まめちゃん、またもや病に伏す

「脊髄炎」
まめ 10歳11ヶ月〜
血小板減少症が小康状態の中、新しい病気になってしまいました。08年6月9日から綴った病気日誌です
(09年12月12日更新)再発後のおハナシはこちら

まめが今年6月に発病した「脊髄炎」の記録を載せたいと思います。
何かにお役にたてれば・・・と思いつつ。


08年6月9日


6月9日23時半 仕事を終え帰宅すると、2わんこの元気なワンワンの声のお出迎えがありました。
けどお部屋に入った瞬間、いつもと違う光景が。

エレキはいつものようにドアの前まできてワンワン吠えていますが、まめが部屋の中央であお向けになったままワンワンいってます。起き上がりたくても動けないようなかんじ。
ん?
腰が抜けた?足の関節が外れた?
いやいや、どれとも違う異様な姿。
えええええ!?

抱きかかえると、体全体に力が入らないようで、特に右足は突っ張って伸びたまま。
触っても痛がらない。
痛くないのがかえっておかしい!

すぐに血小板減少症でお世話になっている病院に電話。
深夜だけどすぐ診てくれることに。

タクシー飛ばし病院へ。すぐレントゲンを撮る。

状態は以下のとおり

・右足の反射が完全に無くなっている
・骨とか関節に異常は見られない
・足を痛がらない


以上のことから考えられる原因

・背骨の軟骨部分のヘルニアが原因で神経をやられている(レントゲンではわからない)
・脳の異常
・脊髄に炎症を起こし神経系統がやられて下半身に麻痺がおきているいる


右足に神経が通ってないのは事実で、肉球を強く押しても反応なし。
足に神経が通わなくなって48時間が過ぎると、もとに戻るのは不可能であると説明を受けました。
48時間・・・2日間。
いつからこんなことになっていたのか、発症時間がわからない。
15時にまめを見たときは大丈夫だった。それから23時半までの間に何がおきたのか。


いづれにせよCTやMRIの検査をしなければ原因がわからない。
原因がわからなければ治療の開始ができない。
48時間しかないのに、どうにもならない辛さ。
「ヘルニアか脊髄の炎症が原因と考えることにして、炎症を抑えるステロイドを注射します。これで明日までに悪化がしないことを祈って、明日また来てください。CTが撮れる病院を早急に探しましょう」
ということになった。


1時をまわり、病院を後にしたけれど、なにかもっと私にできることはないかと考え、もう1軒の救急病院の直行しました。

次の病院でも全く同じことを言われました。
思いつく限りのことはやりつくした・・・・けど、なにもできなかった・・・・。無力感が襲いました。

左の足も弱くなってきたようなかんじです。
両腕も力なく、がくがくと震えて力が入らないようすです。
座ることができず、横たわるだけ。なんだかどんどん悪化しているように見えるのです。

2軒目の病院の待合室にて

この状態から自力では動けません。動くのは首くらい。

こちらの病院でもレントゲンで見る限り関節には異常なし


帰宅して深夜3時。
まだごはんをあげていなかったことに気づきごはんを用意すると、上半身だけ起こしてむさぼるように食べました!
食欲はあるんだ!
すぐ横になっちゃうけど、数秒は上半身を起こしてごはんを食べれます!!背筋、腹筋はまだ大丈夫だ!!!



絶望の中にも、わずかな喜び。

明日になれば原因がわかって、治療できるはず。
希望を捨てずに、がんばろう!



08年6月10日

まめがおしっこやうんちをしないことが気になり、結局寝ずに朝を迎えました。

尿毒症・・・・・。なんて言葉が頭をかけめぐり、おろおろな飼い主。

私がおろおろしちゃダメじゃん!

