決戦 |
C | |
コーエー | ||
00/3/4 | 6800 | 借物 |
日本の戦国時代を舞台にした、リアルタイムシミュレーション。PS2本体と同時発売。 まず目を引くのが美しいグラフィック。何十もの人馬が戦場を駆ける様は圧巻で、本体発売と同時にこれだけのものを持ってきたコーエーはさすがだ。武将たちがみな魅力的で、NHKの大河ドラマのような面間のデモや、声優の熱演もいい出来。また武将たちの派手派手な鎧がやたらかっこいいデザインで、まるで仮面ライダーの敵役のよう。真面目なプレイヤーには顰蹙を買うことを覚悟で、エンターテインメント性を第一にこのデザインを通したディレクターを評価したい。やたら戦場に女性が多い(しかも巨乳)のも娯楽と割り切って楽しめる。しかし、戦場でいきなり兵士がダンスを踊りだすのは多少行き過ぎか。 とかく面倒になりがちなリアルタイムシミュレーションだが、今作はチュートリアルが非常に親切で、しかも面倒な設定はほとんどCPUがオートでしてくれるため、とっつきは良好。 しかしながら、ゲームとしては正直あまり褒められたものではない。難易度がかなり抑えてあって、戦略云々を考える間もなく敵に勝ててしまう。美麗なグラフィックも何度も見ていると見飽きるし、1つ1つの合戦がだらだらと長い。そのくせ面数は少なく、あっけなくエンディングを迎えてしまう。そもそもシミュレーションとリアルタイム性は相性が良くないのではないだろうか。大戦略などの場合、プレイヤーは軍師であると同時に、1パイロットであり1砲撃手でもある。だから1つ1つの攻撃が当たる当たらないに一喜一憂し、ユニットに愛着が持てるようになる。ところがリアルタイムだと、そんなに悠長なことを言っていられなくなり、とにかく全体の戦局にのみ注意が集中することになる。現実は確かにそうかもしれないが、そのために1つ1つのユニットに愛着がわかず、ひいてはゲーム自体にも愛着がわきにくい。リアルタイムシミュレーションは難易度設定も難しい。ちょっとパラメータをいじれば、簡単に手に負えない難易度になってしまう。ターン性シミュレーションの場合、自分のターンにのみ自軍ユニットの機数・体力・燃料などの変化型パラメータを把握していればいい。リアルタイムの場合、下手をすれば自軍のパラメータを把握するだけで手一杯になってしまう。今作の場合、難易度をぐっと下げることでプレイヤーの負担を軽減しているが、果たしてそれで正しいのだろうか。 ゲームとしてはお世辞にも面白いとは言いがたいが、本体と同時発売でPS2のすごさをアピールするのには成功したと言えるだろう。 |
ファンタビジョン |
D | |
SCE | ||
00/3/9 | 5800 | 借物 |
同じ色の花火を3つ以上集めて爆発させるというアクションゲーム。システムは全く違うが、ミサイルコマンドやSDIを思い出させる。プレイステーション2発売とほぼ同時期のソフトで、今(02年)見るとそれほどでもないが、たぶん発売当時は非常に画面が美しく見えたのではないだろうか。とんでもない数の花火を同時に表示できるのはさすがPS2。 花火を指定するのに、レーダー状のラインをアナログコントローラーでぐりぐり回して、ライン上の花火をキャッチするというのがアイディア。普通だったらサイトを動かして花火を追っかけ回すようにするだろうが、このソフトの操作法なら動き回る花火や遠く離れた花火も素早くキャッチすることが出来る。しかし、その後カーソルが動くのに物理的時間がかかるため、やはり遠くの花火をキャッチするのには時間がかかってしまい、折角のアイディアが薄まっているように思う。しかもライン上に余計な花火があると煩わしいという欠点もある。 1面が単調で長く、面セーブが出来ないため、ソフトを立ち上げるたびに必ず1面からプレイしなければならないのはかなり面倒。「スターマイン」というフィーバー状態のボーナスステージも冗長感に輪をかけている。プレイしていて爽快感が感じられないし、癒し系と言うには忙しい。面間のデモも意味不明でローセンス。6面クリアしたらフリーズしてしまったので、万事OK。 |
グラディウスIII&IV 復活の神話 |
C | |
コナミ | ||
00/4/13 | オープン | 借物 |
業務用のグラディウスIIIとIVの移植。 IIIは、1面など前作のIIと比べても画面が地味。しかも難易度はべらぼうに高い。ノーマル難易度では1面クリアも難しいほど。1面にしてフィールドが狭く、敵は硬く、近距離から弾を撃ってくる。出てくるカプセルもケチっていて、ボスはガードが固くなかなかダメージを与えられないという嫌らしさ。難易度を最低にして、残機を最大にして、ステージセレクトを使用し、コナミコマンドに頼りまくり、それでも最終面に到達できなかった。しかしあのへぼな3D面はいったい何なのだろう。とにかく全面を通して難易度が高すぎて、まるで楽しむことが出来ない。面セレクトは便利。 IVは最近の作品だけに、画面はかなり綺麗。しかし1面からグラディウスIIの焼き直しで、不安を感じるのに十分。難易度はIIIほど高くは無いが、IIよりは十分高い。高速スクロール面などもううんざり。難易度を最低にして何とか1週クリア。難しくて一度クリアしたら二度とやりたくないゲームと、難易度が低くすぐクリアできてしまうが、たまに引っ張り出してプレイしたくなるゲーム、どちらが中古屋に売り飛ばされる確率が低いか、一度政府がきちんと調査してくれないものだろうか。 IIIは論外としても、IVはそれなりに遊べる。ただし、画面が綺麗になってもゲーム的には新しい面白さは無いので、IVをやるより難易度の低い初代をプレイしたほうが面白いかも。せっかく能力の高い最新機種に移植するのだから、オプションを10個ぐらいつけられる家庭用サービスがあっても良かったのでは(ファミコン版はあったはず)。 |
がんばれ!ニッポン!オリンピック2000 |
C | |
コナミ | ||
00/8/31 | オープン | 借物 |
4年周期で復活するオリンピックもの。今作の種目は10種目。ちょっと少な目と言う所か。種目は定番の100m走や幅跳びの他に、鉄棒と新体操が新しい。 大抵の種目でボタン交互連打が求められるので、正直言って面倒くさい。ハイパーオリンピックのようにひたすら1ボタン連打でも良かったのでは。水泳はLRボタン同時押しという面白い操作系だが、考えてみればあんまり水泳の動作と一致しない。クレー射撃はカーソルをアナログキーで動かしてクレーにあわせて撃ち落すのだが、昔のハイパーオリンピックの自動カーソルのほうが面白かった。新体操はDDRそのまんま。少しは工夫してもいいのでは?鉄棒は、目押しとコマンド入力の複合で、新鮮味がある。 PS2だけに、過去のオリンピックゲームより格段に画面がリアルだが、それで面白さまで向上しているかと言うとはなはだ疑問。決してつまらなくは無いが、過去にオリンピックゲームを飽きるまでやっていれば、新たにやる気を引き出す部分は見当たらない。あと価格オープンって一体なんだ。機能で大体の値段が分かる電化製品ならともかく、製作者側の戦略で値段が付けられるソフトウェアにオープン価格を持ち込むなど、不便極まりない。ユーザー第一に考えないコナミらしいやり方だ。で、実際市場価格はいくらぐらいだったのだろうか。 |
テクニクティクス |
C | |
アリカ | ||
01/1/25 | 6800 | 借物 |
音ゲー。同心円状に広がった波紋が重なった瞬間にボタンを押すというもの。PS2らしく波紋のエフェクトが綺麗で、美しい音色と併せてちょっとした癒し系。重なった波紋は連鎖していくというのがミソで、今までの音ゲーは流れてくる音符にあわせてボタンを押すといった一次元的なものだったが、今作は波紋の広がりを考慮する二次元的なゲームになっている。波紋は任意に動かすことが出来るので、波紋の大きさとタイミングを考慮して素早く波紋を配置し、うまく連鎖がつながるようにしていくのが面白い。 ゲームのプレイ感は良好ながら、難点が1つ。面ごとに高得点を取ることで新しい面が出現するようになっているようだが、そのクリア条件が明確でない。何度もプレイしていくうちにいつのまにか新しい面が出ていたりするのだが、条件がはっきりしていないだけに達成感も薄い。面はダライアス方式で分岐していくため、同じ面を何度もやらされるのも嫌な感じ。任意の面をプレイできるようにして、その面でのクリア目標を明示しておくだけで、ずっと挑戦意欲がわいただろう。ゲーム自体は良くできているのに、そんなところで減点されてしまうのはもったいないことだ。あと「テクニクティクス」という題名、私には非常に語呂が悪く感じるのだが。 |
ザ・フィアー |
B | |
エニックス | ||
01/7/26 | 7800 | |
PS2のメディアであるDVDの容量を活かした、実写ホラーアドベンチャー。なんとDVD4枚組み。 サターンの実写系ゲームをやるたびに、もっと大容量でアクセスの早いメディアがあれば、もっとすごいゲームが出来るのにと思っていた。そしてPS2の時代になり、とうとう待ちに待っていたゲームが登場した。しかも血まみれホラー。これは買うしかないだろう。 結論から言って、あんまり怖くない。死体なども、役者が血糊を塗って死んだふりをしているだけ。せっかくのホラーなんだから、生首とかバラバラ死体とか内臓グチャグチャだとか、眼球串刺しとか避雷針貫通とか頭部爆裂とか人体溶解だとか、ともかくそういったショッキングシーンを入れて欲しいわけ。この程度がPS2の表現の限界だとしたら、早くもPS2を買ったことを後悔しそうだ。XBOXに期待。死体関係はがっかりだが、終盤の怒涛のSFXムービーはかなり見ごたえがあり、ちょっと前なら劇場映画として通用しただろう。 ゲーム中は完全にムービーで進行する。しかもキャラクターのリアクションも結構多く、さすがPS2といったところ。映画と同等の画質を期待したが、さすがにデータ圧縮のためにそこまで画質は良くない。音声も深みが無く、平板な感じ。ビットレートが低いのだろうか?もちろん従来のCD-ROMでの実写ゲームとは雲泥の違いだ。 ストーリーは、TVの撮影隊が古びた洋館に閉じ込められ、一人ずつ殺されていくというもの。残念ながら、次は誰が殺されるのかとか、どういった殺され方をするのかといった緊張感がまるで無い。シナリオ分岐は大きく分けて2つだが、2つとも終盤の展開は「?」。これだけ金をかけた大作なのに、もうちょっとマシな脚本は出来なかったのだろうか・・・。 ゲームは普通のアドベンチャーゲームだが、難易度を押さえて、ほとんど詰まることが無いようになっている。例えば、画面上の物を調べるのに、ボタンと方向キーだけで指定できるようになっている。昔のゲームなら、画面上をくまなくクリックさせられることが多かった。このゲームではそんな不毛な作業は無く、素直にゲームの進行を楽しむことが出来る。また、どこに行けば良いかのヒントがいつでも見れたり、フラグが立ってないうちは屋敷の2階から1階に降りられないようになっている部分もあったりと、非常に親切な作りになっている。アドベンチャーは謎解きが難しくないとつまらないと言う人もいるかもしれないが、大容量のムービーをふんだんに見せることにより、無駄な回り道をさせずにストレートにゲーム展開を楽しませることが出来るようになった。これもハードの進歩によってもたらされたゲームのイノベーションと言ってもいいだろう。 先ほど、怖さが足りないといった。ホラー映画の怖さは大きく分けて二通り。一つはショックシーンによる怖さ。もう一つは絶望的なシチュエーションによる怖さだ。前者の恐怖は非常にに分かりやすく、スプラッタ映画では常套的に使われている。と言うかそれを見せるのがスプラッタ映画か。ゲームで言えば、バイオハザードでいきなりゾンビが襲ってくるシーンなどがそうだ。このゲームでは、あまりそういったショックが無い。前述の死体の描写は置いておいて、例えば部屋に入ると、いきなり化け物に襲われてゲームオーバーというシーンがある。これってあんまり怖くない。なぜなら、部屋に入るときは誰でも「襲われるんじゃないか」と身構えているから。例えばそうじゃなくて、部屋に入ったら誰もいない。安心して部屋を出ようと振り向くと、すぐそこに怪物が!それから、このゲームは4方向しか向くことが出来ない。前から右を向くのに、画面が90度ぐるっと回って向きを変えることになる。45度方向を向いて止まることは出来ないので、向きを変えている間は全くプレイヤーの意識外にある。そこで、今まで人形か何かが置いてあった所にいきなり死体or怪物がいたら・・・。いろいろ気持ち悪いオブジェを配置してプレイヤーを怖がらせようとしているが、チープなこけおどしといった感じ。安っぽいお化け屋敷の域を出ていない。 後者の恐怖だが、とにかく逃げ場が無くて追い詰められる恐怖。それこそが最高の恐怖といっていいだろう。ゾンビで、エレベーターのドアが開いたらゾンビがなだれ込んでくるシーン。ヒッチャーで、警官に銃を向けられて銃を拭けと言われるシーン。SF・ボディスナッチャーのラストシーン。ファイナルデスティネーションの逃れられない絶対死。死霊のえじきのゾンビに囲まれて引き裂かれるシーン。クリープショーで満ちてくる潮の恐怖。どれもこれも素晴らしい恐怖だった。残念ながらこの映画、そのような追い詰められた緊迫感が無い。一応屋敷内に閉じ込められてはいるのだが、誰も屋敷から脱出しようと躍起にならないし、どうしても外部に連絡が取れないといった描写も無い。屋敷内に人殺しがいるというのに、各人バラバラに行動していて、女の子1人を部屋に寝かせてたりする。全然ダメ。登場人物が、それぞれ脱出のための最善の行動をとり、それが一つ一つつぶされていく絶望感。それこそが必要だ。例えば、閉じ込められる→携帯で連絡しようとするが全員圏外→電話を探すが使えない→シャッターを破ろうとするが出来ない→第2の殺人が→屋敷中を探索するが、誰もいない→仲間の誰かが犯人だという猜疑感が生まれる→etc. いろいろ文句ばかり言っているが、非常に素晴らしい点が一つある。それは、出演している女の子がメチャクチャ可愛いという事。女の子は5人登場するが、そのうち3人はかなりツボ。顔が可愛いだけじゃなく声も可愛かったり足が綺麗だったりして、こんな女の子と一緒だったら屋敷に閉じ込められてもいいかも?でもゲーム終盤さんざん彼女達に殺されたけど(バレ)。 目がでっかくて髪がピンクや緑のアニメの女の子より、実写の女の子のほうが数100倍は可愛い。こういった実写ゲームよりアニメ絵のギャルゲーのほうが売れるというのだから、困ったものだ。普段映画やテレビの女の子が可愛いと思うことはあんまり無いのだが、ゲームの女の子はやたら可愛く感じてしまう。それはやはり、垂れ流しの映像よりもインタラクティブ性を持ったゲームのほうが、感情移入度がぐっと増すということなのだろう。いや〜ゲームって本当にいいものですね(水野晴郎風)。 |
タイムクライシス2 |
C | |
ナムコ | ||
01/10/5 | 9800/6800 | 借物 |
