格闘物(前半)

  1. バーチャファイター
  2. バトルモンスターズ
  3. 〜制服伝説〜 プリティーファイターX
  4. バーチャファイター リミックス
  5. 水滸演武
  6. ストリートファイター リアルバトル オン フィルム
  7. ゴールデンアックス・ザ・デュエル
  8. ドラゴンボールZ 真武闘伝
  9. X-MEN CHILDREN OF THE ATOM
  10. 闘神伝S
  11. ギャラクシーファイト 〜ユニバーサル・ウォリアーズ〜
  12. バーチャファイター2
  13. ストリートファイターZERO
  14. NINKU−忍空− 〜強気な奴等の大激突!〜
  15. ヴァンパイア ハンター
  16. 水滸演武〜風雲再起〜
  17. ザ・キング・オブ・ファイターズ’95
  18. モータルコンバットII完全版
  19. ドラゴンボールZ 偉大なるドラゴンボール伝説
  20. HYPER REVERTHION
  21. 餓狼伝説3〜遥かなる闘い〜
  22. ライズオブザロボット2
  23. バーチャファイターキッズ
  24. ワールドヒーローズパーフェクト
  25. ファイティングバイパーズ
  26. 鋼鉄霊域(スティールダム)
  27. ストリートファイターZERO2
  28. リアルバウト餓狼伝説
  29. 闘神伝URA
  30. サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣
  31. FIST
  32. 電脳戦機バーチャロン
  33. 美少女戦士セーラームーンスーパーズ Various Emotion
  34. ウルトラマン 光の巨人伝説
  35. FIGHTERS MEGAMiX
  36. ザ・キング・オブ・ファイターズ’96

バーチャファイター

セガ 8.9
94/11/22 8800
記念すべきセガサターン第1作。ポリゴン格闘ゲームという全く新しいジャンルをこれ1本で切り拓いた。これが無ければバーチャ2もバーチャ3も無かったのだ(あたりまえ)。
パンチ・キック・ガードによる操作系、中段・下段・投げによる攻撃手段、ボタン連打による連携技、空中コンボなど、3D格闘の基本がすべてここにある。1作目にしてここまで完成させるとは、さすが鈴木(元)部長だ。1作目だということで、ジャッキーが強すぎるとかパイが弱すぎるとか、パンチ投げが怒涛の威力だとか、コンボ始動ジャブの存在意義がわからんとか、まあ荒削りな所も無くは無い。
ゲームセンターで見たときは「何じゃコリャ」と思って手をつけずにいた。カクカクしたキャラ、ぴょーんと飛んじゃうジャンプなど、どう見てもとっつきがいいとは思えない。ジェフリーなどロボットだと信じていたし。他で言う美少女キャラのサラやパイにしても恐かった。世間の評判とは裏腹に、サターンでプレイしても面白いんだか面白くないんだか、実は良くわからなかった。ところがある日、ウルフで下Pからジャイアントスイングが決まった。その瞬間、目からうろこが落ちまくり。対CPU戦に燃えまくった。段位認定モードが実に面白い。私の最高はウルフ8段。残念ながらあまり人と対戦する機会はなかったが。
ポリゴン数が多少落とされていたり、ポリゴン欠けがあったりと、移植度は完璧とはいえない。また、キーコンフィグがセーブされないなどの不自由なところもある。しかしそんな不満を吹き飛ばしてくれるぐらい、当時はこのソフトとサターンにはパワーがあった。もしサターン持ってて、これやったこと無い人は即買うべし!とは言えないか。もう古いし・・・。まあ今なら定価の88分の1ぐらいの値段で買えるので、ジュースを1本我慢して買っておくのもいいかも。
BGMはバーチャ2よりいい。特にサラステージは印象的。カウンターヒット時の「ガイ〜ン」というソリッドなSEも、ポリゴンのカクカクした画面にマッチしていて気持ちがいい。

バトルモンスターズ

ナグザット 7.1
95/6/2 5800
異形たちの実写取り込みを使った格闘ゲーム。このゲーム、対戦格闘としてみたらゲーム性低すぎ。何しろ投げが無く(コマンド投げも打撃扱いになっている)、しかも中段攻撃もケズリもない。もし相手にしゃがみガードで固まられたら、崩す手段は完全に無し!もう一つ言えば、画面端でサマー連発のような安直な即死コンボもある。一瞬にして勝負がつく不条理なステージもある。
しかしこのゲームの真価はそんなところにあるのではない。対人戦はともかくとして、実写によって表現されたモンスターたちが生き生きと暴れまわる様を堪能したい。変な双子にフランケン、生首マッチョに綺麗なお姐さん、ラスボスの4精霊など、どいつもこいつもキャラクター立ち過ぎ。人外のモンスターの動きやモンスターたちの様々な咆哮などのSEもばっちりで、本当にモンスターに出演させたのではなどと思える出来だ。世界観にあった不気味な背景や、重厚なBGMなど、全てがばっちり決まっている。製作者はかなりのセンスがある人たちだったのだろう。格闘要素に関してはアレだが・・・。あとジャケットの表紙のイラストがヘボすぎなのがちょっと。これで売上を落としていそう。最も実写格闘ということを表に押し出しても、喜ぶのは私ぐらいか?
CPUは足払いなどに弱く、難易度は低いので格闘ゲームが苦手な人にもお勧め。
時代はPS2、GCなどの高性能機にシフトしてしまったので、おそらく実写格闘ゲームなどはもう2度と出ることが無いだろう。中古が出回っているうちに捕獲しておくのが吉かと。

〜制服伝説〜 プリティーファイターX

イマジニア 4.4
95/6/16 7800
ギャル格闘&イマジニアということから想像できるように、限りなくクソに近い2D格闘。
不必要に露出度の高い女の子達が、理由も分からずに戦う。オープニングとエンディングにムービーがあるが、ストーリーとどういう関係があるのかまったく意味不明。キャラのパターン数がかなり少なく、大昔のゲームのよう。技の発生時間とか当たり判定などもかなりいいかげん。技も少なくてプレーが単調。キャラは11人もいる。おかげでCPU戦は12戦もしなくてはならない。7〜8人いれば十分という気がするが。
技の名前が「おしりプー」とか「パックリ旋風脚」とか本気で脳みそ腐りそう。技名の有名どころを挙げてみると、「ハメハメドライバー」「バナナ大好き」「肉にしますか魚にしますか」・・・。今打っていて脳細胞がいくつか腐ったような気が。
CPUに連勝するとオマケのグラフィックが見れる。なんか赤いし下手くそだし、ご褒美というより懲罰に近い。
キーレスポンスとかは悪くないので、かろうじてクソゲーの烙印を押されずにすんだ。もちろん人によってはクソゲーだろう。

バーチャファイター リミックス

セガ 8.6
95/7/14 3400
このゲームの評価は難しい。ポリゴン欠けが無くなった、キャラが少し大きくなったなどのバーチャより進化している部分もあるけど、テクスチャーが張られてキャラが(ものすごく)カッコ悪くなってしまった。パイとかサラはより恐くなったし。画面のトーンがやたら明るく、俺ら陽気なアメリカンといった感じになってしまった。そのくせ、キャラ選択画面はアメコミっぽい汗臭い絵柄になってしまった。サタマガに書いてあったことをそのまま引用させてもらうと、デュラルはまるで宇宙人、ウルフはにせウルトラマンで、サラはダッチワイフだそうだ。
まあゲーム内容にまったく変化は無いので、Aをつけてもいいんだけど・・・。まあ所詮サターン本体の販売促進用のオマケだし。
エンディングのリプレイは、背景が真っ黒で味気なくなってしまった。雑誌でそれを評して「エンディングがバーチャ2みたくなった」と言った人がいた。物は言いよう。

水滸演武

データイースト 6.9
95/8/11 5800
梁山泊の英雄たちが武器を持って闘う2D格闘。ST−Vからの移植。
無学な私は水滸伝のことは全然知らないのだが、キャラクターは一人一人個性があって、うまくキャラ付けされていると思う。同社の「ファイターズヒストリー」などに比べると、ずっとキャラが立っているしカッコいい。扈三娘なんか、むしろ春麗なんかより萌える。他にも巨大スタンドをお供にする公孫勝や、渋い魅力の林冲、ただデカい李逵、いかにもデカい中国人といった魯智深など、味のあるキャラが多い。ホモっぽい青河童だけは受け入れがたいが、まあデコなので。
まずプレイして感じることは、やたらにスピードが遅いこと。速ければ速いで文句も言うが、このスピードではビデオのスロー再生のような不自然さで、少し遅すぎるように感じる。その上処理落ちがあって、空中コンボがうまく入らないことがあったりしてイラつくことがある。スピードが遅いわりに、技ヒット時のエフェクトが軽く、重量感が感じられないのが残念なところ。ヒット音を重くするだけで、武器を当てたときの爽快感が段違いになるはずだ。
体力ゲージの他に武器ゲージがあり、ガードするごとに減っていき(回復不可)、ゲージが無くなると武器が壊れてなくなってしまう。武器が壊れると、特定の必殺技が使えなくなってしまう。しかし逆に、素手時しか使えない必殺技があったり、チェーンコンボのようなコンビネーションが使えたり、ガードの代わりに避けが発動して避け攻撃が使えたりと、単純にパワーダウンするわけではない。じゃあ折角苦労して武器を破壊した意味はどこにあるのかということになる。ここは純粋に、攻撃力や防御力が落ちるとか、通常技でも削られるようになるとか、パワーダウンオンリーでよかったと思う。その方が、ひたすらガードして隙を待つガン待ちの対策には有効だったと思う。
取説に、武器投げや嘘ピヨなどのシステムが記載されていないのは不親切。特にスペシャルモード(アーケードの再調整版)で使用できる、超必殺技のコマンドや使用条件がどこにも書いていないのは困りものだ。なんか騎馬が出てきたりしたのだが、ボーナスステージなのだろうか?
ラスボスも含めCPUが弱めなので、ゴールデンアックスや斬紅郎のようにストレスを溜めないで済む。面間のロードは長いが、何度もコンティニューしてイライラさせられることが少ないので、まあ許容レベル。これでCPUがKOF95並の強さだったら、ブチ切れていること間違い無し。
もうちょっとプレイスピードが速くて、効果音に迫力があれば、初期作品の中ではかなり遊べるゲームになったのではないだろうか。

