砂漠のド真ん中、という立地条件のマズさも手伝ってか、ゴールドソーサーは不気味なほどガラガラだった。
ていうか、『誠に勝手ながら、10月30日をもちまして閉園させていただくことになりました』の張り紙が。
人波に紛れてスリしほうだい、と目論んでいたクラウド達はショックを隠せない。
「暗い顔してますな〜。ボクの占いでもどうですか〜」
そんな彼らに声をかけたのは、全身白タイツで頭の上にキティちゃんのぬいぐるみを縛り付けた、現実世界なら一発で職務質問されるような出で立ちの中年男性だった。
「・・・ナニやってんすか、リーブさん」
あっさり正体を見破る、元神羅社員のクラウド。
が、自称『魔法の占いマシーン・ケットシー』なる彼は、断固否認。
しかも、聞いてもいないのに勝手に占いはじめる強引さだ。
「じゃあ、そこのツンツン頭の彼の恋愛運を占いますわ」
「・・・ボクすか?」
恋愛運、と聞いて、ちょっと興味のでてきたクラウド。
余談だが、彼は床屋で「悟空みたいにして下さい」と言う。
「ほな、いくざんす」
「ナニ弁だよ、それ」
クラウドを無視して、ケットシーは魔法のステッキ(先端にハート型の飾り着き)を振りかざした。
「♪ドッキン・モエモエ・ピコリン・プー!」
と踊りながら呪文を唱える中年男はかなりバカだが、書いてる作者はもっとバカだ。
ぴろろろろ〜ん(効果音)
「むむ・・・ユーの運命の相手は」
「運命の相手は・・・?」
ティファなら御の字、エアリスでも範囲内、プリシアだったらイヤだなあ、バレットだったらブッコロス、ユフィはおっと未登場だったな、なんて思いを巡らすクラウド。
が。
「なんと、ミーざんす! なんや、照れるなあ」
「・・・」
「ああ、もう決めましたわ。どこまでも貴方に付いていくざんす!」
包丁で斬りかかるクラウドを、ひらりひらりと笑顔でかわしながら、ケットシーが新たな仲間に加わった。
だが、彼には秘密があった。
魔法の占いマシーン・ケットシー。
古代ムー大陸の失われた技術によって生み出された人造人間、と伝言ダイヤルでは自己紹介しているが、実は、ルーファウスの特命を受けた、(株)神羅のリーブ課長、その人なのである。
彼の任務は、クラウド達と仲良くなりたいと思っているブリーフ社長に、彼らの行き先を逐一報告することだ。
初対面のとき、話しかけようと思ったらぶん殴られちゃったので、今回は社内にプロジェクトチームをおこし、会議に会議をかさね、この作戦に至った。
彼らの行く先々で愉快なイベントを用意しておき、彼らの機嫌がいいときに、さりげなくルーファウスが登場して、何気なく仲間に入れて貰うという筋立てだ。
しかし、客どころか従業員もいないゴールドソーサーに、クラウド達はご立腹。
さっさと帰ってしまう。
***