアドバンシングガードがある。上級者同士では対戦のキーになりそうな要素だが、内輪の対戦では暴発以外見たことが無い。ゲージを使わずに出せるガードキャンセルもそうだが、取りあえずゲージで使用回数を制限しとけば無難でしょ、という姿勢を取らないところに好感が持てる。ゲージと言えば、本作はハンターに比べてゲージの溜まるスピードが速く、ゲーム終盤ではゲージを4つも5つも持っていたりする。ハンターではゲージをES技につぎ込むのはもったいない気がしたものだが、本作ではケチケチせずにES技を出すことが出来る。ゲージを温存して終盤の大逆転に賭けるのも楽しい。オルバスなんかは凄い事になっているようだ。 新キャラは4人。主役のジェダはクレバー&クレイジーな感じが面白い。触れたら切れそうなシャープなデザインもかっこいい。EX技は遠距離投げなので、決まると「かかったね」という感じで気分がよろしい。決して強キャラではないが、使って楽しいキャラだ。バレッタはぶっ飛んだ性格設定が面白い。世界の赤ずきんをここまで捻じ曲げられるのはカプコンぐらいだろう。ド派手な「クールハンティング」やコミカルなコマンド投げが楽しい。これと言って強い技も無いし、通常技のリーチも短いので、扱い易いキャラではないが、これでも強キャラの一人らしい。リリスは貧乳マニア御用達キャラか。確かに巨乳ばかりで飽き飽きしていたところだが、これは極端すぎ。せめてBぐらいは欲しいものだ。キャラ的には、劣化版モリガンといったところ。ミスティックアローがもうちょっと強ければ(足払いをすかすとか)、もっと楽しいキャラになったと思う。グルーミーパペットショーは、ちょっとやりすぎ。まあ対戦会では決まると盛り上がるのだが・・・。キュービーはいまいち。トップランクの強キャラらしいが、高機動キャラは使うのが難しく、見かけも地味だし、決めて面白い技も無い。「蝿の王」とかならまだしも、蜂ってなんだ。ついでに技の名前が覚えにくいのも嫌。 サターン版セイヴァーでは、アーケードで使えなかったドノヴァン・フォボス・パイロンを使用することが出来る。それは非常に嬉しいのだが、時間が無かったのか、今ひとつ調整が雑な気がする。特にフォボスは、コンフュージョナーが削除されたのは仕方が無いにしても、全ての技の威力がむやみに低く、爽快感の無いキャラになってしまった。パイロンの新EX技なども、どうやって使うんだという感じ。この3キャラはCPU戦でほとんど出てこない(セイヴァーキャラを選ぶと絶対出てこない)のも残念。私はショタではないが、セシル君はいい感じ。 アーケードモードと対戦モードしかなく、トレーニングモードやサバイバルモードが無いのは残念。だが、アーケードモードの難易度が丁度いい塩梅で、私程度の腕前では、勝ったり負けたりしながらいい感じで楽しめるようになっている(ちなみに朧ビシャモンは見たことも無い)。各キャラのエンディングも良く出来ており、いろいろなキャラでクリアしたくなる。DCのヴァンパイアクロニクルでは、トレーニングモードはあるがキャラ別のエンディングが無く、それだけでやる気は十分削がれてしまった。PS2版の「ダークストーカーズコレクション」は評価が高いが、PS2というだけでやる気がしない人間もいる(私)。 |
SAVAKI |
D | |
マイクロキャビン | 6.4 | |
98/4/16 | 5800 | |