ストリートファイター リアルバトル オン フィルム

カプコン 7.0
95/8/11 5800
カプコンによって作られた、ストIIXの実写版。すごい間抜け。誰もが思っただろう。こんなのよりストIIX出せよと。グラフィックだけでなく、技のかけ声やステージ間の台詞まで非常に間抜けなところに隙が無い。
ゲーム的には(実写の割に)よくできている。スーパーコンボの残像など、実写とは思えないほど綺麗だ。スーパーコンボフィニッシュは、もしかすると本家XやZEROシリーズ、スト3よりかっこいいのでは?
ただしスト3ライクな必殺技のES版があって、スパコンと同じ位威力あるくせにゲージを使わないので、いまいちバランスが悪い。
ストーリーモードをクリアすると、チャゲアスのかっこいいビデオクリップが見れる。ただしそのためにはガイルを使わないといけない。ソニックですら出しづらい・・・。
2P色の不気味さとロードの長さは勘弁してほしいが、まあ遊べる1本。ただ、受け狙いのキャラ、キャプテンサワダが人気を博しているのが気に入らない。
ちなみに映画のほうは、だめと言われているが私は好感触。ケンの昇竜拳、バルログのローリングクリスタルフラッシュ、キャミィのフランケンシュタイナー、ガイルのサマーなど、一生懸命映像化しようとしていた。それにしてもザンギは似すぎ。

ゴールデンアックス・ザ・デュエル

セガ 7.0
95/9/29 5800
ゴールデンアックスのキャラを使った(実は別人だけど)対戦格闘ゲーム。元はST−V版。武器を持って戦い、画面の拡大縮小や対戦中にアイテムが出るなど、初代侍スピリッツに雰囲気が似ている。
元のゲームや移植の出来が悪いというわけではないが、これと言って長所が無いのが厳しい。格闘ゲームブームの乗って作られたよくある格ゲーの1本、という印象。
CPUのガードが堅く難易度が高めで、コンティニュー時のロードがやたら長いので、イライラさせられることが多い。コンティニューなんてほとんどは同キャラを選ぶのだから、その場で即再開できるようにすべきだろう。
キャラクターは今ひとつぱっとしない。主人公はガキ臭く、女キャラも子供っぽい(しかもシリコンっぽい)。もっと元ネタに沿ったアダルト路線でいってほしい。ゾマとかキールとか、いい感じになりそうなんだけどどこかハズしている。ゾマはキキキなんて言わせるキャラじゃないと思う。ジャムの「ラクチンパッチン・・・」なんて、使ってるこっちまで腹立ってくる。あと欲を言えばスケルトンやチキンレッグで対戦したかったところ。
ド派手なハイパーマジック(超必殺技)がウリになっているが、超必を出すにはポーションを5つ集め、さらにパワーを開放しなければならない。つまりバレバレってこと。別にコマンド入力で発動でもよかったのでは?ポーションが5つ集まらないことにはなんの役にも立たないので、ポーションの数によって違った技が使えるとかにして、ポーションが揃っていない状態でも何かしら戦略に組み込めるようにしたほうが良かったのでは。あと超必のコマンドが全員違うという凝りようだが、そのおかげで出しにくいし覚えるのが面倒。
音楽や背景の雰囲気はなかなか良く出来ている。クイックコンティニューがあればもう少しは遊べるゲームになっていたと思う。

ドラゴンボールZ 真武闘伝

バンダイ 6.1
95/11/17 6800
ドラゴンボールのキャラを使った2D格闘。スーパーファミコン時代からのシリーズ。
キャラクターの作画やオープニング、天下一武道会モードのエンディング、対戦キャラ限定のセリフなど、かなり力が入っている部分があるのは認める。しかしながら、肝心の格闘部分はプリティーファイターX並かそれ以下。キャラパターンが少なく、動きが不自然。デュアルスクリーンのメリットが全く分からなく、ただやりにくいだけ。CPUの繰り出す必殺技をガードすることも出来ず、100%食らってしまう。避けたりするコマンドが取説に書いてあるが、何度試しても一度も成功しなかった。
キャラクターが27人もいるが、キャラクターを増やす前に他にすることがあったのでは?カプコンとかに外注で出せば、かなりのゲームに仕上ったかも。JOJOの版権をバンダイに取られなくて本当によかった。
サタンモードというギャンブル的なモードがあるが、簡単確実な攻略法があるので、今一つ面白くない。もっと本格的にオッズとか組みこんで作ったら、結構面白い物が出来たかも。ドラクエ3の闘技場もそれなりに面白かったし。
ゲームとは関係ないが、私はドラゴンボールが大嫌いだ。死んだ人間をほいほい生き返らせたり、強さのインフレーションが起こってたりして、ジャンプの悪いところをそのまま具現化していた。なんであんなにストーリー展開に創意も工夫もない漫画が流行ったんだろうか。

X-MEN CHILDREN OF THE ATOM

カプコン 8.0
95/11/22 5800
カプコンのアメコミ格闘シリーズ第一作。サターンに移植するに当たって、キャラクターのパターン数を減らしたりしているため、動きはちょっとぎこちないような気がする。しかし慣れてしまえば問題は無いし、当時としては最高レベルの移植であったことには間違いが無い。
プレイしてすぐに気が付くことだが、ともかくCPUが強すぎ。選んだキャラクターによっては2面すらクリアできなかった。オプションで難易度を最低にすればそれなりにサクサク進むのだが、それでもラスボスの二人は激強。ジャガーノートはハイパーアーマーに極悪な攻撃力、マグニートーは空中から降りちゃこないし、バリア張られた日にはどうしろと?
今でこそわりとメジャーなX−MENだが、当時は一般人にはほとんど知られていなかったため、キャラクターに親近感が湧かなかった。その上この難易度では、幾らなんでも客を選びすぎだろう。アーケード版は当然のごとくヒットせず(本作がシリーズ中一番面白いという固定客もいるようだが)、サターン版もあまり売れなかったようだ。サターン版はアーケード版より難易度が高いという話もある。
スーパージャンプで空中狭しと飛び回る空中戦、ダウン状態にも情け無用の追い討ち、打ち上げての空中コンボ(アッパーで打ち上げるのがベクトル理論とは恐れ入るが)など、ストIIには無い新しい要素を存分に盛り込んでいる。しかし、CPU戦がつまらないことにはどうにもならない。その上練習モードが無いので、空中コンボの練習が出来ないのが痛い。まあ2Pをデクにしてやればいいのだろうが、そこまでして練習したいという気にならない。それから、ガンガンキャンセルが効くド派手な打ち合いがウリなんだが、そのわりにはヒット効果やハイパーXの演出が地味で、爽快感に欠けるように思う。
超必殺技のハイパーXは波動+PPPで出るのだが、サターン版ではPP二つ同時押しで出せる。パッド派にとっては嬉しい改良だ。L+スタートボタンでクイックコンティニューが出来る気配りも嬉しい。
カプコンも本作で反省したのか、難易度を下げたりメジャーなキャラを入れたりと、続編を作るごとに改良していき、VSシリーズという一つの柱を作ることに成功した。このシリーズよって、日本でもアメコミがほんのちょっぴりメジャーになった功績は大きいかもしれない。

闘神伝S

タカラ/セガ 6.3
95/11/24 5800
闘神伝は確かにエポックメイキングな作品だった。それを現在の目で見て批評するのはフェアじゃないような気もするが、つまらない物はやっぱりつまらない。
画面が汚く、動きがとろく、技が出にくい。技の出の早さとか当たり判定、威力などの、格闘ゲームにおいて非常に重要なファクターの調整が極めていいかげん。CPUがこちらの攻撃に昇竜拳を合わせてきたりして非常にむかつく。
列伝モードと通常のモードをクリアしたが、コンティニューしたためかショウもクピードーも出てこなかった。まあでも十分。これをやった後では、URAの出来が非常によく思える。単なる錯覚だが。
もしこのゲームがPS版と同時発売だったら、私はサターンを買わずにPSを買っていただろう。くわばらくわばら。

ギャラクシーファイト 〜ユニバーサル・ウォリアーズ〜

サンソフト(サン電子) 7.4
95/11/22 5800
地味な2D格闘。初めてアーケードで見たときは、あまりの画面の地味さに、新種のポリゴン格闘だと思ってしまった。画面だけでなくゲーム内容も地味で、派手な必殺技や超必殺技も無く、コンボ数のカウントも無い。画面端が無くてフィールドが無限ループするのが唯一の特徴だが、だからなに?リングアウトの有るバーチャに対抗してリングアウトの無い鉄拳、というのなら分かる。では本作で画面端が無いのは一体どういう意図が?
キャラクターは、ルーミやギュンターなどの目を引くキャラもいるが、それ以外のキャラは特筆すべき印象も無い。忍者とかいい加減ヘドが出るほど飽き飽き。
小中大攻撃の3ボタン制(もうひとつは挑発専用)で、その分通常技が少ない。通常技が少ないゲームではチェーンコンボなど似合いそうな気がするが、どうだろうか。サターンは6つボタンがあるので、余ったボタンに必殺技を自由に割り振ることが出来る。確かに初心者には親切かもしれないが、親切の方向性が間違っているような気がする。
CPUが無闇に強く、1面からプレイヤーを本気で殺しにくる。お父さん怖いよ・・・と薬師丸ひろ子の気分。それなので、全然キャンセルや連続技の練習をする場が無い。玄人に言わせれば、ダッシュを絡めたスピーディーな攻めとガードキャンセルを駆使した攻防が本作の面白さらしいが、CPU相手では全然通用しない。その為ルーミでガン待ち・使う技は下大Pのみでクリアしたが、当然全然面白くない。どんなに対人戦が面白かろうと、CPU戦が面白くない家庭用対戦格闘ゲームなんぞ下の下。そこがアーケードとは全く違うところ。アーケードではまず始めに対戦の場が与えられているが、家庭用では自分で対戦の場を用意しなければ、対人戦を行うことは不可能。一人プレイがつまらないゲームなぞ、わざわざ対戦しようなどと思うわけが無い。対戦相手がいるのであれば、トランプだって十分面白い。トランプに無い付加価値(ex.一人でも楽しめる)が無ければ、コンピューターゲームの意味が無いだろう。