ガンシュー。題名を聞くとタイムギャルのようなSFを思わせるが、内容は普通の刑事もの。 バーチャコップ(以下VC)のパクリかと思ったが、実はなかなかオリジナリティーがあって楽しめる。VCとの最大の違いは、「身を隠す」というアクションがあること。ボタンを押すことによって障害物に隠れることができ、その間は敵の攻撃が当たらない。VCでは先手必勝、撃たれる前に撃てだったが、今作では敵の銃弾をかわしながら敵を撃つのが面白い。敵もまた障害物に隠れて攻撃してくるので、お互い相手の隙をうかがいながら攻撃するのが映画のワンシーンのようだ。また、VCでは敵が弾を撃つと必ずプレイヤーにヒットしたのだが、今作では大半の弾は当らず、当る弾は色違いで一目で分かるようになっている。だからどうだということは無いが、沢山の銃弾が飛び交う銃撃戦が上手く表現できているのではないか。また、VCでは一般人を撃つとミスになった。今作では一般人は登場せず、代わりにCPUの操る相棒が登場する。相棒を撃つとミスになり、また相棒は常に敵キャラと応戦している。これも映画のようなチームプレイをよく表現していて、プレイヤーの成りきり感を高めるのに役立っている。「身を隠す」アクションはリロードとも連動していて、これもまたそれっぽくていい感じ。VCの「画面外を撃つ」というのは、いかにもゲーム的なリロードの仕方だった。今作は「身を隠し、弾を込める」というアクションが理に叶っている。 専用のガンコントローラーの出来もいい。軽くて扱いやすく、リロードボタンがいくつもついているのが便利。ショットガンのような持ち方をしたり、カートリッジを換装するようにリロードボタンを押せたり、又は片手で気楽にプレイすることも出来る。こういうのを作らせたら、よく考えて作ってくるのがさすがナムコらしい。 さて、ここまでは長所を述べたが、次に短所を。まずなんと言っても、主人公を筆頭に、キャラクターに魅力が薄いことが上げられる。そのため、折角システム的には臨場感は最高なのに、今ひとつ主人公に感情移入することができない。また全般的に難易度が低いためか、今ひとつゲームが盛り上がらず、プレイが淡々としてしまう。全面クリアしてもあんまり喜びが湧かなかった。また「隠れる」という動作が一人称的なために、二人同時プレイは画面分割になってしまい、画面が小さくなってしまってプレイしにくい。2台のPS2とテレビとソフトがあれば通信プレイも出来るが、まあそこまでする奴はいないだろう。プレイ中は任意のタイミングで隠れられるが故に、キャラクターが移動中などの自由に隠れられない場面では、すべて強制移動のデモシーンということになっている。それがまた結構多く、ちょっとプレイしたらすぐデモ、そこで撃ったらまたデモ、の繰り返しでテンポが悪い。折角主人公になりきっているのに、強制移動のシーンが多いと醒めてしまう。 メインのゲームの他に、ガンを使ったミニゲームがいくつも収録されている。自分の下手さを棚に上げて言うのもなんだが、この程度の精度の機器では、狙い済まして一発必中は無理がある。クレー射撃なんて当たりゃしない。また、ゲームのシステムを流用したミッションクリアモードがある。結構よくできていそうだし、ネット上の評判もいい。しかし、ガンの調整如何では、画面端の敵に全然弾が当らないことがある。何度かアジャストし直しても、やはり上手くいかなかった。家庭用ではそういうこともあるということを踏まえ、画面端には小さな標的を配置すべきではなかった。少なくとも今までのゲームではそう感じることが無かったので、セガのガンシューではきちんとその辺を配慮してあったのではないだろうか(今作も、本編中では上のように思うことは無かった)。 |
ブラボーミュージック |
D | |
SCE | ||
01/10/11 | 4980 | 借物 |
指揮者になってクラシックを演奏するという音ゲー。私はもともと音ゲーが好きではないが、その中でも特にこのゲームはつまらない。他の音ゲーはインターフェースに工夫をして、あたかもその楽器を演奏しているかのように感じさせるよう努力しているが、このゲームはインジケーターの動きにあわせてボタンを押すだけ。ぜんぜんオーケストラを指揮している実感がない。ストーリーモードをクリアしないと自由に曲が選べない。背景でごちゃごちゃポリゴンが動いているせいで画面が非常に見にくい。クソ。人から借りて3回プレイしただけだが、それでも損した気分。 追記:その後プレイを重ねてとりあえずストーリーモードをクリア。一応プレイに値したということで、評価をEからDに上方修正。しかしながら、やはりプレイしていて面白みが薄いのが正直なところ。「ただインジケーターに合わせてボタンを押しているだけ」という感覚が最後まで拭い去れなかったし、クラシックだから仕方ないのかもしれないが、1曲が長くてプレイが単調。背景でポリゴンが動き回っているため画面が非常に見づらく、プレイするとものすごく目が疲れる。 ボタン押しの強弱判定はかなり甘くなっているとはいえ、タクトを振る強さを指先の圧力のわずかな違いで表現するのにはやはり無理が無いだろうか。しかし、ボタン押しの圧力判定はかなりしっかりしていて、PS2のコントローラーのアナログ部分の出来の良さに改めて驚かされた。これなら初代ストリートファイターやベラボーマンもバッチリ移植できそうだ。 デフォルメされたポリゴンたちの寸劇も、私のセンスにかなり合わない。普通の音ゲーのように、メニューから任意の楽曲を選ぶようにしてもいいと思う。一度クリアしただけでは収録曲の半分もプレイできなかったが、もういいや。 |
Rez |
D | |
ユナイテッド・ゲーム・アーティスツ/セガ | ||
01/11/22 | 6800 | |
敵をロックオンして撃つという3Dシューティング。発射音や破壊音がパーカッションなどの音になっていて、こちらのアクションによってリズムを刻んでいく、音ゲー的要素が特徴。「快楽製造装置」を謳っているが、特別ノリノリのBGMを奏でられるわけではないし、SEが楽器音なため破壊の爽快感も無く、ただ単に出てくる敵にカーソルを合わせるだけの退屈製造装置になっている。 道中の雑魚はほとんど攻撃らしい攻撃をしないため、ボス戦以外はまるで緊張感が無く、ただただ単調で退屈なシーンがだらだら続く。ボスも含めて難易度は低め。 今どきサイバースペースを表現するのにワイヤフレームを使うなど、センスが古すぎる。コンピュータから打ち出されたパンチカードを博士が読み取るとか、コンソールがキラキラ光るパネルのコンピューターが「オコタエシマス」とか言ったりする、そんなレベルにちょっと毛が生えたぐらいのアナクロさだ。このページを読むような人は多分このゲームの製作過程を追ったTV番組を見たことと思う。番組中に映されたゲーム画面を見て、「開発途中だからワイヤーフレームのショボい画面なのかな?」と思ったが、どっこい製品版もこのショボさだ。 REZという、あからさまにレズビアンを連想させる題名はどんなものか。セックスピストルズとかポルノグラフィティなど、性的なものに結びつく名前を付けてインパクトを狙うミュージシャンがいるが、ゲームまでそんな手法を取ってほしくない。続編はホモかロリかショタか?レズと聞いて、女子高生が手をつないで下校するような可愛らしい画を連想する人にはいいかもしれないが、○○レズとか双頭○○○とかを最初に思い浮かべてしまう汚れた大人には、この題名は不愉快だ。 私は音ゲーが好きではないし、感覚より理屈でゲームを楽しむたちなので、このゲームの面白さ、と言うか存在意義がまるで分からない。考えるより感じるのが好きというリーな人には楽しめるのかもしれないが。 |
ICO |
A | |
SCE | ||
01/12/6 | 5800 | 借物 |
これはいい。アドベンチャーゲームの一つの完成形と言ってもいいだろう。 角の生えた謎の少年、ICO。その少年が西洋風の城に幽閉されるところからゲームは始まる。言葉の通じない謎の少女との出会い。行く手を阻む黒い魔物たち。数々の仕掛け。少年は、少女と手を取り合い、無事に城を脱出することが出来るのだろうか・・・。 まずはグラフィックが非常に美しい。暗い陰鬱な城内とまぶしい日差しのコントラスト、黒い煙のような不気味な魔物、死のたたずむ城内に比して外にはまばゆい緑と青い海。必ず生きてこの城を出るんだ。そんな思いをプレイヤーに強く植えつける。この美麗なグラフィックは、PS2の性能云々ではなく(もちろんそれも重要だが)、デザイナーの才能が生み出したものだろう。ゲームも芸術作品になりうるのだ。 次にゲーム性。一言で言えば難易度の抑えられたアクションアドベンチャー。一般にアドベンチャーと言えば、とかく難易度を上げたがる。鉄格子を何度も何度も叩かなけりゃいけなかったり、回復アイテムや銃弾・セーブ回数をケチケチしなければいけなかったり、敵が見えなかったり銃がチャージ式だったり、etc.・・・。名作と言われる「慟哭」などで、画面中をクリックしなければいけないゲーム性に違和感を感じていたのだが、ICOをやってはっきりと分かった。クリック地獄や複雑すぎるフラグ立てなどゲームとして下の下だと。ICOでは、納得できない仕掛けは皆無。壁に突き当たるたびに、常識的な試行錯誤の範疇で仕掛けが解除できるようになっている。それでいて、決して簡単すぎることはない。謎解きもそうだし、アクション要素も絶妙に絡んでくる。敵とのバトルは慣れてしまうと簡単すぎて、序盤のような恐怖感を維持できなかったのは残念。しかし、高所をギリギリでジャンプしたり、鎖を揺らしてロングジャンプをしたり、最初から最後まで緊張感が持続している。鎖を揺らすシーンでは、きちんと鎖自体の質量の物理計算が出来ているのがポイントが高い。 そして、このゲームの最大のキモは「少女を連れて歩く」ということだろう。少女はICOのような運動能力が無いため、ICOが上がれる場所に上がれなかったりする。そこで、ICOが先行して手を差し伸べたり、仕掛けを解いて回ったりしなければならない。あまりICOと少女が離れすぎると、少女が魔物に襲われゲームオーバー、少女がいなければ進めない仕掛けもある。そこいらのバランスが上手い。少女と離れたときにRボタンを押すと、ICOが少女を呼んで少女が近づいてくる。このときの、一生懸命に近づこうとする少女の仕草が実にイイ。またRボタンを押しっぱなしで、少女と手をつないで一緒に行動することが出来る。いい表現が出来ないが、これがまたイイ感じなのだ。映画ラピュタが好きな人なら(私は嫌いだが)、きっとこのゲームが気に入るだろう。謎に行き詰ったとき、少女がさりげなくヒントを教えてくれるのがまたいい感じ。 さて、以下はネタバレなので、未プレイの方は読まないで下さい。 かなり気に入ったゲームだが、ラストに不満がある。結局少女はどうなってしまったのだろうか?浜辺に打ち上げられていた少女は誰?その直前までは悪夢のような悲しい展開だったのだが、最後に取って付けたようなハッピーエンドでいいのだろうか?どうしても私はあのラストには納得がいかない。ハッピーエンドにするなら、普通に城から脱出してエンドでも良かったのではなかっただろうか。その方が童話として納まりが良くなったように思う。不必要に話を重たくしたがるのは、日本人の悪いくせのようだ。それからICOの角の謎、城の存在意義、黒い魔物の正体、少女や女王の秘密が全く明かされなかったのも不満。受け手に考えさせることによって余韻を残すと言う手法も無いではないが、やはりゲーム中の謎はゲーム中に解き明かして欲しい。黒い魔物の正体は、やはりICO以前に閉じ込められた少年たちの成れの果てなんだろうか。そう考えると、非常に嫌な気分になってしまう・・・。 いつもイチャモンばかり書いているが、今作に関してはPS2を持っている人全てにお勧めしたい。ベスト版が出ているので、入手も容易なはず。プレイすれば、あなたの心にきっと何かを残すだろう。 |
バーチャファイター4 |
A | |
セガ | ||
02/1/31 | 6800 | |
3D格闘の頂点に君臨するバーチャファイターシリーズの最新作が、アーケードリリースから約半年でコンシューマー版として発売された。しかも、バランスが調整された最新バージョンである。そのうえ出来は秀逸。セガは本気である(バーチャ3のときに本気を出してくれれば・・・)。 PS2版の移植度、及びバーチャ4全般について述べていきたい。 まずはPS2への移植度だが、ゲーム性の移植は完璧だと言ってもいい。プレイ感、技のモーション、コンボの入り具合、効果音など、寸分違わぬ出来。今までの家庭用バーチャの中で、当然ながら最も移植度が高い。グラフィックはさすがにアーケードよりは多少グレードダウンされている。しかし、発売当初よく言われていたジャギーなど、私はほとんど気にならない。「これで満足しないやつは基板を買え」という言葉は傲慢で好まないが、今作に限っては私もそう言いたい気分だ。 家庭用の追加要素も今までになくよく作りこんである。特筆すべきは組み手モード。アーケード版はカードを使った段位システムが好評だが、それをうまくコンピュータ上で再現している。昇格・降格は同段位戦時のみ発生するので、同段位戦は非常に気合が入る。たかが対CPU戦で、1戦の勝敗がこれほど嬉しかったりむかついたりするとは、私も非常に意外だった。はじめは同段位戦でしか昇格戦がないのが不満だったが、家庭用に限ってはそれで正解だろう。もし全ての勝敗が段位に関係してくると、次から次へと挑戦者が現れる家庭用では、とてもじゃないが緊張感が維持できない。そうなると、1日数プレイしかできないか、あるいは全ての試合をいいかげんに流してしまうようになるだろう。通常戦は負けてもいいやといった気持ちで軽く流し、同段位戦では気合を入れてプレイする、そういった仕組みの現状はベストとも言える。最も対人戦オンリーの業務用では、全ての試合が段位にかかわってきてもいいとは思うが。また、CPUとの幻球の取り合いも熱い。取られた幻球は、そのキャラを倒さなければ取り戻せないので、たかがCPUにライバル意識を燃やしてしまう。 次に、組み手モードの難点について。CPUはそれぞれ固有の名前と段位を持っているのだが、結局アルゴリズムは全て同じだ。ガードの正確性や投げ抜けの頻度によって段位に沿った実力を設定されてはいるが、やはり基本的に全く同じだと言って差し支えない。せっかく固有の名前をもっているのだから、ガードが固いやつ、バクチ大好き、投げメインなど、キャラごとに性格付けを行ってほしかった。パラメータをいじるだけで結構簡単に実現できると思うのだが。それから一番大事なCPUのアルゴリズムについて。CPUはやたらガードが上手く、突然出した下段技などもきっちりガードしてくる。そのくせ反撃は甘く、大抵ガードしていれば切り抜けられてしまう。また、横転起き上がりをあまりしないため、やたらダウン攻撃を食らってくれる。こちらの起き上がり攻撃もよく食らう。また、下段投げに全く対応できない。つまり、あまり組み手モードをやりすぎると、ヒザなどの大技ばかり狙い、ガードされても投げ抜けができず、安易にダウン攻撃に行き、下段起き蹴りばかり、腹崩れには必ず下段投げ、という考えうる限りのへぼなプレイスタイルになってしまう。しかも身に付いた動きというのは恐ろしいもので、たとえそれが通用しないとわかっても、一朝一夕に改善することは出来ない。要するに、組み手モードはやればやるほどプレイヤーはレベルダウンしていくということだ。せいぜい空中コンボが上手くなるぐらいが関の山だ。 話を家庭用追加要素に戻す。今作は、かなりトレーニングモードが充実している。コマンドの練習をはじめ、避けや投げ抜けなどの各種操作の練習が出来る専用のトライアルモードがある。これをみっちりやれば、避け投げ抜けガード標準装備ということになるかもしれない。ただし、ここまで言うのは贅沢かもしれないが、練習モードがあまり面白くないため、それほどやり込めそうにない。まず、トライアルモードは難易度の順に出てくるべきだろう。現状の順番は、かなり適当。それから、ある特定のトレーニングを時間無制限で延々と出来るようにもすべきだった。例えば投げ確定の判別、避け投げ抜けなど。バーチャ3に比べれば、まともなトレーニングモードをつけてくれただけで感謝すべきかもしれないが、私的には期待していたほどの完成度ではなかった。フリートレーニングで、こちらの入力したコマンドをCPUにトレースさせることが出来る。しかもいくつかのコマンドを任意の割合で発動させることが出来る。上手く使えば非常に有効なモードなのだが、現状では問題点があり使い勝手が悪い。まず自分でコマンドを入力しなければならないので、面倒だし最短の入力が出来ている保障はない。サターン版バーチャファイターキッズのように、コマンドを攻略本の表記のようにテキストで入力できたほうがよかった。また、これが最大の難点なのだが、CPUにコマンドを入力する際、通常時と全く入力タイミングが違うという点がある。試しにリオンに「26P+G〜46K+G」というコンボを入れさせようとしたのだが、普段まずミスすることのない簡単なコンボなのに、46K+Gを出すことすら難しかった。はっきり言って使い物にならない。 それから、CPUを育てるAIモードがある。サターン版バーチャ2にも同じようなモードがあったが、それよりずっと進化している。