PFM-9


1.P.F.M. その(9)
DVD  「PFM LIVE IN JAPAN 2002」

 日本国内では,PFMのオフィシャルな映像作品はこれが初めて.
 これ以外の映像作品となるとofficialでは’80年にSwiss RTSI  Studiosで収録された「MUSICALMENTE」(イタリア国内のみ発売)というビデオぐらいしか知りません.
 「MUSICALMENTE」にしろPremoliはすでに脱退しており,代わりにFabriがkey,violinなどを担当.また,Walter Calloniの加入によりDi Cioccioとのツイン・ドラム体制となっていて,日本のファンには馴染みのないラインナップとなっています.(要は「PERFORMANCE」時のメンバーですね)
 したがって,Mauro Pagani不在とはいえ全盛期のメンバーが揃った映像作品はこれが唯一とも言えます. (2003年当時)

PFM2002D.JPG 1. LA CARROZZA DI HANS / ハンスの馬車             
2. RAIN BIRTH (Intro to the River)/ 雨の雫
3. RIVER OF LIFE / 人生は川のようなもの    
4. PHOTOS OF GHOSTS  / 幻の映像   
5. PENINSULA  / ペニンシュラ   
6. OUT OF THE ROUNDABOUT  / アウト・オブ・ラウンドアバウト 
7. LA RIVOLUZIONE  / 革命   
8. SUONARRE SUONARE / スオナーレ・スオナーレ   
9. PROMENADE THE PUZZLE  / プロムナード・ザ・パズル 
10. TOKYO PIANO SOLO / 東京ピアノ・ソロ    
11. DOVE...QUANDO (part 2)  / 何処で...何時(パート2)  
12. DOVE...QUANDO / 何処で...何時 
13. IL BANCHETTO  / 晩餐会の三人の客  

14. DOLCISSIMA MARIA  / ドルチッシマ・マリア
15. MAESTRO DELLA VOCE  / 声のマエストロ  
16. SI PUO FARE  / 私達に出来ること  
17. MR.9 TILL 5  / ミスター9〜5時
18. SCARY LIGHT / スケアリー・ライト   
19. TOKYO ELECTRIC GUITAR JAM including ALTALOMA 5 TILL 9 
      / 東京エレクトリック・ギター・ジャム including アルタローマ5〜9時
20. TOKYO VIOLIN JAM (part 1)  / 東京ヴァイオリン・ジャム  
21. ROSSINI'S WILLIAM TELL OVERTURE  / ウイリアム・テル序曲  
22. TOKYO VIOLIN JAM (part 2)  / 東京ヴァイオリン・ジャム(パート2)
23. IMPRESSIONI DI SETTEMBRE  / 九月の情景
24. E'FESTA  / 祭典の時 
25. LA LUNA NUOVA  / 新月(原始への回帰)   


 収録日時はCDの「LIVE IN JAPAN 2002」と同一(2002年5月12日,クラブ・チッタ)なので,演奏曲目・演奏順などは当然一緒.
 DVDの威力を遺憾なく発揮したクリアな映像と音質で,来日公演の参加組には”あの日の感動”を追想するのに打ってつけ.また,無念にも行きそびれた方にとっても無念さを幾ばくなりとも払拭するのに十分な内容です.
 たしかにライブの臨場感には及ばないかもしれませんが,PremoliやMussidaの繊細なタッチの音色などはライブ会場よりもむしろこのDVDのほうが堪能できます.また各プレーヤーの手元をばっちり撮っている画像が随所に盛り込まれているので,その面でもライブとは違う楽しさが味わえます.
 過剰なライティングや画像処理などもなく,照明も十分明るいので,メンバーの細かい仕草まで見分けることができます.その点でも優秀な作品ではないかと思います.

 惜しむらくは,自宅のAV環境が5.1chではないのでソフト本来の音響効果を堪能できないのが無念.それにCDプレーヤーに比べてDVDプレーヤーの品質がかなり劣るため,ライブCDと比較すると音質面ではかなり不満があります(<もちろん個人的な環境に左右される意見ですけど...).とくにドラムに関しては不満たらたらなんですが,こればっかりはDVDプレーヤー買い換えるなり,サラウンド環境整えるなりの対策を取らない限り解決は難しそうです.