ポリゴン格闘。キャラ人気や派手なコンボやエフェクトに走りがちな格闘ゲームの世界で、それらを真っ向から否定している渋いゲーム。なんと西尾さんという方がほとんど一人で作っているらしい。 特徴はまず操作系。波動拳のようなコマンド技はなく、全て方向ボタンとパンチ、キックの組み合わせ。左下+Bで中段大パンチ、右下+Cで下段中キック。まるでイーアルカンフー。投げがないのもいっしょ。 それからキャラクター。ポリゴンは粗目だが、動きは良く出来ていて、それぞれの流派の感じが上手く出せている。そしてなんと、個々のキャラクターに名前すらない。当然誕生日やら好きなものの設定もない。 そして題名にもなっている「さばき」。DOAのホールドと思ってもらえばいい。ただしDOA2のように取っただけで大ダメージということはなく、相手がほんのちょっとよろめくだけ。題名にもなっているほどのこのゲーム最大の特徴なんだから、もうちょっと派手さがあっても・・・。 CPU戦はラスボスが極悪。DOA2の天狗の比ではない。技の威力がでかいうえに、こちらの攻撃をさばきまくる。飛び蹴り〜バックダッシュ〜飛び蹴り〜バックダッシュ〜・・・で勝てたが、お世辞にも達成感があるとは言えない。 目先の流行に流されないという志は評価するが、ゲーム自体がつまらないことにはなんとも。トレーニングモードでCPUにボコられてゲームオーバーになるのも納得がいかない。あとジャケット表紙も怖すぎ。 |
ポケットファイター |
C | |
カプコン | 8.3 | |
98/7/9 | 5800 | |
ストIIなどのデフォルメキャラを使った格闘。このゲームの評価は、SDキャラやコスプレコンボ(フラッシュコンボ)などの子供向け演出を受け入れられるかどうか、にかかっている。残念ながら私はダメ。可愛いとか面白いと思う前にばかばかしいと思ってしまう。女キャラばかりなのも嫌だし、背景で動いているSDキャラたちにもいらつかせられる。 ゲームとしての出来は決して悪くはない。ボタンが3つの簡単操作とか、ジェムを使ったパワーアップシステム、削りを全く廃止したシステムなど、なかなか斬新で着想はいいと思う。ただキャラがキャラだけに、プレイしていてもあまり熱くなれない。ジェムによって必殺技が3段階にパワーアップするというシステムはいいのだが、ジェムが必要以上に沢山出てくるので、ジェムの攻防が熱くない。なんで持ってないジェムまでふんだくることが出来るのか。 エンディングでショートコントのようなものがあるが、どのキャラのエンディングも同じなので、しまいには腹が立ってくる。先に出たPS版ではキャラメイキングができる「つくってふぁいたー」というモードがあるらしい。それほど魅力的なモードではないが、後発なのに削られているというのは解せない。 |
アストラスーパースターズ |
B | |
サンソフト | 8.8 | |
98/8/6 | 5800 | |
キャラがすべて空中に浮いているという、ちょっと特殊な格闘。キャラがとても魅力的で、みな生き生きしている。戦闘前のせりふのやり取りもいい感じ。セルの裏塗りのような、濃いふちがない絵柄(言ってることわかるでしょうか?)がとてもいい味を出している。ギャラクシーファイト、わくわく7ときてやっと花開いたか。遅きに失したが。 システムは、思いっきり初心者側に振っている。必殺技コマンドがなく、とにかくボタン連打。超必殺もボタン2つ同時押しというイージーさ。その分戦略や駆け引きが薄く、ゲーマーには不評だった。が、そういうのもありなのではないかと思う。とにかくボタンをバシバシ叩いて、体力が残ったほうが生き残る。ストIIも出始めの頃はそんなではなかったか。それがいつのまにか、トリかごや投げハメ、しゃがみ待ちなど、対処を知らなけりゃゲームにならないようになってしまって。 4Mラム対応だが、なくても十分ロードが早い。CPUが弱めなのも好印象。CPUにド派手な超必を入れてストレス解消。 スターランクシステムによる判定は今一つ納得しがたいものがあるが、まあたいていそれまでに決着がつくのでよしとしよう。 |
MARVEL SUPERHEROES VS. STREET FIGHTER |
B | |
カプコン | 9.3 | |
98/10/22 | 5800 | |
