妊娠・出産

一般的な子犬の成長や母体の変化をピンクの文字で右脇にのせておきました。





こんなちいさいうんちを
なんどもします





あさ、一人ぽつねん

さんしつにはいりました





うまれたての
べいびー は
まだ おうどいろです
(どこにいるか、わかるかな?)

6月28日(いきなり出産当日)
昨夜体温を測ったら、まだ38℃台(かなり下がってきていたけど)をキープしていたのですが、まめのようすがいつもと少しちがって、頻繁にトイレに行くので、早朝3時半に再検温をしました。
37、4℃まで体温が下がっていました。
そのままいっしょに起きていました。
まめがいつもとちがう匂いを発していました。
甘酸っぱいというか、香ばしいというか、生臭いというか・・全部ミックスしたような。

それから、ひんぱんに小さな軟便をします。おしっこも数滴ですが、10〜30分おきにします。
餌は食べず、ビーフレバーを3きれほど口にしました。

AM9時、まめがそわそわし始めました。
体温37,8℃。
おしっこ(と言っても1滴ほど)をした直後にまたすぐおしっこ。いよいよだなぁ。

AM10時、産室に入りガリガリと穴掘り開始。いつになく勢いのある掘り方です。
くるくる回りながら位置を探しているようです。
はぁはぁあえぎながら、陰部をひたすらなめています。
前回は近寄るとうなられていたエレキですが、今回はまめにつきっきりです。
エレキまでまめの陰部をなめています。まめはうなりません。
ゴン太はうなられ続けているので、近くにさえいけません。
今回は差をつけられたなぁ。

AM10時50分、破水。産室の敷物がグシャグシャになりました。黒ミドリ色に染まっている部分もあります。
激しい陣痛があり、数回いきんだら足がブラ〜ンと出てきて(袋入りではなく、なま足だった!)すぐにつるりと赤ちゃん全体が出てきました。臍の緒もからまっていないし、一気に生まれてホッとしました。
まめの顔はすでに真っ黒(胎盤か羊膜の濃い緑?)だったので、足が出てきた時点で羊膜を先に食べつくしていたようです。
ここから先は手馴れたもので、赤ちゃんのお臍からちょうど2cmほどのところで臍の緒を噛みきり(なぜかちゃんと止血されている!)胎盤を処理しました。
エレキはせっせとまめの陰部をなめ、清潔にしてあげていました。
そのおかげでまめは赤ちゃんにかかりきりになることができました。
ひたすら赤ちゃんをぺろぺろです。
あっという間に、黄土色だった赤ちゃんの毛が白くなりました。

すごく元気のいい赤ちゃんで、動き回っています。しかし、鳴きません。
これはおかしい!鼻か器官になにか詰まっているのでは・・・。
10分待って、お医者さんに電話しました。
「何か詰まっていて10分間も元気に動き回る子はいない(10分呼吸が止まっているということだから)」
ということだったのでひと安心。鳴かない子もいるとのこと。(鳴けない、じゃなくて)

AM11時10分、次の子の出産まで、しばしの静けさ。
まめとエレキはペロペロと汚物クリーニングに余念がありません。
相変わらず近寄ることも許されないゴン太はこの時間を利用して1匹目の出産記録メモを整理します。
コーヒーなんかも煎れてみました。
余裕じゃん。

と、余裕をかましていたら2匹目の陣痛が始まりました。
出産前日になると落ち着きがなくなり、体温も1度〜1,5度下がる。
穴を掘るようなしぐさをくりかえし、産室の準備をはじめる。
お腹を空にして出産するため、食べ物はたべなくなり、頻度に排尿排便をする。

出産時は体温が戻り、呼吸が荒くなる。
息を止め、力むようすが見えたら陣痛の始まり。軽い陣痛が何度か続くと強い陣痛になり、第1子が生まれる。続いて10分〜100分の間に第2子、第3子と1匹ずつ生まれます。
強い陣痛があるにもかかわらず生まれてこない場合や、母犬が痙攣を始めた場合は緊急の処置が必要なので、獣医さんに連絡を。



