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Urban Jazz Network "Urban Dreams"
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アーバン・ジャズ・ネットワークなる少々胡散臭いプロジェクト名の新作アルバム。CDの中のジャケットを見る一昨年ソロアルバムをリリースしていたサックス奏者ロン・ブラウンのプロジェクトらしい。
ゲストには、カーク・ウェイラム、ジョナサン・バトラー、ロニー・フォスター、マルグリュー・ミラー!?、ケニー・ギャレット、アレックス・アル、マイケル・ホワイトなどなど超豪華。
サウンドも参加ミュージシャンから想像出来るとおりのヒップ・ホップ風味のスムース・ジャズ。ロンのサックスは凡庸だが、サイドメンの頑張りでかなりのクオリティーの作品に仕上がってます。ケニーやカークといった完全に格上のサックス奏者を上手く取り込む、ロンのプロデュース感覚は中々です。次作はどんなゲストが参加するのか楽しみにさせてくれます。繰り返しますが、ロンのサックスはたいしたことはありません。 |
★★★ |
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Various "Bass Talk Y" |
ベーシストのコンピュレーションCDである、「ベ−ス・トーク」シリーズの第6弾。つたないベース弾きでもあるTとしてはチェックしない訳にはいきません。いつもはかなり豪華なベーシストが参加してますが、今作はマイケル・マンリング、ダグ・アンブッシュ(リヴィングカラー)、バニー・ブルネル、あたり以外は欧州で活躍するベーシスト中心です。
サウンドはコンピュレーションのためいろいろですが、フュージョンからニューエイジ風までいろいろですが作品の質は今作に限って言えばいまいちです。私みたいなベーシスト以外は通過しましょう。英国のベーシスト、ローレンス・コットルのビッグバンドに一言「ジャコのビッグバンドやんけ」。ただ欧州のコンテンポラリー・ジャズの水準の高さは実感出来ます。 |
★★★ |
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Kenny Garrette "Simply Said" |
今や元マイルス・バンド出身という形容詞が必要無いほどの存在となったアルト奏者ケニー・ギャレットの新作。 マイルスに対して心から陶酔していたようで、恩師の死後は、自らのプロジェクトにおいてストイックで思索的な活動が目立ち、そこから産まれたCDはどれも意欲は感じるものの音楽としての楽しさは?、というものが多かったように思う。 この新作では、マーカス・ミラーを始めとするコンテンポラリー系との活動から得られたジャズの根源にある黒いファンキーさのようなものを強く感じさせる。もちろんマイルスとともに敬愛するコルトレーンをトレースしたようなトラックもあり、また、メジャーデビュー作となった「プリズナー・オブ・ラブ」を思わせるメロウ系のサウンドまで、ケニーの今を等身大にかたどったような自由な作品。 ゲストではパット・メセニーははずしてるが、マーカス・ミラーは大正解!。1曲目のヒップ・ホップ風のミディアムナンバーでのドスの効いた渋いスラップをバックにしたケニーのソロに、マイルス時代のヤンチャで自由奔放な頃のサウンドを見た。ケニーが大阪へ来たときに、あるイベンターさんの紹介で彼と少し行動を共にしたが「女好きのファンキーな兄ちゃん」やった。優等生を目指さずこの路線で行って欲しい。 マイルスの死後ではこれがベスト。なんでベストかって?ズバリ、かっこいいからに決まってるやん! |
★★★★ |
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David Benoit "Professional Dreamer" |
前作「アメリカン・ランドスケープ」以来約2年振りとなるスムース・ジャズ界の人気ピアニスト、デビット・ベノワ(本当の発音はベンワーに近い?)の新作。 前作はストリングスを全編にフューチャーしたコンセプト作で、スムース・ジャズを期待するリスナーには困ったちゃんな作品だったが、今作はスムース・ジャズ全開な雰囲気にファンとしては一安心といった所。制作陣に売れっ子トランペッターのリック・ブラウンが参加し、ヒップホップ風味のアレンジも効かせてくれるが、あくまでもスパイス、アルバム全編には、品の良いグルーヴ感と美しいピアノのサウンドが流れています。雰囲気としては「フリーダム・アット・ミッドナイト」をコンテンポラリーにした感じか?。 ゲストにはリック・ブラウンの他、ヴィニー・カリウタ、ニール・ステューベンハウス、ジミー・ジョンソン、グラント・ガイスマン、トニー・メイデンなど。 ゲストからも想像の通り良質なLAフュージョン作。近年のベノワの作品ではこれがいちばんか?。気持ち良いですよ。 |
★★★★ |
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Vertu |
