#2


かなり悪質な強盗殺人をおこなったクラウド達。
彼らは、ミッドガルの東にある、カームという小さな街を訪れた。

ホクホク顔で強奪品を換金するエアリスや、そこら辺にいたメス犬相手にオトナな意味で一戦交えるレッド13をよそに、クラウドはなんだか沈痛な表情だ。

(あの刀は・・・セフィロス)

彼は思い出す、あの5年前の事件を。

もやもやもや〜ん(回想シーンへ)

***

ニブルヘイムは、クラウドとティファの育った小さな村だ。

セパタクローのプロ選手になる、と言って村を飛び出したクラウドは、ミッドガルの2部リーグチーム『川越ギャラクシー』の入団テストに落ち、フロムAで見た『初心者大歓迎!アットホームな職場です』の求人広告を真に受けて(株)神羅に就職した。

そして営業に配属されたクラウドは、成績トップのセフィロスと共に、英会話セットの訪問販売で故郷に帰ることとなった。

「あ、実家あるの? じゃあ、今夜はそこに泊まってイイよ」
と体よくクラウドを追っ払い、ひとりになったところでテレクラに没頭するセフィロス。

久しぶりに我が家へ戻ったクラウドに、母親は大喜び。
都会での生活など、しつこいくらいに聞いてくる。

「お前、彼女はいるのかい?」
「・・・いないよ」

ちょっと残念そうな、クラウドママ。

「お前には、グイグイ引っ張ってくれるような、例えばそうだね、身長2メートル体重100キロくらいで、焦げ茶色の体は鋼のようで、片腕が取り替え式の銃になってるようなコが、ピッタリだと思うんだけどねぇ」
「それだけは勘弁してくれよ!」

「じゃあ、あたしが!」
「それも同じくらいイヤだよ!」

身の危険を感じたクラウドは、ティファを尋ねて彼女の家に行くが、あいにく留守だったため、勝手に上がり込んでピアノを発見すると、足で『猫ふんじゃった』を演奏した。

その頃、『神羅屋敷』というテレクラ店に入り浸っていたセフィロスは、右手は常に受話器を握れるポジションに置きながら、暇つぶしに店内においてあった本を読んでいた。

彼が何気なく手にした本『地球空洞説』は、地球の中心部は空洞であり、そこには巨大なハツカネズミの『チュッピー』がいて、彼が回し車をクルクルさせることで地球が回転している、というドリーミーな内容のものだった。

そして、チュッピーが疲れて止まっちゃった時、それが世界の終わりだという。

(そうだったのか・・・!)

純なセフィロスは、地球のピンチだ訪問販売してる場合じゃない、と退職を即決。
この劇的な展開を何か演出的に盛り上げたかったのと、英会話セットが全く売れなかった腹いせに、村に火を放った。

燃え上がる炎の中、よーしオレが世界を救うぞ、まっててねチュッピー、と自己陶酔するセフィロス。
このとき、神羅屋敷の地下で眠っていたヴィンセントが、人知れず焼死。

火から逃げようとする村人達に対しては、ガマの油のデモで使うために所持している日本刀で、片っ端から斬り殺す。
生き証人がいると、放火犯として警察にパクられちゃうしね。

そしてクラウドは、ピアノを弾いた後にこっそり拝借したティファの下着が灰となり、怒り大爆発。
天ぷら油に火が移ったときは、マヨネーズを容器毎放り込むとイイ。という話を聞いたことがあるから、火災対策として超巨大マヨネーズを用意したらどうだろう、なんてトンチの効いたことを考えながら、これまた営業で使う万能包丁を手に、セフィロスと対峙した。

***

もやもやもや〜ん(回想シーン終わり)

クラウドの記憶は、そこでとぎれていた。

彼は、重度の痴呆症なのだ。
じゃなくて、何かの伏線になってるらしい。

とりあえず、セフィロスは生きている。
実は、彼にそそのかされてねずみ講をやっていたクラウドは、どうしてもセフィロスが許せなかった。
(エロサイトだって、会社側には絶対バレないヨって言ってたのに!)