こんかいは
ビシバシ
おてつだいをするぜ

やっと2匹がうまれて
あんしんのまめママ











けっこう
おつかれのようです











もう、ひとあんしん
こんかいパパは
りっぱでした











ママは、はらぺこです
ベイビーにおっぱいを吸われたまま
もりもりたべます




あね本日152g
いもうと本日192g
AM11時30分
産室で力みながらも、陰部をなめ続けるまめ。
エレキも産室に顔を突っ込んで、まめをなめるなめる。
放ったらかしにされた1匹目の子犬は、鳴くわけでもなくまめのおっぱい探しに必死です。
力んでいるまめのお腹に顔を埋めておっぱいを探しているので、まめに踏まれそうでちょっと心配。
まめは1匹目ちゃんを踏まないように体をズラしながら力むんですが、どうやら産室のダンボールが狭かったらしく行き場がなくて困っているように見えます。
もう少し大きいダンボールにしてあげるとよかった・・・反省。

すると、2匹目の足が出てきました。

また、袋無し、なま足!
羊膜はどうした!?
力みながらなめているとき、どうやらまめは羊膜の端っこを噛んで引っ張って破いてしまうようです。早く出そうとするのでしょうか?(まめの出産パターンなのかな?)

しかし、2匹目は力んでも、力んでも、その先が出てきません。陣痛はかなり強く、まめの背中の筋肉が波打っているのがわかります。

エレキはひるむことなくまめから出ている赤ちゃんの足をなめます。(邪魔だったかも)1匹目のように、なめると出てくると思ったのでしょうか?

約5分が過ぎ、これは危ないと判断しお医者さんに電話。

「足で止まっているなら、まだ大丈夫なので、もう少し母犬の頑張りにまかせよう。首まで出てストップしたら危険だけど。」
と言うことで、もう少しまめの頑張りにまかせることに。
もう一度強い陣痛がくれば、一気に生まれるかもしれない!
でも、まめはかなり苦しそうにハァハァしています。
がんばれ!がんばれ!


と、いきなりまめは産室を飛び出し、部屋中を走りはじめました!エレキが追いかけます。
「まめ!どこにいくの!だめだよ、戻りなさい!」
つい怒鳴ってしまいました。
全く私の声が聞こえないかのように、ちっちゃい2本の足をぶら下げたままぐるぐる部屋の中を走るまめ。
ひぇ〜〜〜〜!

そして部屋の隅で、力みはじめました。2度3度力んでも赤ちゃんは出てこない・・・。

あ然と見ていると、今度は隣りの部屋まで走っていって、生むところを探し出しました。

場所をかえて、何度か力む。これを何度繰り返したでしょう。
また部屋を変え、力む。しゃがんだり、横になったり、また立ちあがったりしながら力んでいます。

まめは1匹目の時とちがって、あきらかにあせっているように見えます。まめの必死の姿ががゴン太を圧倒して、時間が止まってしまいました。
そばに行くと、まめが力むのをやめるので、遠くから固まって見ているだけのゴン太。エレキはぴったりまめについてなめているのに〜。なさけない・・。
時計を見ると、足が出てから15分過ぎました。

これはいかん!出ている足が黒っぽい紫になっている!
再度、震える手でお医者さんに電話。
「じゃぁ、子犬の足を引っ張って出しましょう。タオルはありますか?」
「あ、あ、ありますぅ!」
「そのタオルをそっと子犬の足に巻いて」
「あ、あ、あしにですね」
と話していたら、まめが産室に戻ってきて、また陰部をなめはじめました。
「うっ、と力むのに合わせてそっと引っ張れます?」
「や、やって、み、みますけど・・」
と、片手にタオルを持ちまめを見ました。
そのとたん、つるっと2匹目誕生!!!

「先生!い、いま、う、生みました〜!」
「全部出た?」
「全部でてます〜!」
「ママはなめてる?」
「ママもパパもなめてます〜」
「赤ちゃん、動いてる?」
「動いてます!」
「臍の緒は、ママが噛み切ってる?」
「いま、噛んでます〜〜〜!」
「おめでとう!これで大丈夫!あとはママにまかせてOK!」
おおぉっ!えらいぞ、まめ!!