VSシリーズ2作目。4メガラム専用。システムはほとんど前作と変わらず、言ってしまえばキャラを前々作から持ってきただけ。まあそういう続編があってもいいかなとは思う。 前作からの追加要素に、控えのキャラが援護してくれる「ヴァリアブルアシスト」が導入された。前作ではタッグバトルの意味があまり無かったので、このアシストが導入されたのだろう。新要素にしては地味だが、本作でどうだったのかは知らないが、マブカプ2ではゲームの本質を見失わせるほどに猛威を振るっていた。正直言って、いらない要素だと思う。 アメコミサイドはハルク、スパイダーマンのような有名どころや、シュマゴラスのようなユニークなキャラが参戦。だが、消されたジャガーノートのインパクトに比べると少々弱いか。センチネルあたりのデカキャラが欲しかったところ。ストリートファイターサイドは、キャミーとナッシュが消えて、代わりにさくらとダンが登場。ダンなんていても不愉快なだけだし、ナッシュらを削除して波動昇竜キャラを増やした意味が分からん。ついでに、とんねるずの木梨憲武がデザインしたというバカキャラ「憲麻呂」まで登場。おふざけも度を越すと嫌味にしか感じられない。巷でも不評だったようで、海外版ではキャラごと削られているという話だ。ボスは前作に続いてアポカリプス。ほとんど前作そのまま、コピペで登場。そいつを倒すとラスボス、メカ豪鬼の登場。なんか、子供の落書きのようなデザインで思いっきり萎える。その他、隠れキャラに日焼けしたさくらとか、メカザンギとか、ただの色変えキャラとか。こんなのなら入れないほうがマシだったのでは?とにかくキャラを水増ししたかったのだろうか。 相変わらずトレーニングモードが無いのが不満。サバイバルモードが追加されたが、キャラの体力が回復しない、まさしくサバイバルなため、プレイしてもさっぱり面白くない。イケイケドンドンなこのゲームで、極力体力を減らされないような堅いプレイをして楽しいのだろうか?それから、前作にあった超スローモードが無くなってしまった。おかげで全然エリアルレイブの練習が出来ない。 ハイパーコンボでフィニッシュしたとき「ショーリューレッパ!!」などと外人のボイスが入る演出がある。最初は気に入らなかったのだが、本作に慣れてしまうと前作をやったときに妙に物足りない。自分で「シンクーハドーケーン」などと言ってしまうことも。勝利画面でもボイスが入るのだが、こちらは蛇足か。「筋肉に勝るものなし」などと、どうにもローセンス。 ゲームとして前作に劣るものではないが、前作が初の4メガラム初対応が衝撃的だったため、どうも本作はパンチが足りない。全体的に悪趣味と言うかセンスの無さというか、スタッフサイドの悪ふざけ感が漂っているのも悪印象。 |
カプコンジェネレーション 〜第5集 格闘家たち〜 |
B | |
カプコン | 8.5 | |
98/12/3 | 5800 | |
ストII、ストIIダッシュ、ストIIターボのカップリング。3本入ってお徳と見るか、同じようなのばかりで損と感じるか。 プレイして、アッパー昇竜拳が出せるようになっている自分、ターボのスピードについていけるようになっている自分を発見した。いつのまにかレベルアップしていたものだ。当時はターボなんてビデオの早送りにしか見えなかったものだ。 意外なことに、CPU戦がなかなか面白い。昇竜拳が強力なこともあって、「飛ばせて落とす」が楽しい。CPUガイルのサマー空振りにアッパー昇竜〜ピヨリ〜アッパー昇竜でパーフェクトなんてことも出来る。まさに必殺技だ。最近の作品にはあまり感じられない、「技を食らったときの痛み」がここには感じられる。 ターボはスピードが速くなったせいで技が出しにくくなり、アルゴリズムが堅くなったりCPUに有利なダメージ調整がされるなど、1人プレイが断然つまらなくなった。個人的には要らない1本。 カプコンジェネレーション恒例のおまけ要素は、相変わらずいまいち。イラストが何枚入っていようと全然嬉しくない。もっと攻略を充実させてほしい。 ストIIは歴史的名作だが、現在はもっと面白い格闘がいくらでもあるので、正直対戦格闘としての価値は低い。だが、対戦格闘の記念碑的作品として、1本持っておくのも悪くないだろう。と言いつつ、XBOXでストリートファイターアニバーサリーコレクションとカプコンクラシックコレクションの都合3本持っている私ガイル。 |
