Live report + α


16.PFM 東京(川崎)公演 2006年5月13日 CLUB CITTA  

 遠征2日目.今日は雨模様.5時ちょうど頃にCITTA到着.

 とりあえずネット上でおつき合いさせていただいている方々にご挨拶...と思ったのですが,これがなかなか上手くいかない.昨日お会いしたMalininaさんと2002年の来日公演の時オフ会ご一緒したmassh@まーさんとはすんなり会えたのですが,マルコーニさん(烏天狗さん)ご一行とはなかなか会えず.ようやく開演直前に滑り込みでコンタクトが取れたので,終演後のプチオフ会のお約束をして開演を待つ.
 残りの時間でステージを覗き込んだ時,Mussidaの立ち位置の床に貼ってあるセットリストを発見.まあ,昨日の演奏順のまま.当たり前といえば当たり前ですが,実際には少しだけ変更がありました.

 と言うことで,本日のメンバーとセットリストを.

FRANZ DI CIOCCIO  Drums, Percussion and Vocal
FRANCO MUSSIDA  Guitars and Vocals
PATRIC DJIVAS     Bass

Special Guest
LUCIO FABBRI    Violin, 2nd Guitar, 2nd Keybord

Featuring
GIANLUCA TAGLIAVINI  Keybords
PIERO MONTERISI      2nd Drums


 当然メンバーに変更はなかったのですが,第1部「Dracula」からのヴォーカル曲と第2部「ウィリアム・テル序曲」直前のVIOLIN JAMが省略されていました.以下に初日と2日目で感じた違いを簡単に記載します.

 全体的にPFMの3人,Cioccio,Mussida,Djivasは初日より少しパワーダウンかな?という感じ.ただし,今日も充分にパワフル.2002年の来日公演から比べればはるかにアグレッシヴなことに違いはなし.
 Fabbriに関しては昨日より活躍が目立つ.アレンジもそうだし,楽器の音もよく耳に届く.ただし,これは音響の変化や座席位置の違いにも関連するとは思います.
 Tagliaviniも昨日よりは見せ場が増えている印象.これは”彼の聴かせどころを作ってあげよう”という配慮があるように感じられました.しかし,Premoliの代役ではなく”最小限不可欠な部分のサポートに専念”という本質的な役割には変化なし.

 で,肝心のセットリスト.

(第1部)
1. RAIN BIRTH (Intro to the river)
2. RIVER OF LIFE
3. PHOTOS OF GHOSTS
4. MAESTRO DELLA VOCE
5. LA LUNA NOVA
6. OVERTURE from 「Dracula」
7. OUT OF THE ROUNDABOUT
8. SUONARE SUONARE

(第2部)
1. L'ISOLA DI NIENTE
2. DOVE...QUANDO
3. IL BANCHETO
4. MUSSIDA GUITAR SOLA
5. DOLCISSIMA MARIA
6. HERLEQUIN
7. CHOCOLATE KINGS
8. VOLTA LA CARTA
9. ROSSINI'S WILLIAM TEL OVERTURE
10. LA CARROZZA DI HANS
11. PFM TRIO JAM  (SCARY LIGHT ?)

(Encore)
1. IMPRESSIONI DI SETTEMBRE
2. E'FESTA (Celebration)
3. SE LE BRESCION
4. E'FESTA (Celebration) Reprise



 第1部の出だしからアグレッシブな演奏は昨日とまったく一緒.Cioccioの渾身の力を込めたドラミングは前回の来日公演から衰えることなく,今回の来日でも健在.
 しかし,(昨日も含め)今回はいつも縁の下の力持ち的役割を担いがちなDjivasが,最初から最後までライブ全体をグイグイ引っ張っているではないですか!
 とくにMonterisiがドラムを叩く場面では,彼を(良い意味で)煽るように全体をリード.Cioccioがフロントに出てヴォーカルをとる「Maestro della Voce」や「Suonare Suonare」が前の来日公演よりいっそう魅力的に聴こえたのは,何と言ってもDjivasの功績だと思います.
 「Maestro della Voce」や「Suonare Suonare」が良いと書くと,「先の来日公演で聴いて慣れたからだろ」という声も聞こえてきそうですが,わたしも連れも2002年に生PFMを観る以前からこの2曲はお気に入りの曲だったんですよ.だから,こんなにも”素晴らしい!”と思えたのは,演奏そのものが良かったからに他なりません.

