一時期の灯火
序盤 一時期の灯火
ある月曜の朝ある一家の部屋の中からけたたましいベルの音が聞こえている。
ジリリリリーーーーーー。
クラウド「ん、もう少し寝かせて・・・。」
と眠そうに手探りで目覚まし時計のスイッチを切ろうとする。しかしなかなか時計が見つからない。その時
がちゃ!(ドアの開く音)
どたどた(近づいてくる足音)
その足音はクラウドの目の前で止まる。
クラウド「ったく。誰だよ、うるさいな〜。」
誰かの気配を感じ、寝ぼけ眼で確認しようとするクラウド。そこにはプリンセスガードを今にも振り下ろそうとしているエアリスでした。
エアリス「誰がうるさいのよ! いい加減に起きなさーい!」
クラウド「わーーーーー!」
枕の羽毛が飛び散る。クラウドは間一髪でよけ、ベットの隅で固まっている。
クラウド「何すんだよ、エアリス!危ないじゃないか!」
エアリス「なんですって〜。」
ギロリとにらむエアリス。その手にはプリンセスガードとオーロラロッドを片手ずつ持ちくるくる回している。
エアリス「あんたがなかなか起きないからでしょ! それに姉さんって呼びなさいっていつも言ってるでしょ!」
クラウド「ぎゃーーーーー!」
鮮血がほとばしる。
クラウドの部屋からの破壊音と雄たけびを聞きながらモーニングコーヒーを飲み新聞を読むガスト。
ガスト「ハハハ。毎朝元気だな。あの二人は。」
イファルナ「そうですね、あなた。」
といいながら朝食を作るイファルナ。
イファルナ「あらあなた。新聞を読みながらの食事はやめて下さいって言ったじゃないですか。」
ガスト「おっとそうだったな!これは失礼した。ハハハ。」
イファルナ「もうあなたったら!」
と和み緑茶の二人。フランス人か!
クラ・エア「いってきまーす。」
5分で朝食を食べ、猛ダッシュで走る二人。
エアリス「ちょっと、急ぎなさいよ!クラウド。遅刻しちゃうじゃない!」
クラウド「そんな事言ったって、姉さんの分も持ってるからしょうがないじゃないか!」
言い合っている二人の後ろからエンジン音が聞こえてくる。
ザックス「よっ!二人とも。毎朝元気だな!」
それはザックスでした。奴はバイク通。
エアリス「ちょうど良かった。ちょっと乗せてってよ!。」
ザックス「嫌だね。どうせ乗せるならクラウドだね。」
エアリス「なんですって〜!」
ザックス「じゃ〜な〜。まあせいぜいがんばれよ。」
といいつつ走り去るザックス。しかしエアリスは逃さない。
エアリス「クラウド。あれ取って。」
クラウドは言われたとおりにかばんの中から一本の折りたたみ傘を取り出し渡す。(エアリスの最強武器。攻撃力58)
エアリス「だりゃーーーーー!」
傘を槍のように投げたエアリス。その傘は一直線にザックスにつき進み、ミサイルのように首に突き刺さる。
ザックス「うぎゃーー!」
バランスを崩したザックスは転倒。バイクもろとも壁にぶち当たる。
エアリス「ふっ。私に逆らうからよ。」
クラウド「あああ、なんてことを。」
ザックスは血まみれ。もはや虫の息。しかしバイクは特注のミスリス製。傷一つ付いていない。
エアリス「さっ。クラウド行くわよ。」
とバイクを起こし乗れとさいそくするエアリス。
クラウド「え、でもそれはザックスの・・・。」
エアリス「いいから、いいから。」
クラウドは仕方なくバイクにまたがりエンジンをかける。その後ろにエアリスが乗り立ち去る。
ここは校門。どうやらぎりぎりセーフのようだ。ちなみにバイクは近くの川に捨てた。
エアリス「どうやら間に合ったようね。」
その時門をはさんだ反対側から同じく遅刻しそうな生徒が走ってくる。
クラウド「ティファ!ティファも寝坊?」
ティファ「ええ、まあそんなところよ。」
と息を切らしながらしゃべる二人。
エアリス「どうでもいいけど、あんたその制服あんまり似合ってないんじゃない?」
この学園は制服着用。(参照:たとえて言うならば「あ○ま○み○」のやつ。もしくは「と○め○」)
ティファ「そ、そうかしら!?そんなことより急がないと遅刻よ!」
話をずらし何とか、とりつくろうティファ。3人は急いで教室に向かう。
クラウド「何とか間に合ったな。ザックス大丈夫かな?」
エアリス「別にいいじゃないあんな奴。」
ティファ「またやったのね。」
と話をしながら席につき3人。クラウドは教室の左奥の一番後ろ。その横にティファ。前にエアリスである。ちなみにザックスはと言うと・・・。
がらがら〜
その時担任のバレット先生が入ってきた。体育教師、赤ジャージである。
バレット「それでは出席を取るぞ。・・・・・。」
と出席をつけ始めるバレット。しかしザックスの名前を呼んでも返事がない。
バレット「ん?ザックスは休みか?」
そういい、バレットが出席簿に記入しようとしたとき
ガラ!
勢いよく教室の後ろの扉が開く。そこには全身血だらけのザックスが息を切らしながら立っていた。
エアリス「あら、ザックス。今日は休むと思ってたのに。」
ザックス「なんだと〜。お前がやったんじゃないか!くるくるパーマのくせに!」
エアリス「違うわよ。これは三つ編みって言うのよ!あんただってハリネズミみたいな頭のくせに!」
にらみ合う二人、今にもけんかが始まりそうだったが、バレットの静止で事なきを得る。ザックスの席はエアリスの隣。
授業中。
エアリス「あ、まちがえちゃった。ちょっと消しゴム貸してね。」
ザックス「あ!何お前勝手に借りてんだよ!」
エアリス「いいじゃない!減るもんじゃないし!」
ザックス「減るんだよ!消しゴムは!」
エアリス「ケチ!」
そんな二人の言い合いを聞きながらクラウドは思う。
クラウド「なあ、あの二人って結構お似合いじゃないか?」
ティファ「そうねー。意外と。」
その会話に反応するエアリスとザックス。同時に振り返る。
エアリス「私が!?こいつと!?冗談じゃないわ!」
ザックス「俺が!?こいつと!?冗談じゃねぇ!」
ん〜ん。息ぴったりゥそう思うクラウドとティファでした。