闘龍伝説エランドール |
C | |
サイ・メイト/カマタ アンド パートナーズ | 8.7 | |
99/1/14 | 5800 | |
龍に乗って戦うポリゴン格闘。元はST−V。帯には「サターン最後の3D格闘」などと書いてある。残念ながらファイナルファイトリベンジにその座は譲ってしまったが。 常時龍に乗って空を飛んでいるので、かなり独特な操作感。アストラスーパースターズともサイキックフォースとも違う。キャラクターはサイキックフォースのように、バリバリのアニメ調。もう1人の主人公とも言える、それぞれの龍がよく出来ている。普通のファンタジーっぽい龍もいれば、クジラやイルカ調、タヌキ型、獅子舞風?などとバラエティーに富んでいる。モデリングもよく出来ている。ただし、龍にポリゴンを取られてしまったため、人物はかなりアレな出来。それでも全体として画面は綺麗で、BGMも特徴的で雰囲気を盛り上げる。 ただし、ゲーム内容のほうはかなりクソっぽい。技は少なく、やることも限られていて、動きもとろい。一言で言えばFISTレベル。キャラクター間のバランスは最初から取る気がなかったようで、小攻撃から簡単に超必殺がつながるキャラもいれば、どうしようもなく手詰まりなキャラもいる。CPU戦は、飛び道具が強いキャラなら、遠距離から飛び道具を撃っているだけでラスボスまでは進める。ラスボスはインチキ的に強く、2回攻撃を食らったら死ねる。コンフィグで難易度を落としてやればなんとかなるが、キャラによってはベリーイージーでも10回以上コンティニューしてラスボスにたどり着けなかった。 LRボタンで自由に空中を移動することが出来るが、スピードがのろく、敵の攻撃をかわして反撃といったことが出来ない。むしろ移動などしていると超必殺を食らう可能性が大。よって封印。ドラゴンに乗って空を飛んでいるというのに、ジャンプやジャンプ攻撃が可能。しかも座った姿勢のままジャンプしたりするキャラもいて、ツェペリ男爵もびっくり。もうちょっとこの自由移動とジャンプを煮詰めていたら面白くなったのでは。必殺技やガードにゲージを使うのだが、攻撃を食らうと簡単にゲージが回復したりして、これも練りこみ不足。 もしこのゲームがサターン中期に出ていたら、それなりにキャラ人気が出て、じっくり煮詰めて改良された続編などが出ていたかもしれない。 エンディングは一枚絵とメッセージのみだが、ティナとマリーユのエンディングが印象的。 |
ストリートファイターZERO3 |
A | |
カプコン | 8.4 | |
99/8/6 | 5800 | |
ZEROシリーズ第3弾。プレステ版が出たのが98年12月。なんとDC版にすら先を越され、とっくに旬を過ぎた頃に発売されたが、当時の状況を考えると、出してもらえただけで感謝しなければなるまい。4メガラム必須で、出来はDC版と比べても遜色が無い。4メガ専用にしてはロードはちょっと長めだが、十分許容範囲内。 前作の18人にプラスして、ストIIからお馴染みのブランカ・本田・バルログ・バイソン・キャミィが、ファイナルファイトからコーディーが、完全新キャラのかりん、レインボー・ミカ、ユーニ、ユーリとここまでがアーケード版の28キャラ、さらにプラスしてフェイロン・ディージェイ・Tホーク、ガイル、殺意リュウが参戦と、30人以上の大所帯となった。そのサービス精神は嬉しいが、人数が多い分一人一人に手がかかっていないためか、特に家庭用の新キャラの出来がイマイチ。