そんな自問自答をしていると、ジャーっと大量のおしっこをお漏らし。
そっか我慢してたんだな・・・・。
お漏らししたことを誉めました。
・・・いい子だね、我慢しないでまたオシッコするんだよ。
おしっこを自力でできることがわかって一安心。

朝を迎え、すぐに病院に向かいました。
まめちゃんは自分の体に起こっている変化をどう受け止めているのか。昨日よりさらに動きが減り、寝たきりで動かなくなっています。
手も、左足もあきらかに弱くなっています。

まめとこうしていられる最後の日なのか・・・・・そんな思いが浮かんではかき消し・・・。


何人もの先生で原因を話し合ってくれています。
夕方、院長が来るので意見を聞いてから処置を考えますとのことで、半日あずける事になりました。

その間、病院の近くのTBSでお仕事を済ませ(近くでよかった)、病院に戻りました。
病院にくる元気に歩いているわんこがこんなにも眩しく感じられたことはありません。普通のことなんだけど、すごく幸せなことに思えました。

病院に戻ると「まめちゃん大きいうんちしましたよ」とのことで、すごくホッとしました。うんちも自力でできるんだな。
MRI検査予約が一番早く取れる病院も探してくれました。
明日朝いちばんの予約ができ、これはかなり奇跡的。相模原の麻布病院です。

考えられる原因はやはり
・背骨のヘルニアによって神経がはみだして、足の神経を圧迫している(手術ではみだした神経をとる)
・脊髄の炎症で神経がやられている(薬で治療・ただし効果があるかどうかはその子次第)
でした。このうち、どちらであるかはMRIでなければわからないのです。

担当医の先生は血小板減少症からお世話になっている女医さんで、いつもわかりやすく丁寧に説明して下さいます。
今回も「先生が思うこと、悪いことも含めて話してください」とお願いしました。
・なんとも言えないというのが正直なところ
・うまくいけば神経が戻り、他の3本の足は助かる。ただ、現段階においては他の足にもマヒがでてきている
・最悪の場合は炎症が首の方まで上がってきて、呼吸不全になって生存不可能になる
・いずれにせよ、時間がたっているので右足が元に戻る可能性は低い

ということでした。
なんとか踏ん張っていたつもりの私でしたが、何かが壊れちゃったみたいに待合室で大泣きしてしまいました。

帰宅してまめをなでていることしかできません。


神経がはみだしているなら、動かすと悪化するし
動かさないと手足だけじゃなく体全体の筋肉が衰える。

やれることはただひとつ。
私が明るく接して、前向きな空気を作ること!

エレキもすっかり落ち込んで(私のくらーい雰囲気のせいだと思う)まめの様子をじっと見つめてばかり。
いつものやんちゃなエレキはどこかに消えました。


明日、原因がわかって、元気なまめちゃんに戻りますように。


08年6月11日 まめちゃんMRIを撮る

早朝、まめちゃんがバタバタしているので目を覚ますと、両腕の力を頼りに方向転換を試みていました。
お布団におしっこをしちゃったのが気持ちわるかったみたいで、その場から移動しようとしていました^^

まめも病気を受け入れ、ならば少しでも動く両手を動かそうと思ったみたい。
こんなことでもいいから、少しでも動かしてくれると筋肉がキープできそうで嬉しいです。

エレキも一晩ずっとまめのそばにいました。おかげで私はベッドの端っこで真っ直ぐ棒のように身動きせずに夜を明かしました。


麻布大学病院に向かいます。9時半の予約にあわせて7時に出発。
全身麻酔をするので夕べごはんを食べてからは飲まず食わずのまめ。かわいそう。
検査によっては今日すぐ手術をするので、帰宅時間が読めません。
分離不安気味のエレキを家に残しておくわけに行かず、一緒に病院に行きます。

先生の触診のあと、MRIへ。
先生の胸に抱かれ、まめが扉の奥に消えていきます。
ああ、行っちゃった・・・どんな気持ちで待っていればいいのかと思ったものの、
ここ2日間あまり寝ておらず、車に戻るとエレキを抱きしめ深い眠りに落ちていきました。