しかしながら、私にはさっぱり面白くなかったのでほとんどやっていない。よって批評は控えさせてもらう。 もうひとつ、PS2版オリジナルのオープニングがある。が、これはアーケードの画像を編集しただけのムービーで、見ていてつまらないうえに画質がやたら悪い。正直見た瞬間、かなりがっかりさせられた。もう少し頑張ってほしい。 PS2版はアーケードと違い、ヒット時に光るエフェクトが無くなっている。コンフィグでアーケードと同様にすることも出来るが、エフェクト無しが正解だろう。カウンターヒットの確認が難しくなったが、そもそもエフェクトの色でカウンターかどうか判別しようというのが間違っている。そんなのは鉄拳にやらせておけばいい。 PS2版の最大の難点は、ロードの長さだろう。背景のグラフィックの読み込み、及びメモリーカードへの読み書きの時間は頻繁にある上、かなり長い。歴代の家庭用バーチャの中でダントツに長いだろう。初めてプレイしたときはバグかと思ってしまったほどだ。組み手モードでは背景を統一することもできるようにするとか、なるべくメモリーカードを読まないでいられるようプログラム上で工夫するとか、改善が必要だろう。ハードの特性上仕方が無いのであるとすれば、やはり私にはプレステファミリーは肌に合わない。 PS2版は、バージョンC対応(と言うかバージョンC)になっている。皆さんご存知の通り、バーチャ4はリリースされてすぐにバージョンBに切り替わり、そして家庭用発売と同時にバージョンCに切り替わった。キャラによって強化されたり弱体化したり、プレイヤーによっては悲喜こもごもあるだろうが、私は今回のニューバージョンを歓迎したい。マイキャラリオンも多少弱体化されたが、葵の両止、ジェフリーのダッキングローなどが弱体化されたのが嬉しい。バージョンBで強化されすぎたアキラがおとなしくなり、嫌らしさ満点だった舜も弱体化され、全体的にバランスが向上したと思われる。弱いと言われてきたパイとレイが強化されたが、正直私は両キャラともこれ以上強くしないでほしかった。今回のバージョンアップで嬉しいのは、きちんと画面上にバージョンCと明記されている点(アーケード)。今まではゲーム関係のバージョンの変更は、バグの修正などをこっそり行うことが多かった。私はそれが不満で、メーカーはもっとバージョンの情報を明確に示すべきだと思っていた。今回、セガがきちんとバージョンの変更を謳っているのは、対戦バランスの向上に自信がある証拠で、好感が持てる。 さて、次にアーケードを含め、バーチャファイター4そのものについて述べたい。ちなみに、以下に述べることは中級者以上には「こいつ全然わかってねえよ」というようなことかもしれない。しかし世の中には達人ばかりがいるわけではなく、プレイする人間が必ずしも上を目指さなければいけないというものでもない。私のレベル(アーケードで初段から上がれない)での率直な感想ということである。 バーチャ3(tb)とバーチャ4を比べると、以下のような違いがある。外観上の違いなどについては、リリース当初に別コラムで述べたので、興味のある方はそちらを。 1.全体的なスピードアップ 2.避けの変更 3.投げに発動時間が導入され、間合いは広くなった。 4.受身の導入 5.崩れなどの各種ダウン 1について。初めてバーチャ4を見たときはそのスピードの速さに戸惑った。言うなれば初めてストIIターボを見たときの感覚に近い。さすがにだいぶ慣れたが、それでもやはりスピードが速く感じる。スピードの速さゆえ、ガード後の反撃がやりにくく、取りあえず暴れたほうが強いようになっている。ゲームは爽快感を追及してスピードアップする傾向にあるのは、シューティングも2D格闘でも見られる。3D格闘も同じような道をたどっていくのだろうか?シューティングも2D格闘も、私はそのスピードについていけず、ゲームセンターではプレイすることができない。わずかに残った3D格闘もプレイできなくなる日が近いのだろうか。スピードとは関係ないが、今作は非常にコマンドの入力が容易になっている。例えば半回転コマンドのジャイアントスイングでは、コマンド上では41236P+Gだが、多少方向入力が甘くてもきちんと認識してくれる。これはレバー扱いの苦手な私には非常にありがたい。 2について。バーチャ3では避けはボタンで発動だったが、なぜか4ではレバー入力で避けを行うようになっている。コマンドは避け方向を入力し、その後レバーをニュートラルに戻すというもの。このレバーをニュートラルに戻すというのが曲者で、とっさに入力したつもりが上手く認識されず、技を食らってしまうことが多い。初心者でも避けを戦略に組み込めるように、入力は容易のほうがいいはずだ。4つボタンが無理なら、PKG同時押しなどに出来なかったのだろうか。また今回は、「成功避け」「失敗避け」という属性ができた。相手の攻撃にぴったり避けを合わせると、成功避けが発動し、その間は全身無敵になる。バーチャ3では、避けが相手の打撃につぶされることが多く、そのためあまり避けを戦略に組み込んでいる人を見なかった。そのあたりを踏まえてのパワーアップということだろう。しかし、成功避けなら全身無敵、失敗避けなら隙だらけというのが、リアルを標榜とするバーチャにしてはどうにもゲーム的で、今ひとつ好きになれない。避け中は専用の避け攻撃しか出せず、例えば投げを狙おうとしたら、避けが終了するまで結構長い時間待たなければならない。全体的にテンポアップしているのに、そこだけ時が止まったかのようだ。まあともかく、私には今回の避けは(前回もだが)使いこなせそうに無い。 3の投げの変更だが、これがバーチャ3との最も大きな違いかもしれない。今作では投げに発生時間が設定され、また間合いが非常に広くなった。投げ間合いが極端に広くなったため、密着からパンチを数発ガードさせた距離でも、余裕で投げが入る。2Dで例えるなら、ザンギエフのスクリューパイルドライバー並の投げ間合いの広さだ。故に、パンチ投げが非常に猛威を振るうことになる。この点がバーチャ4において最もつまらない部分になってしまっている。実際下Pからの投げと中段の2択だけで、何も出来ずにやられてしまうことが多い。バーチャは一瞬一瞬の2択攻めとその回避が楽しいゲームのはずなのだが、下Pからの投げが速過ぎるため、2択を意識する間もなく気がついたときには投げられてしまっている。特にパイあたりの素早いキャラにこれを連発されると、もうバーチャやめようかなという気になる。上級者はパンチ1発でもガードかヒットか一瞬で判断して対処できるのかもしれないが、私には全く不可能。それが出来なくてはバーチャを楽しめないのであれば、私はきっぱりバーチャは諦める。投げを反撃手段から積極的な攻撃手段にしようとした製作者の意図は理解できる。が、正直やりすぎだ。 4について。受身によってダウン攻撃を回避できるようになったのは評価したい。ダウン攻撃についてはいろいろ意見があるだろうが、食らえば腹がたつのは確かだ。ダウン攻撃禁止のローカルルールも各地で見られたようだ。そんなダウン攻撃を、システム上で回避できるようになったのは大きい。受身後は起き上がり攻撃が出来ないため、相手がダウン攻撃に来なかった場合は強烈な2択を迫られることになり、リスクとリターンの関係も上手く取れていると思う(リスクが大きすぎるという話もあるが・・・)。相手に受身を取らせて、起き上がりを攻めるというのが4での新しい攻め方の一つだと思う。一つ残念なことは、技によって受身がしにくいものがあるということ。相手を叩きつける攻撃は見た目にも受身できなさそうなのでいいのだが、受身が出来るはずなのにやたらタイミングがシビアな技もある。受身のリスクとリターンの関係がはっきりしているのだから、受身の入力は容易にすべきだろう。入力が上手なものだけが得をするというのは考え方が古い。攻撃を食らった瞬間からダウンが確定するまでの間なら、いつでも入力を受け付けるようにすべきだと思う。 5について。今作から崩れダウンというものが導入されて、空中コンボ以外にもコンボが入るようになった。これもまた攻めの強化という観点から取り入れられたのだろう。確かに追撃がバシバシ入るのは楽しいのだが、やられているほうはたまったものではない。特にアキラや影に、見た目どう考えても当たっていないのに、ボコボコやられるのは精神衛生上よろしくない。次回作では改善を強く願う。 総評として、全般的に攻撃が強化され、攻めが強いように変更されている。バーチャ3はガード後の反撃が強く、待ちプレイヤーが多かったようだ。その反省から生み出されたバーチャ4は、どちらかと言えば大ヒットしたバーチャ2に近く、バーチャ3で去っていったプレーヤーが戻ってきたと聞く。それはそれで結構な話だが、私には攻撃重視が行き過ぎなような気がする。というか単なる愚痴になってしまうが、もはや私には対応できない。新キャラの多すぎる技やサラのフラミンゴのような対処しにくい新技、スピードアップした攻防、パンチ一発のヒット確認、避け、避け投げ抜け、避け投げ抜けガード、複数投げ抜け、的確な受身、ETC.・・・。習得すべきことが多すぎて、もはやうんざり。ゲームはシリーズが進むにつれて複雑化していくのは避けらない。しかしあえて、もう一度シリーズを基本から解体し、シンプルな骨組みで再構築してもらいたい。行き詰まったストIIシリーズがシンプルなストIIIとして再出発したように(ストIIIもシリーズが進むにつれて要素が増えてしまったが)。 バーチャファイター4、確かに家庭用としては過去最高のゲームなのだが、プレイするたびにいくつもの高い壁にプレイヤーはぶちあたる。それを奥が深いと思うか、格闘ジャンキー向けにチューニングされた狭量な仕様と取るかは人それぞれだろう。私はどちらかといえば後者に感じることが多い。お勧めなのか勧められないのかはっきりしろと言われれば、う〜ん。お勧めと言っておこう。 長くなったので最後に長所・短所を箇条書きにまとめよう。 長所 ・タイムリーなリリース ・完璧な移植度 ・遊べる組み手モード ・コマンド入力が容易 短所 ・ロードが長い ・システムが複雑すぎ ・技が多すぎ ・あまりに攻め重視 ・CPUのアルゴリズムを改善希望 |
スペースチャンネル5 Part2 |
B | |
ユナイテッド・ゲーム・アーティスツ/セガ | ||
02/2/14 | 5800 | |
独特のノリで人気を博したスペースチャンネル5の続編。 前作のイカしたノリをそのままに、物足りなかったボリュームを全4面→6面に増強。それだけではなく、前作には無かった歌詞付きの歌、楽器バトル、ため入力などを追加。さらに、衣装集め、隠し入力、ちょっとした仕掛けのあるナカマズカン、100問連続のウララダンスなど、追加要素が盛りだくさん。非常に隙の無い作りになっていて、気に入った人は長くプレイできるだろう。 特に楽器を使ったバンド対決は、にぎやか&ゴージャスで気に入った。歌の方は今ひとつテンポが悪いが、気がつくと「わ〜れ〜ら〜は〜おどりだん」と頭の中でリフレインされている。ヤバい。新キャラや前作であまり出番の無かったキャラの活躍もいい感じ。前作のモロ星人ほどのインパクトは無いが、今作のハカイダーのような敵ロボも可愛いデザインで好印象。 同時発売のDC版と同内容なため、PS2にしてはポリゴンが角張っているが、ゲーム性には関係ない。前作に比べると、最終面がちょっとあっさりしていたのは残念なところ。私が慣れたせいかもしれないが、前作よりは入力判定が甘くなったような気がする。前作が難しかったのは、実はDCの腐ったコントローラーのせいかも。 気分が落ち込んだときにプレイすれば、ハッピーな気持ちになれること請け合い。私は音ゲーが好きではないが、これなら自信を持ってお勧めできる。 |
鉄拳4 |
D | |
ナムコ | ||
02/3/28 | 6800 | |
いろいろ書くのは面倒なので、一言で言ってしまえば「鉄拳シリーズは肌に合わない。気に入らない。面白くない。」あ、一言じゃない。 キャラも、レバーガードシステムも、コマンド入力法も、空中コンボも、起き上がりの攻防も、10連コンボも、全ての部分が気に入らない。そもそも鉄拳がヒットしたのは、PSにバーチャが出ないから、その一言に尽きる。ところが今は全ての面で完成度が遥かに高いバーチャファイター4が同じプラットフォームで動くのだから、無理して鉄拳をプレイする必要などさらさらない。アーケードでバーチャ4と鉄拳4がほぼ同時期にリリースされたが、勝敗は誰の目にも明らかだった。家庭用ではさすがにナムコ、移植は手馴れたもので、鉄拳フォースやトレーニングモードなどのおまけ要素は充実している。でもゲーム本編がこれじゃあね。 |
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風 |
C | |
カプコン | ||
02/7/25 | 6800 | 借物 |
ハードな展開と魅力的な登場人物たちで人気の高いジョジョ第5部をアクションゲーム化。 特徴は、荒木飛呂彦の特徴的な絵柄をゲーム上に見事に再現しているところ。ポリゴンを使いながらアニメ的な2Dのキャラクターで、ジェットセットラジオが先に実現している技術ではあるが、私はJSRをプレイしていないのでかなりのインパクト。考えようによっては光源処理などをしない分、エンジンは楽なような気もするが、テクスチャーやレンダリングでごまかせない分、ポリゴン数が余計にいるのかもしれない。PS2の能力をもってしても、まだキャラクターはカクカクが目立つ。特にジョルノのヘアスタイルとか。2次曲線、あるいは3次曲面をポリゴンで表現できるのはまだ先のことなのだろうか。 ストーリーは原作を忠実にトレースしている。もちろんカットされた敵や適当に変更された展開もあるが、大筋原作を再現しているし、重要なシーンはきちんと収録されている。「今にも落ちてきそうな空の下で」がカットされているのは残念だが、ゲームから浮いてしまうし仕方のないところか。正直原作を知らない人には全く話の展開が飲み込めないと思うが、ジョジョファン以外に買う人はいないだろうから何の問題もない。キャラクターの声やカラーリングが私のイメージとは全く違ったが、荒木先生の中ではこれが正解なのだろう。アバッキオの唇が真っ黒なのはどうかとは思うが。スパゲティネーロの食べすぎ?ブチャラティの声だけはバッチリはまっていて気持ちがいい。 ゲームはミッションクリア型のアクションゲームで、ステージ間に漫画をかたどったデモが入る。アクションは基本的に3D画面の格闘アクションだが、肝心のアクション性はどうかと言われると、なかなか厳しい。まず3Dなのであらぬ方向を攻撃してしまったり、画面奥に行くと見にくくなるという弊害がある。そして、面ごとに原作に即したクリア条件があってニヤリとさせられるのだが、基本的には敵を倒すことがクリア条件。そうなるとやることは、前転で敵の攻撃を回避→敵の硬直に攻撃、とどの面でも同じで単調になってしまう。しかもこちらの攻撃力が低いため、何度も何度も同じことをやらされる羽目になる。一応連続技などもあるのだが、敵をダウンさせる攻撃が暴発することがやたら多く、回避〜攻撃〜敵ダウン〜仕切り直し、を延々と繰り返すことになる。カプコンなのだから、もうちょっと各ゲーライクに振ってみても良かったのではないだろうか。それから、移動を制限されたり、なすすべなく敵にぼこられることも多く、プレイしていてやたらストレスが溜まる。体力を残してクリアしたり、面中の隠し要素を発見すると、さまざまなオマケが追加されるやり込み要素がある。しかし、一回クリアしたらもう二度とプレイしたくないのが正直なところ。 ジョジョ世界の再現度は非常に高く、ジョジョファンは一度はプレイすることをお勧めする。しかし二度プレイすることはお勧めできないし、お勧めされても丁重にお断りする。もうちょっとアクションシーンがどうにかならなかったのだろうか。 |
太鼓の達人 タタコンでドドンがドン |
B | |
ナムコ | ||
02/10/24 | 6980 | |
