Swingroove Song Book
Vol.1〜
Since 1999.May.20
このページでは、70年代から80年代にかけてのフュージョンやソウルの名曲にスポットを当ててオリジナルとそのカヴァーの比較や、その曲やアルバムにまつわるエピソードなどをご紹介するコーナーです。
その第1回目は、ジョージ・ベンソンの大ヒットで知られる「ブリージン」です。
/ヴォーカリストのボビー・ウーマックとのダブル・クレジットになっているもので、「ブリージン」はこのボビー・ウーマックのペンによる曲なんです。どんなバージョンなのか聴いて見たい、という方も多いかと思いますが、Tはアナログ、それも、ヨーロッパ盤の再発ものでしか所有してません。(だからジャケ写のキャプションが無いんです。)ザボのリードギターとウーマックのリズム・ギター、フィル・アップチャーチのベース、ジム・ケルトナーのドラム、マーク・レヴァインのキーボードというクレジットで、ベンソン・バージョンより若干遅いテンポで淡々と演奏されてます。このアナログ盤は結構レアもので、どうしても聴いて見たいという方には、2年ほど前にリリースされたブルーサム・レーベルの3枚組み(4枚だったかも?)のコンピュレーションCDに「ブリージン」だけ収録されてます。通販サイトのCDNowでは輸入盤として取り扱ってるはずです。ベンソンが「ブリージン」を取り上げたのは、ベンソンの「ブリージン」を手掛けたプロデューサー、トミー・リピューマが、かつて自分が手掛けた作品の中にあった「ブリージン」をベンソンに紹介し、とりあげることになったということは容易に想像出来ます。その「ブリージン」を他の人がやったバージョンはといえば、実はそんなに無いんです。作者ボビー・ウーマックのセルフ・バージョンも無いかなと探した所、5、6年前にビクターから発売された2枚組みライブ盤の中でほんの少しあのフレーズをウーマックが弾いてました。それではお話にならないので、2バージョンほど、このページで紹介しておきます。
これはCIYOというイギリスのギタリストのアルバムでTも今だに良く知らないミュージシャンです。全体のサウンドは、日本でも数年前にジャネット・ケイで一世を風靡したラヴァーズ・レゲエと言った感じ。チープっぽいプログラミングをバックに、ジャケ写からも想像出来るようなベンソン・スタイルのギターで「ブリージン」やってます。コーラスも入ってるので中々心地よいバージョンといえます。でもじっくり聴きこむにはやっぱりサウンドは安っぽいです
超ベテラン2流アルト・サックス奏者(←愛情をこめてこう呼んでるんです)。ハンク・クロフォード、96年のアルバム「タイト」で何と「ブリージン」をやってるんです。今日、スタンリー・タレンタインらと並んで過小評価甚だしいハンク・クロフォードですが、あのディヴ・サンボーンにキング・カーティスと並び多大な影響を与えたのは、何を隠そうこのハンク・クロフォードなんですから。そのハンクのバージョンなんですが、70年代のCTIサウンドを彷彿とさせるいなたさがあって、かなりポイントが高いと思います。ディヴィット・ニューマンやアール・ガードナーらで構成されたホーンセクションをバックに、アイドリス・ムハマッド(Ds)スタンリー・バンクス(B、ベンソン・バージョンもこの人がベース。)のレイド・バックしたリズムをバックに、甘くソウルフルなハンクのサックスがあのメロディーを奏でるというちょっといい感じのバージョンです。メルヴィン・スパークスのギターもイイ意味でだらだらとしていてこの曲の気分にぴったりです。
Swingroove Song Book1回目は、「ブリージン」をピックアップしました。これを書くにあたって改めてこの曲を聴きなおしましたが、やっぱり気持ちイイですね。Tの中では、日曜日の午後にラスカルズの「グルーヴィン」とともに聴きたくなる、そんな心地よさをもったナンバーです。
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