先生からの電話で飛び起きました。
麻酔から無事に覚めたとのこと。

「やはり脊髄炎でした。首から注射して髄液も調べましたが、脊髄炎の数値を示していたので間違いないですね」


上が首、下がお尻です。真ん中に脊髄が走っていて、造影剤によって脊髄の中が正常なら黒く写ります。
けど、まめの脊髄は黄色い矢印のあたりから下が白く写っています。
ここが炎症をおこしている部分。
この病気は、手術ではなく薬で治すとのこと。
ただ、治る子もいるし治らない子もいる、様子をみるしかありませんといわれます。
薬が効くことがわかっても、6〜7ヶ月は治療をするそうです。ほかの弊害が出てくる可能性もあります、と。
薬は強いステロイド。またもやステロイドです。

それでも治療は進めていくしかないと決断。だってこのままだと炎症が上まで上がって呼吸不全になっちゃうもん(滝泣)。

右足はタイムオーバーで、もとに戻る可能性はほぼ無くなりました。
すでに他の3本の足も、力が無くなり自力では立てないのですが、少し病状が落ち着いたらリハビリで筋力を戻していくことは可能なようです。
「犬は基本的に3本足で動ける動物なんですよ」と言ってくれたし。

こんなことになってしまった原因はなんでしょう?とうかがうと「ありません。なる子はなる、ならない子はならない、という病気です。遺伝でもないです」らしい。
血小板減少症の時と同じです。まめちゃんばかりがなぜ?とも思うけど。
子供がたくさんいるから、遺伝がなくて安心しました。

とにかく今は、お薬が効くことを祈るばかり。

帰り道、麻酔がまだ覚めきってないまめはうとうとしています。


なにがなんだかわからないエレキは、いちおうまめのことはずっと心配してるっぽいです^^



髄液を採るためにまめちゃんは首の後ろ(お耳の間)を剃られました^^;


今夜から投薬です。


08年6月12日 まめちゃん治療開始1

さっそく夕べから治療を開始したまめちゃん。
それと同時に、手足&腹背筋の強化のためにトレーニングも開始しました。
トレーニングと言っても、手を添えて立たせたり座らせたりするだけなんですが。
手を離すとふにゃ〜と寝てしまいますが、それでも何度か繰り返すと手を離しても1秒、2秒、3秒と座っていられる時間が延びてきます。
どこの筋肉をつかうと座っていられるか、まめが学んでくれているみたいで嬉しいです。

これは夕べ座る練習をした時の写メです。


床ずれ予防と、動かない右足のマッサージ(血流が途絶えないように)は欠かせないので、事務所につれていって、いつも目の届くところに寝かせておきます。
今日はどうしても外出しなくてはならないので、デスクのタイガーに時間を延長してまめを見ててもらいました。

まめもエレキもタイガーが大好き。なので、まめもいい子にしてマッサージをうけたりいろいろ動かしてもらってご満悦でした。

お仕事からケーキ付で戻ってきました。



エレくんはまめもケーキも気になるようです。
まめはあんまり反応がなかった^^; もっと反応を期待したんだけどな〜
苺をあげたらパクパク食べたので、嬉しかったです。


08年6月13日 まめちゃん治療開始2


最初はぜんぜん動く気のなかったまめが、今日あたりから自分の体の位置を変えたいときに寝たまま手をバタバタ動かして方向転換できるようになりました。うまくいく時と失敗する時(思ったほど動かない)があります。
と、同時に、水が飲みたいとか、お漏らしして気持ち悪いとか、体の向きを変えろ!みたいな時に、ウーンウーンと鳴いて知らせるようになりました。

私も昨日まではどうしてあげたらいいのかオロオロしていたのですが、意思の疎通もできるようになりとても嬉しいです。

まめはまめなりにたくさんの不思議を受け入れて、次に進もうとしているようです。
エレキは誰よりも状況が???かも知れないです。なぜまめちゃんは寝てばかり?みたいな。