今年の夏のヨーロッパのジャズフェスの目玉ともいえるこのグループ、ヴァーツゥ。 レニー・ホワイト(ds)、スタンリー・クラーク(b)、カレン・ブリッグス(violin)、リッチー・コッツェン(guitar)、レイチェルZ(key)、という面子は中々ユニーク。特にリッチー・コッツェンはHR、HMの世界ではかなり有名な存在。 レニーとスタンという後期リターン・トゥ・フォーエヴァーのメンバーにハイテク系ロック・ギター入りということで音の方は、聴く前からそこそこ想像出来たが、聴いて見ると…、想像通り。レイチェルZのキーボードもエレピのソロなんかになるとまるでチック。ヴァイオリンも入り、プログレ&ドラマチックな雰囲気十分。大袈裟なテーマに、キメ、それにソロはバカテク、とまるでRTF。 しつこいようですが、中期以降のRTFが好きな人は絶対に買いだと思います。また、それぞれの楽器弾きの立場で聴くのもいいでしょう。なんせ凄いテクの人ばかりですから。それ意外の人は宣伝や話題に惑わされて買うと痛い目に合います。 Tの個人的な意見を言わせてもらえれば中途半端なサウンドで全体的にはあまり好きではありません。でも部分部分では凄くカッコイイところもたくさんあることは事実ですが。評価に困る1枚?。 |
★★★ |
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Brian Tarquin "Soft Touch" |
現在アメリカのスムース・ジャズ・シーンで大人気というギタリスト、ブライアン・ターキィンの新作。 1曲目からカヴァー?。「ダーリン・ダーリン・ベイビー」。フィリー・ソウルのO'Jaysのカヴァーやね。そういえば、スティーヴ・カーンの大昔のファースト・ソロ作にもこの曲入ってなぁ。そこのサンボーンのソロカッコ良かったなぁ。 とまぁこの作品に全く関係ないことばかりですが、正直このアルバムについて書くことがあんまり無いんです。参加ミュージシャンも無名、オリジナル曲もスムースジャズの典型のような曲ばかり、ギターもノンディストーションの線の細いベンソン系。所々でサックスやトランペットも入るがその印象も薄い。ひたすらミディアムなグルーブとスムーズさのみを追求したサウンドです。 一言でいえば、B級スムースジャズ。この手のサウンドがお好きな人は買い。「じゃあ、お前はどないや?」「ハイ、嫌いじゃないんで買いました!?」。 |
★★ |
↑はインナースリーヴのジャケットです。表ジャケットではありません。
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Jazz Unit "Bridges" |
スウェーデンのジャズ・ミュージシャンが中心となった「ジャズ・ユニット」というプロジェクトの2作目。 何でプロジェクトという言い方をしたかと言えば、前作と今作のメンバーがほとんど違いサウンドもかなり変化しているため、グループというよりもひとつの企画物ととらえた方が良いかと思ったからです。 前作はゴリゴリ硬派な4ビートものでしたが、今回は全編にエレピが入ったコンテンポラリー系のもの。前作はアメリカからランディ・ブレッカーが参加してたが、今回はミッチェル・フォアマン、ティム・ヘイガンス、レニ・スターンなんかが参加してます。全編アコースティック・ベースながら4ビートから8ビート系のファンクっぽいサウンドまであり結構カッコイイ。 地元のギターはディストーション系でジョン・スコっぽい。サックスもうねうねしてて中々なもの。ミッチェル・フォアマンのキーボードもいつもながらツボを押さえたプレイで貫禄。ユニークなのが、レニ・スターンのヴォーカルとギターをフィーチャーしてトラックで、ジョニ・ミッチェルとリッキー・リー・ジョーンズを足して割ったような雰囲気はフォーキー。 前作のゴリゴリムードが好きだった人は通過が無難だけど、マイク・スターンやボブ・バーグ、ジョン・スコあたりのコンテンポラリー・ジャズの好きな人には是非手に取って頂きたい作品です。4ビートばっかりじゃないですけど、雰囲気と意気込みは前作同様硬派なものです。 |
★★★★ |
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Anthony Wonsey "Open The Gates" |
少し前のリリースなんですが、最近4ビートものの元気な作品が少ないんで、クリスクロス盤の新作を何枚がご紹介しましょう。 トランペッター、ニコラス・ペイトンのバンドのピアニストとして知られるアンソニー・ウォンジーの新作がクリスクロスから登場。ニコラスと、ロン・ブレイク(SAX)が参加した、クインテットとフロントラインが抜けたトリオの2本立て構成となってます。 シカゴ出身の若手であるウォンジーは、バド・パウエル、ビル・エヴァンス、そしてハービー・ハンコックに影響を受けたというありがちな経歴ながら中々の存在感のあるピアノを聴かせてくれてます。収録曲はほとんどがウォンジーのオリジナルだが、モーダルな90年型の「60年代モード」といった感じでダルさや退屈さは無い。アフリカンに走ったり、変にヒップホップに色気を使ったり、アレンジ過多になったりしてオ○ニー状態になってる若手の作品が多い中、純粋にジャズの本流を追求する姿には、大いに共感を覚えてしまう。 ウィントンやキースもいいけど、こんな良い若手もいるんで皆さん応援してあげて下さい。 |
