世界転覆を目論む、悪の秘密結社『アバランチ』の一日所長に選ばれたクラウドは、その重責を果たすべく、夜のミッドガルを駆けていた。
クラウド。
この物語の主人公。
東京証券取引所2部入りを目指す零細企業、『(株)神羅』の元社員。
彼は、アバランチのメンバーと共に、ミッドガルに点在している魔晄炉を目指していた。
魔晄炉とは、ミッドガルがアド街ック天国でとりあげられた際、9位にランクされた温泉吸い上げマシーンである。
ここで沸く湯は、腰痛やリュウマチに効果があり、また、後ろ向きでコインを投げると、願い事がかなうと言われていたりして、書いてる本人にもさっぱり実体がわからない。
途中、クラウドは何度か警備兵と戦うことになるが、お茶の間ショッピングで購入した万能包丁の前に、敵などいない。
本場堺の職人に鍛え上げられた、逸品だ。
いま買うと、高級高枝切りバサミもついてきて、大変お得になってます。
ええ、本当ですか? さっそく電話しなきゃ!
「やるじゃねえか、一日所長」
アバランチの事実上のリーダーである、片手が銃の大男だ。
ところで作者は、それほど入れ込んでFF7をプレイしていないので、キャラクターの名前など失念してたりする。
よって、彼は『片手が銃の大男』だ。
なお、ビッグスとウェッジの名前は覚えてるから、不思議なものだ。
とか言ってる間に、目的の魔晄炉にたどり着いた一行。
片手が銃の大男は、付け替え式の銃を外し、そこにタミヤのカラースプレーを取り付けた。
片手がスプレーの大男の誕生だ。
そして、魔晄炉にスプレーを吹きかける。
『アバランチ参上! 世露死苦』
こうした活動で、アバランチを世界にアピールしていくのだ。
これだけのために殺された警備兵は、哀れとしかいいようがない。
他にも、とても文章にできないような落書きを延々とする、アバランチ。
とっても楽しそうだ。
目が生き生きしてる。
「♪ひ〜げをつけたら ドラえ〜もん〜・・・よし!」
ドラえもんのデキに満足げなスプレー男が、号令する。
「そろそろ引き上げるぞ! ここで解散ですが、アジトに着くまでが遠足です!」
(遠足だったのか・・・!)
その事実に驚愕する、クラウド。
(ハタチ過ぎて、オレは何やってんだろう)
なんて考えながら帰路に就くクラウドは、途中でぶつかった花売りの娘に財布をすられ、まさに踏んだり蹴ったり。
やむなく徒歩で7番街のアジトに戻ったクラウド。
疲労の彼を『アバランチ』の看板娘、発育がイイというか異常な、ティファが迎えた。
「一日所長、ご苦労様。ハイ、これ記念品」
『阿婆藍血』と書かれたTシャツをもらい、クラウドはさらにブルー。
アジトでは、アバランチの面々がTVにかじりついていた。
だが、『アバランチ襲撃』の報道はなく、ニュース番組のトップは動物園で生まれたパンダの赤ちゃんだ。
無視されて悔しい片腕がお箸の大男(食事中)は、別の魔晄炉への落書きを決意した。
***
ミッドガルを走る目蒲線に乗り込んだ、アバランチの面々。
その中には、クラウドの姿もあった。
一日所長は終了したが、無一文で失業中の彼は、時給550円で雇われたのだ。
いまの自分の境遇を考えると、涙が出そうになる、クラウド。
それはそれとして、仮にも悪の秘密結社のメンバーであり、キセル乗車の彼らは、電車内でも細心の注意を払わなければならない。
木を隠すなら森であり、変装で一般市民になりすます。
今回は電車ということで、片腕が銃の大男は、鉄郎のコスプレだ。
もちろん、クラウドがメーテルであり、半泣き。
(・・・大変だよ、メーテル!)
なんとか涙をこらえたクラウドを、結構乗り気の鉄郎が肘でつついた。
振り向くと、車掌が乗車券の確認をしている。
キセルのうえ、グリーン車でくつろいでいた勇気ある彼らは、戦慄した。
予定よりはやいが、列車から飛び降りる、メーテル達。
「オレたちが乗っちまった列車はよ、途中下車はできねえぜ!」
とか常日頃から言ってる鉄郎、はやくも大嘘つき。
この後、魔晄炉に付くまでいろいろとあったりするんだが、構成の関係上、やむなく省かせていただく。
作者が展開をおぼえてないから、というのはナイショだ。
『アバランチ参上! 魅奈誤露死』
片腕がスプレーの鉄郎を中心に、好き勝手に落書きする、面々。
クラウドも、オリジナル超人『ザ・ミレニアムマン』を書いてたりして、ちょっと楽しくなってきたらしい。
その時。
「ゲシシ。そこまでズラ、諸君。」
こういう声は、えてして背後からかかったりするものだが、今回もまたしかり。
そこには、魔晄炉を管理する(株)神羅の社長だか会長だかの、太ったオヤジが下品に笑っていた。
しつこいようだが、作者は細かいことを全然おぼえていない。
どうか理解して欲しい。
「お、お前は・・・・!」
動揺する、元社員のクラウド。
デブリン社長も、クラウドの存在に気づく。
(株)神羅は、社員が30人しかいないので、社長がヒラを知っていてもおかしくないの。
「おお、確かキミは・・・先日クビにしたクラウドくん」
「そうだ・・・お前にクビにされた、あのクラウドだ!」
メーテルの格好で意気込む、クラウド。
鉄郎は、そのメーテルの態度に、彼女の並々ならぬ怒りを感じとった。
(神羅とメーテルの間に、一体何が!?)