今日は、いつもまめが座っていた大好きな場所に寝かせてあげました。



やはりエレくんも付き添います。

お薬が効いているか、まだわかりませんが、まめが動こうとしてあの手この手で試行錯誤しているのが嬉しいです。

お座りの練習をするために抱き上げたりすると、うーっと怒ります。怒る元気があるのが嬉しいです。
私以外の人にはいい子にしているのですが、私だけになると急にわがままになる傾向にあります。

急に抱くとびっくりするので「まめちゃん、触るよ」と声をかけてから触るようにしてみました。
ま、それでも「うーっ」なのですが。


08年6月14日 まめちゃん治療開始3

昨夜は何度も起きてしまいました。
なぜなら、まめちゃんが深夜ゴソゴソと動く練習を始めたからです。
それが見たくて寝ていられないのです。嬉しくて。
はじめはどこか痛いとか、辛いとかで動いているのかと心配で寝られなかったのですが、よく見ると苦痛な様子ではなくて
「あ、動ける」「もうちょっと動けるかな」「あれ、こんなふうにも動けるのか」みたいなかんじなのです。
その努力の甲斐あって、今までに無い動きもできるようになりました。
いろんな動きができるごとに、使う筋肉も増えるだろうし。嬉しいな。

そしてやっとウトウトしたころ、トンという音で起きました。
まめが動きすぎてベッドから落ちた音でした^^;
ベッドといっても、マットレスだけの低いベッドで寝ているので、特にダメージはなく床できょとんとしていました。
こんなことまでできるようになったのね。

台所でお野菜を切ると、おこぼれが欲しくてすっ飛んできてじーっと見上げていたよな・・・とか
私がお風呂に入っているときに、いつもバスルームまできて見ていたよな・・・とか
そこにいないまめを思い出しては心がズキンとする時もあるのですが、
よく考えると若くてピチピチしていた私がもうどこにもいないように、誰でも変化するんですよね(強引な結論)。

床ずれができないように、そしてバランスをうまくとってもらうために、ふにゃふにゃの羽毛クッションにまめを乗せてみました。体の形に沿って沈みます。

けっこう居心地がいいみたいで、満足そうでした。

すりすり這いながら動くスピードも早くなりました。
いつもまめが寝ているのは、低反発マットにトイレシートを敷いた簡易ベッドなのですが、真ん中に寝かせてもすぐにこんな風に動いて体の一部がベッドから外れます。


まめちゃん頑張ってます!
そして忘れてはいけないのがエレキ。まめが動くといちいち見に来ます。
いい奴に見えます!!

仕方ないことなのですが、まめはトイレまで歩いていっておしっこをすることができません。
お漏らしをするしかないのです。
それがいやみたいで、おしっこをすごく我慢します。
ステロイドの影響でたくさん水を飲むのですが、我慢が限界になったらジャーっとします。
1日1回か2回のおしっこです。だから大量です。
しちゃったらとても不本意な、なんともいえない落ち込んだ顔をします。

だから、私はおしっこをしたらすごく誉めることにしました。
ここでおしっこしちゃダメなんですよね・・・みたいな顔をするまめに
いつでもしたい時にしていいんだよ、と教えるためです。

おしっこしたあとは誉める誉める


お友達が、まめのトレーニングのためにすべらない靴を買ってくれました。


今日からまめは腕をよく使うようになりました。
「あれ?こうやったら動くよー!」と気づいたみたい^^
下半身を軸に、腕を使って右へ左へと上半身を動かすようになりました〜

パラパラ動画を作ってみました。



腕で頭(上半身)を持ち上げて、介助なしでお水も飲めるようになりました。
お水を抱え込むようにしてピチャピチャ飲みます!


今日もまた、まめの成長っぷりが見られて嬉しい1日でした。


(つづく)