バーチャファイター2

セガ 9.2
95/12/1 6800
いまさら説明するまでもない、サターン唯一のミリオンソフト。家庭用3D格闘の頂点に君臨(当時)。よくぞサターンでここまでできたものだ。発売前は30フレームになるとか初代バーチャのグラフィックになるとか言われたものだが、発売された実物を初めて見たときは、その期待以上の仕上がりにびっくりしたものだ。美しい高解像度画面に滑らかな1イントの動き。奇妙な動きの蟷螂拳やコミカルな酔拳を完璧に再現。ロード時間も短く快適。新たに挿入されたオープニングムービーもなかなかいい感じ。舜帝やウルフのステージなどグラフィック上の違いがあるが、そんなことは些細なこと。ゲーム性の移植は完璧に近い。
一つの問題は、SEがへぼなこと。今ひとつ音がショボイし、KOの声に効果音が消されることが多々ある。たかが効果音だが、プレイヤーに与える印象は意外と大きく、技をヒットさせた爽快感がかなり割引されてしまっている。それから、空中コンボのダメージが大きくなっているのは蛇足か。
チームバトルモードや観戦モードなど、サービスは盛沢山。バーチャ1と同じく段位認定モードもある。CPUを育てるモードもあるが、これは今ひとつ流行らなかったようだ。PS2版バーチャ4でもCPUのAI育成モードがあったが、やっぱり流行らなかった。CPU戦は、投げハメを使えば簡単、はめなきゃ鬼強で、どちらかと言えばバーチャ1のほうが面白かった。段位認定も投げハメのおかげで1ほど燃えられない。ちなみに、デュラルの正体(影の母親)が見れる隠しエンディングがある。思いっきり蛇足だと思うのだが・・・。
思えば、バーチャ2は本当に凄いソフトだった。初代バーチャはヒットしたといってもそれは一部の話で、私が当時住んでいた地方ではほとんど対戦風景など見なかった。それが2では全国的に大ヒット。「初めて見たときの酔拳の動きが忘れられない」という記述は2006年の今でもネット上でよく見ることが出来し、私もまったく同感。ゲームセンターに行けば対戦相手には事欠かなかったし、全国大会の模様はテレビで放映もされたものだ。ブンブン丸対大門ラウのような伝説的な試合も残された。今思えばゲームバランスは決して優れているわけではなく、アキラばかり優遇されていたし、肘と投げの自動2択ばかり、あるいはチキンキックばかりの寒い対戦も多かった。しかし、当時はそれらを全て覆い尽くすほどの勢いがあった。最新作の5では、確かに画面は綺麗だし不条理な技も少ない。しかしながら、最新作だというのに閑古鳥が鳴きまくっている。私も4EVO以降は全くゲーセンではやらなくなってしまった。5の何が悪いのかはプレイしていない私には分からないが、2の大ヒットをよく分析して、もう一花咲かせて欲しいものだ。バーチャ派の私としては、鉄拳の後塵を拝している現状は非常に残念だ。

ストリートファイターZERO

カプコン 8.3
96/1/26 5800
ストリートファイターの新シリーズ。元ネタより前の時代に遡って「ZERO」とするのは、ゲームや映画によく使われているが、結構本作あたりが走りなのかも。
ヴァンパイアでは好評だったアニメ調のグラフィックだが、本作を初めて見たときは「うわ〜これは・・・」と思ったものだった。ヴァンパイアほどグラフィックにセンスが感じられず、ただ単にのっぺりとした平板な絵柄で、正直手抜きにしか見えなかった。リュウやケンの爽やか青年ぶりにも違和感を禁じえない。ZEROからストIIの間にどんな嫌なことがあったのか・・・。今でこそ見慣れてしまったアニメ調グラフィックだが、もしもZERO2がブレイクしなかったら、見慣れることも無く、黒歴史として葬り去られていたかもしれない。
しかし、ゲーム部分はよく出来ている。ストIIXとの最大の違いはスーパーコンボにレベルがついたこと。1レベルたまったらすぐ使うか(あるいは1ゲージ使ってカウンターで切り返すか)、我慢して貯めて一発に賭けるか。常に選択を迫られるのが面白いところ。ZEROシリーズも後になるほどどんどんスーパーコンボが弱体化させられているが、本作ではレベル1でも十分な威力と無敵時間があり、「スーパーコンボを叩き込む爽快感」を堪能することが出来る。特にバーディーのブルリベンジャーなどは「こんな技もあったのか!」と感心させられた。CPUの飛び道具に合わせて決めるとしてやったり感が満喫できる。
ゲージが溜まりやすく、露骨にゲージ溜めしなくても、自然とスーパーコンボが使えるようになっているのは美点。ストIIXでは、開幕からバックジャンプ空中竜巻ばっかりやっているリュウが沢山いて、萎えさせられたものだった。
コマンド技を出しやすく、CPUが適度に弱いのも本作の長所の一つ。ストIIはターボあたりからどんどんマニアックになっていって、スパIIXになるとCPUが凶悪で技も出しにくく、楽しむ前にストレスを感じることが多い。「原点に帰る」というコンセプト通り、初心者にも門戸を開いたのは素晴らしいことだ。初心者用に「オートガード」モードもある。ただ、いまだかつて玄人と初心者の操作系を分けて成功した例が無いのはなぜだろうか?
スーパーコンボのレベルはボタンを押した数で選択する。しかし、コンフィグで小パンチに小中大パンチ同時押しを設定すると、小技も普通に出せるし、レベル3スーパーコンボもコマンド+ワンボタンで出せる。これはパッド派には非常に嬉しい配慮だ。ZERO2でも同じことが出来るが、ザンギの小技と豪鬼の小昇竜が出せなくなってしまう・・・。
通常技がつながる「ZEROコンボ」もハンターから引き継いで標準装備されている。ただ、ヴァンパイアに比べて全体的に技のリーチが短く、ダッシュも無いため、あまり有効では無いように思う。それに、通常技がビシビシ入るのは、重い一撃の駆け引きを楽しむストIIシリーズに似つかわしくない。ゲーマーにも好評ではなかったらしく、2では削除された。
本作では、家庭用サービスとして「トレーニングモード」を搭載。デクのCPUをボコれるというだけの話だが、連続技の練習が存分に出来るのは便利。今でこそ家庭用格ゲーには標準装備ともなったモードだが、当時はまだ珍しかったはず。残念なのは、CPUに攻撃させることが出来ないので、反撃やリバーサルの練習が出来ない点か。
ゲーム内容には申し分は無く、プレイしていて楽しい。しかしそれでも世間で名作という評価を得ていないのは、グラフィックの変更もあるが、キャラの少なさによる「なんか手を抜いてる?」みたいな感じを受けるからだろう。ヴァンパイアやX−MENのような完全な新シリーズならともかく、いやしくもストIIの後継作だというのに、ストIIの16人から10人(隠しでプラス3人)というのは減りすぎなのでは?ストII、初代ストリートファイター、ファイナルファイトから満遍なくキャラを引っ張ってきたのは悪くないアイディアなのだが・・・。背景グラフィックが少ない(キャラ人数分用意されていない)のも、チープな感じを増長させている。
隠れでダンが初登場。なんかウケのいいキャラではあるが、私的にはイマイチ。バランス命な対戦格闘で、わざと性能の低いキャラを出す意味があるのだろうか?カプコンが調子に乗って、どんどん馬鹿な技を装備させていったのも不愉快だ。

NINKU−忍空− 〜強気な奴等の大激突!〜

セガ 5.3
96/2/2 5800
背景にポリゴンを使った2D格闘。
原作もくだらなかったが、ゲームもくだらないなあ。もちろんそれが狙いなんだろうけど。
キャラのパターンが少なく、動きがカクカクしている。背景がポリゴンで描いてあり、自由に回転したりすることができる。一部の技を当てたときに軸がずれて、背景が回り込んだりしている。しかし単なる演出に過ぎず、ゲーム性には関係がない。
原作どおり風助は極端に背が低く、アニタかイギーのようで笑える。
CPUは弱いのだが、技が出にくくてちょっとストレスフル。なぜかダッシュは超スピード。