 第2部のオープニングは初日と同じ「L'isola di Niente」.日本初演かつPFM史上でも初ライブ演奏か?という興味と希少性は非常にあり,ファンとして嬉しい面は多々ありました.素直に嬉しかったのは事実です.ただ,少し無理があったのかな?と感じたのもまた事実.

 誤解を恐れずに書くと,今回のPFMは
「CioccioとDjivasのリズム隊が溢れ出る音の津波を叩きだし,Mussidaのアグレッシブなギターがその波を切り裂いていく」というのがわたしのイメージ.

 Premoliがいない以上,そうならざるを得なかったでしょうし,わたしはそれをネガティブにはとらえていません.しかし,「L'isola di Niente」をまともに再現しようとすれば,Premoliのキーボード・ワークとそして何より繊細なアレンジ・ワークが必要不可欠に思います.後半部のインプロ・パートがもの凄く良い感じだっただけに,「無理にファン・サービスの選曲をしなくても良かったのに」とも思ってしまいました.ファンに受けたかどうかはともかく,「Via Lumiere」のほうが凄い演奏を聴けたのではとも.

 まあ,そんな多少の不満はなんのその.繊細なMussidaのGuitar Soloに続いて始まった「Dolcissima Maria」はやはり最高.歌詞そのものは手放しでハッピーな内容ではないのに,限りない暖かさと優しさに溢れたこの曲.PFMの代表曲であると同時に,Mussidaの代表曲であり真骨頂だなと改めて感じました.
 余談ながら,Djivasのリコーダーが1.5倍増し(前回来日時比)なのはご愛敬.何より観客の暖かな拍手が印象的.

 「Herlequin」途中のドラマー入れ替わり(前日のレポート参照)以降は怒濤の盛り上がり.ただし,今日のお客さんは少し大人しく,スタンディング状態になったのは「Volta la Carta」の前にCioccioがスタンディングを促してから.昨日もオール・スタンディングはCioccioが煽ってからでしたが,自然発生的なスタンディングはその前から.
 蛇足ながら,「Volta la Carta」のCioccioと観客の合いの手,”ブランカ,ブランカ,ブランカ − レオン,レオン,レオン”の説明は最初からDjivas・Cioccioコンビの寸劇で.しかし,ホントにDjivasって見かけによらずお茶目.2002年の公演時にもFabbriが見ている譜面を本番中に裏返したりとかチョコチョコやってましたね.

 なぜかViolin Jamがすっ飛ばされたと思うのですが,あとは前日と同じ白熱の演奏が展開されます.本公演最後の曲.いちおうセット・リストには「Scary Light」というタイトルが記載されていたのですが,「Live in JAPAN 2002」収録の同名曲とは同じものかどうかわたしの耳では判別不可能.で,PFMの3人全員が目立っていたと言うことで勝手に「PFM Trio Jam」と書かせてもらいました.このあたりは公式のセット・リスト待ちですね.

 そしてアンコール...なんですが,今回は手拍子の早さがみんなバラバラ(笑) これはわたしの周囲だけ? 
 ともかく,こんなことは初めてだったので”みんな周囲に合わせる努力しろよ!”と思いつつ,絶対的なリズム感に欠けるわたしはけっこう苦労しましたよ.

 「Impressioni di Settembre」のイントロが前日と少し違う以外は昨日と同じ.盛り上がりはしたのですが...やはり,何というか...”「E'FESTA」は最後までPFMの演奏で,Cioccioのドラムで聴かせてくれよ!!”と叫びたいのはわたしだけ!?

 まあ,いろいろありましたが,わたしの2度目の生PFMは今日で終了.わたし個人はマイナス点全てを差し引いても大満足でした.こんな不利な前状況をうっちゃれるのはPFMだからこそ!とも感じています.

 ただ,彼らの年齢と招聘の難しさから考えると,今回が最後かも?という不安も拭いきれませんが...昨日・今日のステージを見て,そんな疑念は捨てることにしました!

 
彼らなら数年後にも今と遜色のない,否,新しい魅力を携えて来てくれるはず!

 その思いと今回不参加だったPremoliをもう一度観たいという一念で,今回の来日特集の作成とこのサイトの維持を頑張ってみようと思う今日この頃.

 今回お会いできた関東地方のみなさま,また今回お会いできなかったPFMファンのみなさま,次回のPFM来日公演の時に(また)お会いできますように!!


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