社長は、ふうと溜息をついた。
「そりゃキミ、会社で1日中エッチサイトに接続してたり、社員にねずみ講のメール出したり、交際を断られた総務の女の子の個人情報をネットで公開したりしたら、普通はクビになるよ」
隠しておきたい過去を皆さんの前で暴露され、クラウド大ショック。
アバランチのメンバーの視線も、一様に冷たい。
クラウドは救いを求めるようにティファへと視線を向けるが、彼女の目は、まるで『雑誌を丸めて叩き殺したはいいが、チカラ加減を誤って体内のイヤンなモノがでてきちゃったゴキブリの死骸』を見るような目だった。
「う・・・うああああああああ!!」
クラウド、地上30メートルの魔晄炉から、投身自殺。
なお、アバランチのメンバーは、「こんなイタズラしちゃダメだよ」と30分ほど説教された後、帰宅した。
***
クラウドは、目覚めた。
(・・・生きてる?)
体の節々が痛むが、30メートルも落ちて骨折もしていない。
なぜ?
「あ、気づいたのね」
彼の傍らに座っている、ハタチ前後のカワイコちゃん(←人生ではじめて使いました)が微笑んだ。
普通ならここから恋が始まるパターンだが、クラウドはその女性の顔に見覚えがあった。
(あの時の花売り・・・!)
「・・・てめー、あの時のスリじゃねーかよ。財布返せよ、おい」
「あなた運がいいわ。魔晄炉から落ちて生きてるなんて。ニュースでやってたわよ、失業を苦に若者が自殺って。あ、あたしエアリス」
はなし聞いちゃいねえ。
「いや、だから、財布よこせって。免許とカード入ってるんだから」
「どうして助かったかって? まず、ウチの屋根がクッションになったのね」
「返せって言ってんだよ」
「でね、屋根を破った後、その下で寝てる私の母親の上に落ちたのよ。それが良かったみたい。母親? 内臓破裂で即死」
「・・・」
「あ、ごめん。免許とかは裏ルートで売りさばいちゃったの」
「いえ、いいです・・・」
「あんた、今日からあたしの下僕ね」
「はい・・・」
こうして、2人は運命的な出会いを果たした。
「ようよう、おふたりさん、見せつけてくれるじゃねーかよだぞっと」
こういった声は、前にも書きましたが、基本的に後ろからです。
「あ、アイツ・・・しつこいなあ」
エアリスの視線の先には、コナカのスーツをラフに着こなした男が立っていた。
髪の毛が赤いのは、『赤毛のアン』が大好きだからだ。
「アイツさあ、AVのスカウトなのよ。ほら、あたし可愛いし」
その男には、クラウドも見覚えがあった。
(・・・タークスのレノ)
タークスとは、(株)神羅の営業1課のことだが、ネーミングに意味はない。
ホントは、彼らがスクーターに乗って営業回りするから、スクーターを逆から呼んで、タークス。なんてネタも考えたんだけど、ボツにしたよ。
(株)神羅の社長が、AV業界に興味を持っているという話は、クラウドも社員時代に耳にしていた。
エアリスを横目でチラッと見て、この娘だったら売れるかもな、営業もいい仕事してるな、なんて思ってたクラウドに、そのエアリスがささやく。
「クラ公、ボケーとしてないで、はやく追っ払えよ。殺ってもいいぞ」
包丁を振り回すクラウドに、格好の割に常識人のレノは大慌て。
ルール通り「おぼえてやがれだぞっと。おじやはリゾット」という捨てセリフを残し、本社に戻っていった。
「あの、僕も今日はこの辺で・・・」
「ああ、7番街でしょ? 送ってあげるわよ」
このままバックれようとしてたクラウドの心中など、お見通しのエアリス。
クラウドは、なんだか妙な事になっちゃったなーなんて思いつつも、こんな綺麗な娘の下部ならそれもいいかなーなんて思いつつも、作者は後先考えないで書いてるけど、後で無理がでてくるんじゃないかなーなんて心配していた。
***
奴隷クラウドは、7番街に向かう途中、いかがわしい店(クラウド、何度か来店済み)へと向かうティファの姿を目撃した。
(ティファ・・・ああ、オレが死んだものと思い傷心のキミは、ヤケクソになってそっちの道に踏み込もうとしてるんだね! じゃあ、さっそくお客として!)