新技はどれもカッコ悪いか使い勝手が悪く、主要な技だった烈空脚やジャックナイフが(モードによって)使えなくなっていたり、ホークのヘタレ化ぶりは目を覆いたくなるほど。アーケードでもいたブランカ・本田・バイソン・ユーリ・ユーニ辺りも、今までのキャラに比べると今ひとつ魂の入りっぷりに欠ける。新キャラのミカは、外見も技も全然惹かれる所が無い。酒かステロイドでつぶれたようなダミ声と不必要な巨乳は萎える。FFの主人公だったコーディーだが、なんと囚人として登場。意外性を狙ったのだろうが、思いっきり外していないか。しかも技もつまらなく、手錠でつながれているという設定もまったく活かされていない。そんな中で、かりんお嬢様が異彩を放つ。さくらのライバルで財閥の令嬢という設定も面白いが、通常技が強くて使い易い上に、連続入力技の紅蓮拳を絡めた連続技が爽快で、素人でも非常に動かして楽しいキャラに仕上がっている。 本作の最大の新要素は、キャラクターの特性を3つの中から選択する「ISMセレクト」だろうか。雑誌で予告を見たときから嫌な予感はしていたのだが、おおよそその予感通りになっている。シンプルなX、いろいろ出来るZ、オリコンの使えるV、の3種類のイズムがある。Xは技が少ない上に、空中ガードできないのが痛い。攻撃力が高いのが売りだが、防御力も低いので意味が無い!ファイティングジャムのストIIキャラぐらいにはっきりと攻撃力が高ければ価値もあるのだが、現状でXを選ぶ意味は皆無。Zイズムは従来のZEROシリーズのシステムを継承した、使いやすいイズム。どのイズムでもそうだが、本作では最初からゲージがマックスになっているのがいい。ストIIXではゲージが溜まる前にヌッ殺されるのがオチだったが、とりあえず本作なら、少なくなくとも一回だけはスパコンを叩き込んで一矢を報いるチャンスが与えられている。Vイズムのオリコンは、前作と違って分身が付く。まあコンボマニア御用達のシステムだが、全てのゲームでこういったオリコンシステムが強力な様に、本作でもVイズムが猛威を振るっている。ネット上の対戦動画を見てもVばっかりだ。コンボにも2択攻めにも緊急回避にも使えてしまう本作のオリコンは、さすがに強力すぎだろう。上記のシステムの他に、イズムによって通常技が変わったり、必殺技が無くなったりする。バイソンのヘッドバットがリバーサル専用だったり、全く持って意味不明。無駄な調整に時間をかけずに、もっと別のとこに注力すべきだっただろう。正直に言って、本作のイズムセレクトは完全に失敗だったと思う。 また、スーパーコンボがZERO2以上に弱体化した。レベル1なんて、威力は低いはつぶされるはで、ほとんど使えない。スーパーコンボを叩き込む瞬間に至福を感じる私はイマイチ納得いかないが、通常技による牽制合戦を大切にしようという製作側の意図は理解できる。恥ずかしながら、ZERO3をプレイして初めて通常技・間合いの大切さに気が付いた。今まで如何に自分が跳び込みのゴリ押しと必殺技の連発に頼っていたかがよく分かった。本作ではガードパワーゲージがあり、相手の技をガードするとゲージが減っていく。ゲージが無くなるとガードクラッシュになり、かなり長い硬直時間が発生する。ゲージは必殺技よりも通常技のほうが減りやすいので、ここでも通常技が重要になってくる。大攻撃のカウンターヒットで浮かせることが出来るのも、通常技をうまく当てていくことの面白さを出している。また、浮かせたあとは追い討ちで空中コンボが可能。空中コンボを導入すると一気にコンボゲーになってしまう可能性があるが、本作では追い討ち程度にとどめ、味付けのひとつとして調整されている。あとスーパーコンボレベル3がボタンひとつで出せるのがパッド派の私には嬉しい。暴発してゲージが一気に無くなることもあるが、それはそれで良し。投げがPorK同時押しになったのは、投げと打撃の自動2択を廃止する上で有効。キャラが増えてその上イズムセレクトまであり、収斂ではなく発散傾向にある本作だが、ゲームのシステムとしては非常に完成度が高いと思う。 