(株)神羅をクビになった原因を全部セフィロスの責任にして、自分を正当化したいクラウドは、彼との決着を決意する。
あと、3万貸していた事も思い出したので、返してもらうことにする。

他のメンバーは、お金が返ってきたら焼き肉ご馳走する、という条件で納得。

***

セフィロスが港町ジュノンに渡った、という情報を「星がそう言ってる(エアリス談)」でゲットしたクラウド達。
かなり胡散臭いが、信じないとエアリスが暴れるので、言うとおりにする。

ジュノンへ行くには、ミスリルマインと呼ばれる洞窟を通らなければならい。

この洞窟は、その側にある天然の沼で、ミドガルズオルムという大型ウナギの養殖が行われている事で有名だ。

一匹くらい拝借していくつもりだった殺人強盗団。
だが、そこには彼らの想像を超える光景が広がっていた。

「これ・・・セフィロスの仕業なの・・・?」

全部で1677万匹いるウナギ達は、1匹残らず完璧な蒲焼きに姿を変えていた。

これからどうやって生活していけばいいのかわからない、と絶望に暮れる業者のことなど、これっぽっちも気にすることなく、大喜びで蒲焼きに舌鼓を打つクラウド達。

満腹になったところで、さあ出発だ。
食べきれなかった分は、ブリザガで冷凍保存して持っていく抜け目のなさ。

***

ジュノンに着いたはいいが、アニメ好きのルーファウスが趣味で作った使徒専用迎撃要塞都市であるこの街に、お尋ね者のクラウド達が正面から入れるわけもない。
そこで、その隣にある小さな村へ行ってみる。

だが、異常なほどウナギ臭いクラウド達に、村は大迷惑。
宿泊も断られる始末だ。

半ベソかきながら、海岸で石投げに興じるクラウド。

(チクショー・・・ドラクエ何度も延期するなーっ!!

と渾身の力で投げた石が、たまたまイルカにのって遊んでいた少女の後頭部を直撃。
白目むいて水中に沈む。

慌てて救助するクラウドだが、呼吸をしてない少女に大パニック。

(えーと、落ち着けオレ、こういう時は、マヨネーズを容器ごと! じゃなくて、人工呼吸だ!)

と息を吹き込むつもりが、誤って舌をからめてしまう。
瀕死の少女相手に、濃厚なフレンチキスを敢行する愉快なクラウド。

だが、彼の舌が繰り出す妙技の数々に、なんでだか少女は息を吹き返す。
ここら辺がファンタジーだ。

(う、う〜ん・・・ああ、何かしら、この味わいは?)
意識を取り戻した村の少女、プリシア。
彼女のファーストキスは、蒲焼きの味だった。

「あたしイルカに乗ってて、その後・・・ああ、きっと溺れたところを貴方が助けてくれたのね・・・ありがとう・・・アリが10匹・・・ウフフフフ・・・ケケケケケケケッ!!」

一命は取り留めたが、石の当たり所が、かなりマズかったらしい。

何はともあれ、うまい具合に『村の少女を救った英雄』になれたクラウド達を、村人もウナギ臭をガマンして受け入れてくれるようになった。

そして、村に設置された逆バンジーマシーンで、ジュノンへ潜入。
なんだそりゃ。

***

セフィロスは船に乗り込んだらしい、という情報をエレクトーン占いでゲットしたクラウド達。

団体だと怪しまれるから、別行動にしよう。という意見で一致。
(あからさまに怪しい銃オヤジとなんか、一緒にいられるかよ、ばーか)
これが各自の本音だ。

なんか神羅社員が多いな、と思ったら、本日ジュノンでルーファウス新社長のお誕生日会が開かれると言う(全社員強制参加)。

催しで仮装行列が行われると聞いたクラウドは、女装できると大はしゃぎ。
光のはやさで綾波に扮し、首尾良くその一団に紛れこんだ。

その様子は、神羅TVが独占生中継していたが、「私とひとつになりたくない?」と真顔でつぶやく全裸のクラウドが、放送コードにクリティカルヒット。
番組は急遽『プロ野球・珍プレー好プレー集(再)』に変更された。