ヴァンパイア ハンター

カプコン 8.9
96/2/23 6800
異形の者たちが画面狭しと暴れまわる、ストIIと並ぶカプコン2D格闘人気シリーズ。サターンでのみプレイ可。PSユーザーにざまー見ろと思ったものだ(今はPS2版がある)。
とにかく目を引くのが美しいグラフィック。独創的でコミカルなキャラクターたちが、幻想的な背景の中で、とてもスムーズにアニメーションする。サターン移植に当たって、多少アニメパターンが間引かれたらしいが、全く違和感の無い滑らかな動きをする。X−MENで感じたガクガク感は皆無だ。
前作のヴァンパイアのウケが今ひとつだったのは、独特のゲージシステムのせいではないだろうか。ゲージが溜まると勝手に発動して、一定時間必殺技がパワーアップする、というものだった。勝手に発動してタイマーが減っていくのでせかされるようで、しかも必殺技を出しただけで終わってしまうので、消化不良感が強かった。本作では、これ以降のスタンダードとなった、ゲージをストックできるシステムになっている。貯めたゲージは、超必殺技とも言うべきEX技と、必殺技の強化版のES技を出すときに消費する。続編のセイバーのように、技によってゲージ消費量が違うこともなく、シンプルなシステムで好ましい。ES技も十分威力があるので、言うなれば超必殺技を4つも5つも装備しているに等しい。このド派手な大技の応酬が本作の一つの魅力になっている。
本作の最大の特徴は、通常技がビシバシつながるチェーンコンボ。前作でも目押しでつながったらしいが、本作ではシステムとして昇格され、入力判定も容易になっている。とにかくボタンをバシバシ叩くことで技がビシビシ入るチェーンコンボは、闘争本能にダイレクトに訴える。ストZEROのZEROコンボは今ひとつ地味なのだが、モンスターならではの派手な通常技を持つ本作では、連続で通常技を叩き込む爽快感は抜群だ。初心者はオートガードモードにして、LRにボタン3つ同時押しを設定しておけば、ワンボタンでチェーンコンボの爽快感が味わえる。オススメ(私もそうやって本作の面白さを知った)。
チェーンコンボと対になるガードキャンセル、ダウン追い討ち、移動起き上がりなども本作ならではの特徴か。ガードキャンセルは、ガード時に素早くコマンドを入力することで、ゲージ消費などの制限なくいつでも出せるようになっている。ガードされても調子に乗ってチェーンで押しまくる相手へのしっぺ返しなのだが、入力が厳しいので私には無理。上級者は一発ガードキャンセルが出来るらしいのだが、私はバルキリーターンガード時ぐらいしか出せたことがない。ダウン追い討ち、移動起き上がりは3D格闘からの拝借か。追い討ちが確定する場面が多いので、基本的に確定時にしか使わない。起き上がり方向との読み合いがあるわけではないので、あんまり面白くないシステムだと思っていたが、セイバーになって追い討ちが弱体化されると、やっぱり物足りなく思ってしまう。
大きなキャラが滑らかにアニメーションし、処理落ちも無し。ロード時間も十分許容範囲。先ほどアニメパターンが省略されていると書いたが、同キャラ対戦ならパターンカット無しというサービス振り。しかも初代のデモやBGMまで入っているという凝りよう。間違いなく、生サターン(拡張RAM未使用)での2D格闘の頂点だろう。ゲームの分かりやすさという点を見れば、続編のセイバーより高く評価できるかもしれない。
難を言えば、コマンドが幾分難しいこと。なぜかヨガフレイムコマンドが入りにくいし、小P小P前小K大Pなんて複雑な順番押し技は、私の友人達はパッドでも苦も無く出してくるが、不器用な私には無理。コマンドなんて簡単なほうがいいに決まってる。小P中P大P前とか、大P*3前とか簡単なコマンドにしたってバチは当たらないだろう。
新キャラは2人。レイレイはキョンシーの女の子で、巨乳なのが気にいらないが(巨乳なんて2人で十分ですよ)、技の特性は面白い。超強力なEX技天雷破と、多段ヒットするJ大P・立大Pが気持ちいい。しかし技にクセがあるので素人向きではない。もう一人は、バンパイアと人間のハーフだというDな設定のヴァンパイアハンター・ドノヴァン。主役のくせに見かけも地味なら技も地味で、使い勝手の悪い技の数々はどう見ても玄人向き。あんまり人気があったようには思えず、マーブルスーパーヒーローズの出演もアニタに取られる始末。ただ単にキャラにジョジョ立ちさせたかっただけなのでは・・・。表紙のイラストはレイレイとドノヴァンなのだが、妊婦さんと助産師みたいでなんかイヤ。
サターンと本作があれば、2006年の現在でも十分に楽しめる。これだけの出来にかかわらず、中古屋では非常に安価で手に入るので、持ってない人はぜひ入手すべし。

水滸演武〜風雲再起〜

データイースト 8.9
96/3/22 5800
「水滸演舞」のバージョンアップ版。前作はアーケード版(ST−V)の移植だったが、本作は家庭用オリジナルらしい。
前作で「スピードが遅い」と書いたのだが、本作ではプレイスピードが速くなり、軽快で爽快なゲームに変貌を遂げた。効果音の軽さは相変わらずだが、攻防のテンポがアップしたのでそれほど気にならなくなった。スピードが速くなったのはいいが、処理スピードの問題か、小さいキャラとデカキャラを使ったときでかなりゲームスピードが違うのはどうかと思う。
ゲーム内容は前作のスペシャルモードとあまり変わらない(と思う)。挑発とニセピヨの代わりに、小ジャンプと武器置き(拾い)が組み込まれた。前作で「武器が壊れたらパワーダウンすべきだ」と書いたが、意図的に武器を手放して、素手でしか使えない必殺技やコンビネーションで攻め立てるのも、結構面白いかも〜などと思ったり。
超必殺技が出せるときには体力ゲージが点滅して、見た目分かり易くなった。体力が減ると超必出し放題なので、超必をほぼ無条件で食らってくれるCPU戦は難易度が低め。前作よりほんの若干高めに調整されている感じ。
武器格闘という見かけによらず、かなりのコンボゲームになっている。打ち上げて空中投げ、バウンドコンボなど、カプコンのVSシリーズのような空中コンボが出来る。技によって吹き飛ばし属性が違い、その属性によって技が入ったり入らなかったりするので、見かけ上当たりそうでもすかることも多い。コンボ職人向けか。画面端に叩き付けると、やたら長時間空中にへばりつく。不自然でカッコ悪いので何とかしてほしいところ。
同社の「ファイターズヒストリー」から溝口とヨンミーが参戦している。どちらも中国人じゃないじゃん。水滸伝の英傑ならまだ100人近く残ってるんですけど。まあどちらも悪いキャラではないが、コピペではやっぱり画のトーンが違って多少違和感が残る。個人的にはヨンミーより投げキャラの亮子のほうが良かったかなあ。
キャラが増えたそのしわ寄せか、残念なことに前作で味があった勝利画面(スペシャルモードではフルボイス)、ラスボスの登場・変身シーン、各個エンディングなどの演出関係がバッサリ削られている。あくまで対戦ツールとして完成度を高めたということだと思うが、出来のいい対戦ツールは他にもうあるので、超有名な原作を題材にした、という利点を活かした演出を楽しませてほしかったところだ。取りあえず扈三娘の勝利画面(と敗北画面)だけでも残してくれれば・・・。
ロードは長めだが、まあ許容範囲。ロード画面にちょっとした仕掛けがあるのは、ロード時間のストレスを軽減させるための粋な計らいか(でもあんまり効果無さそう)。
前作よりずっと遊べるようになっている為、カプコンとSNK以外の対戦格闘を求めている人は候補に入れてもいい1本だろう。

ザ・キング・オブ・ファイターズ’95

SNK 8.6
96/3/28 7800
90年代に隆盛を誇った格闘ゲームの人気シリーズがみな消え去った2006年現在、いまだに続編が出続ける人気シリーズの第2弾。
本作を語る上で、T.A.R.S.(ツイン・アドバンスド・ロム・システム)を外すことは出来ない。サターンの拡張スロットに専用ロムを差し込むことによって、ロード時間の短縮や、より再現度の高い移植を実現するというもの。その甲斐あって、同時期の格ゲーや後発の96に比べて、ロード時間は短くパターンの省略も無い(と聞く)。いいことずくめなTARSのようだが、大きな落とし穴がひとつ。サターンユーザーなら誰もが知るように、パワーメモリーを抜き差しするのがどれほどリスキーなことか。おかげで100%クリアしたYU−NOのデータが消えてしまった。拡張RAMならある程度の汎用性があるので、拡張ラムRAM専用の本体を用意するのも悪くないが、本作のように専用ROMでは、’95専用本体を用意しろと言うのだろうか。結局TARSは本作とウルトラマンの2作のみに終わった。まあ妥当なところだろう。
ゲームの自体は、(あまり進化しないKOFだけに)最近の作品と比べても違和感無くプレイすることが出来る。ただ、コンボ数の表示が無いというただそれだけで、連続技を叩き込む爽快感が割引されてしまっている。CPUはやけに強く(超反応の対応型&不必要に高いダメージ)、久しぶりにプレイしたら、2時間コンティニューをし続けてもとうとうクリアできなかった。最近カプコンや後期SNKの良作ばかりプレイしていたので、つまらないCPU戦があるということを久しぶりに思い知らされてしまった。家庭用格ゲーにおいては、対人戦よりむしろCPU戦がメイン。一人プレイがつまらないゲームで、対人戦などするわけが無い。
本作はやたらダメージがデカく、跳び込みからの単純な3段で体力半分とかザラ。雷光拳とかモロに食らうと悶絶級の大ダメージ。3on3で対戦時間が長くなるので、回転数を上げるためにそうしたのだろう。が、ちょっとやりすぎでは?このダメージ量にして、パワーMAX時は攻撃力1.5倍というシステムも凄すぎる。
SNKらしくキャラはどれもみな魅力的でカッコいい。特に主人公のライバルとして設定された八神庵が初登場し、大人気を得る。外見や台詞だけでなく、キャラ性能的にもかなり優遇されたキャラで、強力な無敵対空にめくり専用技、途中止めできる必殺技、小足からのヒット確認連続技で体力半分、ガードさせて有利な超必殺技など、かなり壊れ気味である。以降少しづつ弱体化させられていくが、超必殺が確定するコマンド投げが装備されたり、やっぱり贔屓されている。
キャラはデフォルトで8チームで24人、最近のKOFと比べると少ない人数ではある。だが、私はこれぐらいで十分だと思う。キャラが増えてくるとキャラかぶりはするし、一人一人に対する愛着も薄れてしまう。むやみにキャラを増やさずに、アメリカチームを削ったのはいい判断だ。ところで、本作はサターンとネオジオとの縦横ドット比の違いか、やけにグラフィックがひょろっとして見える。まあゲーム性に関係ないことではあるが。
そう言えば、本作が出るときに、セガとSNKでクロスライセンスを結んだとか何とか言っていた。が、誰もが予想したようにネオジオでセガのゲームは出なかったし、PSにも普通にSNKのゲームは出た。なんか大人の事情が透けて見える嫌らしいクロスライセンスの発表だった。

