Live report + α


15.PFM 東京(川崎)公演 2006年5月12日 CLUB CITTA  

 待ちました.来日話が何度も何度も噂に上っては消えるストレスフルな日々に耐えて,ただひたすら4年間.
 そして,やっとやっと来日が実現し,公演日が間近に迫る土壇場で発表された「Flavio Premoli 来日中止」のニュース.

 そんな不満・不安はこの日のライブを聴いて霧散してしまいました.わたしの感想は一言.

PFMは死なず!!


 Flavio Premoli が来ないことによるわたしの不安などはまた今回の来日記念特集を作る日が来るようなら,つらつらと書いてみたいとは思います.
 が,さし当たっては2006年来日公演・初日のライブ・レポートを.

 まず,開場時間ジャストの6時半頃にCLUB CITTAに到着.数分遅れで入場開始.で,グッズ売り場へ直行したわけですが...何と今回はパンフレット単体の販売がない!プレミア・セットとか称する抱き合わせ販売のみ.
 内容はパンフレット,メンバー直筆ポートレイト,Tシャツ,ポスター,ステッカー,ピンバッジ.はっきり言ってパンフレット以外個人的にはいらない.が,お上りさんでバカな熱狂的ファンであるわたしはちゃんと買うんですよ.まあ,この病気は死ななきゃ治らないんですけどね.

 開演前にネットでお知り合いになった方にご挨拶.いろいろお話をさせていただくうちに開演時間が迫ってきました.本日は2列目という絶好のポジション.明日13日も観戦予定ですが,座席はかなり後方.かぶり付きを堪能し完全燃焼を目指します.

 いよいよ客電が落ちメンバー入場.全員黒っぽい服で地味なスタイルですが,満面の笑みを浮かべつつ上機嫌で登場.
 今回の来日メンバーは以下の通り.

FRANZ DI CIOCCIO  Drums, Percussion and Vocal
FRANCO MUSSIDA  Guitars and Vocals
PATRIC DJIVAS     Bass

Special Guest
LUCIO FABBRI    Violin, 2nd Guitar, 2nd Keybord

Featuring
GIANLUCA TAGLIAVINI  Keybords
PIERO MONTERISI      2nd Drums


 さっそくですがセットリスト.若干の記憶違い・勘違いがあるかも.今回も15分の休憩をはさんで2部構成.予定では19:00 開演・22:00 終了でしたが,実際は19:10 頃にスタートして22:30 頃終了でした.

(第1部)
1. RAIN BIRTH (Intro to the river)
2. RIVER OF LIFE
3. PHOTOS OF GHOSTS
4. MAESTRO DELLA VOCE
5. LA LUNA NOVA
6. OVERTURE from 「Dracula」
7. IL CONFINE DELL' AMORE
8. NON E UN INCUBO E REALTA
9. OUT OF THE ROUNDABOUT
10. SUONARE SUONARE

(第2部)
1. L'ISOLA DI NIENTE
2. DOVE...QUANDO
3. IL BANCHETO
4. MUSSIDA GUITAR SOLA
5. DOLCISSIMA MARIA
6. HERLEQUIN
7. CHOCOLATE KINGS
8. VOLTA LA CARTA
9. VIOLIN JAM
10. ROSSINI'S WILLIAM TEL OVERTURE
11. LA CARROZZA DI HANS
12. PFM TRIO JAM  (SCARY LIGHT ?)

(Encore)
1. IMPRESSIONI DI SETTEMBRE
2. E'FESTA (Celebration)
3. SE LE BRESCION
4. E'FESTA (Celebration) Reprise



 まず,1曲目〜5曲目.前回のライブでお馴染みの曲ばかり.しかし,アレンジは全然違う!オープニングのRain Birthでは,さすがにPremoli不在の痛さを感じましたが,それ以後は曲が進むにつれそんな不安は吹っ飛んでしまいました.

 
とにかく正規メンバー3人が鬼気迫るど迫力のパフォーマンス!

 下手に代役のTagliaviniにPremoliの代わりをさせるのではなく,彼は必要不可欠なサポートに専念.あくまでもこのライブは「PFMを名乗る3人,Cioccio,Mussida,Djivasで観客を満足させるぞ!」という気迫が伝わってきます.
 もう前半だけで,”Premoli不在でも来て良かったぁ〜〜!”と満足していましたが,今振り返ってみると第1部はまだまだ不完全.
それでも会場もSuonare Suonareが終わる頃にはかなりの盛り上がりではありました.