妄想炸裂のクラウドは、彼女の後を追った。
こういった話がキライじゃないエアリスも、キャラメルコーンを食べながら興味本位で続く。
しかし、どうやらティファは、この街の町内会会長を務める、コルネオの屋敷に連れていかれたらしい。
気に入った女性は片っ端からいただいちゃうという、とっても羨ましい感じで有名なコルネオだ。
ティファの貞操の危機に、クラウドが立ち上がる。
「オレが女装して、屋敷に潜入する!」
クラウド、自ら女装志願。
実は彼、メーテルのコスプレ時に得た不思議な高揚感が、忘れられずにいた。
ティファの救助という名目で、堂々と女装できるとあって、クラウド大ハッスル。
今回はちょっと冒険して、ラムちゃんのコスプレだ。
(さあ、ダーリンを助けにいくっちゃ!)
自分の中で盛り上がる、クラウド。
声に出さないのは、まだ彼に少々の理性が残っているから。
どう見ても女性の体格ではないラムちゃんは、屋敷の門番に怪しまれるが、チョークスリーパーで絞め落とし、潜入。
だったら最初から女装することないじゃん。そもそもアニメキャラの格好することないじゃん。とエアリスは思うわけだが、さすがの彼女も今のクラウドには怖くて言えない。
そして、地下でティファとの再会。
「げえ・・・クラウド?」
その姿に、あからさまにイヤーな顔して、後ずさるティファ。
「ダーリン、助けに来たっちゃ!」
もう、声に出してるクラウド。
抱き合って震える、エアリスとティファ。
その時、コルネオの手下から声がかかった。
コルネオとご対面らしい。
そうそう。
書き忘れていたが、そもそもティファがこんな場所にいるのは、(株)神羅と繋がりのあるコルネオから、情報を得るためだったのだ。
並んだ3人の顔を見比べる、コルネオ。
「キミとキミは残って。ラムちゃんは(うげえぇぇ)帰っていいや」
案外まともなコルネオに、クラウド逆切れ。
「どうしてウチじゃないっちゃー!」
鋭い胴タックルでコルネオを倒し、マウントポジションで顔面をボコボコに殴った後、袈裟固めでグイグイ締め上げる、ラムちゃん。
危ういところでエアリスとティファに止められるが、コルネオはもう虫の息だ。
ねじり切ったり、すりつぶしたり、なんて脅すことなく、泣きながら洗いざらい全てを話すコルネオ。
よっぽど怖い思いをしたんだろう。
「ええ!? 7番街スラムに落合博満野球記念館を作りたいんだけど、住民の立ち退き料が惜しいんで、事故に見せかけて7番街を潰すですって!? ところで、あたしティファだけど、こんな説明口調のセリフ、作者の無能を証明しているようで、なんだか恥ずかしいわ!!」
***
エアリスとティファに懇願され、渋々着替えなおしたクラウド。
彼らが7番街に着く頃には、アバランチと(株)神羅の間で、既に戦闘が始まっていた。
どうせなら、長谷川町子美術館。
それが、アバランチの主張だ。
作者もそう思う。
で、さっそく死んでるビッグスとウェッジ。
彼らには、本作中で一言のセリフもありませんでした。
さようなら、ビッグス、ウェッジ。
とか言ってる間に、クラウドはバレットと合流するが、ドリフのコントで使用するセットのお古で作られた7番街は、柱を1本蹴っただけであっさりと崩壊してしまう。
もちろんタライも落ちてくる。
ところで、お気づきだろうか。
今回から『片腕が〜の大男』ではなく、『バレット』と表記されてることに。
種明かしをすれば、ミッドガル脱出までの展開をどうしても思い出せなかった作者が、本屋でFF7の攻略本を立ち読みした結果、ついでに彼の名前も判明したという訳だ。
***
翌日、エアリスの忠実な犬、クラウドが彼女の家を尋ねると、そこに彼女の姿はなく、1枚の手紙が残されていた。
なんでも、契約金2000万という破格の条件で、AV出演をOKしたそうだ。
ううん、お金がどうこうじゃなくて、星の声がそうしなさいって言ってるの。とは、彼女の弁だ。
電波なコトは良くわからないが、さっそく今日から本社で撮影があるらしい。
「・・・エアリス!」
(あ、なんかスゲエ撮影現場見たいな、元社員のよしみで見学させてもらえないかな、で男優が急病かなんかで、偶然居合わせたオレが代わりに・・・なんてことになったりして!)
