Others 9


12.COLOSSEUM

 King Crimson, Renaissance, P.F.M.といったバンドに感じている“のめり込む”とか“聴き惚れる”といった感覚とは違うのですが,Colosseumの“お気に入り度”は前述のバンドにけっして引けを取りません.もちろんその音楽性も甲乙付け難いほど素晴らしいものがあり,まさに“ジャズ・ロックの代表格”という称号に恥じない音です.彼らの音楽を聴いたからこそ,こんなに“ジャズ・ロック”というジャンルが好きになったといっても過言ではありません.

 ではなぜ“のめり込む”という感覚に欠けるのか?

 それは,彼らの音楽があまりにも“かっこいい”からでしょうか?
 かっこ良すぎて“のめり込む”という表現はふさわしくないんです.テクニックに溺れず,安っぽい情緒に流されることなく,全体として洗練されていてかつ斬新.それらすべてをひっくるめた賛辞が“かっこいい”という言葉です.まあ,舌足らずな表現だし,多分に感覚的な話なので理解に苦しむ方も多いでしょうが.....

 まあ,細かい分析はともかく,黙ってジョン・ハイズマンのドラムに耳を傾ければ十分.何も言う必要がないと思います.とにかく「凄い!」の一言.


「THE VALENTYNE SUITE / ヴァレンタイン組曲」


1. THE KETTLE
2. ELEGY
3. BUTTY'S BLUES
4. THE MACHEINE DEMANDS A SACRIFICE
5. THE VALENTYNE SUITE
6. THEME ONE - JANUARY'S SEARCH
7. THEME TWO - FEBRUARY'S VALENTYNE
8. THEME THREE - THE GRASS IS ALWAYS GREENER



 代表作はやはり2ndアルバムの「Valentyne suite / ヴァレンタイン組曲」
 数あるジャズ・ロックの名盤の中でも極め付けの1枚です.
 LPのA面に当たる部分はブルース色を色濃く残しますが,B面全てを使って演奏される「ヴァレンタイン組曲」はまさに圧巻.明らかに従来のロック/ブルースやジャズとは一線を画す感触.しかし,紛れもなくジャズのエッセンスを秘め,ロックのダイナミズムをも内包しています.1stも名作なんですが洗練の度合い,融合の次元がより高度になっています.痺れるほどかっこいいとしか形容できません.



「THOSE WHO ARE ABOUT TO DIE」


1. WALKING IN THE PARK
2. PLENTY HARD LUCK
3. MANDARIN
4. DEBUT
5. BEWARE THE IDES OF MARCH
6. THE ROAD SHE WALKED BEFORE
7. BACKWATER BLUES
8. THOSE ABOUT TO DIE



 前述したように1stアルバムも名作.ただ,まだロック,ジャズ,ブルースなどの音楽性が混ざりきらずにそれぞれが剥き出しで顔を出している部分が多くあり,この曲はブルース,これはジャズ,と各ジャンル特有の“角”がはっきり残る曲も混在します.楽曲のレベルが低いというわけではないですが,洗練度では2ndに一歩譲ります.



「DAUGHTER OF TIME」


1. THREE SCORE AND TEN, AMEN
2. TIME LAMENT
3. TAKE ME BACK TO DOOMSDAY
4. THE DAUGHTER OF TIME
5. THEME FOR AN IMAGINARY WESTERN
6. BRING OUT YOUR DEAD
7. DOENHILL AND SHADOWS
8. THE TIME MACHINE



 3rdアルバムもレベルは高いのですが,新鮮味が薄れインパクトには欠けます.この作品を最後に解散してしまうのも頷けます.アイディアとしては成熟し切ってしまったということでしょうか.ただ,1st,2ndが気に入った方は一聴の価値あり.

 その他に’71年のライブ盤,90年代に入って再結成されてニュー・アルバムも発売されています.

 また,ジョン・ハイズマン絡みで言えば,'75年に COLOSSEUM II というバンドが結成され素晴らしい作品を残しています.が,個人的にはあくまでジョン・ハイズマンの歩であり必ずしも COLOSSEUM と直結はしていないと思うので,あえてこの項では触れないことにします.


「LIVE」


1. ROPE LADER TO THE MOON
2. WALKING IN THE PARK
3. SKELINGTON
4. I CAN'T LIVE WITHOUT YOU
5. TANGLEWOOD 63
6. ENCORE...STORMY MONDAY BLUES
7. LOST ANGELES




 ライブ盤はスタジオ録音にない魅力を堪能でき,未発表曲が収録されています.しかし音質はそこそこ(録音年代を考えればしかたないですね).熱心なファン向けのアイテムでしょう.

 また,再結成による新作は未聴なのですが,噂では“安心して聴ける内容”ということです.ただ,逆にいえば“新鮮味はない”のかもしれません.


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