画面の指示に合わせてタイミングよく太鼓を叩く音ゲー。インターフェースが太鼓だというだけで、他の音ゲーとやっていることは変わらない。しかし、太鼓を叩くという行為自体がストレス発散になり、ボタンを踏んだことを体感できないDDRや、神経質な指先の力加減を要求されるブラボーミュージックのような、プレイによる不快感は少ない。 難易度も他の音ゲーに比べると低めで、3段階あるうちの中級コースくらいなら、音ゲーは大の苦手な私でも十分クリアできるレベル。初級コースなら初プレイでも簡単にクリアできる。神経質に攻略するよりも、太鼓をドンドン叩いてストレスを発散させようというコンセプトなのだろう。また、上級コースはそれなりに難しく、ミスが累積していくサバイバルコースもあるため、音ゲー上級者でもやり込む要素がある。 太鼓型コントローラー同梱で6980円と割と安めだが、コントローラーは結構良く出来ている。太鼓面とふちの左右の叩き判定をするもので、認識率は良好。子供の力でも認識してくれて、娘が楽しそうにプレイしているのを見るのはなんとも嬉しいものだ。 単純なデザインだが、マスコットキャラクターのドンちゃんが可愛らしいのもいい。ミスをしたら口から魂を吐き出したり、画面下で踊っているキャラクターたちの仕草も面白い。 次に問題点だが、まずは選曲の問題。曲数は20曲以上と少なくはないが、私がポップスに疎いというのもあるが、今ひとつゲームにあっていない曲が多い。音ゲーは自分の知っている曲を自分で演奏できるところに醍醐味があるはずで、数曲あるオリジナル曲なんていらない。正直に言って太鼓演奏にピッタリ合った曲は、ドラえもん音頭と炭鉱節の2曲ぐらい。J−POPSやアニメソングも悪くはないが、やはり太鼓演奏に特化した曲が何曲かほしい。なんちゃら乱れ太鼓とかいった太鼓を乱打する曲や、アフリカの民俗音楽なんかもほしかったところ。私は店頭で子供が「新世界より」を演奏するのを見て、それが気に入ってこのゲームを買ったのだが、一通りプレイしてその曲以上に気に入る曲は無かった。 難易度を変えると、曲は同じでも叩くパターンが変わるようになっている。単に私にリズム感が無いだけかもしれないが、難易度を上げると、無理やり難しくしたような不自然なパターンに感じることが多い。パターンはその曲にあった最適なものとして、難易度によって曲そのものを変えてほしいところ。 それからこれは仕方が無いのかもしれないが、テレビから聞こえるドンドン、カツカツといった音よりも、手元から聞こえるプラスチックを打つベチベチという音のほうが目立ってしまい、興をそぐ。オプションでBGMの音量を下げて、その分テレビの音量を上げれば対策になるが、ちょっと不自然。普通に太鼓の音量を上げられるように出来ていれば良かった。根本的には、コントローラから実際の太鼓の音が出るとか、叩いても無音なコントローラを作る必要がある。家庭用としては現状ぐらいが落としどころだろうか。 |
ギルティギア イグゼクス |
B | |
サミー | ||
02/12/12 | 6800 | |
ギルティギアゼクスの続編。ドリームキャストに比べて2D格闘の充実していないPS2の中で、これぞ2D格闘決定版といった趣がある。画面の美しさ、爽快感、BGM、キャラクター、どれも1級品だ。ただし前作からの進化は特に見当たらない。キャラ絵のタッチが多少濃い感じになったが、これも悪くは無い。PS2版の前作は知らないが、DC版に比べるとストーリーモードが追加されたため、一通り全キャラに触れてみたくなる。他に与えられた条件をクリアするミッションモードがあるが、べらぼうに難易度が高く手が出せない。 ゲームの内容はほとんど前作と変わらず、マイナーチェンジ程度の内容。大きな変化はダストアタックが別ボタンになったこととサイクバーストの追加ぐらいか。技の調整により、前作よりはキャラ間のバランスが取れるようになったらしい。私のレベルでは実感は出来ないけれど。とりあえず私の持ちキャラのディズィーは大幅に弱体化したような気が・・・。ダストアタックは前作では2ボタン同時押しだったが、今作は専用のボタンが追加されて、全部で5ボタンになった。私は同時押しが好きではないので、変更を歓迎したい。サイクバーストは、ゲージを使って発動する全身無敵の反撃技。なんと連続技を食らっている最中にも発動できる。前作では固められてしまうと手も足も出せなかったため、導入は評価できる。もっとも1試合で1〜2回しか出せないため、焼け石に水の感はあるが。他に、前作で猛威をふるった(と聞く)フォルトレスディフェンスキャンセルが無くなった。もともとバグ技だったらしいので、無くなって正解だろう。その代わり、フォースロマンキャンセルというものが導入された。特定の技のみゲージを使ってキャンセルできるというもの。なんでもキャンセルできるというのがロマンキャンセルの面白さであり、特定の技のみキャンセル可能というのは面白みが薄くはないか。 ラスボスは、極悪だった前作に比べると多少マシになったか。しかし、私は前作ならノーミスクリア可能だが、今作はまだノーミスクリアはできていない。もしかすると今作のほうが難しくなっているのかも。取りあえず高速の下段突進技から超必につなげるのは(よろけ回復でガード可能ではあるが)やめてほしい。あとラスボスが風格に欠けるし、言動がムカツクのも何とかしてほしいところ。 新キャラは、ロリ(ショタ?)と淫乱系とかなり変なのとオヤジ。かっこいいキャラはもう出尽くしたということで、変なのばかり。オヤジのスレイヤーは使いやすくて気に入った。 他の格闘ゲームに比べると、技が出やすく、連続技がつながりやすいため、コマンド入力が苦手な人でも十分派手な戦いが楽しめるだろう。ただし、PSの純正パッドが腐っているため、超必などのコマンドミスがどうしても多くなってしまう。テンキーで632146というコマンドが多いが、途中の斜め入力を省いても(6246とか)認識してくれるようにできないだろうか。ぎりぎりの戦いがコマンド入力ミスで決すると、白けてしまうことがままある。 いくらCPU戦を練習したところで、ゲームセンターでは惨殺されるのがオチだろうが、同じレベルの対戦仲間がいるのならば間違いなくお勧めできる1本。あとはセガ辺りがまともなパッドを出してくれないだろうか。ホリやアスキーはもう結構です。 |
ことばのパスル もじぴったん |
C | |
ナムコ | ||
03/1/9 | 4800 | |
クロスワードのように、ことばを組み合わせるパスルゲーム。巷では評判がいいし、アイディアは面白いと思うのだが、やってみると意外と面白く無い。 なにはともあれ時間制限。プレイ時間が制限されているアーケード版はともかく、家庭用なら時間無制限でじっくりやらせるのが筋というものだろう。「じっくりぱする」ではなかったのか?時間切れでクリアできないととにかく萎える。私がこのゲームにはまらなかった理由の95%はこれ。 次に操作系。選べる文字は画面左にずらっと並んでいて、選ぶためにスクロールさせるのが面倒。2行とか3行に並べることは出来なかったのか?面によっては、どんな文字があるのか見ることすら出来ないので、思考型パズルゲームとしては完全失格。 それから収録単語の問題。単語は7万6千5百語以上と、ちょっとした国語辞書以上の語彙数を収録している。が、収録単語の選択が何か変だ。「二度」が入っているなら、三度、四度・・・九百五十六度・・・・と入っていなければおかしいし、「おみみ(うろ覚えだが)」が入っているなら「おやかん」「お急須」はどうなんだ?一番重要だと思われる、単語の取捨選択が極めていい加減。ハロー効果ではないが、権威のある辞書とタイアップして、ある辞書の単語を過不足無く収録する以外に納得できる方法は無いのではないだろうか。 盤面が移動したり回転したりするギミックがある。アイディアとしては面白いが、あまりに頻繁に出てくるのでウザい。このゲームの面白さは「こんなに言葉がつなげられるんだ」という所にあり、それ以外の盤面が変化することによるパズル要素は、あくまでスパイス的に色を添えるだけでいい。 ステージが全600面以上とベラボウな数だが、今更面の多さを売りにするのもどうかと思う。むしろ問題を精選して100面ぐらいにしたらどうか。私は20面ぐらいクリアしたときから、止め時を見つけるためだけに嫌々プレイしていたような気がする。題材は良かったのだが、調理の仕方がどうにも私の口には合わなかったようだ。 |
バーチャファイター4 エボリューション |
A | |
セガ | ||
03/3/13 | 6800 | |
アーケード最新最強の3D格闘の家庭用移植版。例によって、家庭用移植作品としての側面と、アーケードも含めたEVO自体の2面からレビューしたいと思う。 まず家庭用移植としての出来。完璧。以上。 もうちょっと詳しく書くとしよう。EVOは、前作であったネガが完璧なまでに改善されている。以下でEVO、前作と書いた場合、コンシューマ版を指す。 まず、前作で最大の欠点であったロード時間。EVOはかなりロード時間が短くなり、プレイする際のストレスが激減した。メディアがDVDになったことも大きいだろうし、スタッフがロードを短縮することに本気で取り組んだのだろう。前作の不満点をきっちり解消してくるあたり、今までのセガには見られない姿勢だ。残念ながらメモリーカードの読み書き時間は長いが、それがPS2の特性なら仕方が無いところか。 次に、前作で散々言われた画質の問題。正直私には全く気にならなかったのだが、ネット上ではジャギーがかなり叩かれた。その点もEVOで改善され、比べると確かにポリゴンが綺麗になっている。オープニングの画質も向上した。しかし人間とは贅沢なもので、前作とEVOの間にXBOXを体験してしまった私は、背景などもっと綺麗だったらなあなどと思ってしまう。もしセガがもっとXBOXに力を入れてくれていたら。XBOXがDCの後継機だったら。MSがセガを買収してくれたら・・・。 妄想はそれぐらいにして、次はトレーニングモード。前作も便利は便利だったが、今ひとつ使いにくかった。改善点を列挙するのは面倒なので割愛させてもらうが、非常に使いやすくなった。トレーニングをみっちりプレイすれば、アーケードでも十分戦えるようになるだろう。もしEVOに後述のクエストモードが無かったとしたら、私はトレーニングばかりずっとやっていたかもしれない。 そして家庭用オリジナルのクエストモード。基本は前作の組み手モードなのだが、前作より格段に面白くなった。システムは、ゲーム内に仮想ゲームセンターが配され、各店舗を制して更なる高級店(風俗みたいだ)を目指すというもの。 まずなにより、CPUのルーチンが大幅に改善された。前作は例え高段位のCPU相手でも、困ったときは下P投げ、ダウン攻撃決まりまくり、下段投げ決まりまくり、そのくせガードと投げ抜けだけは上手いなあ、というものだった。それがEVOでは避け投げ抜けもしてくるし、パンチ投げも仕掛けてくる、受身を取ったり取らなかったり、横転起き上がりをしたりしなかったり、下段投げを抜けたり抜けなかったり、実に人間っぽい。この○○したりしなかったり、というところが重要。もしCPUが確実に受身を取るとしたら、ダウン攻撃確定の場面以外では誰もダウン攻撃をしなくなるだろう。CPU戦で決してダウン攻撃を使わない人間は、対人戦でも使わなくなるだろう。そうなると、ダウン攻撃が来るか来ないかというスリルと読みあいが無くなってしまう。結局家庭用ゲームはCPU戦がメインなのだから、そこで変な癖が付かないようにEVOのCPUはよく練られていると思う。CPUの難易度は徐々に上昇し、五段くらいからは簡単には勝たせてくれなくなる。その分勝てたときは嬉しく、前作では同段位戦時のみ感じた緊張感・喜び・悔しさが、EVOでは全試合を通じて味わえる。 昇段システムは前作と同様、同段位戦の勝敗によって決まる。昇段のノルマが前作よりゆるくなっているのが一点。対戦相手の段位分布は店ごとに決まっていて、プレイヤーが自由に店を(つまり相手の段位を)選べる点が一点。以上により、前作のようになかなか同段位戦に当たらずにイライラすることが無くなった。 試合中には勝敗と別に「クエスト」が存在し、特定の条件、例えば投げ抜け何回、連勝何回、ストレート勝利何回、などをクリアすると、アイテムがもらえる仕組みになっている(アーケードのミッションのようなもの)。私はアイテムになど興味は無いが、やはりクエストを成功させると達成感がある。またそれとも別に、店舗ごとにノルマ(何勝しろなど)があり、ノルマをクリアするとトーナメント戦に出場することができる。大会で入賞すれば、次のランクの店に進むことが出来る。クエストモードは上述の段位システム、クエスト、店舗制覇、この3つを並行させて進めていくのが楽しすぎる。 さて、ここまでべた褒めしたEVOに欠点は無いだろうか。まず一つは、発売が遅かったことが挙げられる。前作はゲームセンターでVF4がヒートアップしているさなか、バージョンCと同時発売だった。EVOの場合はアーケード登場が2002年8月、家庭用が03年3月。もうちょっと早く、昨年末ぐらいに発売できなかったのだろうか。まあ発売を遅らせたためにここまで完成度が上がったのだとしたら、それで良しとするか。しかし確かPS2で発売すると発表があったのが昨年末。それまでPS2で出すかXBOXで出すか迷っていただけ、というオチでは無いだろう・・ね。それからEVOでは、友達とメモリーカードを持ち寄って、アイテムを装備したキャラ同士で戦わせることは出来ない。友達同士、アイテムを賭けて戦えたりすれば、アーケードのカードシステムライクでもっと盛り上がったかも。正直私はどうでもいいことだが、ネット上でそういう批判が多いので一応挙げておく。 こう書いてみると、欠点など些細なことでしかない。是非皆さんもだまされたと思ってEVOを買って欲しい。いつも適当なレビューばかり書いているが、少なくともこのEVOとXBOX版テトリスに関しては嘘は書いていないはずだ。 さて、次にアーケードを含めたEVO自体について述べる。EVOは成功した作品と言えるだろうか。率直に述べて、私的には否。一部を除いてゲームセンターでもそれほど対戦風景を見ないし、ネット上でも全盛期の前作に比べてEVOの攻略・ファンサイトは格段に少ない。それはなぜだろうか? 一つには、前作で最大の問題点であった「下Pからの入れ込み投げが強すぎること」が何の改善もされていないことが挙げられる。こう言うと必ず「対応できないお前が悪いんだ。バーカ」と過剰反応する上級者が出てくる。しかし果たして本当にそうだろうか。確かに私はゲームが下手クソだ。下P投げに反応できないどころか、自分の下Pのヒット確認すら出来ない。日本中で、私よりバーチャが上手い人が1000万人いるかもしれない。しかし、それはつまり私よりバーチャが下手な人間が1億1000万人いることを示している。それら大多数の人々を、ヒット確認ができないというだけで切り捨ててしまってもいいのだろうか。格闘ゲームもシューティングゲームも、一部の上級者のみに合わせてチューニングしていった結果、間口を狭め、ゲーム人口を減らしていった。ここいらでもう一度原点に返って、システムを洗いなおす必要がありはしないか。それはなにも初心者に媚びたイージーモードを付けろと言っているのではない。まずはガードしたらこちらが有利になるという基本を徹底して欲しい。それが容易に体感できるようにして欲しい。とにかく全てが見た目通りであって欲しい。サラのフラミンゴのような、見た目に対処が分からない技は何とかして欲しい。やたらに不自然なバウンドコンボもどうにかして欲しい。 次に新キャラ。あまりにも地味過ぎないだろうか。私は2人とも使ってみてとても面白いキャラだと思う。強力な投げと捌き技に重い打撃を持つゴウは、アキラとウルフを混ぜたようなキャラか。敵を幻惑させる身のこなしに細かいパンチと強力なヒザのブラッドはサラにジェフリーのヒザを足したような感じか?どちらもやり込むに値する好キャラではあるが、私が2人に触れたのは家庭用から。あまりの見た目のイケて無さに、ゲームセンターでは100円を投入してまで使ってみたいと思えない。私ですらそう思うのに、バーチャをやったことの無い女の子がゴウやブラッドを見てプレイしてみたくなったり、PS2版が欲しくなったりするだろうか。キャラ人気ばかりに走るとSNKのようになってしまうが、あまりにそれに背を向けて硬派を気取るのもどうかと思う。PS2版のパッケージイラスト、前作にも増して怖くなってるんですけど。どう贔屓目に見てもフォトジェニックな2人とは思えない・・・。 新キャラが追加された以外には、システム的には大きな変更は無い。叩き付けに受身が取れるようになったこと、新しい崩れポーズの追加、ダウン投げが抜けられるようになったこと、ぐらいが分かりやすい変更点だろうか。各キャラに新技が追加されているが、基本的な戦い方はあまり変わらない。なぜかジャッキーとベネッサだけは大幅に技がリニューアルされている。特にジャッキーは初代からのメインウェポン、ヒジ・ヒザ・ダッシュハンマーが無くなり、理解に苦しむ。もっとキャラのアイデンティティーを大切にした方がいい。サマーが復権したのはいい感じ。ラウのしゃがみからの投げなどいらないと思う。これ以上下P投げ猿を増やしてどうする。一つ評価したいのは、むやみに技を増やすだけでなく、技の削除も行なわれていること。例えばリオンなら9P+G、4PPKが無くなった。続編というとやたら技を追加したがるが、これからはもっと技の整理が行なわれてもいい。 キャラクター間のバランスはどうだろうか。PS2版はバージョンBということで、初期バージョンよりバランスは良くなっていると思う。個人的にはリオンが弱体化したのが悲しいが。EVOの対戦はあまりやっていないので正確なところはわからないが、感覚的には前作のバージョンCのほうが若干バランスは良かったかなという気がする。が、まあ極端なバランスの不均衡は無いと思われる。対戦ツールとして必要十分な調整だと言えるだろう。個人的には影とサラが嫌。 好きなゲームなので要望を言い出したらいくらでも出そうだが、家庭用対戦ツールとしてはまさに頂点に輝く1本だと思う。単なるバージョンアップ版と取られがちなのが不利だが、それを考えても10万本も売れていないというのはひどすぎる。売価も既に4000円ぐらいまで下がっているし。うちのサークルの連中も安くなったら買うなどと言っている。たわけ!今すぐ買え! |