正午12時ちょっと前。
足が出てから25分。足を出したまま、家中を駈けずり回って20分。とても長かった20分。そして、何もできなかった20分。
結局、今回もまめがひとりでがんばりました。

顔と下半身を、血液の赤と胎盤の黒緑にぐちゃぐちゃに染めたまま、まめは赤ちゃんをなめています。
エレキはダンボールに顔をつっこみ、どこをなめているのか手あたり次第にその辺をなめています。

なんだか、どっと感動がおそってくるのでありました。

この時点で、やっと気づいて写真を撮ったりしました。(ほとんど写真ない〜)
HPでも報告をしました。

PM1時。
落ち付いて観察開始。
黄土色に濡れていた2匹の赤ちゃんたちは、まめにきれいになめられて、白い赤ちゃんになりました。

元気に動き回り、2匹とも自分でおっぱいを見つけグビグビ吸っています。
2匹ともあまり鳴きません。
2匹とも女の子です。

1匹目は細め。顔や手足にはまだ毛がありません。
2匹目は、かなり大きい子です。顔にも毛がはえてます。

大きい妹は、足と尻尾がうっ血して紫になっています。特に、尻尾の付け根がうっ血で、真っ黒になっています。
そして、腰に血が滲んでいます。
かなり広範囲が鮮血で染まっているのでお医者さんに電話。

「傷の形は?」
「点になってふたつ並んでいます」
「ママがお腹から、引っ張りだそうとして歯を立てちゃったねー、あまりそんなことしないものなんだけど必死だったんだねー。大丈夫、治るから」
とのこと。
確かに歯型のような二つの小さな穴。
まめがなめているので、きっと治るでしょう。

赤ちゃん達が落ちついておっぱいに顔をうずめた頃、エレキは産室を離れ、部屋で一番涼しいところに移動し、仰向けになってイビキつきの爆睡タイムに入りました。
おまえって、イイ奴だよ。けっこうおせっかいなんだけど、頼りになったよ。

すっかり痩せてしまったまめに、カルシウム入りの特製カスタードプリンと大好物の雪印カッテージチーズをスプーンで食べさせました。
ゴン太が産室に近づくとうなるのですが、スプーンを手にして近づくとうならない(苦笑)。
エレキも匂いにつられて起きてきましたが、今回は「ボクにもくれくれ」と吠えません。
なんだか、すんごく成長してるじゃないの。
生唾飲んでがまんしているエレキにも、カッテージチーズをお裾分けしました。

後は、産室のダンボールの中の敷物を取り替えるだけです。
かなり汚れて、ビシャビシャに濡れているので早く取り替えたいのですが、相変わらず「ウィ〜ン」とうなるので、夕方お医者さんが来てくれるのを待ちました。

室温を25度くらいに保ち、何度かまめに食事をあげました。
何も知らない「エンケン親分」が仕事先のフィリピンから1週間ぶりに電話をくれて、タイミングよくまめの出産を伝えることができました。
エンケンも今日が誕生日。同じ日がバースディになることに、おおいにウケてくれました。

PM5時半。
かかりつけのお医者さんが来てくれて、健康診断。
赤ちゃんも、まめも健康とのこと。
第1子のおねえちゃんは152g。
第2子の大柄な妹は192gでした。
産道の細いまめが、こんなに大きい逆子を生めたのは、腹筋が強いからとのことでした。
出産の大敵は細い体骨格よりも、むしろ「母犬の肥満」だそうです。
肥満の子は、運動量が減ったり筋肉に脂肪がついて、筋力が弱いんだそうです。
筋力が弱いと、陣痛の時に押し出す力が足りなくて難産になってしまうそうです。
その点、まめは2kgと軽いので、高いところにもピョンピョン飛び乗って確かに筋力だけはイッパシなのかも知れません。

まめといい、エレキといい、筋肉夫婦です。

夜、チロくんの四十九日を5日後にひかえたチロママが来てくれました。
「前の出産の時は、まめがラブラブだったチロがお見舞いに来てくれて、まめがはしゃいでエレキが嫉妬したよねー」と話しながら、チロを偲んで二人で泣きました。
(「チロくんお見舞いに来る、の巻」は、1回目の子育て記に載っています)

夜遅く、まめが大量の下痢うんちをしました。
胎盤を全部食べたので、黒いうんちです。
3回うんちをしました。


1回目の出産の時は2日間ずっと産室に入りこんでいたまめですが、今回は初日からわりと産室を出て居間まで様子を見に来たりします。
少しばかり余裕があるお母さんになりました。
深夜、まめがゴン太のふとんに入ってきましたが、やっぱり赤ちゃんが気になって産室に戻っていきました。
まだまめの出血が止まらないので、ゴン太のまくらにぽたぽたと血の後が残りました。
それを見て、本当によくがんばったなぁと、感慨深く目を閉じました。