「ULISSE」,「www . pfmpfm . it」,「: SERENDIPITY」,「LIVE IN JAPAN 2002」
   (国内盤,邦訳・解説付き)


    ULISSE.JPG - 6,351BYTES   PFMPFM.JPG - 4,477BYTES  SERENDIP.JPG - 11,299BYTES  PFM2002J.JPG

 基本的には輸入盤も邦盤も内容は同じ.ただ,「LIVE IN JAPAN 2002」の邦盤には,イタリア盤に収録されていたボーナス・トラックが未収録です(後述).
 わたしは当然のごとく4枚全て輸入盤で持っていましたが,結局4枚とも邦盤を買い直しました.他人から見れば,「あほ!」とか「金の無駄遣い」とか...いろいろな謗りを免れないかも知れませんが,解説と邦訳の魅惑は絶大でした.

 PFMがいくらイタリア・プログレの至宝と形容されようとも,やっぱり日本ではマイナー・バンド.一ファンが知ることの出来る情報など限られたもの.その点からもライナー・ノーツに掲載されている情報は非常に楽しみでした.
 結局,解説は雑誌などの既出情報にいくつかの新情報が+α された内容でしたが,それ以上に歌詞の対訳は威力・魅力とも絶大でした!
 とくに「ULISSE」などは対訳を読みながら聴くだけで楽しさ倍増.歌詞の意味をろくに知らなくても,ある程度アルバム全体に流れるトーンのようなものを感じることは出来ましたが,さすがに意味が分かるとよりいっそう感動が深まりました.おかげで,思いもかけず「ULISSE」を聴き直す日々が続き,DVDをゆっくり鑑賞できる時間が取れない始末(笑)

 個人的には無理してでも邦盤買い直した価値はありましたね.まあ,かなり痛い出費ではありましたが...


「LIVE IN JAPAN 2002」(邦盤)
PFM2002J.JPG CD1
1. LA CARROZZA DI HANS              
2. RAIN BIRTH (Intro to the River)〜3. RIVER OF LIFE     
4. PHOTOS OF GHOSTS  
5. PENINSULA  
6. OUT OF THE ROUNDABOUT  
7. LA RIVOLUZIONE  
8. SUONARRE SUONARE  
9. PROMENADE THE PUZZLE 
10. TOKYO PIANO SOLO  
11. DOVE...QUANDO (part 2) 
12. DOVE...QUANDO  
13. IL BANCHETTO 
14. DOLCISSIMA MARIA  

CD2 
1. MAESTRO DELLA VOCE 
2. SI PUO FARE  
3. MR.9 TILL 5    
4. SCARY LIGHT 
5. TOKYO ELECTRIC GUITAR JAM including ALTALOMA 5 TILL 9 
6. TOKYO VIOLIN JAM (part 1)   
7. ROSSINI'S WILLIAM TELL OVERTURE 
8. TOKYO VIOLIN JAM (part 2)  
9. IMPRESSIONI DI SETTEMBRE  
10. E'FESTA  
11. LA LUNA NUOVA     

 最大の不満はイタリア盤に収録されていたボーナス・トラックが消え失せていること.とくに「SEA OF MEMORIY」はPeter HammillとPFMのコラボレーションという感涙モノの作品だけに(もちろん曲自体の出来も優秀!)非常に残念.
 将来的にニュー・アルバムに収録されるとかいろいろ計画があるのかも知れませんが.....


 以前,「www . pfmpfm . it」との比較で”演奏・音質とも「LIVE IN JAPAN 2002」が上”と書きましたが,今回邦盤の購入をきっかけに両者を再度聴き比べてみました.
 結論から言えば,やっぱり「LIVE IN JAPAN」の方が好みなのですが,楽器の分離や音場の広がりなどは「www . pfmpfm . it」の方がかなり良好.「LIVE IN JAPAN」はすべての楽器が中央に密集したようになり,分離が悪いと言えなくもない.ただ,エネルギー感は遙かにこちらの方が感じられます.裏を返せば「www . pfmpfm . it」の方は音に密度感がなく,悪く言えば”音がスカスカ”.
 アレンジ面や演奏面はもちろん日本公演の方が好み.音質面の特徴とも相まって「www . pfmpfm . it」はこざっぱりした印象,「LIVE IN JAPAN」はがっしりとした印象ですね.
 一長一短と言えなくもないが,うまく鳴らしてやればやっぱり「LIVE IN JAPAN」の方がいい感じだと思います.


next page

back to PFM top


back to 来日記念特集

top