モータルコンバットII完全版

アクレイムジャパン 5.7
96/3/29 5800
クソゲー。CPUが強すぎてゲームになっていない。実写格闘、残虐描写と私の好きなテイストが満載なのだが、実に残念。
IF 距離<間合い THEN 投げ、みたいな下手くそなプログラム。1回エンディングを見たら2度とやる気がしない。
究極神拳のコマンドが非常に入りにくく、私が見た究極神拳はすべてCPUにかけられたものだ。よってFRIENDSHIPとか赤ちゃんにするやつなど一度も見たことがない。しかしFATALITYを究極神拳と訳してしまうセンスもなかなかすごいものだ。
私見だが、ベトナム戦争がいかにアメリカに深い傷を残したのかが垣間見える。

ドラゴンボールZ 偉大なるドラゴンボール伝説

バンダイ 7.1
96/5/31 5800
バンダイのキャラゲー=クソゲーの公式通り、かなりひどい出来。
3対3の戦いで、操作するのは1人だけで、残りはCPUに任せるというのは面白い。誉めるのはここまで。
まずフィードの広さが無限大で、吹っ飛ばされるとかなり遠くまで吹っ飛ぶので、戦いに戻るのが大変。プレイ時間の3分の2は吹っ飛ばされて戻ってる時間か、吹っ飛ばされた敵を探している時間だった。
次にどのキャラも同じ技しか持っていない。基本的に通常技、飛び道具、乱舞の3つだけ。どのキャラクターを使ってもまったく(グラフィックまで)同じ。乱舞を食らわせてるのか食らってるのか分からないのも難点。
そしてなにより、1プレイに非常に時間がかかる。攻撃を食らわせると、ゲージが青くなっていく。逆に攻撃を食らうとゲージが赤くなっていく。ゲージを真っ青にするとやっと敵にダメージを与えることができる。それを4回繰り返してやっと一人敵を倒せる。敵の数は最大5人。時間がかからないわけが無い。理屈で言うと、お互いの攻撃が伯仲していれば、永遠に勝負がつかないことになる。まあそれは極端としても、1面に1時間はざら。これで難易度が高かったら大激怒だが、なんとクリアするまで一人も味方がやられることはなかった。それもまた困り物。
操作性も今一つ良くない。特に、上を押すと敵に接近するのだが、上を押したままだと通常技すら出ないのがストレスの元。敵の隙にさっと潜り込んで連続攻撃といきたいのだが、それがやりにくい。技のリーチが分かり難いのもガン。て言うか届いてないのになぜ当たる?

HYPER REVERTHION

テクノソフト 6.2
96/6/7 5800
ポリゴンを使った対戦物。格闘物と言うよりはシューティングなのだが、続編のスティールダムを格闘に分類したため、私の都合で格闘物にカテゴライズ。
これダメです。クソゲーというわけではないが、つまらないよ。それも全く。
基本的には敵を射撃することによってダメージを与えるのだが、弾は自機の前方にしか飛ばないため、敵の攻撃を左右移動でかわして反撃など全く不可能。できることはただ、じっと止まって弾を撃つか、前進しながら弾を撃つか、後退しながら弾を撃つか、そのどれか。コマンド技もあるが、出しにくい上に使いづらい。ダッシュでダメージを与えたりできるが、なんか投げやり。ただ前進してくるだけのCPUを止められなかったり、もうダメ、ダメ、ダメ。開発者はこのゲーム面白いと思って発売したのかなあ?
普通の機体ではCPUに1勝することすら難しいのだが、蝶みたいな機体だと、弾がホーミングする上、当たると敵が一定時間動けなくなるので、楽勝で全面クリアできる。こういうところも本当に駄目だ。リバーシオンってのが何なのかもさっぱり分からない。
テクノソフトってメガドラ時代では一目置かれた存在だったのだが、サターンでは一瞥すらしてもらえない存在に成り下がってしまった。一応TFVというヒット作はあるけど・・・。

餓狼伝説3〜遥かなる闘い〜

SNK 5.8
96/6/28 6800
カプコンと並び称される2D格ゲーの老舗、SNKの看板タイトルがこんな出来でいいのか?いやダメだろ、これは決定的に駄目駄目だ。
ロードは長い、処理落ちはする、爽快感がまるで無い、キャラに魅力が感じられない、超必殺やコンビネーションが取り説に書いていない、などなど。特にロード時間は信じられないほどの長さ。コンティニューするのに、軽く1分はかかる。クイックコンティニューとか、ショートカットモードも無し。
移植度が悪いだけでなく、ゲームの根本から面白くないような感じがする。コマンド技が微妙に出にくいし、キャラクターの動きがキビキビしていなくて、操作していてちっとも楽しくない。技を当てたときのエフェクトがショボイので、技を当てても全然気持ち良くない。まるでメガドライブのようなヘボい色使いもプレイ意欲を減退させる。
餓狼伝説と言えば複数ラインの攻防なのだが、奥と手前にあるスウェーラインとやらに意味があるのかもよく分からない。手前や奥をうろうろして、対戦格闘より一世代前のベルトスクロールアクションのようだ。
リアルバウトスペシャルのような、変なデブとかじじいがいないのはましだが、やっぱりキャラクターに魅力があるとは思えない。個人的に漫画等での方言をしゃべる外人には我慢がならないのだが、今作は九州弁まで出てくる。おかっぱの子供がラスボスというのは(真のラスボスは別だが)、SNKらしい新鮮味があって面白い。
CPUが微妙に強い上に、クリアまでが無駄に長いのもげんなり。普通にスルーでOK。

ライズオブザロボット2

アクレイムジャパン 2.8
96/6/28 5800
一見3Dポリゴン格闘っぽいが、レンダリングキャラを使った2D格闘。ロボットのデザインはなかなかかっこいいと思うのだが、肝心のゲームはかなり駄目。サタマガ2点台は伊達じゃない。
キャラはデフォルトで18体もいるが、必殺技のコマンドが説明書に一部しか書いていない。超必殺や究極神拳もあるようだが、当然コマンドは書いていないため、一度も見たことが無い。操作性は悪く、必殺技が出にくい。しかし心配することはない。CPU戦はジャンプ大パンチだけで勝てるから。しかしどのキャラもまともな対空技を持っていないため、CPUの飛び込み猿攻撃に手も足も出ないときがある。
説明書には、なんと5ページに渡ってバックストーリーが記載されている。しかしながら、読んでも何が何だかさっぱり分からない。多分私の読解力不足のせいではないと思うが。
格闘ゲームだというのにクレジットが3しかない。一応キャラごとにエンディングがあるが、全てのキャラでエンディングを見た人などこの世に存在するのだろうか?

バーチャファイターキッズ

セガ 7.9
96/7/26 5800
バーチャ2のデフォルメ版。バーチャ2が出た後に、それより面白くないゲームを出す必要があったのか?
確かにキャラは表情が豊かでかわいいし、バーチャ2で唯一だめだったSEもいい。特定の技を当てたときに吹っ飛んだりリプレイがかかるのも面白い。ムービーが綺麗で、エンディングもまあ笑えたりする。しかし、キャラの頭がでかくて手足が短いため、技のリーチが非常にわかりにくく、その一点だけですべての好印象が台無しになってしまっている。投げ間合いも非常に分かりにくい。手足が短く、技のモーションが見切りにくいため、結局適当にガチャプレイをする羽目になる。しかもゲームスピードがバーチャ2より早くなっているので、ますますその傾向が強い。そんなわけで、下PからPPPKがコンボになるサラが最強と言われているようだ。
またCPUが不必要に賢いため、プレイしていて非常にストレスがたまる。キャラを可愛くして一般層にまでバーチャを広めよう、という意図があったのではなかったのか?ボタンを適当に押せば勝手に技が出てくれるキッズモードがあるが、高すぎる難易度設定とはちぐはぐな印象だ。
ボタン一つでコンボが発動する仕様で、コンボを自分で組み立てるモードがある。はまれば面白いのかもしれないが、肝心のゲーム自体がつまらないので、まるでやる気が起きない。
関係ないがUFOキャッチャーのキッズ人形は非常に出来が良かった。特にジャッキーの髪の毛とか。

ワールドヒーローズパーフェクト

SNK/ADK 7.4
96/8/9 5800
ADKの人気格闘シリーズ(?)4作目。いろいろ他に無い要素を導入しているシリーズだったように思うが、4作目はそれなりに洗練されて、わりと普通の格闘ゲームっぽい。
巷の評判を見る限り、移植度はかなり高いようだ。おまけで全キャラの攻略が読めるファイルも用意されている。ネオジオでは大攻撃が小中同時押しだったが、サターンでは余ったボタンに大攻撃を割り付け、カプコンライクに6ボタンでプレイできる親切設計。その上拡張ラムを使っていないのに、ビックリするぐらいロード時間が短い。移植チームの志と技術力の高さを感じ取れる。
しかしながら移植チームの志の高さとゲームの面白さは別。まずすぐ目に付くのが、画面のショボさ。古いゲームだから仕方が無いなあ、と思うとアーケードに登場したのが95年5月。ストIIXの1年後、ヴァンパイアハンターが出たあとだ。ブルース・リー繋がりのフェイロンと金龍を比べると、そのグラフィックレベルの差には愕然とさせられる。ゲームの面白さとグラフィックの美麗さは関係ないが、同じ100円を入れるなら画面が綺麗なほうがいいに決まってる。
グラフィックのセンスだけではなく、キャラクターのセンス自体が変だ。ラスプーチンのような狙ったキャラはともかく、カッコ良くてしかるべきキャラがどうもドン臭い。ぱっと見て人目を引くキャラが全然いないのはどうかと思う。大体歴史上の英雄たちを集めたとか言って、マッドマンとかマッスルパワーって誰だそれ。そういう統一性の無いところがますます安っぽい。ラスボスなど、名前がDIOで姿はバオーでセリフは「無駄無駄ァ」。そういうのパロディーじゃなくてただのパクリだよ。キャラが多いのにみんな魅力にあふれていたKOFシリーズは、改めてすごいと思う。あと、体力ゲージの下にキャラクターの台詞が文字表示されるのだが、これもまた安っぽさに拍車をかけている。コンボ数もここに表示されるのだが、全然目立たない。
ネオジオ格闘に恒例だが、無駄に技が出にくい。最初は波動拳すら満足に出せなかった。↓↑+キックなんて簡単なコマンドが出ないのはどういうこと?更に超必はどれもコマンドが不必要に複雑で、全く無意味に出しにくくなっている。複雑なコマンドの技が出せるのがステータスなんて、大昔の話だよ。キャンセル技も出しにくいし、連続技も繋がりにくい。もっとユーザーフレンドリーにしてほしいところ。
CPU戦の難易度はプレイ時に選ぶことが出来て、デフォルトのノーマルでもそこそこ。CPUは突進技を良く食らってくれるし、隙の大きい技を無闇に出すので、待っていれば勝てる。ラスボスが拍子抜けに弱いのは、下手糞な私には嬉しい。クリアするとエンディング後に見れる、オマケの4コマ漫画が結構楽しい。どうしてもクリアできないと言う人は、ボスキャラのゼウスを使うといい。必殺技(波動コマンド)空中ヒット1発で即死という無茶苦茶さだ。
特別にお勧めするほどのゲームではないが、数あるストIIの二番煎じ物としては遊べる部類ではないか。