★★★★ |
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John Swana "Tug Of War" |
賛否両論のジャズ評論家(Tはファンです)寺島靖国氏はジャズは好きなジャズメンにこだわり、好きになるとその人のリーダー作は勿論、サイドメンとして参加してる作品もチェックする、というような書いていたのを覚えてますが、今Tはディヴィット・ヘイゼルタインというピアニストをターゲットにしています。 先月リリースされたビーナス盤の新作も良かったですが、このジョン・スワナというトランペッターのクリスクロスからの新作にも入ってます。イメージ的にはトム・ハレルのようなタイプのラッパ吹きであるスワナはケレン味の無い素直さだけが特徴。だからか、いつもサイドメンには気を使っているようで、結構個性的なサイドメンを従えてたりします。 今作では、サックスにクリス・ポッターを起用。日本ではほとんど無名ながらスティーリー・ダンのワールド・ツアーに同行したり、ジョン・スコやデイブ・ホランドあたりを従えてリーダー作をリリースしたりと、中々の評価を受けてるミュージシャンですが、この作品でも、モーダルでフリーキーなソロでサウンドにアクセントを付けてくれてます。 Tのターゲットであるヘイゼルタインのピアノもいつもはバピッシュなプレイに終始してますが、今作では、クリス・ポッターにインスパイアされたのか、モーダルになっており、マッコイ・タイナー調になってるとこもあります。でもピアノソロが盛り上がるとブルージーにスイングしてくるのは流石です。 上のウォンジー盤同様、全体の雰囲気は「90年型60年代ハードバップ」と言った感じです。クリスクロス盤はやっぱり安心して買えます。好盤。 |
★★★ |
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Djavan "Bicho Solt 13"(ビッショ・ソルト〜放たれた野獣No.13) |
コンテンポラリー・ブラジリアン・ミュージックを代表するシンガー・ソング・ライター、ジャバンの新作(本国では昨年リリース)が国内盤として6月2日リリースされました。 ブラジル音楽になじみの無いこのサイトのお客様にも、リー・リトナーとの共演などでご存知の方も多いでしょう。70年代中期からブラジル国内で活躍していたジャバンが日本やアメリカで高い人気を獲得するきっかけになったのは、80年代初期にスティーヴィー・ワンダーのハーモニカをフィーチャーしたナンバー「サムライ」の大ヒットからでしょう。それ以来、彼の書き歌うヒューマニティー溢れるメロディアスな曲を求めて世界中のアーティスト達がジャバンとの共演や曲の提供を求めるようになりました。 ジャバンやイヴァン・リンスといったブラジル人アーティストの書く曲は、ブラジル、アメリカ、ヨーロッパなどといった人種や国を超えてすべての人たちの心に響く魅力を持ってるようにおもいますが、このジャバンの新作でも、そのことを改めて実感出来ます。アルバムタイトルは何やら胡散臭い雰囲気がしますが、惑わされてはいけません。「サムライ」にも共通するようなミディアムテンポの心地良いメロディーのナンバーが詰まっています。 今作では、話題のブラジリアンラッパー、ガブリエル・オ・ペンサドールとの共作やジャジーな雰囲気な曲などいくつかの新しい試みもされていますが、基本的には今までのジャバン・サウンドが踏襲されてます。アメリカやヨーロッパ以外の音楽で、夏らしいサウンドを探してる方には自信をもって薦められる好作品です。 |
★★★★ |
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Dori Caymmi "Cinema:A Romantic Vision" |
ブラジルものが続きますが、バイアの音楽界の巨匠、ドリバル・カイミの息子(ナナ・カイミの弟)ドリ・カイミの新作がリリースされました。 ドリ・カイミといえば、ブラジル国内よりも、オスカー・カストロ・ネヴェスなどと並んで、LAでの活動が多く、LAのミュージシャンがブラジル・テイストを求めた時には、必ずと言って良いほどセッションに参加し、心地よいアコースティック・ギターとちょっとうなるような独特のハミングを聴かせてくれるアーティストです。 新作はタイトルの通り映画音楽集。「ピンクパンサー」「私のお気に入り」「ジェームスボンド」!バカラックの「雨に濡れても」から最新のR.ケリーの「アイ・ビリーヴ・アイ・キャン・フライ」までメジャーな楽曲が並んでいます。さて、どんな雰囲気かといいますと、ボサノヴァ風味というよりもかなりジャジーなムード。たまにボサノヴァやフュージョンっぽい感じもミックスされていますが、やや平坦なアルバムになってしまっています。ビリー・チャイルズ、エイブ・ラボリエル、トム・スコット、ドン・グルーシン、ゲイリー・ミークなどLAのトップミュージシャンが参加しているんですが、どれも今一つ影が薄い。 ブラジル風味のジャジーな映画音楽集。気持ちのいいアルバムだけど、アルバムの中にもう一山欲しかったです。もうひと頑張り。 |
★★★ |