太鼓の達人 ドキッ!新曲だらけの春祭り |
C | |
ナムコ | ||
03/3/27 | 4500 | |
全曲が新曲に差し替えられた、アペンドディスクのようなもの(前作を持っていなくてもプレイできる)。題名からしてハズしている気配が濃厚。 細かいところで改善はされているが、基本的には曲が違うだけで前作と同じ内容。前作は十分楽しませてもらったが、その分今作はプレイする前からすでに飽きてしまっている。娘が好きなアンパンマンの曲が入っているのだが、娘もほとんど興味を持ってくれない。絶対娘が喜んでくれると思って買ったのに、がっかり。 相変わらずナムコオリジナル曲が入っていて、無くてもいいを通り越してあると目障り。歌謡曲は権利金が高いのだったら、もっとクラッシックを増やしてもいいのに。あるいはナムコのゲームミュージックを重点的に増やすのもいいだろう(先にテクニクビートで使われてしまったが)。全曲一新されたが、選曲傾向が前作と似通っているので、曲は違えど新鮮感が薄い。あとアニメソングとか、かなりパチモンくさくてやたらチープ。 ベチベチうるさい太鼓のせいで、プレイ中はほとんど自分の演奏が聞き取れない。リプレイがあれば、自分の下手くそな演奏を聞いて笑ったり、プレイの参考に出来て良かったのに。 |
VIRTUA FIGHTER 10th ANNIVERSARY |
− | |
エンターブレイン | ||
03/11/28 | 3300 | |
エンターブレインから発売された、バーチャファイター10周年記念のムック。まあここでレビューするようなものでもないが、一応ゲームなので。 内容は、本とDVDとゲームのセット。本はページも薄けりゃ内容も薄く、デザインもかっこ悪い。正直価値は見出しにくい。DVDは、新宿ジャッキーや池袋サラなどの、当時ならしたプレイヤーたちのインタビューがメイン。正直私が期待したものと全然違うし、面白さも感じられなかった。実は大半を早送りで流してしまった。使えないAVのようだ。 で、メインはEVOを初代ライクにリメイクしたもの。カクカクのポリゴンや懐かしいステージ・BGMは結構新鮮。ゲームはEVOのキャラや技をベースに、避けや投げ抜けなどの、初代に無い要素を除いて構成されている。まあ一発芸のファンアイテムだが、実は私は今作にかなり期待していた。EVOは非常に良く出来たゲームだが、複雑に進化したゲームシステムはもはや一般人、あるいは私のようなヘタレには遠い存在となりかけている。特にゲームセンターでは避け投げぬけ・パンチのヒット確認ができなければ、対戦する楽しさの端緒に触れることすら出来ない。そこで今作。複雑化した要素を一度リセットして、相手の攻撃をきっちりガードして自分のターンを作る面白さ、分かりやすく、それでいて奥の深い攻防を楽しめるのではないか。例えポリゴンはカクカクだとしても、シンプルに濃縮された面白さは新しいムーブメントを作り出すことが出来るのではないか。そしてそれはバーチャ5の布石になるのではないか。そんな期待を私はプレイ前に持っていた。 そしてプレイ。う〜ん、微妙。EVOからいくつものシステムを差し引いた分、残念ながら面白さまで割引されてしまっている。なによりも投げ抜け。確かに初代にはなかったシステムだが、EVOの対戦バランスを考える上で、まず第一に投げ抜けは外せない。投げ抜けを導入するか外すか、そこが今作を対戦ツールにするか単なるコレクターズアイテムにするかの分岐点だったように思う。投げ抜けが無いということで投げキャラが超強力のような気がするが、4とは投げのシステムが変わったため、かなり投げが入りにくくなっている。投げも含めて4の特徴である先行入力が効かないため、技が出しにくくなってしまった。確かに4では投げが決まりやすすぎでそれも問題なのだが、それに慣れてしまった今、やはり不自由さを感じる。技を出しやすいのは4からの大きな美点で、いいところは残しても良かったのではないか。 避け・受身・各種崩れが無くなったのにも違和感を感じないではないが、慣れればそれはそれでいいのではと思える。大ジャンプが復活したため、1回転投げが出にくくなってしまった。やはりバーチャに大ジャンプは不必要だと思う。 対戦ツールとしては期待していたようなものではなく、EVOに取って代わるにはまったく役者不足。プレイ時間も1時間程度だし、もうこれ以上プレイすることも無いと思う。本・DVD・ゲームを合わせても3300円の価値は見出しにくいが、バーチャEVOの短所と長所をあぶり出しにしたという点では大いに評価できる。きわめて評価しにくい題材なので評価不能ということで逃げさせてもらうが、今作のシンプルさがバーチャ5のなんらかの礎になるのなら、私が3300円を出した意味もあると言うものだ。 |
機動戦士Zガンダム エゥーゴVS.ティターンズ |
C | |
バンダイ | ||
03/12/4 | 6800 | |
Zガンダムのモビルスーツ同士が戦う対戦アクション。ガンダムMEETSバーチャロンのようなものを期待したが、プレイ感は全然違っていてちょっと残念。 グラフィックは十分綺麗で、モビルスーツのポリゴンモデルには安っぽさが全然無い。モビルスーツは、Zガンダムやファーストガンダムからかなり沢山の数が登場している。ガンダムマニアではない私の目には、全てのモビルスーツが出ているように見える(モビルアーマーは出ていない)。効果音やキャラの音声も、ガンダムの世界をよく再現している。正直、ここまでよく作り込まれているとは思わなかった。バンダイ=クソゲーの公式は、もう昔話になったのだろうか。 ゲーム形式は、基本的に2対2で、敵を倒すと機体に対応したコストが戦力ゲージから引かれ、相手のゲージを0にしたら勝ちというもの。アイディアとしては悪くない、と言うかこういうルールでなければ、ガンダムのバトルを再現できないのは想像に難くない。通常の対戦格闘ゲームのように、全てのキャラクターが同等のポテンシャルを持つように調整することは不可能だろう。もしボールがタイマンでガンダムを倒したりした日には、マニアからの非難轟々になることは火を見るより明らか。故に、機体ごとにコストを設定して、弱い機体は低コスト、強い機体は高コストにしてバランスを取っている。そのことは十分理解できるのだが、やはりそれによって対戦の妙味が薄れてしまっていることは否定できない。特にまずいのは、「ゲージが0になった瞬間に勝負がつく」という点。自機が今まさに敵機と熱いバトルを繰り広げているその裏で、僚機が敵に破壊されて敗北になったり、まだまだ目の前に敵が沢山いるのに勝利になったり、どうにもすっきりしない勝負になりがち。対戦はやはりデスマッチが基本。ゲージが0になったら援軍を呼べなくなり、その後にフィールド上の敵機を全て破壊したら勝ちというルールがベターだろう。それから、コストをやり取りするゲームだというのに、自機の選択画面でコストが見れないのは何を考えているのか。それからプレイヤー=パイロットとするのであれば、戦力ゲージよりも何よりも大事なのは自機の耐久力だろう。本作では耐久力が数値で表示されるので、一回の攻撃でどれぐらい減ったのか、あとどれぐらいの攻撃に耐えられるのかが掴みにくい。やはり自機の耐久力は画面上の一番見やすい場所に大きなゲージで表示させるべきなのでは。 モビルスーツの種類は多いのだが、その分一つのモビルスーツでできることが少なく、特に攻撃はメイン、サブの2種類に近接攻撃が少しあるだけ。オラタンでは3種類の攻撃が自機の状態によってさまざまに変化して行動の自由度が高かったのだが、本作では遠距離ではビームライフルを撃つぐらいしかすることが無い。ステップもキビキビと動くことはできず(そのせいでリアル感は増しているが)、長距離ダッシュも無いため、戦場を気持ち良くモビルスーツで駆け回ることができない。勝手の悪い近距離攻撃なども含めて、もうちょっとバーチャロン寄りにしてくれたら、私の嗜好には合うのだが・・・。 9面エンドのアーケードモードの他に、100面以上あるミッションモードがある。任意にセーブが出きるとは言え、いくらなんでも多すぎでは?面が多い分、一つ一つの面はぱっとしないため、すぐに飽きてしまう。面が多ければ多いほどいいなんて、ロードランナーやフラッピーの頃の大昔の思想だ。 レビューでは叩いてしまっているが、サターンやDCの頃にここまで作り込まれたゲームが出ていたら(ポリゴンはともかく)、間違いなく神ゲーの称号を与えていただろう。ゲームのレベルアップとともにユーザーの期待水準も上がり、ソフトハウスは大変だとは思うが、これからも良質なゲームを生み出していってほしいと切に願う。 |
北斗の拳 |
C | |
スリーディー・エイジス | ||
04/3/25 | 2500 | |
過去の名作を最新機でリメイクするというセガエイジス2500シリーズの第11弾。はっきり言ってどれも痛い出来ばかりであったが、近作もそれに準じている。 題材はマークIIIの名作アクション「北斗の拳」。今作にはその完全移植版と、ポリゴンでのリメイク版が入っている。 マークIII版はかなりの名作で、私にも意外だったのだが、今プレイしても十分面白い。グラフィックも18年前のコンシューマーとしては頑張っているし、ゲームらしいPSG音も耳に残る。そして何より、中ボス・面ボスの再現度と攻略性が楽しい。1面で言えばスペード・ダイヤ・クラブ・ハート様と4人も中ボスが出てくる豪華仕様で、ボスのシンはきちんと攻略を見つけないと倒せないという骨太さ。久し振りにプレイしたら1面でゲームオーバーになってしまった。トキやサウザーの倒し方もニヤリとさせられる。パンチとキックを間合いによって使い分けるのが思えば今風。左右から出てくる敵の間合いを見切って順序良く倒すのが、シャチの殺・斬戦のようで楽しい。 試しに同タイプの古典的名作「スパルタンX」と比較プレイしてみたが、私はやっぱり北斗の拳の方が楽しく感じた。確かに道中は北斗の方は単調ではあるが、魅力的なキャラクターたちをきっちりとゲームに落としてきた点が大きい。 リメイク版のほうはまるでダメ。ポリゴンキャラ自体は良く出来ているが、全然マークIIIの面白さをリメイク出来ていない。ゲームはひたすら単調で、中ボスは知らない奴でしかも弱いし、ボス戦も面白くない。出掛かりに無敵のあるボタン同時押し技を出しているだけで勝ててしまうし、ゲージを使って発動する奥義が逆にゲーム性を下げている。ゲージを消費してガードというのも何か変。左右にうろうろしてザコを倒し、ボスが出てくるのを待つという面構成もつまらない。きちっとスクロールする背景作れなかったのかよ・・・。操作キャラがケンシロウからレイやトキに変わるのも統一性が無く違和感あり。おかげでラオウと3連戦しなければならないし。しかも同時押しだけで勝てるし。難易度が低くボリュームが薄いため、買って1時間もしないうちに誰もがクリアしてしまうだろう。ボス戦で台詞が吹き出しに表示されるのもワールドヒーローズみたいでショボい。 折角名作をリメイクするチャンスを得たのに、何でこんなどうしようもない出来にしてしまったのだろうか。スタッフはちゃんとマークIII版プレイしたのか?素直にマークIII版を最大限に活かして、ネガをつぶしてより良い作品に昇華すべきだった。前作では容量の問題か、背景やキャラが使い回しで、後半単調な部分があった。中ボスももっとほしいし、全体的なボリュームも増やしたい。PS2になって容量を気にせずに作れるんだから、 ・牙一族の面を追加(中ボス:レイとマダラ) ・デビルリバース面に中ボス:あべしのボクサーとジャッカル追加 ・サウザー面に中ボス:シュウと手裏剣コンビ追加 ・ラオウ面にもザコ戦と中ボス:ヒルカとジャドウ ・飛び道具を持つザコや下段技しか当たらないザコを と、これぐらいのことはしてほしいわけで。 ついでに元斗面と修羅の国面があれば完璧。コウケツとサヴァ・ブランカ・ボルゲ面は激しくイラネ。 |
ドラゴンクエストV 天空の花嫁 |
C | |
スクウェア・エニックス | ||
04/3/25 | 7800 | |