ファイティングバイパーズ

セガ 8.8
96/8/30 6800
檻の中で戦うため、リングアウトのない3D格闘。バーチャの亜流と考える人も多いかとは思うが、ビシバシ入る空中コンボ、アーマーや壁破壊の爽快感、壁を使った攻防、投げ失敗モーションやダウン攻撃失敗時の硬直による分かりやすいリスクとリターンの関係、ちょっとくせのあるキャラなど、十分にバイパーズならではの面白さが打ち出されていると思う。ノーマルヒットでも人間が高々と宙に舞い上がったり、受身による攻防などは人によって好き嫌いがあるかもしれない。それから不評だった上り蹴りは若干弱くなったようだ。それでもまだ強い気もするが。
アーケード版は非常に爽快なゲームだったため、サターン版も期待していたのだが、ちょっと残念な出来。一生懸命作っているのはわかるが、いかんせんポリゴンが粗すぎる。キャラクターが魅力の一つなのに、このガタガタな顔じゃああんた誰?もしバーチャ2がこのグラフィックだったら、まず100万本は行かなかっただろう。サターン初のグーロシェーディングということだが、綺麗かなあ?私には逆にちゃちく見えてしまう。ポリゴンはもっとソリッドな方がカッコいい。
壁が絡むと処理落ちがひどく、ゲームの流れが狂わされ、小さなストレスが蓄積していく。無理して背景にポリゴンを使う必要などなかったのではないだろうか。特にアクセルステージあたりはひどい。
CPUが弱めなのはいい感じ。CPUにコンボを入れてストレス解消ができる。
私自身が遭遇したわけではないが、ネットでの噂によると、初期バージョンではセーブデータを破壊するバグがあるそうだ。しかしセガはそんなこと一言も言っていないが、消費者に対してそんな態度でいいのか?自動車メーカーや食品メーカーだったら大問題になるところだ。
バーチャと並ぶセガの看板ソフトなのだから、もうちょっと時間をかけてでも、しっかり作り込んで出すべきだったのではないだろうか。ラスブロの様に遅すぎるのも問題だが・・・。
隠しキャラのペプシマンはちょっと面白い。対戦では使ってほしくないが。 ハニーのパンツ姿にはちょっと反応してしまった。クマチャンは受け狙いな感じで嫌。

鋼鉄霊域(スティールダム)

テクノソフト 7.9
96/9/6 5800
バーチャロンのようなロボット対戦格闘。しかしバーチャロンとは比べるべくも無い駄作。
とにかく弾が当たらない。索敵する攻撃が無いので、敵が視界外のときは索敵ボタンを押して、自機がゆっくり回るのを待っていなくてはならない。その間CPUは攻撃し放題。イージーに設定した1面の敵でも、まるでラスボスであるかのように的確な攻撃を仕掛けてくる。バーチャロンの、ダッシュ攻撃によってスピーディーに敵をサーチするというのは、今思えばものすごく素晴らしいアイディアなのではないだろうか。
ダッシュ(というか瞬間移動)もクセがあって使いにくい。自機を動かすのがこれ程苦痛なゲームも珍しい。その点でFISTを遥かに超えている。技が通常攻撃、タックル、コマンド技3つの計5つしかない。オラタンの10分の1ぐらいだろうか。しかもコマンドが特殊で、その上出しにくい。
対戦格闘のくせに、クレジットが3しかない。私は何度やっても1面クリアがせいぜいだった。でも気にすることはない。なぜならつまらないから。バーチャロンより画面は奇麗だし、動きも滑らかだ。しかしこのゲームからは、ユーザーに楽しんでもらおうという気持ちが感じられない。まあ昔からテクノソフトはそういうソフトハウスだったが。

ストリートファイターZERO2

カプコン 8.9
96/9/14 5800
ZEROシリーズ第二弾。キャラが少ない、背景が使い回しと、今ひとつ手抜き感が漂っていて、世間的な評価もパッとしなかったZEROだが、2作目になってリファインされ、大ヒット作になった。X−MEN、ヴァンパイア、ストIII、カプエスなど、1作目は微妙な評価だったものが、2作目以降でヒットすることがカプコンではよくある。続編できっちり完成度を高めて仕上げてくるあたり、さすがカプコンである。
2になって、キャラが増えてくれたのが嬉しい。前作で隠し扱いだったベガ、ゴウキ、ダンに加え、ストIIから人気キャラザンギエフとダルシム、初代ストリートファイターから元(シブイ)、ファイナルファイトからなぜかロレント(コーディーやハガーが熱望されたが、ZERO3のコーディーの出来を見ると、これで正解だったかも)、新キャラとして闘う女子高生さくらの8人が参戦し、都合18人の大所帯となった。30人とか40人とかキャラが選べるゲームもあるが、18人ぐらいが適正な人数ではないかと思う。さくらは「見よう見まねで波動拳を覚えてしまったスーパー女子高生」という設定で、発売当時は賛否両論だったが、次第に人気キャラとして落ち着いていったように思う。「コギャル」「エンコー」などで女子高生のブランドが地に落ちていた当時、博物館から出てきたような「純粋でひたむきな頑張る元気少女」がゲーマーのハートを掴むのは当然と言えよう。まあ真空波動拳まで出せてしまうのはちょっとやり過ぎか・・・。ついでに漫画「さくらがんばる」もオススメ。ダンは、挑発技が装備されて性能が落ち、どんどんネタキャラ化していく。前作はまだ断空脚を叩き込むのが楽しいキャラだったのに。
本作ではきちんとキャラごとの背景グラフィックがあり、バックでハリアーが浮いていたり、ステージ自体がスクロールしたりと、ダイナミックな演出がされている。そういうところにも手を抜かないところが、本作のヒットにつながっているのではないか。
本作の1番の特徴は、「自分だけのコンボが作れる」が売り文句のオリジナルコンボ(通称オリコン)。3ボタンを押すと多少の無敵時間とともに発動し、一定時間キャラがスピードアップして自動で前進し、技の隙が無くなるというもの。「はどはどはどはど・・・」と時間いっぱい波動拳を入れ続けたり出来るようになる。これも賛否両論あったように思うが、コンボ大好き派には願ってもないシステムだったようだ。不器用な私は否定派。技のスピードがアップするので、はどはどとか昇竜拳昇竜拳昇竜拳とかやってらんない。キャラが勝手に進んでくのも違和感あり。コンボ補正が強いので、ヒット数が多くてもあんまり爽快感が無いし、逆にやられると無抵抗な時間が長すぎてイライラする。いきなりスタンド発動、みたいのではなくて、一定時間チェーンコンボと全技キャンセル、スーパーキャンセル可能ぐらいの方が私にはよかったかも。オリコンを使わせるために、意図的にスーパーコンボが弱体化されているようなのが残念。スパコンをぶち込んむ爽快感がZERO最大の売りだったのでは。
それから、ZEROコンボ(チェーンコンボ)が無くなった。前作での評判から考えると、それが正解かも。オリコンとZEROコンボ以外は、ほとんど前作とシステムは変わっていない。ZEROカウンターが全キャラPとKの2種類になったり、必殺技のコマンドが整理されて出しやすくなったり(ジャガーキックが逆昇竜から波動コマンド、ライジングジャガーが波動9Kから昇竜Kなど)、細かく調整されて完成度を上げている。
必殺技・スパコンともにZERO同様出しやすい。気のせいかもしれないが、2の方がさらに出しやすいかも?スパIIXではまず出せなかった2回転コマンドも、パッドでも簡単に出せるようになっている。CPU難易度も低めで、誰でもクリアできるだろう。難易度は8段階でデフォルトが2のため、物足りない人は難易度を上げてどうぞ。全てのキャラと1回ずつ戦う「サバイバルモード」が装備されるようになったのも、本作ぐらいからだろうか。
拡張ラムには対応していないが、ロードもそれほど長くない。ヴァンパイアハンターと並んで、拡張ラム(および拡張ラム用の本体)を持っていない人には必携のソフトだろう。
ストーリー的には、殺意の波動とかサイコパワーとか、つまらない方向に突っ走り始めた。ZERO3のストーリーなんてかなりつまらなかったし。殺意の波動とかオロチの血とか北斗宗家の血とか親が黄金の日本Jr.だとか、いい加減くだらないんだよ。頑張った者が強くなる、それだけでいいじゃん。