その頃、エアリスにスーツを強奪されて以来、着る物が無くてずっとブリーフ一枚のルーファウス社長(誰かプレゼントしてやれ)は、盛大な誕生会に大喜び。

『フルーツバスケット』や『はないちもんめ』で楽しんだ後、カラスが鳴いたから帰る運びとなり、船に乗り込んだ。

船が出港すると知り、落書きしたり強盗したり蒲焼き売ってたりしたエアリス達も集合。
もちろん怪しまれるが、いつも通りの実力行使(※)で船内に潜り込む。
※ 内訳:死者12名、重軽傷者3名、行方不明者7名、青髪の少女の悪夢にうなされる666名

本当ならここで、彼らの追っているセフィロスが、なんと偽物だった、という真相が発覚するはずだったが、全員土下座でクラウドに着替えを嘆願していたので、それどころではなかった。

***

クラウド達の密航した船は、『コスタ・デル・ソル』だか『コムサ・デ・とんねるず』だか、そんな名前の港町に停泊した。

彼らが同じ船に乗っていたことを後から知ったルーファウスは、大激怒だ。
「どうして、教えてくれないんだヨ! ひどいよ!」

実はブリーフ社長、いつも楽しそうなクラウド達と友達になりたいと思っていたの。

一方、そんな事情は当然知らないお気楽軍団は、浜辺で宝条監督が新作AVの撮影をおこなっていたので、みんなで見学。
女優を一瞥して、いろいろな部分で勝利を確信したエアリスは、上機嫌だ。

「クラウドは、白い肌と、小麦色なんだけど人面痩のある肌と、どっちが好み?」
「・・・そりゃ白い肌っす」
「そうよね、そうよね・・・星もそう言ってるわ、フフフ」

やっぱりこの人にはついていけないなあ、と再確認するクラウド。

そんなこんなのうちに、ティファがキヨスクで購入した週刊誌の『衝撃! ミミズを食わせる鬼姑』の次のページに、セフィロスがゴールドソーサーに向かったという記事が載っていたので、さっそく後を追う。

巨大アミューズメントパークであるゴールドソーサーへは、北コレル駅からでているロープウェイを使うしかない。

それだって10人程度しか乗れそうにないし、いくらなんでも交通の便が悪すぎだろう、やる気あんのか、と思うのだが、まあそこら辺もファンタジー。

迷わないように、北コレルへと続く線路上を歩く一行。
昨夜、ホテルで『スタンド・バイ・ミー』を見たばかりなので、みんなノリノリだ。

途中、お約束通り鉄橋で列車に追いかけられるが、ティファ起死回生のうっちゃりが土俵際で見事に決まり、事なきを得る。
一方、列車ごと谷底に落ちた乗客171人は、16時間後に全員遺体で発見され、無言の帰宅。

「死体を見るところまで、映画と一緒だね」
と喜ぶ、悪魔軍団。

だが、ひとり深刻そうな趣のバレットに、ティファが気付く。
ホントはどうでも良かったんだけど、一応たずねてあげるから、ティファはオトナだ。

「どうしたの、バレット」
「いや・・・なんでもねぇ」
「あ、そう」

会話終了。

もっと聞いて欲しかったバレットは、慌てて喋り出す。
「あ、待って、聞いて聞いて、実はね・・・」

もやもやもや〜ん(回想シーンへ)