92年にスーパーファミコンで発売されたドラゴンクエストVのリメイク版。スーファミ版は、当時の最新鋭機にしてはそこはかとなくショボいグラフィックで、落胆させられた記憶がある(私はプレイしていないが)。リメイク版はドラクエ初の3Dポリゴンモデルを使用しており、時代の進歩が感じられる。ただ、地形に対して巨大なチビキャラが森も山もものともせずズンズン進んでいくのは違和感もある。後の作品と比べるのはフェアではないが、キャラと地形の比が実際に近い8のほうが、実際のその世界を冒険している気分をより味わえる。 さて、本作は親子3代に渡る大河ドラマ的ストーリー・結婚相手の選択によって展開が変わる等のシナリオ面が高く評価されているようであり、私もそれに期待してプレイした。が、かなり凡庸。序盤からこれぞRPG的お使いといった展開の連続にゲンナリ。パパスがらみの強引な展開もがっかり。子供を人質にされて無抵抗で殺されるって、脳筋野郎はその後のこと考えてないだろ。で、肝心の花嫁相手選択もかなり唐突&強引で、何で今ここで結婚しなきゃいけないんだ?と唖然。ビアンカにしろフローラにしろ、もっとイベントで恋愛感情を盛り上げてしかるべきでしょ。主人公の息子が伝説の勇者だということだが、伝説も全然ゲーム中で語られないし伝説の勇者たる活躍場面も無いし、ホント安っぽい伝説だこと。バレになるが、中盤で主人公は石化させられて、そのまま8年の歳月が流れる。で復活するのだが、8年を無駄に過ごしたという実感が全く感じられない。街も人も物価もモンスターも、全然時の経過による変化を感じさせない。ファンタシースター3のときも強く感じたが、そこで如何に時の経過を実感させられるかが肝のはずなのに、まるでそんなことに労力が払われていない。ダメでしょ。ドラクエ4とかぶってしまうが、後半は主役が交代して父親を探す冒険のほうが良かったのではないだろうか?そのほうが伝説の勇者っぽいし。 さらには、威厳も魅力も無い敵キャラたち。序盤に出てきた光の教団とやらの脅威が全然描かれていないし、本当に世界の危機なのか?ラスボスのミルドラースにいたっては、背景も語られないし外面も平凡で、まるでラスボスとしてのカリスマが無い。敵に限らず、妖精の女王だとかマスタードラゴンだとか、どのキャラも全て薄っぺらい。印象に残ったのって、主人公を牢獄から逃がして後に獄死したマリアの兄ぐらいじゃないか? 本当にこれが「国民的RPG」とまで言われたシリーズのシナリオなのか?ものすごくやっつけ仕事感が漂っているのだが。シリーズが続いたため堀井雄二がネタ切れになったのか、それともやる気が無かったのか・・・。 それから、もう一つの売りの「モンスターを仲間に出来る」システムについて。確かに中盤は頼れるのでモンスターが仲間になってくれると助かるし、レベルアップして強くなってくれるのは嬉しい。だが、後半モンスターが増えてくると、正直面倒くさくなってくる。モンスターはレベルアップするとステータスアップの他に呪文や特技が使えるようになるのはPCと同様。ということはつまり、今いるモンスターが鍛えれば便利な呪文を覚えてもっと強くなるのか、とっとと別のモンスターと入れ替えたほうがいいのか、全く判断がつかないことになる。攻略サイトなどを見ない限り、そこいらの判断は「適当」にせざるを得ない。論理に基づいた戦略を立てるのが楽しく感じる私には、それは苦痛以外の何物でもなかった。モンスターのステータスは固定で、どんどん強いモンスターに切り替えていく方式のほうが良かったのでは?弱いモンスターを「消費」して強いモンスターを作り上げていく「女神転生」のシステムは、今考えるとすごく優秀なアイディアだったと思う。あと面倒なのが、モンスターの装備。モンスターごとに装備できる武具が決まっているのはPCと同じだが、どのモンスターがどの装備が出来るというのがモンスターごとにバラバラなため、装備に融通が利きにくい。今誰も装備できない武具があったとしても、後で仲間になるモンスターが装備できるかもしれない(しかもそのモンスターにとって最強装備かもしれない)ので、おいそれと換金することが出来ない。特に店で売っていない武具は売ってしまうと取り返しがつかないので、いつまでも袋に入れておくしかない。人によっては持ち物が多いことに喜びを感じることもあるのかもしれないが、私にはものすごく苦痛。使いもしないアイテムが袋の中にザクザクあるとイライラしてしまう。ドラクエ2の頃など、終盤のレベル上げ時には要らないアイテムが手に入ると即捨てていた(店に売るもの無駄に金が増えて嫌だ)くらいだ。1回しか使わないイベントアイテムなんかもいつまでも持ち歩いてるんじゃねー!「アイテム預かり所」と「掘り出し物屋」ぐらい作っといてくれよ。余談だが、「エネミーゼロ」で千切れた指をいつまでも持ち歩いてるがすごく嫌だった。普通嫌だろ・・・。で、モンスターの装備だが、マッチョ型・魔法使い型・飛行型・スライム型などのいくつかのカテゴリーに分けて(多くても10ぐらい)、装備を共通化させるべきだっただろう。 戦闘時のAIも練りこみ不足。「ガンガンいこいぜ」にするとバカみたいにMPを消費してすぐMP切れになるし、「バッチリ頑張れ」では、最後のひと削りで倒せるというときに補助魔法使いまくるほどアホだし。AIだけ元セガの中氏のような理論派に頼んだらどうですか?AIこそが、まだまだ進化代(しろ)があり、ゲームを進化させていく上で最重要になるものだと、私は20年前から信じて疑わない。あと戦闘中に敵にAIの戦略を強制的に変えられることがあるが、あんまり意味が無い上に毎回戦略を戻さなければいけないのがウザイ。 腐ってもドラクエなので安心して遊べるし、実際そこそこに楽しめるのだが、上述のように決して褒められた作品ではない。ドラクエは8は200時間近くプレイしたが、本作はクリアしたら隠しダンジョンなんて全然プレイする気になれないし、2周目ですらやる気が起きない(その為の花嫁選択性だというのに)。ドラクエ8がありとあらゆる面で本作より進化しているので、8さえ持っていれば本作をプレイする必要は無いと言える。 |
ドラゴンクエストVIII |
A | |
スクウェア・エニックス | ||
04/11/27 | 8800 | |
「国民的RPG」とまで謳われたドラゴンクエストの最新作。個人的にはドラクエ4以来15年ぶりぐらいのドラクエだ。 副題に「空と海と大地と呪われし姫君」が付く。まあ誰も副題で呼んだりしないからいいものの、長すぎで語呂が悪い。呪われし姫君なんてそれほどストーリー上大切じゃないし、呪われ「し」なんてわざわざ古語にするところがまたカッコ悪い。ストーリー的に言えば「呪われた城」でよかったのでは。 本作の白眉は、フルポリゴンで構成されたキャラクター・街並み・地形。つまりは全てがポリゴンで造形されている。いまどきフルポリゴンなんて珍しくないと言う人もいるだろうが、小さな箱庭がポリゴンで出来ている、というレベルとはわけが違う。「見わたす限りの世界がある」というコピーに嘘偽り無く、長い坂道を登りきって、高台から遠くに港町が見えたときの感激とか、遠くにかすんで見えた大陸に船でたどり着いたときの感動とか、なかなか言葉に表しがたい感動がそこかしこに詰まっている。一言で言えば、まさしく自分が冒険している感覚。スーパーファミコンの頃から、どうもファイナルファンタジーに置いてきぼりを食らって、旧態依然とした内容にしか見えなかったドラクエだが、とうとう大輪の進化の花を咲かせたという感じだ。素直によくやったと賞賛したい。 地形だけでなく、敵や味方のキャラクターもポリゴンで表現されている。鳥山明デザインのキャラクターたちは表情も豊かに生き生きとして、動きにも躍動感があって魅力的。ゼシカはやりすぎのような気もするが、世間的にウケているようなので無問題。私的にはもうちょっと小さいほうが・・・。また、もう一方の主役とも言えるモンスターたちも、ポリゴンによって見事に立体的に命を吹き込まれている。おなじみのスライムから見知らぬ新顔まで、それぞれ特徴的な動きと技で、冒険者たちを楽しませ、同時に苦しめてくれる。新しいエリアに進むたび、どんなモンスターがどんな動きを見せてくれるのか、ワクワクすることが出来る。 キャラクターで追記すると、パーティーの平均年齢が高めなのは好感が持てる。30後半のオヤジには、10代前半のジャリが世界を救うなんて展開には耐えられない。パーティーは4人の完全固定で、よくある他のゲームのようにメンバーがクルクル入れ替わることが無く、じっくり時間をかけて4人を手塩にかけて育てることが出来る。色の無い主人公にパワーキャラの人のいい元盗賊ヤンガス・2枚目でスカした僧侶ククール・勝気なお嬢様魔法使いゼシカと、皆ステロタイプではあるが、その型にはまりっぷりが安心してプレイできる所以なのかもしれない。 戦闘シーンは古くからのエンカウント制だが、戦闘シーンに切り替わるときにロード時間がほとんど無いのがグッド。エンカウントするたびにロードで待たされたり、魔法などの演出で無駄に時間をかけられたりしていたら、とても最後までプレイできなかっただろう。少しでもプレイヤーのアイドル時間を減らそうと努力する姿勢は好感が持てる。 戦闘時のAIがなかなか賢いため、私はボス戦以外はほとんどAI任せでプレイした(ガンガンいこうぜ)。ちょっとズルっぽいAIではあるが(最初から敵の弱点、HPを熟知しているように見える)、まあそれは取りあえず置いておくとして。自分で命令を出すのが本道だと考える人もいるとは思うが、私はむしろもっとAIに任すべきだと思う。プレイヤー=主人公、なわけで、それ以外のキャラクターは全て一個の人格を持っているということ。それならば、プレイヤーが他キャラを自在に操れるべきではないだろう。極論すれば、各々のキャラクターは個々の判断で勝手に動くべきだとさえ言える。まあそれではボス戦でイライラするのは火を見るより明らかなのだが・・・。 音楽に関しては、正直期待していたほどではなかった。ドラクエ4のファミコンカートリッジからPS2のDVD−ROMと媒体が大幅に進化しているので、グラフィックに見られたような超進化ぶりを期待したのだが、ちょっと肩透かし。目の前でオーケストラが演奏しているような臨場感は全く感じられず、あくまで普通のゲーム機音という感じ。ここはもっと進化させることが出来る部分だと思う。 ビジュアルのFFに対してバランスのDQといったイメージだが、イメージに違わず本作もバランス取りはしっかり行われている。新しいエリアに行くと新しい敵に苦労し、ダンジョンを進んでいるうちに経験値を貯めてレベルアップし、装備も少しずつ充実し、ボスに初めて会うと苦戦するが、レベルをちょっと上げるだけで互角に戦えるようになって、そして次の街へ。決して「無理をして経験値を稼ぐ」とか「ひたすら忍の字でお金を稼ぐ」必要が無く、普通にプレイしているだけで適度に苦労し、適度の達成感を得ることが出来る。この絶妙なバランスはさすが人気シリーズだと言える。本作では、従来よりお金が貯まりにくいというのが一般的な意見で、私もそう思う。それでも、決して爪に火を灯して金策に走り回らなくても十分クリアは可能なので、中小企業の社長の悲哀を味わう必要は無い。残念ながら、ラスボスを倒した後のオマケダンジョンでは、敵が格段に強くなるわりには得られる経験値が増えないので、レベルアップだけなら安全にメタル狩りをやっていればいいということになってしまう(実際私も○○の山にいた時間が結構長いと思う)。最後のダンジョンでは経験値が2倍ぐらいでもよかったのではないだろうか。 さて、ではドラクエのウィークポイントは、となると最初に挙げなくてはならないのがストーリーだろう。ストーリーを一言で言えば、「復活した魔人を、かつて魔人を封印した先達の力を借りて倒す」というもの。う〜ん、20年ぐらい前から進歩が無いな。あちこちでお使いを果たして、ちょっといい話を繰り返しながらストーリーは進むのだが、やっぱりストーリーの屋台骨が弱い。ラスボスにイデオロギーが無いのも魅力が薄い。マルチェロとククールの確執など面白くなりそうなのだが、正直盛り上がりに欠けていたと思う。もっともっとプレイヤーを熱く怒らせ、悲しみに震わせ、腹を抱えて笑わせてもらいたいところだ。当面のボスであるドルマゲスが見かけも内容的にも全然カッコよくないのも痛いところ。悪には悪の美学があって欲しい。ラスボスのデザインもちょっとどうかな・・・。 それから、昔から批判されつつも全く直されないのだが、主人公が勝手に人の家に入ってタンスやらツボやら調べまくるのはどうなのだろうか。本作では更に、家人の目の前でツボを割ってトラの子やらいざと言うときの備品をかっさらっていく。おいおい、お前さんは世界を救う英雄ではないのかい?ウルティマでは勝手に宝箱を盗むとパラメータが悪化したりしたのだが、ドラクエではむしろそういうプレイが奨励されている。嫌ならやんなきゃいーじゃんと言われそうだが、「小さなメダル」というシステムのために、否応無しに家捜しをせざるを得ない。「小さなメダル」とは、世界中に散らばっているアイテムで、集めた数量によって有用なアイテムと交換してもらえるというシステムになっている。ということは、いくら必死こいてダンジョンでメダルを集めても、1個足りないだけでその全てが無駄になってしまうということだ。有用な武器・防具が1つあるか無いかでは、世界を救えるかどうかの瀬戸際で大きく効いてくる可能性がある。そういうわけで私は心を痛めながらツボやタンスを調べ、お姫様の部屋からガーターベルトをくすねるのです。せめて小さなメダルはダンジョンかフィールドの宝箱にしか無いようにするか、見つけたアイテムを取るか戻すか選択できればよかったのに。人の家のツボを壊すのは当然論外。ちなみに、ツボをぶつけて他のツボを壊すことは出来ない。ポリゴンで作り出された空間感覚が優秀なだけに、その辺に違和感を感じる。次回作では、そこいらに物理エンジンを導入するようになるのだろうか? 私のプレイ時間は、ラスボスを倒したところで60時間、おまけダンジョンの最初のボスを倒したところで80時間といったところ。どんなゲームも30時間で飽きてしまう私にしては、よく長続きしたものだと思う。まだ最後の試練はクリアしていないし、他にも錬金釜やスカウトモンスター、カジノなどのやり込み要素は盛りだくさんで、本気でやればまだ4〜50時間はかかりそう。一つのゲームをとことんまでしゃぶりつくしたい人にはもってこいの作品ではないだろうか。 「錬金釜」のシステムについて。アイテムを合成して新しいアイテムを作り出せると言うもので、女神転生のモンスター合体のアイテム版だ。アイテムのレシピは多岐に渡っていて、やりがいのある内容になっている。ただ、全て自分でレシピを見つけていったプレイヤーが果たして何割いるかは疑問。たいていの人が攻略本や攻略サイトに頼ってしまったのではないだろうか?それだけ正直面倒くさいシステムで、道中で手に入れた胡散臭いアイテムや武器なども、もしかして後で必要になるかもと思ったら処分することが出来ずに、必然と持ち物は多種多様なアイテムだらけになってしまう。私はいい加減ウザイので途中で全部売っぱらってしまったが、スライムの冠とか結局後で手に入らなかった。シャイニングフォースシリーズの「掘り出し物」というシステム(本来店に売っていないものでも、一度売れば後で買い戻すことが出来る)は、本作にこそ必要だったように思う。 最後に繰り返すと、ドラクエの進化ぶりには本当に驚かされた。9が次世代のハードで出たら、ハードごと買ってしまいそうで怖い。どうせなら360で出てくれないかな(絶対無理)。 追記:1周目を100時間、2周目を80時間プレイ。2周目は、1周目で取りこぼした最強の武器・防具を漏れなく揃え、レベル53〜55ぐらいで永遠の巨竜を撃破。飽きっぽい私がよくプレイしたものだ。 隠し面のラスボスである永遠の巨竜を倒してしまうと、さすがにやることが無くなってしまうのが、贅沢な話だがちょっと残念。私はもっとこのドラクエワールドにひたっていたかったのに。 レベルMAXが99なので、まだ経験値稼ぎをしようと思えばできる。しかし、いい加減メタルキング狩りはもう飽きた。メタルキング狩りは、効率が抜群にいいくせに、リスクがゼロなのがつまらない。レベル50程度ではまだ隠しダンジョンの雑魚ともいい勝負になるのだから、そちらの獲得経験値を上げ、隠しダンジョンの戦闘効率を上げてほしかった。欲を言えば、更なる強敵のいる隠しダンジョンがほしいところ。どうせ色替えでパラメータ上げるだけなんだから。 あるいは、永遠の巨竜との連戦でゴッソリ経験値が貰えるようにしたらどうか。なぜか現状では勝っても経験値が入らない。ストーリー上何度でも挑戦できるようになっているので、何度も戦いながらレベルアップできるようにしたらどうか。と言うのも、蘇生するアイテムやMPを全快させるアイテムのような、入手数の限られた貴重なアイテムは、結局使いどころが無くて余ってしまうことになりがち(低レベルクリアを目指すなら別だろうが)。さすがに最後の連戦ではMP回復も必要になるが、1回目は3個、2回目は2個使用、と使用数が減っていき、数量限定アイテムが尽きるころはレベルアップしてアイテムが無くても倒せるようになる、というのが理想的。また、「ふしぎなタンバリン」という便利すぎるアイテムがある。これは使用回数によって獲得EXPが減るようなデメリットを付加したらどうか。最初の連戦ではしゃにむに使ってクリアしても、2回目からはできるだけ使わないようにして、いつかは使わなくてもクリアできるようになり、EXPガッポリでウハウハ、という楽しみ方ができたと思う。 素人考えではあるが、まだまだゲームを楽しくする要素は残されているということだ。もっともっとゲームは高みに昇れる。 |
サイヴァリア2 |
C | |
サクセス | ||
05/3/31 | 6648 | |
XBOX版のサイヴァリア2は結構好きなタイトルだ。レビューはこちら。ゲームとしては面白いのだが、ロードが長いのが玉に瑕。そこで、オマケ要素も充実しているというPS2版を購入した次第。