リアルバウト餓狼伝説

SNK 7.9
96/9/20 8800
餓狼伝説新シリーズ。と言っても名前が変わっただけだが。3ヶ月前に出た餓狼3に比べて、拡張RAMを使ったことにより、ロード時間や処理落ちが改善されている。餓狼3はコンティニューするのに1分以上かかったが、本作は30秒程度になった。さすが拡張ラム、と言いたいところだが、ただ単に勝ち台詞をカットしただけのようだ。
ゲーム内容自体も前作に比べていろいろ改良してあるが、それでもつまらないものはやっぱりつまらない。
まずなにより、技ヒット時の効果音がしょぼく、連続技を決めても全然気持ち良くない。技を叩き込んだときの爽快感こそが格闘ゲームの快楽の源であるのに、それが皆無ではどうにもならない。せっかく本作からコンボ数表示が出るようになったのに、連続技が気持ち良くないので意味が無い。ヒット時のエフェクトに関しては、前作のほうがまだマシだった。
前作では小大のPKの4つボタンで、同時押しでオーバースウェー攻撃をしていた。本作ではパンチ、キック、大攻撃、オーバースウェーの4つにボタンが割り振られている。前作より分かりやすくはなったが、コマンドの入力が波動Aだったり、波動BかCだったり、いろいろなキャラでプレイすると混乱してしまいがち。
スウェーラインの面白さが私にはさっぱり分からない。当然のことながら、別ラインの敵には普通の攻撃は当たらない。目の前の敵が大きく斜めに動いたのに、相変わらず正面に向かって攻撃をするなんて、相当の視野欠損としか思えない。
本作では画面端に追い詰めてラッシュをかけていると、「リングアウト」が発生する。せっかくの攻防に水を差されて唖然とすること請け合い。これ入れた人は本当に面白かったのか?どう考えても蛇足でしかない。
CPU戦の難易度は、前作に比べるとかなり抑えてある。ただ、特定のキャラだけ無駄に反応が良く、アルゴリズム担当のバランス感覚を疑う。前作ほどではないがCPU戦が長く、途中でウンザリしてくる。
私が下手くそなだけなのだろうが、カプコン系に比べてキャンセル技が繋がりにくい。そこでボタン連打で通常技が繋がるコンビネーションアタックに頼ることになる。コンビネーションアタックは、前作のコンビネーションアーツに比べて出しやすくなり(前作のCAはガードされると途切れたりしてしまう)、素人にも扱いやすくなった。しかし、あまりに簡単&便利すぎて、それだけに頼りっきりになってしまいがち。例えばキムだったら、敵の近くでA連打してヒットしたら、BBCCと繋げるだけでかなりの威力。細かいテクニックなんて無視して、とにかくA連打。
前作で隠し技だった「潜在能力」が、MAX版超必殺技といった感じでシステムに取り入れられた。なぜか超必殺よりコマンドは簡単。しかし潜在能力というネーミングにセンスが無いねえ。「技」という感じがしないし、超必殺技とどっちが上なんだか分からん。もう「究極神拳」でいいよ。
宿敵ギースとの決着を付けるメインストーリーは盛り上がるが、どうせまたすぐ蘇るし、まあ餓狼ファン以外は敢えてこのゲームをプレイする意義は無いだろう。

闘神伝URA

タカラ 6.5
96/9/27 5800
3Dポリゴン格闘。ただし中身は2D的。
闘神伝といえば、バーチャと並び称される、次世代格闘のひとつの雄であったように思う。ところがキャラ人気に走ってしまい、システムを熟成させなかったために、いつのまにか人々の記憶から消えていった。
で、サターンオリジナルのこのURA。もともと画面の綺麗さ以外に見るところのなかった闘神伝が、サターンの3D能力によってポリゴンががたがたで、まさに見るところの無いゲームになってしまった。技のモーションが非常にカッコ悪く、キャラクターは2年近く前のPS版にすら比べられない。ゲーム内容は相変らず大味。飛び道具を連射していればまあなんとかなるかなといった程度。売りのひとつである、側転による軸ずらしがあまり練られておらず、使い勝手が悪い。CPUが勝手にリングアウトしたりして間抜け。ラスボスが異様にカッコ悪い。名前はヴォルフだが、どう見ても時代劇のやられ役だ。ノーミスでクリアすれば真のラスボスとか出てくるのだろうけど、そこまでやる気はしない。エンディングも、表示されるテキストのキャラの名前が違うだけといった手抜き(エイジの活躍によって、エリスの活躍によって、ソフィアの活躍によって、etc)。

サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣

SNK 7.8
96/11/8 5800
拡張ラム必須の、刀で切り結ぶ2D格闘。SNK人気シリーズの3作目だ。初めて初代を見たときは、その美しいグラフィックやクリアなボイス、拡大縮小する画面、魅力的なキャラたちに驚かされたものだ。ところが、3作目だと言うのにほとんど進化が見られない。いや、それどころか退化すら感じさせる。
修羅・羅刹という2タイプからキャラを選ぶシステムになったが、ものすごく水増しっぽい。前作(真・サムスピ)の15キャラから12キャラに減っているので、その分無理やりキャラを分けて、誤魔化そうとしたような気がしてならない。新キャラのリムルルとか骸羅とか破沙羅など、初代のセンスの良さを微塵も感じさせない。まあ前作のチャムチャム・ズィーガー・和狆なんかもどうかとは思うが・・・。主人公(?)である新キャラの閑丸も微妙。武器が傘というところがすでにウケを狙っているし、同人のお姉さん狙いミエミエのキャラ付けはどんなものか。
コマンドは、微妙に出にくいような気がする。弧月斬のような6123+斬ボタンという独特なコマンドが、昇竜(623)+斬で出せるようになっている。親切なことだが、ならば最初から623にしてくれ。またキャラ・タイプによって超必殺技のコマンドが違うので、覚えるのが面倒くさい。超必コマンドなんて全キャラ共通でいいじゃん。実際続編の天草はそうなっている。
CPU戦の出来はクソもいいところ。とにかくガードが固く、うかつに必殺技を出すとガードされて必ず反撃を食らう。仕方ないので遠間で大切りを連発するだけの寒い戦いになってしまう。ラスボスが2連戦、しかも時間切れだと体力に関わらず負けになってしまうのもムカツク。100回ぐらい「馬鹿めが!」と言われてしまったような気がする。オプションで難易度を下げると確かにクリアはしやすくなるが、それでもまったく面白くならないのが見事。苦労するわりにはエンディングがあっさりしていて、全キャラでクリアしてやろうなんて気がさらさら起きない。
CPU戦だけでは無く、対人戦のバランスも良くないということだ。そういえば、ゲームセンターで対戦風景を見たことが無いような気がする。本作より続編の天草降臨のほうがあらゆる点でよく出来ているので(それでもまだまだだとは思うけど)、サターンユーザーは天草を持っていれば本作はいらないだろう。

FIST

イマジニア 2.3
96/11/29 6800
ポリゴン格闘。プリティーファイターXの続編的位置付けらしいが、あまりに前作と絵柄の違うジャケット表紙に、説明書を読むまで気がつかなかった。
ポリゴンがこれ以上ないほどに粗く、技は少なくしかも使いまわしがやたら多く、挙動は変、技の威力や硬直は適当、小娘もマッチョも全員が同じ背の高さ、などなど、サターンマガジン944位は伊達ではない。こんなのがバーチャ2が出た約1年後に発売になってもいいものか?さすがは厚顔無恥のイマジニア。
CPU戦の難度がそれほど高くないのと、ロードが程ほどに短いのが、無理矢理挙げた長所。有名な声優を起用しているので、その手が好きな人にはいいのかも。おまけでCDシングルがついているが、聞く気もしない。
CPU戦が難しくないと書いたが、自分の攻撃力が高いからと言ったほうがいいかもしれない。PPP+ダウン攻撃で体力半分以上とかそんなのばかり。2回パンチが入ったら勝ち。
ストーリーモードとか言ってなんのストーリーもないのだが、エンディングではクリアしたキャラの1枚絵が3点ほど見れる。しかし誰が描いたのか知らないが、色彩感覚がおかしいのか、みんな肌が真っ赤だ。

電脳戦機バーチャロン

セガ 8.8
96/11/29 5800
3Dロボットシューティング。と書くとガングリフォンになってしまうので、3Dロボットシューティング格闘。
ゲーム好きとロボット好きは重なる部分が多いらしく、アーケードではかなりヒットしたように思う。発売当初にプレイしたのが1本設定の店で、1回負けただけでゲームオーバーになり、「こんなゲーム2度とやるか!」と思ったものだ。と言うわけでアーケード版は全然やっていないが、それでもレビュー。
アーケード版はMODEL2を2枚使った豪華な基板で、それをサターンに落とすというのだから無茶と言えば無茶だ。しかしながら、予想以上によく出来ていると思う。確かに2人対戦では画面分割でキャラが小さくなりショボい画面になってしまうが、CPU戦では画面に俄然迫力が増し、ポリゴンが少ないだとか動きがガクガクだとか、他のポリゴンゲームで感じさせるネガを全く感じさせない。アーケード版は2本のスティックを使用した特殊な操作系だが、サターンパッドでも違和感無く操縦できる操作系になっている。「スティックじゃなきゃロボットを操作してる感じがしない」などと言う人がいるが、実際にロボットを操縦したことあるのだろうか?私はパッドで十分だ。
カトキハジメ氏のロボットデザインがどれもそれらしくて良い。2はボードの性能が上がった分、ゴチャゴチャいろいろなパーツをつけられて、兵器っぽい感じが薄れてしまった。各種演出もカッコいい。CPU戦ですら、自分が操作しているというのに、一つ一つの動作がまるで演出されているかのようだ。エンディングの、「溜めて撃つ!」ところがまたシビレる。オープニングムービーも短いながら、凝縮されたセンスに満ちていて、鳥肌が立つほどかっこいい。BGMも聴き応えがある。1面のBGMなどメロディがはっきりしたアニメっぽい曲で、久しぶりに「ゲームミュージックらしい耳と体で感じ取れる曲」だと思う。
従来の対戦格闘は、2Dだろうが3Dだろうが、基本的に平面の戦いだった。本作では、XYZ3軸に回転軸1軸の完全3D空間での対戦を実現している。従前の3D物は、敵をエイムするだけで精一杯、ということが多かった。本作では、ジャンプ・ダッシュ攻撃をするだけで自動で敵をサーチすることが出来る。そのおかげで、もたもた索敵する必要の無い、スピーディーで分かりやすい対戦を可能にしている。本作では続編のバーチカルターン(ダッシュ中の方向転換)が無い分自由度が減ってしまうが、慣れれば十分戦える。
CPU戦は、一人でも十分楽しめるものに仕上がっている。しかし、時間がかかるとペナルティーで中ボスと戦わなければいけなかったり(普通逆でしょ)、ラスボスは時間切れでゲームオーバー(コンティニュー不可)など、「どう?ちょっと捻ってみました。俺って通?」みたいな製作者の自意識が見え隠れして嫌な感じ。本作のディレクターは、一時サタマガでかなり自己満な記事を連載していたが、今は何をしているのだろうか?
対人戦は画面こそチャチだが、十分対戦ツールとして活躍できるレベル。もちろん業務用とは比べるべくもない。しかしセガは(内製かどうかは知らないが)、マークIII版スペースハリアー、メガドラ版アウトランなど、ハードの性能差を越えた驚くべき移植をなしてしまうことがある。今作もそんな1本に数えてもいいのではないか。