***

炭坑夫の町、北コレル。
そこは、バレットの出身地だった。

この炭坑では、マジンガーZの主材料である超合金Zが採れるのだが、この世界では誰もマジンガーを作ってくれないので、つまり全然売れなかったりする。

よって町は貧乏であり、そんな生活に人々も疲れていた。

(株)神羅の営業マンが、ここは温泉がでますよ、と言ってきたのはそんな時だった。
「弊社の温泉吸い上げマシーン『魔晄炉くん』を買っていただければ、もう、アッという間にステキな温泉街ですよ。通常価格100億円する品を、キャンペーン中の今なら、たったの3千万円!」

町は、ふたつに分裂した。
バレット率いる賛成派と、ダイン率いる反対派だ。

ダインは言ったものだ。
「オレ達の祖先が守ってきた炭坑を、超合金Zを、オレ達の代で捨てられるか!」
「でもよ、ダイン。この世界じゃ、誰も超合金Zなんか使わないぜ。そもそも炭坑で超合金を採れるのが変だって」
「そこがファンタジーなんだよ!」

だが、バレットの「温泉街になってananとかに紹介されれば、若いギャルがいっぱい来て、ウハウハだ」という意見に、結局反対派はねじ伏せられた。

かくして、借金までして『魔晄炉くん』を買った北コレル。
炭坑夫達の希望(欲望)の眼差しに見守られながら、スイッチオン。

が、動かず。

よくよく説明書を読んで、起動には別売りの電源コード(100兆円)が必要であることを知り、ようやく騙されていたことに気付いたバレットは、その日のうちに『さがさないで下さい』と書いた手紙を残し、夜逃げした。

***

もやもやもや〜ん(回想シーン終わり)

…とまあ、こういう訳なんだ」
「ふーん。ところで、あたしティファだけど、ストーリーもろくにおぼえてない作者は、この電波小説を書くためだけに、『FF7解体真書』を買ったらしいわ」
「へー、ただのバカね。あたしはエアリスだけど、そのエネルギーを別の何かに生かせないのかしら」
「クラウドだけど、みんなバレットの話も聞いてあげようよ」
「わんわん」

体育座りで涙ぐむバレットをなぐさめ、さらに2時間ほど歩くと、彼の故郷北コレルが見えてきた。

町に入るなり、タコ殴りのあと逆さ吊りにされるという、熱烈な歓迎を受けたバレット。
旧友達との再会に感激したのか、大粒の涙を流している。
赤いモノも流れているが、たぶん錯覚。

そんな胸にジンとくるシーンを、遠巻きに眺める3人と1匹。

「・・・助けなくていいのか?」
と、鼻クソほじりながら、どうでもよさそうにつぶやくクラウド。

「これは、バレット自身の問題なのよ・・・」
それらしいことを言ってごまかすティファと、名物・超合金Z饅頭を頬張りながらウンウン頷くエアリス。
おバカなレッドは、自分の尻尾を追いかけて、猛回転中。

この町で賞金クビ扱いになっていたバレットを捕らえた(ことにした方が都合がよさそうね、というエアリスの意見で、そうした)彼らは、町の人々から暖かいもてなしを受けていた。

ロープウェイのタダ券までもらったクラウド達は、さっそく乗り場へと向かう。
逆さ吊りの大男が何やら助けを求めているようだが、全員で聞こえないフリ。

仲間に捨てられ、ここまでかと思われたバレット。
だが、自分でも気づいていないが、実はジェノバ本体である彼は、細胞レベルの分離で縄から抜けた後、リユニオンで再合体するという、これぞファンタジーな荒技を無意識のうちにやってのけてしまう。

気がつくと縄からほどかれていたバレット。
ああクラウド達が助けてくれたんだな、と人を疑うことを知らないピュアハートで勘違い。
だから詐欺にもあうんだよね。

(へッ…なんだかんだ言っても、やっぱり仲間だぜ!)

熱くこみ上げてくるモノを押さえながら、ロープウェイに乗り込むのだった。

あと、ユフィが仲間になりました。


続きを  1)読みますと!  2)いい加減にしろ。