通常のストーリーモードと対戦モードの他に、トレーニングモード、サバイバルモード、2対1で戦うドラマチックモード、経験値を稼いでキャラを成長させるワールドツアーモードと、家庭用ならではのサービスがふんだんに盛り込まれている。 ストーリーモードは、ラスボスが全キャラベガで共通なため、エンディングのグラフィックは使い回しが多い。しかし、一応全キャラ固有のエンディングがあり、それなりにキャラの設定にのっとって差別化してあるため、いろいろなキャラでクリアしたくなる。アーケード版で共通エンディングだったキャラも、ちゃんと個別のエンディングを用意してあるところは立派。キャラが多いので、ストーリーモードだけでも十分なボリュームだ。ただ、個人的にはキャラ別にボスが違うZERO2のほうが好み。それにサイコドライブとか殺意の波動とか、なんか馬鹿らしくない?ZEROシリーズのベガって、ストIIのスリムなベガに比べてカッコ悪くなってしまったし。 トレーニングモードは、ZERO2から進化せず。カプコン系はKOFなどに比べてリバーサル技が出しにくいので、起き上がりリバーサル専用トレーニングとか、起き攻め専用トレーニングモードを用意してほしいところ。 2対1、あるいは1対2で戦うドラマチックモードは、おまけにしては結構面白い。CPUと組んで敵CPUをリンチにかけるのも楽しいが、CPU2体と戦うのも孤高のヒーローっぽくていい。CPUに予想外の連続技を食らったりするのも、なかなかオツなもの。中段と下段の波状攻撃とか、固めと移動投げのコンビネーションなどCPUのくせに厳しい攻めを仕掛けてくるので、難易度は高めでその分達成感も大きい。 ワールドツアーモードは、意外と面白くない。経験値を稼いでレベルアップなんてかったるく、他のモードが十分面白いので、わざわざこのモードをやろうという気にならない。 あまり人数が増えるのは好ましくないが、ZERO3の場合、おかげでCPU戦が面白くなっている。セイバーのように、キャラが多くても同じ敵ばかり出てくるということはない。今までのサターンの格闘ゲームの中で、一番一人プレイが面白いのではないだろうか。サターン末期に出たので入手は困難だが、サターンと命運を共にしようとする漢には必携の1本だろう。まあ普通の人にはDC版か最近出たPS2版がお勧めではあるが・・・。 |
ファイナルファイトリベンジ |
D | |
カプコン | ― | |
00/3/30 | 5800 | 借物 |
再販物を除けば、サターン最後のソフト。3Dポリゴン格闘で、4メガラム必須。 2000年に出たとは思えないような画面の汚さと、変なキャラ・変な技が特徴。ゲーム内容はこれといって破綻しているわけではないが、さりとてこれが売りだというものがあるわけでもなく、大味で単調な展開。武器を拾って使うことが出来るが、それがますます大味さに拍車をかけている。最初コーディーでプレイしたときは、やたらCPUのガードが固く、難易度の高いゲームだと思った。しかしなぜかCPUは非常に投げに弱く、ハガーの「パワースウィング」→「スクリュー」、ソドムの「ジゴクスクレイパー」→「テンチュウサツ」などの当て投げがほぼ100%決まり、それだけでラスボスまで倒せてしまう。コマンド投げが無いキャラでも、下段をちくちく攻めていれば楽勝。 バカっぽい技が多いのだが、今ひとつ吹っ切れていないと言うか、バカさが中途半端で馬鹿ゲーといって笑い飛ばすにはいまいちパワー不足。4メガラムを使う必要性があったのかも疑問。サターン初期にマイナーメーカーから出たなら許せるが、サターンのトリを飾るソフトが格ゲーの大御所から出たのに、この程度の出来ではがっかり。ただ私はキカイオーとかジャスティス学園のような不真面目系の格ゲーが嫌いなので、そういうノリが好きな人にはもしかしたら楽しめるのかもしれない。 |