結論から言って、PS2版の方がロードが長い。私のPS2のピックアップがヘタっているのかもしれないが、特にゲーム立ち上げ時のロードはべらぼうに長い。面クリア時のロード時間も、いちばん長いところで30秒以上かかっていた。気のせいかもしれないが、画質もXBOXの方が綺麗。しかもPS2版はどうと言うことの無い場面でも若干処理落ちがかかる。ゲーム単体ではXBOX版のほうが優れていると言える。 では新たに収録された要素はどうか。ボスの体力表示は、ボスがウンザリするほど硬い他の弾幕物では有用だが、ボスが柔らかい本作ではあんまり必要性が無い。さまざまな要求をこなしていくミッションモードもあんまり面白くない。ステージセレクトは面ごとの練習に有効だが、そこまで練習したいと思えるほど熱くなれなかった。 オマケ要素の目玉はスーパープレイを収録したDVD。スコアラーには価値があるだろうが、正直私は見ていて面白いものではなかった。弾をかすらせる「BUZZ」が本作の肝だが、ひたすらそれだけを追求するのは何か違う。ボス戦など、「とっととボス倒せよ」と見ていてイライラした。弾幕シューターには頭ごなしに否定されそうだが、多分私の感覚の方が正常で一般的だと思う。 というわけで、私はXBOX版を推す。と言ってもXBOX版も十分ロードが長くて困るのだが。 |
鉄拳5 |
D | |
ナムコ | ||
05/3/31 | 6800 | |
バーチャと人気を二分するポリゴン格闘シリーズの最新作。
相当時間プレイしたバーチャ4がかなり鉄拳シリーズにプレイ感が近づいていたため、苦手な私にもそろそろ鉄拳が楽しめるかと思っていたのだが、やっぱり受け入れられなかった。 鉄拳ファンには、4はだめで5は面白いと言う人が多いようだが、私にはどこが違うのかまるで分からない。最新作だけあって、グラフィックはバーチャEVOと比べても美しいと言えるぐらいだが、それを除けば前作の4だろうがTAGだろうが、3・2・1だろうがどれも同じにしか思えない。 とにかく受け付けないのが4ボタン制。LP・RP・LPなんて押すより、PPPと押したほうが全然楽。ボタンが四肢に対応しているから直感的と言う人がいるが、絶対嘘だ。LP・RP・LKが上上下でLP・RP・RKが上上上なんてどこが直感的なんだ。PP↓Kとかのほうが絶対イメージしやすい。それから、バーチャのような先行入力が効かないので、微妙に技が出にくい。バーチャ4の先行入力による技の出しやすさは、確かに最初は違和感があったが、今となっては欠かすことの出来ないバーチャ4の最大の美点だと思っている。鉄拳も少しは見習ってもいいのでは? コンボの爽快感が売りのシリーズとは言え、下段始動で体力をごっそり持っていくのはやりすぎではないだろうか。中段からも下段からも同じ程度のコンボが入るのだったら、それはもはや読み合いでは無くただの丁半博打ではないのか? 初心者殺しの10連コンボもいい加減削除したらどうか。「分からん殺し」に使う以外に何か役に立つのか?あとキャラは30人もいらないと思う。デフォルトで20人もいるが、それでも多すぎるくらいだ。キャラがかなりの部分かぶっているように思える。真剣にバランスを取ろうとか、プレイヤーに読み合いを楽しませようとするのならば、キャラは必要十分な数に絞るべきだ。と言っても、一度キャラを増やしてしまうと、減らすとボロクソに言われるのがこの業界なのだが・・・。 鉄拳シリーズということで、家庭用オマケ要素は盛りだくさん。旧作が丸々入っていたり、3Dアクションや3Dシューティングまで。しかし、はっきり言ってそんなことどうでも良くないか?それよりも本編を充実させるべきだろう。それからトレーニングモード。バーチャEVOのトレーニングモードは完璧と言って良かったが、本作はいまだに旧態依然とした内容だ。鉄拳のスタッフは、もしかしてEVOプレイして無いのか? あとストーリーモードのラスボスがえらいカッコ悪いのもどうか。鉄拳的にはこれでOKなのだろうか。ラスボスがカッコ悪いと言えばDOAシリーズなのだが、それと十分対抗できるダサさだ。対応は難しくは無いが、ばかげた威力のガード不能技なんてとても21世紀のゲームとは思えない。 新要素の「しゃがみステータス」「ジャンプステータス」って、結局上段すかし、下段すかしのことだろう。え、そんなのバーチャにはずっと前からあったような。次回作に導入されるのは「飛車角投げ抜け」辺りかな・・・。段位制度やキャラのカスタマイズなどまるまるバーチャのパクリだが、まあいいものはどんどん取り入れてもらえばいい。このままバーチャをパクリ続ければ、鉄拳10ぐらいでは私も楽しめるようになるかもしれない。その頃はキャラ100人とかなって手が付けられなさそうでもあるが・・・。 |
聖闘士星矢 聖域十二宮編 |
C | |
バンダイ | ||
05/4/7 | 6800 | |
車田正美の大ヒット漫画をポリゴン格闘ゲーム化。私も車田正美のファンなので、以下に小宇宙(コスモ)とか聖衣(クロス)とか聖闘士(セイント)とか、専門用語を断り無しに使わせていただく。 メインは青銅聖闘士になって黄金聖闘士と戦うという、原作でも最も盛り上がった十二宮編を再現したモード。もっとも、ストーリーや聖衣はアニメ版に基づいている。原作ファンには受けの悪いアニメ版聖衣だが、私はアニメ版のメット状聖衣も悪く無いと思う。原作のヘッドギアは防御力無さ過ぎだし戦闘中に外れすぎだ。 でその十二宮編だが、アニメを懐かしむという点では良く出来ている。キャラクターや聖衣のポリゴンも良く出来ているし、必殺技も良く再現されていて、アニメを見ていた頃の興奮がよみがえる。声優はOVA準拠で、テレビ版とは何人か声優が違うが、それほど違和感は無い。本編とは関係ないが、アニメの熱いオープニングをポリゴンで完全再現しており、思わず何度も見入ってしまう。このオープニングが本作の最大の売りと言えなくもない。 原作の台詞を再現しているだけでなく、ゲームオリジナルの対戦時の台詞なども、いかにもそのキャラが言いそうな台詞で、スタッフはアニメや漫画を良く研究しているのが分かる。と、キャラゲーとしての出来は良好だが、格闘ゲームとして見た場合はどうだろうか。 まず、ジャンプも無ければ上下段の振り分けも無いというのはどうだろう。投げと打撃の2択が成立しているとはいえ、ちょっと奥が浅いようではある。バトルの基本は小攻撃連打のコンボで、コンボから必殺技につなげたりも出来るが、大味な感じは否めない。”ジャストディフェンス”「聖闘士ガード」や”サイクバースト”「小宇宙爆発」などの要素もあるが、バランスは今ひとつっぽい。そして本作の最大の特徴は、「体力がゼロになってもレバガチャで復活できる」という点。あまりに無茶っぽいが、これはこれで聖闘士らしくて悪くは無い。友達とのプレイなら、初見では必ず爆笑してくれるはずだ。後述のBBAで倒すと復活出来ずに一発死、という要素も面白い。レバガチャによる復活は3回までで、3回以内ならまず確実に立ち上がれる。もうちょっと復活条件が厳しくてもよかったかも。 でそのBBA(ビッグバンアタック)だが、要はゲージを使った超必殺技。技が当たると演出が発動して、この演出が非常に良く出来ていて笑える。お勧めは六道輪廻や亢龍覇あたりか。BBAだが、受け側がタイミングよくボタンを押すことで、連打勝負に持っていくことが出来る。連打に勝てば技を返せるという仕組みだ。技を熟知している同士が戦えば、結構熱いことになりそうだ。ただ、BBAの発動がボタン溜めなので、溜め時間の極端に長いレベル3のBBAなどまずガチ勝負では決まらないだろう。ここいら、もうちょっと普通の格ゲーライクなシステムでも良かったのではないだろうか。それから、小宇宙ゲージというものがあり、必殺技・超必殺・超必殺返しなどに関わってくるが、ゲージの溜まり方が結構適当。戦闘の後半になると、何も考えなくてもガンガン溜まっていく。確かに車田正美っぽいと言えばそうなのだが、もうちょっとゲージを軸にした立ち回りができるようにした方が、格ゲーとしては面白くなっただろう。 星矢のファン同士なら、対戦はそれなりに盛り上がると思う。問題は、対CPU戦。前述のアニメに準拠したストーリーモードの他に、幻朧魔皇拳というモードがある。立場を逆にして、こちらが黄金聖闘士となって十二宮に進入してきた青銅聖闘士を倒すというもの。面白い試みではあるが、バランスはメチャクチャ。何しろ青銅の攻撃力は黄金の10倍ぐらいある。え、逆じゃなくて?しかも、こちらの攻撃にほぼ100%聖闘士ガードをしてくる。こちらの攻撃を100%ブロッキングしてくるストIIIを想像すれば、その非道っぷりも分かるというものだ。というわけで、星矢1人に黄金聖闘士が全滅なんてこともあり得る。そのあまりに無茶な難易度をエピG風に表現すれば 放 調 棄 整 ってとことろか。じゃあどうあがいても勝てないかと言うと、何度も負けて経験値を稼ぐことによってレベルアップし、特殊能力やアイテムを使うことによって勝つことが出来るようになる。はあ?それ黄金聖闘士とちゃうよ。まあとにかくストレスが溜まるモードであることは間違いが無い。何度コントローラーを叩きつけようと思ったことか。勝てるようになれば少しは楽しくなってくるのだが・・・。 キャラは青銅の5人に黄金聖闘士たち(若い童虎もいるよ)、魔鈴にシャイナにミスティ、なんと鋼鉄聖闘士の3人までと大判振る舞い。数少ない女キャラの魔鈴とシャイナ、白銀最強のミスティ、ウケを狙って鋼鉄3人と人選は悪くない。ただ、キャラが多い分、一人一人の技が少なかったり投げモーションが使い回されているのが気になる。特に投げなど一人一つしか持っていないのに、黄金聖闘士の中ですら使い回されていてちょっと残念。キャラを減らしてでも一人一人の完成度を上げて貰いたいところだ。 格闘ゲームとしては下の方だが、星矢ファンなら楽しめること請け合い。もちろんかなりのストレスは覚悟して貰うことになるが。少なくとも私はそれなりに楽しめた。欲を言えば、幻朧魔皇拳なんて無くしてもいいから、十二宮編のアナザーストーリーをもっと充実させて欲しかった。全宮に3つぐらいは欲しかった所。あと三国無双みたいなボーナスステージ(?)は全然いらない。 ゲームをプレイしてから原作を読み直したのだが、十二宮編の完成度の高さには心の底から驚かされる。初代リンかけの終盤と十二宮編の展開はまさしく神がかっている。それは奇跡ということだ!現在連載中のリンかけ2ももうちょっと頑張って下さいよ〜。絵もどうにかならないものか・・・。 |
ソウルキャリバーIII |
B | |
ナムコ | ||
05/11/23 | 6800 | |
古いレビューを読んでもらえると分かるが、私はキャリバーシリーズをあまり評価していない(特に2)。しかしながら、本作は調整がかなり私好みで、初めて面白いと思ったキャリバーシリーズだ。 キャリバーの何が嫌いかというと、@ちょっと武器の振りが違うだけの似たような技が多く、下段だか中段だか見た目に分かりにくい。また、中段から下段に派生するような対処しにくい連携が多い。Aスライド入力とかボタンのあとにレバー入力とか、特殊で馴染みにくいコマンドが多い。Bガード後に距離が離れることが多く、反撃がしにくい→ゴリ押しされがち。C投げの種類が少なく、投げ好きの私には物足りない。Dゲームのバランスを、「ガードインパクト」という便利なシステムに頼りすぎ。E大して面白くないくせに時間ばかりかかる家庭用要素が余計。Fガードとか投げとかなにやらでビカビカ光り過ぎ。といったところか。順番に特に意味は無い。 キャリバー3において、上述の@とAが改善されている。@に関して言えば、例えば3で復活したリザードマンでは、←AAAという上・下・中の連携が削除された(ソフィーティアには残っている)。他のキャラについても似たような感じだと思う。(多分。無責任だが)。そして、私がキャリバー3に馴染んだ理由は、Aの改良が大だと思う。キャリバー特有の、AとBを続けて押すスライド入力なんて、入力しにくいだけで何の意味も無かったのだが、3になって数が減っている。また、コマンド投げでボタン部分がA+BとかB+Kとか不自然なコマンドが多かったが、3ではA+G、B+Gに統一された。それによって、コマンドミスによって打撃が出るという不愉快かつ不自然な現象が減った。コマンドの統一と投げスカリによるリスクの表現は、バーチャは3でとうの昔に実現していて、キャリバーもやっとバーチャ3に追いついたという感じ。また、アスタロスのコマンド投げでB+G→(A抜け)とB+G←(B抜け)とかなんじゃそりゃという感じだが、3では→←A+G(A抜け)と→←B+G(B抜け)と、極めて真っ当なコマンドに修正された。 B以降の不満点は相変わらずだが、Aが改善されただけで、キャリバー3をプレイしたくなる理由付けは十分だ。 キャラに関しては、マイキャラのリザードマンが復活してくれた事が大きい。2でも海外版ではリザードマンが使えたが、あんなショボいデザインのリザードマンなんてただのトカゲの大きいやつだ!というわけで3で復活熱烈歓迎。初代リザードマンはソフィーティアの強化版という感じだったが、3ではむしろ廉価版・再生怪人版といった趣が・・・。2の新キャラのネクリッドは削除。まあデュラルのようなインチキっぽいキャラだったので、削除は妥当か。平八・リンク・スポーンも削除。スポーンは何気に扱い易かったので残して欲しかったが、まあ仕方ないところか。新キャラのくせに顔つきがダサかったラファエロとタリムは、新たにデザインが良くなって再登場。最初からこの顔だったら良かったのに。アスタロスはなぜか肌が赤くなってダサくなってしまったし、ロックも昔のバッファロー頭に比べてカッコ悪くなってしまった。ナイトメアもやたら饒舌でキャラに合ってないし、フクロウ頭のオルカダンは喋りが軽くてエッジマスターに比べて威厳が無い。全般的に昔に比べて、キャラのデザイン力が落ちているような。それだけ初代キャリバーの出来が良かったという事かもしれない。3での新キャラは、ザサラメールとティラ、雪華の3人。法衣の黒人というデザインのザサラメールはかっこいいのだが、ラスボスにするにはちょっと格下な感じ。声もちょっと渋みが足りないか。ティラは露出系ジャリキャラ。武器が変だし言動がむかつくので要らない。もう下乳ぐらいでは反応しなくなってしまったのかも。雪華はアーケード版では最強キャラらしいが、なんか欝っぽいしコマンドが難しいので嫌い。他に、ボーナスキャラとしてポッと出のキャラが10人以上もいる。キャラは多ければいいというものではないと思うのだが。 メインモードであるストーリーモードだが、出来は良くない。ロードが長いくせに敵は弱くて1本制なので戦闘はすぐ終わってしまう。選択肢によって展開が変わったりするが、正直面倒くさいだけ。デモ中にLDゲームよろしくコマンド入力が求められるが、毎回同じなのですぐに慣れてしまう。そしてなにより、デモシーンが一切飛ばせないのが痛い。隠しキャラを出すだけのために、何回ザサラメールと会話したことだろう。変に凝らずに、普通に敵と連戦して、ラスボスを倒してエンディングにしてくれればよっぽど良かったのに。一応そういうモードもあるが(バトルアリーナのシンプルモード)、なぜかクリアしても大事なマネーが入らないので、やる意味は希薄(後記:普通にマネーは手に入る。嘘書いてすみません。でもやる意味が希薄なのはガチ)。 3ではチュートリアルモードがあり、バーチャEVOほど実戦的ではないにしろ、スキルを身につけることが出来るモードの搭載は嬉しい。ガードインパクトの練習に最適だ。 恒例のやり込みモードとして、「ロストクロニクル」モードがある。格ゲーとシミュレーションの組み合わさったゲームだが、結構面倒くさい。しかも戦闘に切り替わるときのロードが長く、やる気を削ぐ。このモードをやらないと新キャラやアイテムが手に入らないのでボチボチやっているが、正直あんまり面白いという気がしない。 もう一つのやり込み要素として、パーツを組み合わせてオリジナルキャラクターを作れるというものがある。パーツはかなり沢山用意してあり、多彩なキャラクターが作れるようだ。パーツを揃えるには金がかかるので、他のモードで必死に金を貯める必要がある。そのため、他のモードをプレイする動機付けにもなる。私はオリジナルキャラとかカスタマイズとかには興味は無いのだが、パーツが揃わないのも気に入らないので、つい必死こいて集めてしまう。