(よし、行こう!)
でも、ひとりじゃ心細いので、暇そうなティファと、あわよくばオレもと考えるバレットを連れていく。
が、あっさり受付で断られる3人。
もちろん、悪の秘密結社らしく、こうなったら力づくだ。
***
その頃、(株)神羅本社ビル(木造4階建て)の3階の一室では、まさに撮影が開始されようとしているところだった。
表情の硬いエアリス(芸名・広末あみ)に、監督の宝条が声を掛ける。
「ほら、あみちゃん、緊張しないで」
「・・・だって、」
エアリスの前には、『13』とマジックで書かれた(ついでに眉毛まで書かれた)どこから見ても雑種の犬。
「これ、イヌじゃん!」
広末あみ(←実在したらどうしよう)のデビュー作は、獣姦モノだった。
神羅とばしすぎ。
なお、『レッド13』と呼ばれるその犬の後ろには、馬、オラウータン、象、マッコウクジラ、クラムボン、カプセル怪獣ミクラス、遠い海からきたCoo等が順番待ちしている。
しかし、まったく意に介さない、宝条。
「じゃあ、軽く犬からいってみようか」
(きゃー、あたし大ピンチ!)
その時。
チュドーン(遠くで爆発音)
グシャボキ(骨の折れる音)
ズビズバー(包丁で切り裂かれる音)
「た、助け」パパパン(命乞いする神羅社員を撃ち殺す音)
静寂。
ガチャ、ギィィ(撮影の邪魔にならないよう、できるだけ静かにドアを開ける音)
あらわれたのは、主人公クラウドと、その仲間達。
3人とも、返り血で真っ赤。
どう見ても見学希望者とは思えない、てゆうか、殺人鬼にしか見えない3人の姿に、蜘蛛の子を散らすように逃げ出す、スタッフ一同。
「クラウド! 助けに来てくれたのね!」
「金もらっといて、なに言ってんだよ!」
と、勇気あるツッコミを入れた神羅社員は、エアリスの手によって、生きたままシュレッダーにかけられるという、壮絶な最期を遂げた。
なんかよくわからないうちに、エアリスの奪回に成功。
「ありがとう、クラウド・・・」
結果的に美味しい役柄で、クラウド、頬が弛みっぱなし。
(でも・・・オラウータンぐらいまでなら、相手しても良かったかナ)
ちょっぴり惜しい気もしてる、実はチャレンジャーなエアリス。
このまま帰っても良かったのだが、どうせならプレジデント神羅をぶっ飛ばして、建設中の落合博満野球記念館を長谷川町子美術館に変更させたいバレットと、ヤツから金品を奪いたいエアリスと、なんだか自分の出番が少ない気がして暴れたいティファの意見で、4階を目指す。
余談だが、腹をすかせた感じだったレッド13に、そこら辺に落ちてた肉片(たぶん神羅社員)をあげたら、なついて後をついてきた。
そして、4階プレジデント神羅の個室にやって来た彼らの見たもの。
それは、脳天に日本刀を突き刺され、オマケに額に「大往生」と落書きされた、デブリン社長の死体だった。
いろいろな方向で、衝撃をうけるクラウド達。
(あの刀は・・・!)
(これじゃ、暴れられないじゃん・・・!)
(誰に建設変更を要請すればいいんだ・・・!)
(やった! 遺品捕り放題・・・!)
(わんわん!)
まあ、それはそれで、せっかく来たんだし、備品を盗んだり、落書きしたり、柱の臭いを嗅いだりする、4人と1匹。
コツ。
その足音に振り向く、クラウド。
「・・・お前は・・・」
そこには、白いスーツに身を包んだ20代半ばの男。
「・・・プレジデント神羅のドラ息子で、確か最終学歴が『電車で行けるアメリカの大学』ライオブランデ大学日本校入学の、ルーファウス!」
イタタって感じのルーファウス。
だが、すぐに気を取り直す。
「お前達は何だ?」
と聞こうと思ったところで、暴れたりないティファの右が炸裂。
車田正美の大ファンで、『聖闘士星矢』も全巻持ってるルーファウスは、『大物は目を閉じて喋る』という氏のルールを実行していたため、ティファのパンチに全く気づかなかった。
綺麗にもらったルーファウス、膝からガクンと崩れ落ち、ワンパンチでKO。
お花畑を見る。
しかも昏睡中に、エアリスによって文字通り身ぐるみはがされ、ブリーフ1枚の若社長。
「後々役に立つかもしれない」という彼女の提案で、ついでにいろいろと恥ずかしいポーズの写真も撮っておく。
「じゃ、ずらかるか」
そろそろお腹の空いてきた一行は、(株)神羅の一階ホールに展示してあったバイクと車もついでいただいて、ミッドガルを後にしたとさ。