ちなみに,この日お披露目となった「Dracula」.お馴染みの曲に一歩の引けをとらない完成度とパフォーマンス.ただ,演奏された曲に関してはちょっと自信ないです.「OVERTURE」は確実ですが,短いつなぎの「IL CONFINE DELL' AMORE」が入っていたのか否かがちょっと自信なし.個人的にはOVERTURE〜IL CONFINE DELL' AMORE〜NON E UN INCUBO E REALTAとつながってたように思うのですが.

 そして,再開後のオープニングは事前に演奏すると予告(?)があった噂の「L'ISOLA DI NIENTE/MOUNTAIN」.コーラス部分は如何に?とかいろいろアレンジを想像していましたが...余計なというか基本的に3人+αで再現できない部分はスパぁ〜〜っと切り捨てていました(笑)
 べつにそれが悪いのではなく,3人の渾身のSession playを堪能できたのですから文句はありません!ただし,”アルバムの再演”を期待していた人には残念だったかもしれません.

 そして,またお馴染みの「DOVE...QUANDO」と「IL BANCHETO」に続いて,Mussidaの繊細なタッチのギター・ソロが始まりました.この時点ですでに期待が高まってきたのですが...続いて始まったのは期待通り,しっとりと美しいノリノリでない「DOLCISSIMA MARIA」!
 まさに自分が聴きたかった「DOLCISSIMA MARIA」でした.

 そして,今回のお楽しみのひとつ.前回やらなかった曲たち.もちろん「CHOCOLATE KINGS」も良かったのですが,個人的には「HERLEQUIN」の中間部〜後半部にかけてのインスト・パートが圧巻でした.
 最初は予想通りCioccioがヴォーカル.それでも十分喜んでいたのですが,途中でMonterisiとドラムを交代.その時,さりげなくマイクをセットしていたので「おおっ!?」と思ったのですが,それ以降はCioccio,Mussida,Djivasによる嵐のような白熱の演奏が展開!
 それはそれは至福のひとときだったのですが,一瞬頭をかすめたのは「Cioccio,これからも歌って良いから,頼む!ドラムは叩いてくれ!!」という想いでした(笑)

 この辺でわたし自身の心理状態はトップ・ギアに入りました(笑) 今までも十分テンションは高かったのですが,通常の5速トップギア程度.しかし,さらにスイッチが入ってしまってF-1並みの6速全開の気分に突入.
 そして,その気分を見透かしたようにFabrizio de Andreの名曲「VOLTA LA CARTA」が.

 曲自体ももちろん盛り上がったのですが,実は曲が始める前にCioccioが観客に合いの手を入れて欲しいとMC.しかし,客席の理解がちょっと怪しげ.そこでDjivasとふたりで寸劇を始めました.(たぶん即興)
 これが,みんなにバカ受け!Cioccioは見た目も含めてあの通りのキャラクターですが,一見”静かで寡黙な男”に見えるDjivasのお茶目さが絶妙.わたしたちを含め数人はすでにスタンディングに移行しつつあったのですが,ここでCioccioが観客に立って,立ってと煽ると(たぶん)オールスタンディング状態.(後ろを確かめる余裕もなかったので未確認,笑)

 プログレとは全然関係ない「VOLTA LA CARTA」なのに,もう身体が勝手に動くほど.「ブランカ,ブランカ,ブランカ」,「レオン,レオン,レオン」を際限なくくり返し!ここから先は少なくともわたしの周辺は最後まで立ちっぱなし!

 とくに本公演最後のジャム・セッション(Mussidaの足下に張ってあった紙には”Scary light”とタイトルあり.2日目に確認)は今回の真骨頂を見せつけるような演奏.Cioccio,Mussida,Djivasの3人が持てる力を出し尽くすかの如き熱演.
 先ほども書きましたが,Premoli不在を代役で誤魔化すのではなく,3人で満足させるんだという気概がライブ全編でひしひしと感じられました.そして,その情熱がこの瞬間に凝縮しているかのようなパフォーマンスでした.

 最後のアンコールはお馴染みの曲.ただし,「CELEBRATION」は「Piazza del CAMPO」に収録された”セ-レ-ブレション”の観客参加型ヴァージョン.わたしとしては全編まともな「CELEBRATION]が聴きたかったのですが...ちなみにセットリストの曲名は「Piazza del CAMPO」の記述にならいました.

 以上,大興奮,大満足のライブでした.
 何度もくり返しますが,アルバムや前回の来日公演の再現に固執することなく,
現在のPFMに出来る最高のライブを目指したからこその結果だと思います.
 何の迷いもなく明日13日,2日目のライブに参加します!


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