そんなカンジで、長かったような、短かったような今日が終わります。
赤ちゃんは半透明の羊膜に包まれて生まれてくる。その後胎盤が出る。
母犬はその羊膜を舌の先で破りへその緒を噛みきり赤ちゃんを舐めて呼吸をうながす。
子犬がうぶ声を出すと母犬は羊膜と胎盤を自分で食べつくす。

へその緒は子犬の体から2〜3cmのところを奥歯で噛み切るが、誰が教えたわけでもないのにこの長さをほとんど間違うことがない。



新生児はほとんど(九割)寝て過ごす。

自力で体温調整ができないため、産室を25〜8度に保つ。
排便排尿は母犬が舐めてうながす。母犬が行わない場合は、タオルで刺激してあげなくてはならない。
授乳期の母親は体力の消耗が激しいので、パピーフードなど栄養価の高いものをあたえる。

母犬が胎盤を食べ過ぎると下痢をおこすことがある。
胎盤は2匹分以上は食べさせない方がいい。

母犬の乳腺チェックをする。しこりができていたら、乳腺炎になる可能性があるので獣医さんに相談。

子犬が母乳をちゃんと飲んでいるかチェックして(お腹が張って、満足そうならOK)飲めていないようなら、人工哺乳をする。


















ほそみの姉

おおがらな妹

げんきいっぱい
てをあげているほうが
妹です









おくにいるのがおねえさん
てまえの おおきいほうが いもうとです



ここからさきに
すすめません
なぜかきょうは うなられます









たいてい
こんなふうにねています

あね本日148g
いもうと本日182g
6月30日(産後3日目)
まめの下痢が軟便くらいまで回復しました。(色も通常の色)
エレキも胎盤やその他いろいろとペロペロなめたせいか、かなり下痢をしています。


エレキはあんなにがんばったのに、産室に近づくと再びうなられるようになりました。
可愛い娘達をなめることも、見ることもできません。
ガックリなエレキパパです。

まぁ、それが普通なんだから、しばしの間あきらめようぜダンナ。

赤ちゃん姉妹は臍の緒がとれました。
お腹の真中に赤い点がひとつ残っているだけです。
スリム姉ちゃんとデカ妹は体重が減りました。
おっぱいは飲んでいるようですが、足りないのでしょうか?

ベイビーたちをよく見ていると、姉ベイビーの上に妹ベイビーが重なって寝ていることが多いです。
姉ベイビーはとりたてて苦しそうでもなく、どちらかというと安心しているように見えます。
いろんな態度を見ても、姉ベイビーは控え目で、妹ベイビーはイケイケです。


犬は数の認識が無いと言われていますが、今日はなるほどと思わせる出来事がありました。
なぜかちょっと目を離すと、まめと妹ベイビーが産室から出てしまっているんです。
産室はある程度高さがありますから、たぶんまめのおっぱいに吸い付いたまま、まめが産室を出るときいっしょにぶら下がって出てしまうのだと思います(すごい吸引力!)。
そんな時、姉ベイビーは鳴きもせず産室内でぐるぐる回ってまめを探しているんですが、なにせ鳴かない子なのでまめも姉ベイビーを置いて来ていることに気がついていないのです。
そこで、ゴン太が姉ベイビーを産室から取り上げると、まめはそれを見つけ、妹ベイビーをその場に置きざリにしたままダッシュで駆けつけて来て「返して返して」とクンクン鳴きます。
かなり慌てた雰囲気です。
でも、そのとたんにまめは妹ベイビーのことを忘れて、姉ベイビーのことで頭がいっぱいになっているようです。
まめにとっては2匹いることが重要なのではなく、「いる」か「いない」かにしか興味がないようです。
ゴン太が姉ベイビーを抱き上げたとたん、まめは「あっしまった!赤ちゃんはあそこだ!」と思い、おっぱいに吸い付いている妹ベイビーの存在をその瞬間に忘れてしまうのは不思議な感じがしました。
何匹も生んだ母犬が、最後の1匹がもらわれていくまで段々子どもが減っていること(里子にもらわれて行く)に気がつかないで、最後の1匹とのお別れの時初めて慌てる、という話しをよく聞きますが、そんなものなのでしょうか。

産室をやわらかいベッドに替えましたが、妹ベイビーとまめが何度もふたりで外に出ているので、夜また高さのあるダンボールに取り替えました。


まめママはおつかれで
おっぱいがあまりでません

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