うちの娘2人は自分でキャラメイクが出来るのを気に入ったようだ。ラブ&ベリーがヒットしたのも、個人的には理解できないが親としてなら分かる気がする。 まだある。トーナメントやリーグ戦を勝ち抜いていく「ワールドコンペティション」、さまざまな条件を満たしながら戦う「バトルアリーナ」、画像やムービーが見れる恒例の「ミュージアム」など盛りだくさん。ワールドコンペティションは7連戦のトーナメントやリーグ戦をさらに12連戦するもので、勝ち続ければべらぼうに時間がかかる。私は3ラウンドぐらいまでしか行けないが、それでも十分うんざりしてくる。途中セーブできないので、やられたら最初からやり直し。バーチャEVOのように、セーブしながら少しずつ上位の大会に出れるようにしなかったスタッフの考えが理解できない。このモードだけでも煮詰めれば、十分本作の売りになったのではないだろうか。次回作に期待。 バトルアリーナは、壁にぶつけろとか石像と戦えとか、変な条件付きで戦わされる。対戦の役に立つとは思えないが、前作のウエポンマスターモードよりはよっぽどまし。 画像はPS2にしてはかなり綺麗。鉄拳5と同様プログレッシブにも対応している。それでもやっぱり、D4に対応していたXBOX版の前作の緻密な画面には劣ってしまう。ハードの能力上仕方が無いことだが、前作同様マルチで出してくれたらよかったのになあ、と残念に思う。XBOXはもう末期だったし、前作も売れなかったしで望むべくも無いのだが・・・。 キャリバーシリーズでは、他の3D格闘ほどは空中コンボが重視されていない。「空中制御」というシステムのため、空中コンボが入りにくくなっている。その分ダウンしてからの追い討ちが痛いのだが、まあそれはそれ。正直初代キャリバーの頃は空中コンボの少なさに物足りなさを感じていたのだが、鉄拳だけでなくバーチャまでがコンボコンボコンボのコンボゲーになってしまった今、逆に新鮮味を感じる。袋小路に陥った3D格ゲーの一つの方向性を示唆しているようにも思える。ただし、本作に導入されたスタンコンボ(バーチャで言う崩れダウンへの追い討ち)がその分エゲツないような気が。 本作は、セーブデータを破壊するバグで大騒ぎを起こした。私が買ったのは対策版(ver2.0)だったので問題は無かったが、ナムコに送れば旧バージョンでも交換して貰える模様。ナムコの対応の悪さがネット上で叩きまくられたが、サターンの頃のセガ(バイパーズやその他モロモロ)に比べればいくらかでもマシかも。悪評が瞬く間に広がるネット社会だということだ。 本作は対戦格闘としても十分面白く、一人用やり込み要素もナムコらしく十二分に用意されている。対戦格闘としての出来は、ユーザーの要望によりアーケードに逆移植されたことからも推し量れる。やり込み要素のロストクロニクルにしてもキャラクタークリエイションにしても膨大な手間暇がかかっていることは容易に想像できる。ユーザーの評判も上々なようだ。だが、あえてケチを付けさせてもらうが、本当にロスト〜やキャラ〜が必要だったのだろうか。本作の本質はあくまでも対戦格闘。ならば、あくまで本質で勝負すべきだったのではないだろうか。それ以外のオマケ要素を全て省いたとしても、本質に近いワールドコンペティションをもっと充実させるべきだったのではないだろうか。ゲーム機の性能が上がって、制作費が高騰していると聞く。だが、制作費が高騰しているのではなくて高騰させている一面がありはしないか。高騰させているのは製作者であり、不必要なオマケ要素を要求する我々ユーザーである。そのゲームにとって、何が本質で何が枝葉か、何を取って何を捨てるか、これまでのように何でもかんでもぶち込んどけという時代には終わりを告げるべきなのではないだろうか。 |
ぷよぷよフィバーチュー! |
D | |
セガ | ||
05/11/24 | 4800 | |
前作「ぷよぷよフィーバー」のレビューでは、私はC評価を付けた(XBOX版)。では私はフィーバーを凡作と考えているかと言えばさにあらず、ぷよぷよシリーズの最高傑作と言っても過言では無いと思っている。フィーバーのルールは理に適っていて、大連鎖の爽快感もあり、首の皮一枚から粘りに粘って大逆転の可能性も残されている。私自身、おそらくXBOXの中では、ゴッサム2やHALO2と並び最もプレイ時間の長いタイトルだと思う。ではなぜAでは無くC評価なのか。それは全て、プログラムの出来の悪さに起因する。操作性が悪く、対人戦とCPU戦であからさまに操作感覚が違い、場面場面でロードで待たされ、XBOXだというのに処理落ちまである。対戦時にコントローラーが入れ替わったりする謎の仕様に、再戦時に一度ポーズをしなければキャラを変えられない糞仕様など、とにかくプログラムの出来は目も当てられないほどの質の低さだ。それは全て、おそらくミドルウェエア「レンダウェア」を使用したことに起因するのではないだろうか。「レンダウェア」とは、PS2・XBOX・GCなど他機種間でプログラムを使い回せる開発援用ツールだと聞く。なるほど、他機種間でプログラムを使い回せれば、コストも安くなるし発売期間も短く出来るはずだ・・・っておい、XBOX版はPS2版にかなり遅れた上に値段も安くなかったぞ。きちんとプログラムを起こした(というか業務用の使い回しか?)DC版が最も出来が良かったのは周知の事実だ。 で、問題だらけのレンダウェアだが、さすがにソニックチームも学習したのか、たぶん本作はPS2専用にプログラムを組んでいると思う。ロードが長いとか、操作性が悪いとかいう前作のネガは一切無い。では、本作は名作足りうる資格を手に入れたのだろうか?残念ながら私はそうは思わない。 ぷよシリーズで、おそらく最も評価が高いのは「通」だろう。だが、私は全くと言っていいほど通は楽しめなかった。そして本作、かなり通をプレイしたときの感想に近い。なにか無闇に落下速度が速く、それだけで難易度が無駄に上がってしまっているのだ。確かに前作ではやたら落下速度が遅く(CPU戦)、それはそれでイライラさせられる部分もあり、それに慣らされてしまっているという側面は否定できないが、それにしても本作はプレイしていてストレスが溜まる。例えば、上まで詰まったときなど、でかぷよの色を変えきらないことがままある。初代、SUNとぷよシリーズのプレイ時間はそれなりになると思うが、前作で初めて「8連鎖以上の楽しみ」というのが理解できた。SUNなどでは、CPU戦で6連鎖以上を狙うのは、たとえ最速で組めたとしてもほぼメリットが無く、リスクが高まるだけだった。だが前作は、じっくり高連鎖を狙うだけの楽しみがプレイヤーにも提供されていた。で、肝心の本作であるが、CPUが高連鎖を狙うゆとりをまったく与えてくれない。特に本作の一人プレイのメインになるであろう、格ゲーで言うところのサバイバルモード(天空の階段)が、1面からCPUが強く、またレートの問題か、1面からプレイがダラダラ長引くことが多い。いや、正直言えば1面で死んで唖然とすることすら何度もあった。前作のフリー対戦で200プレイとかして徹夜をしたことが何回かあるような私だが、本作のサバイバルモードには期待していた分失望がものすごく大きかった。敵を倒すごとにリザルト画面やアイテム選択画面が出るのもウザい。パズルゲームにアイテムなどいらんだろう。あと4色対5色とか、ちっとも面白く無いんですけど。 個人的には、もう少し落下をスピード下げてプレイしやすくしてくれたほうが良かった。別に指先の反射神経を競うゲームじゃないのだから。ゆっくり考えてじっくり連鎖を組むプレイスタイルを許容しないというのは、いささか狭量というものだろう。 というわけで、本作は私にはまったく面白くなかった。新キャラのやる気の無い「シグ」にもまるで魅力を感じない(むしろ不愉快)。さかな王子が実は人間だったり、ユウちゃんが二人組みで出てきたりと、前作のキャラクターが気に入っていた私にはとても受け入れられない。私的には本作は無かったことに今日決定。久しぶりに即売りの誘惑にかられるソフトだ。「通」が好きな人なら問題無く受け入れられると思うのだが・・・。 追記:その後結構プレイしたのだが、やっぱりリザルト画面はウザいし、4色対5色なんて全然面白くないし、ゴゴットとか犬とか悪魔とか、新キャラはマジでむかつくし、何より難易度が高くて私にはついていけない。コンティニューアイテムを買いまくってもせいぜい20階程度までしか行けない。世の中には999階以上行ける人がいるようで、そのレベル差には戦慄を覚える。製作スタッフもつわものが揃っているのだろうが、やはり一般人が楽しめるレベルをわきまえてもらわないと困る。なぜなら金を出すのは大半は私レベルの一般人なのだから(多分)。 追記:なんだかんだで、歴代ぷよシリーズで一番長時間になるぐらいにプレイした(全然上達しないけど)。確かに楽しいからやるんだが、それでもやっぱり塔はいくらやっても楽しくない。アイテム導入した人はホントどうにかしてほしい。次回ぷよは、一人プレイ時のテンポの良さを死ぬ気で追求してほしい。あとやっぱり、ぷよは2個組み限定でいいや。フィーバーのルール自体はすごく理に適っているし、やってて楽しいのでこれからも続けてほしいのだけど。 |
ギルティギア イグゼクス スラッシュ |
||
セガ | ||
06/4/13 | 4800 | |
ザ・キング・オブ・ファイターズXI |
||
SNKプレイモア | ||
06/6/21 | 6800 | |
ぷよぷよ! |
A | |
コナミ | ||
07/3/21 | 4800 | |
ぷよぷよアーケード版から数えて15周年記念作(?)。副題に15th Anniversaryとある。前作のCHUは正直あまりいい出来ではなかったが、本作は記念作にふさわしく、かなりよく作り込んである。 分かりやすい点で言うと、様々なルールでプレイできる所。本流である所のフィーバールールはもちろん、相殺の無い初代・いまだに人気のある通ルールなどで対人戦・CPU対戦・ストーリーモードプレイが出来るようになっている。私はフィーバーに慣れてしまうと通なんかプレイできないと思ってしまうのだが、そうではないオールドファンの方々にも安心。それらのルールの他に、フィールドが回転したり暗くて画面の一部分しか見えなかったりなど、全部で12種類の特殊ルールでプレイすることが出来る。まあ正直わざわざ変なルールでプレイすることも無いと思うのだが、ひたすら掘り進むルールは分かりやすさゆえに子供たちに好評で、適当にハンデをつけて子供と対戦を楽しむことが出来る。本作は4人対戦が可能で、しかも自由にチーム分けが出来るので、子供2人チームvs私とか、子供のチームに助っ人で強めのCPUを混ぜてみたりだとか、パパチームvsママチームだとか、通常の甘口〜激辛のシステム的ハンデ以外に、家族全員でいろいろハンデを作って楽しむことが出来る。私は本作のためだけにマルチタップを買ってしまった。ちなみに、一人プレイはデジタルパッド(サターンパッドとかスティックとか)でプレイ可能だが、多人数対戦はアナログパッドが無いと不可能なので注意。 チュートリアルもいままでになく充実していて、自分で決められたパターンの連鎖を組む「授業」モードがある。だらだら流してしまう私には大して練習にならないが、本気で連鎖パターンを研究しようとする人には大いに役に立つことだろう。 私はフィーバーモードばかりプレイしているが、本作のCPUはかなり手強い。CHUのようにインチキっぽい強さではなく、しっかりしたアルゴリズムに基づいた強さに思える。前作最強だったアコール先生の強さはそのままに、その上にシェゾ・ルルー・レムレス・サタンといった強キャラが控えている。レムレスと数時間対戦してみたが(難易度ふつう)、3勝30敗という驚愕の黒星数を叩き出してしまった。CPUに勝てないとすぐにクソゲーと言いたくなる私だが、本作のCPU戦は、負けても次は頑張るぞ!と思えるから不思議。CHUの塔では心底腹が立ったものだが・・・。サタンなんて、ホント手も足も出せない強さ。「サタンは弱い」が通例だったのに・・・。このCPUでも楽勝だという剛の者には、強いCPU3人と4人対戦をオススメ。1Pvsサタンvsレムレスvsルルーとか、マジ勝てる気がしない。「CPUが強いのは速攻だからだろ?」という諸兄は、連鎖縛りをつけてプレイすることをオススメする。大連鎖もきっちり仕掛けてくるので驚くこと請け合い。 本作のフィーバールールでは、フィーバー時の連鎖のタネが前作までと変わっている。CHUで「前作とタネが同じじゃん。もう飽きた」という人がいたので、きちんとそれに対応してきたのだろう。前作のタネは階段や座布団でどこが発火点か比較的分かりやすかったのだが、本作のタネは挟み込みを利用した不定形っぽい連鎖パターンになっていて、ぱっと見発火点が分かりにくくなっている。慣れればいい話だが、友達を呼んで対戦したときに初見で分かりにくいというのは、やっぱりいい印象は持たれない。私も、前作の綺麗なタネのほうがいいな〜などと思うこと無きにしも非ず。ただ、挟み込みを使っているので、発火点が複数あって、追い込まれたときにメイン以外から発火して急場をしのげることもある。ただしそれは3個ぷよ・巨大ぷよが来たときに暴発しやすいというデメリットもあり、なかなか難しい所。 既に出てきたように、本作では旧作から多くのキャラがゲスト出演している。出演は前からいるアルルの他に、サタン・シェゾ・ルルー・ぞう・ナス・タラ。人気キャラのウィッチやドラコなんかはなぜか出ていない。旧作からキャラを引っ張ってきた分、不人気キャラのフランケン・タルタルは削除。かなり妥当な判断かと。あとアクマと犬も削除してくれたら完璧。旧キャラは全てフィーバーっぽいグラフィックで書き下ろされている。人物キャラはそれなりにいいのだが、ナス・ぞう・タラあたりは構成する線が少なくて手抜きっぽく見えてしまうのは気のせいだろうか。なんやかんやでキャラ数が増えたが、ストーリーモードは全員分のストーリーがちゃんとあるのが見事。まあデモとかすみませんがドンドン飛ばさせていただくけれど。ストーリーモードはルーレットで対戦ルールを決めるのだが、ルーレットは目押しが容易なため、いつもフィーバールールでプレイしてしまう。そりゃそうだ、わざわざ面白くないルールを選ぶ必要は無い。だとすれば他のルールの(ストーリーモードでの)存在意義が無くなってしまうわけで、ステージごとにルールは強制でよかったと思う。 本作はPS2の他に、DS・PSP・Wiiで発売されている。通信対戦が出来るのはDS版だけ。フルプライスでもいいので、ネット対戦に強い360で出てくれないだろうか(できればネット配信で)。 ボリュームがたっぷりあって、しかもCPUとのタイマン勝負だけでも一生遊べそうな本作。初心者から上級者まで、全てのレベルの人にオススメできる1本だ。 では例によってイチャモンを。私が一番気に入らないのは、「ぷよぷよ!」という題名。これなんて読むの?「ぷよぷよ」?それとも「ぷよぷよっ」とでも読めばいいのか?「ぷよぷよ」と読んだら初代と区別つかないじゃん。「ぷよアニ」とでも呼べばいいのか?もうすぐ40代の古臭い頭の私には、なんでもかんでもそういう風に短縮するのが気に入らないのだよ。ともかく読めない題名なんてもっての外。普通に「ぷよぷよフィーバー3」もしくは「ぷよぷよ6」にしてくれればいいのに。あれですか、次回作は「ぷよぷよ・・・」とか「ぷよぷよ\(^o^)/」とかになったりするのか? あともうひとつ、本作の大きな欠点に「対戦の本数が2本先取固定」がある。ぷよぷよ上級者は想像できないのかもしれないが、初心者同士が対戦すると、お互いたいした連鎖も出来ないのでやたらと勝負が長引くことがある。そんなときは1本先取で十分、むしろ2本先取などウンザリする。2本先取固定は、初心者のことを全く考慮していないと言われても仕方が無いだろう。対CPU戦も、1本勝負でさくさくプレイしたいところ。あとリプレイセーブが無くなってしまったのは残念。セーブできなくてもいいので、試合後にすぐ見れる「感想戦」みたいなインスタントリプレイの機能がほしいところ。次回作では是非検討してほしい。 |
北斗の拳 〜審判の蒼双星 拳豪列伝〜 |
||
セガ | ||
07/3/29 | 6800 | |