美少女戦士セーラームーンスーパーズ Various Emotion

エンジェル 2.8
96/11/29 5800
一時期子供からオタクまで大人気を博したアニメを対戦格闘ゲームに。キャラの生成にポリゴンを使っているのか、動きは結構滑らか。2D格闘なのにボタンガードなのも含めて、テイストはモータルコンバットに近い。もちろんセーラームーンが敵の首を引きちぎったりするような愉快なシーンは無いが。
格闘ゲームとしてのバランスは大崩壊。コマンド技の出が極端に遅く、使い物にならない。リュウが「ハドーケン」と叫んでから波動拳を出すようなもの。と言うかそのまんま。その分弱キックの隙が異様に少なく、ムエタイチャンプばりの鋭い弱キックを連打するだけで、CPUは何も出来ない。CPUのアルゴリズムも激悪で、隙を見せると超スピードでダッシュ投げを狙ってくる。こちらの起き上がりを当て投げでハメようとしてくるし、モータルコンバット以上のむかつくCPUだ。どのキャラも必殺技は使えないし、通常技は似たり寄ったりなので、結局超必の強さがキャラの強さだろうか。それにしては超必の使い勝手が全然違うのだが。
全面クリアすると、おまけで一気に全員分の変身ムービーが見れるようになる。しかし、テレビで放映していた変身時のセクシーショットですらカットされている。
ゲーム開始時に、攻撃力や防御力などのパラメーターを自分で割り振ることが出来る。なかなか面白そうな要素だが、実際のプレイにあんまり影響していないような気がする。それにしてもおちゃめってなんだ、おちゃめって。
ゲームとしては何の見所も無い今作だが、久しぶりにオープニングテーマが聴けたので良しとするか(いや良くないが)。

ウルトラマン 光の巨人伝説

バンダイ 7.1
96/12/20 7800
ウルトラマンを使ったポリゴン(っぽい)格闘。バンダイのキャラゲーが面白いはずもなく、このゲームも当然クソゲーである。no more〜thanの構文はよく「クジラの公式」として知られるが、キャラゲー=クソゲーはバンダイの公式と言ってもいいかもしれない。
画面は汚いし、動きはがたがた、技は出にくくバランスも悪いと、一体このゲームの売りはどこにあるのか?怪獣の人選とか、BGMや細かい演出などは、なかなかウルトラマンらしさを出せているとは思う。しかしまあ、ゲームがこれではねえ。CPU戦が難しいという人は、タロウを使うことをお勧めする。他のキャラの超必殺は発生がやたら遅く使い物にならないのだが、タロウのウルトラダイナマイトは瞬獄殺のような移動投げで、やたら使い勝手がいい。
KOF95と同じく、TARS(ツイン・アドバンスド・ロム・システム)を採用している。そのためにロードはまあまあ早いが、コンティニューのときに必要以上に時間がかかるのはなぜ?
専用ROMを使うシステムはかなりの可能性を秘めていたのだが、コストがかかることと、サターンのカートリッジスロットの信頼性の低さから、その能力を存分に発揮するソフトが出ることはなかった。このシステムだけでも完成させていれば、勢力図は塗り替えられていたかもしれない。

FIGHTERS MEGAMiX

セガ 8.8
96/12/21 5800
バーチャやバイパーズのキャラが総出演の3D格闘。
正直言って、かなりダメ。ポリゴンがバイパーズ以上に粗く、かなりひどい出来。SEがバイパーズ系で、灯油缶を叩いているような軽い打撃音だ。アーマーをまとったバイパーズキャラならまだしも、素手のバーチャキャラ同士の対戦では、筋肉のぶつかり合いといった躍動感がまる感じられない。
キャラだけはやたら多いが、クマ、デク、デイトナのようなふざけたキャラや、投げが使えないキャラ(ビーンやバークのモデリングは非常に良く出来てた)、無意味に強すぎるキャラなどなど、キャラ感のバランスなどまるで考えられていない。セガは一体どういうつもりでこのゲームを作ったのだろうか。もし真面目にセガがこのゲームを総力を上げて作ったなら、おそらく歴史に残るゲームになっていただろう。それを「このゲームはお祭りです」とばかりにこの出来じゃあ。闘神伝と同じ道を歩んでしまっているよ。
バーチャキャラは3の技が導入されているが、3で入るコンボがまるで入らないので、クソの役にも立たない。
CPUがやる気のない弱さなのも減点。CPUが強すぎるのも困るが、同じ技を延々と食らいつづけるというのじゃ全然だめ。ただ単に勝てばいいというのではなく、CPUに読み勝ったと思わせてくれるアルゴリズムでなくては。その点バーチャ3のCPUは良く出来ていると思う。
バーチャモードとバイパーズモードの2つがあるのも気に入らない点。サムスピとかKOFとかZERO3とか、モードが複数あるのは私には手抜きにしか思えない。それよりもたったひとつの操作感の中で完成度を高めるべきではないだろうか。
あと個人的に、レンタヒーローの歌はあんなおちゃらけではなく、もっとシリアスなものを希望する。メガドラ版のオープニングはすごくかっこいいのだから。
私はセガの本気が見たい。DCでメガミックスの続編を希望する。とか言っているうちにDCがぽしゃってしまった。バーチャ3VSバイパーズ2とか出せる土壌は揃っていたのに。PS2でバーチャ4vs鉄拳4とか出るのだろうか。それともアジア製のパチモンを待つしかないのだろうか。

ザ・キング・オブ・ファイターズ’96

SNK 8.7
96/12/31 5800
KOFシリーズ第3作。ぎりぎり96年発売。なんとしても96年中に発売しようという執念は買える。
専用ROMから拡張RAM対応になったため、とりあえずプレイするたびにカートリッジを抜き差しする手間はなくなった(拡張RAM専用サターンを用意した場合)。4MRAMだとキャラが化けるので注意。ロード時間は長い方だが、画面にプログレスバーが出るので、それほどイライラさせられることは無い。
まず気がつくのは、一部のキャラの大幅なリニューアル。京なんて主役のくせに、飛び道具が無くなって連続コマンド入れ打撃キャラになってしまった。リョウやロバートも飛び道具が飛ばなくなり、「跳ばせて落とすなんてもう古い。これからは打撃接近戦の時代だ!」というSNKの思想が感じられて好感が持てる。避けが無くなって、移動も兼ねた緊急回避になったのも、接近して殴り合え!という思想から来ているのだと思う。
また、95ではわりとバラバラだった超必殺のコマンドが整理され、出しやすくなった。また、本作はアーケードプレイヤーには「最も技が出しにくいKOF」と言われているようだが、少なくともサターン版に関しては全くそんな感じはしない。むしろパッドでも技が出しやすい方だと思うのだが。
それから、MAX版の超必殺ができたため、体力が少なくなってもゲージ溜めの意味が出てきた。しかし、体力が少なくなったら超必殺技出し放題と言うのは、今となってはかなり前時代的なものを感じる。超必殺技はカプコンのスーパーコンボと違って、威力は強いもののあまり無敵時間が無く、通常技につぶされることが多い(遊びは、このままでは終わらんぞ〜とか)。連続技に組み込めということだろうか。連続技が苦手な素人が一縷の望みを託せる、それが超必殺の良さだと思うのだが。
本作から、KOF特有の大・中・小・ノーマルの4種類のジャンプが装備された。小ジャンプを絡めたスピーディーな展開を、ということだと思うが、正直素人(私)には使いこなせない。パンチが大小しかないのにジャンプが4つもあるとは。小ジャンプによって攻撃が強化された分、防御も強化すべきだったのでは?ジャンプが強力なことから、バッタゲーなどと揶揄されているし。
連続技を出すのに、カプコンゲーとはちょっと違うコツがいるので、トレーニングモードが無いのは残念。KOF特有のチームプレイの他に、普通に一対一で闘うシングルモードもあるので、手軽に遊ぶ分にはこちらが便利(エンディングまでが短いし、ロード時間の短縮にもなる。ラスボスを倒すのがちょっとキツいが)。
CPU難度は95より幾分フレンドリーになって、普通にプレイして楽しめる。ラスボスはかなり強いが、同シリーズのオメガルガールのような腹立たしいアルゴリズムではないので、ストレスがそれほど溜まらない、こともないけど、やっぱりルガールほどではない。ちなみに、ラスボスのゲーニッツはすごくカッコいい。カプコンのどのラスボスを持ってきても、ゲーニッツには太刀打ちできないだろう。こういうキャラを持って来れるのがSNKのすごいところだと思う。2002で使えるゲーニッツはなにかその、あんまり・・・。まあ登場時やエンディングのデモもひっくるめてゲーニッツの魅力ということで。ゲーニッツの他にも、レオナ、マチュア、バイス、ちづるなどの新キャラも皆ユニークで魅力的。ボスチームは、なんかKOFだとキャラが小さくて迫力に欠けるような。あと新キャラではないが、寝チンはどうにかならなかったものか。
当時はSNK=キャラの魅力だけで食っているコスいメーカー、という先入観があった。しかし、キャラに魅力があるというのは思えばすごいことだ。


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