有線式のページ

 通信ケーブルを利用して通信を行います。各家庭にある電話はほとんどがこの方式です。通称メタリックケーブルを使用しています。金属製のケーブルなのでこう呼びます。重量も重く、回線数が増えると外径も太くなるのが難点です。取り扱いは多少乱雑でも良い。

 最近流行の光ケーブルは企業等、多くの回線を必要とする場合に使用されます。重量は軽く、回線数が増えても外径があまり変わらないのが特徴です。中身はガラスなので取り扱いには注意が必要です。

 メタリックケーブルは工事も容易で安価なため良く使われていますが、通常1対の芯線で1回線しか使用できません。搬送装置を利用しても12(アナログ)、24(デジタル)回線までで、長距離伝送には向きません。外来のノイズの影響を受けるため回線品質も良くありません。

 光ケーブルは高度な技術進歩で何万回線の利用が可能になっています。光ケーブルは伝送損失が非常に少ないので長距離の伝送に使用できます。中継装置なしで100Kmぐらいは可能です。デジタル式なので中継を繰り返しても回線品質の劣化はほとんど有りません。

 ケーブルを張ると口では簡単に言いますが、適当に電柱に固定していけば良いわけではありません。入社当時、カテナリの計算式をベーシックで組んだことがあります。カテナリとは、吊り橋の上のワイヤから橋まで縦のワイヤで吊ることです。長い距離のケーブル横断はケーブル自体の重みでひどく垂れ下がります。その垂れ下がりを防止するために、ケーブルの上部にワイヤを張り、そのワイヤでケーブルを支持します。縦のワイヤの長さは場所によって異なります。またケーブルの弛度(弛ませ具合)によって上部ワイヤの張力も変わってきます。色々な条件が整って初めてケーブルが張れると言うことを実感しました。

 ケーブルを張るのは電柱だけとは限りません。地下の管路(マンホール)、共同溝、海底とか色々有ります。今までに自分が一番印象に残っていることは、あるマンホールでケーブルを入線するために管路の止水栓を外したときの事です。ラチェットでボルトを緩めて、止水栓を引っ張った途端、中から大量の水が自分めがけて出てきてずぶぬれになりました。それはそれで仕方なかったのですがその後、マンホールが水で一杯になりポンプで出しても全然減りませんでした。結局その日は仕事にならず、次の日、ポンプ4台で水を出しましたが全く駄目でした。ある先輩が「満潮の時やったらだめよ」私は海の水と一生懸命戦っていたのでした。

このページに関するご意見ご感想はこちらまでお願いします。

通信関係のページへ戻る

ホームページに戻る