Others 2


3.TITUS GROAN

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「TITUS GROAN」

1. IT WASN'T FOR YOU 
2. HALL OF BRIGHT CARVINGS
3. I CAN'T CHANGE 
4. IT'S ALL UP WITH US 
5. FUSCHIA





  このグループもアルバム1枚を残し解散しました.前項から引き続きなぜか一発屋が続きますが,内容の方は素晴らしいものばかりです^^; プログレッシブ・ロックというのは時代の空気に呼応して生まれた面があるので,一瞬の煌めきを残して時代と共に消えていくのが自然なのかもしれません.むしろ,Crimson のような例は希有なのでしょう.

 前置きが長くなりましたが,唯一のアルバム「TITUS GROAN」は典型的なジャズ・ロック.しかし,凡庸ではなくまさに名盤.一聴すると’60風orカントリー風の懐かしさを感じさせますが,実は見事に洗練されたサウンドです.その中心に位置するのがサックス,フルート,オーボエを駆使するTony Priestland.とくに聴き所は「2.HALL OF BRIGHT CARVINGS」.Priestland のオーボエが圧巻です.この曲はそれ以外にギターも抜群.鳥肌が立つほど格好いいです.
 最初聴いたときはPriestlandが目立ちましたが,その他のメンバーも決してオマケではありません.メロディーは全体的になじみやすくポップな印象を受けますが,内容はぎっしりの名作です.

 ただ,ジャケットやグループ名(TITUS GROAN:イギリスの幻想文学「GORMENGAHST」三部作のひとつ)からはどろどろしたサウンドを予想(期待?)されるかもしれませんが,内容は全然逆.むしろさわやかな熱気溢れる音が飛び出してきます.内容は一流,ジャケット・アートも良いのに,ジャケットと内容がちぐはぐという珍しい1枚です.

 このアルバムもリマスター盤が出ています.P.F.M.の項で散々書いたビクターの紙ジャケ・シリーズのひとつです.このシリーズはどれもハズレはありませんが,なかでもこのCDはリマスターの良さが際だっています.輸入盤CDには未発表曲が3曲も含まれ,非常にお買い得&アルバム1枚しか残していないこのグループにとってきわめて貴重なのですが,そのお買い得感が霞むほどの音質に生まれ変わっています.紹介した曲目はリマスターCDのものです.輸入盤では未発表曲を含め,曲順が異なります.
 

4.GNIDROLOG

gnidrl02.JPG - 7,310Bytes「LADY LAKE」

1. I COULD NEVER BE A SOLDIER 
2. SHIP   
3. A DOG WITH NO COLLOR 
4. LADY LAKE   
5. SAME DREAM 
6. SOCIAL EMBARRASSMENT  



 
プログレ・ファンの間では,この2ndアルバムのジャケットはあまりにも有名でしょう.本国オリジナル盤などはびっくりするような高値で取引されていたようで,根性なしのわたしはリプロ盤を入手.しかし,そのリプロ盤には1st収録の「HARRY'S TOE NAIL(reprise)」がオマケとして収録されていたので,結局1stを求め中古屋をさまようことになってしまいました.

 内容はというと,これはジャケット・イメージどおり重〜い空気が支配的ですが,メロディーの美しさと相まって,過度に陰鬱なものにはなっていません.「1.I COULD NEVER BE A SOLDIER」は出だしのナイーブなヴォーカルから,一転してハードなフルート&サックスが絡んでドラマティックな盛り上がりを見せます.よく初期Crimson と比較されますがこの曲を聴くとなるほどと思います.
「2.SHIP」は一見取っつきやすいメロディーながら,独特の哀愁を帯びたサックスが印象的.個人的にはこの2曲がお奨め.アナログのB面は,繊細な小品の「5.SAME DREAM」をはさんで,重たく緊張感に富んだ曲が並びます.絶妙の配置ですね.
 全体的にフルート,サックスをはじめ管楽器を中心にしたスケールの大きいサウンドで,演奏面も文句なしです.

gnidrl01.JPG - 3,420Bytes「IN SPITE OF HARRY'S TOE NAIL」

LONG LIVE MAN DEAD
1. LONG LIVE MAN DEAD  2. SKULL  3. PETER 
4. SNAILS  5. TIME AND SPACE  6. WHO SPOKE 
IN SPITE OF HARRY'S TOE NAIL
7. GOODBYE-FAREWELL-ADIEU
8. HARRY'S TOE NAIL



 2nd以外に,よりジャズっぽい(即興的な)1stも捨てがたい魅力があります.が,2ndに比べずいぶん荒々しく,まとまりにはだいぶん欠けます.しかし,随所に2ndへとつながる繊細さ,哀愁といったものも感じられ,駄作ではありません.1st,2ndともCD化されていて,比較的容易に入手できるようになりました.1stのCDには(上に書いた曲以外に)ボーナス曲が4曲も入っています.なかなかお買い得.

 また,最近になって’72年のライブ音源が発掘され発売されています.録音は1972/07/10(ボーナス・トラックのみ7/8)で,1stと2ndの間の時期です.音質もまずまずですし,ライブならではの(ある面)荒いプレーが堪能できます.

 さらに,2000年には再結成され,ニュー・アルバムも出たようですが,これは聴いていません.内容はいわゆるプログレではないようです.

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