PFM-10


1.P.F.M. その(10)
(7)「PIAZZA DEL CAMPO」 / PFM + Pagani

 PFM と Mauro Pagani の合流というのは全くの夢物語とは思いませんでしたが,せいぜい2002年の30周年記念といったメモリアル・ライブにちょこっと顔を出す程度かなと考えていました.ところが,かつての仲間と一体となりライブ全体に参加するなんて,いわんやそれがDVDになるなんて...さすがにそこまでは想像できませんでした.

 この作品はCD単体,CD+DVD(デジパック限定版),CD+DVD(プラケース通常版)の3種類の作品が発売されていますが,いずれもイタリア本国のみの発売で現時点では邦盤発売予定などの情報はありません.したがって,DVDはPAL方式(ヨーロッパなどの放送形式)です.日本の規格NTSCとは異なるため日本国内向けの家庭用DVDプレーヤでは再生することができません(ごく一部例外もあるようですが...) ただし,PC用のDVDドライブでは通常再生することが出来ると思います.

 また,”CD+DVDデジパック限定版”は発売開始直後に完売状態となり,日本はもとより本国イタリアでも入手不可能となっているようです.これはスペシャル・ゲストとしてイタリアの人気ロックバンドLITFIBAのヴォーカル Piero Pelu が参加していて,そちらのファンも買ったからみたいです.
 したがって,イタリア本国でも買えないファンが続出したため,プラケース通常版として追加再発.そんな訳で,日本国内でデジパック版を持っているのはかなりの強者です.だって,一般の国産DVDプレーヤでは視聴できないPAL方式のDVDを,躊躇なく発売直後に買った or 発売前から予約してたと云うことですから.
 で,わたしはというとCD単体版とCD+DVD通常版の2種類を持ってます(笑) 最初はどうせDVDはPCでしか見られないんだからとCD単体版を予約.ところが,DVD版の評判を伝え聞き,辛抱たまらなくなってプラケース版の再発を待って購入と...見事なまでに無駄な出費をするハメになってしまいました.

TRACK LIST CD
1. RAIN BIRTH ( Intro to the River )
2. RIVER OF LIFE
3. PHOTOS OF GHOSTS
4. LA CARROZA DI HANS
5. LA LUNA NUOVA ( Four holes in the ground )
6. UN GIUDICE
7. MR. 9 TILL 5
8. SIENA VIOLIN JAM
9. ROSSINI'S WILLIAM TELL OVERTURE
10. E'FESTA ( Celebration )
11. SE LE BRESCION
12. E'FESTA ( Celebration ) Reprise


TRACK LIST
DVD

1. RAIN BIRTH ( Intro to the River )
2. RIVER OF LIFE
3. PHOTOS OF GHOSTS
4. LA CARROZA DI HANS
5. LA LUNA NUOVA ( Four holes in the ground )
6. SI PUO' FARE
7. SIENA ROCK JAM
8. SI PUO' FARE Reprise
9. PROMENADE THE PUZZLE
10. MR. 9 TILL 5
11. SIENA VIOLIN JAM
12. ROSSINI'S WILLIAM TELL OVERTURE
13. E'FESTA ( Celebration )
14. SE LE BRESCION
15. E'FESTA ( Celebration ) Reprise

 CDとDVDで微妙に収録曲が違います.DVDのみが限定発売になった理由はPiero Peluの著作権なり肖像権なりが引っ掛かっているのかもしれません.PFMファンの立場からすれば,DVDトラックの6〜8曲目はなくても良いから,ぜひ邦盤の発売をお願いしたいものです.

 内容に関してはCDとDVDでは前述のように収録曲も違うし,受ける印象というか感慨もかなり違うので別々にコメントしたいと思います.

 まず,CDに関して.
 Mauro Pagani が全編にわたって参加している関係から,収録曲はすべて70年代の作品(6曲目だけはDe Andreの作品).演奏内容はさすがに素晴らしいものです.黄金期のフルメンバーに加えてLucio Fabbriのサポートがある上,5曲目の"LA LUNA NUOVA"では弦楽カルテットまで参加しています.アレンジは日本公演時のものと似ていますが,やはり微妙な味付けは違います.若干軽めというか現代的.
 で,肝心のPagani.やっぱり存在感抜群.特に"RIVER OF LIFE"や"PHOTOS OF GHOSTS"で聴くことの出来るフルートの音色,"LA CARROZZA DI HANS"における迫力満点のヴァーカルなどは,やはりPaganiでなければ!と思わせるのに十分な内容です.
 ただ,「Live in JAPAN」と比較した場合,圧倒的にこちらが上かというとそれは少し違うと思います.確かに前述したようにPaganiの存在抜きでは語れない面もあるのですが,来日公演ではPagani不在の部分を巧みなアレンジで十分補っていました.それに”ヴァイオリン奏者”という点に関して云えば,FabbriはPaganiに勝るとも劣らないパフォーマンスを披露していたと思うので,演奏内容も今回のライブに比べて劣るものではありません.
 やはりこのCDを買う意義は”+Pagani”の部分に尽きると思います.


 次に,DVDに関して.
 個人的な趣味で云えば,ライブでのお祭り的な部分は(自宅で聴く)ライブ盤では聴きたいと思わないので,6〜8曲目や13〜15曲目などは全然嬉しくありません.
 ちなみに,6〜8曲目はゲストを交えたジャム・セッション,14曲目は聴衆にかけ声を出してもらうための煽り部分に相当します."SI PUO' FARE"はともかく"E'FESTA"がブツ切れでダラダラ演奏というのはキツイ.(これはCDでも同じ)
 と言うことで,DVDの価値も”+Pagani”という点に尽きるのですが...こちらは何と言っても”
動くPagani”!
 この価値は絶大だと思います.
 ’75年の来日公演には行けなかったので,”動くPagani”はbootlegの粗い白黒フィルムで見ただけでした.今回初めてPaganiの演奏する姿をキチンと見ることが出来たので,はっきり言ってそれだけで感無量(笑)
 もちろん”Paganiがいてこそ!”の部分が本来の聴き所なんでしょうけど,現時点ではそんな細かいことまで気が回ってません.ひたすら感激しながら画面を拝んでいます(笑)
 ですから,単純に”見所はPagani”ということになってしまうのですが,それ以外で聴き所を一つ書くなら11〜12曲目の"VIOLIN JAM"でしょう.スペシャル・ゲストのPiero Peluや"LA LUNA NUOVA"の弦楽カルテットなど見所は盛りだくさんなのですが,やはりPaganiとFabbriのヴァイオリン・バトルは圧巻.


 現時点でDVDはPC内蔵のDVDドライブでしか見ていないので,正直音質面や画面の大きさなど歯がゆい面が多々あります.とくに音質はPC用のスピーカーでしか聴いていないので評価のしようがありません.ちゃんとしたAVシステムで聴きたくて堪りません.繰り返しになりますが邦盤熱望!
 それに”動くPFM”を観てしまうと,再々来日何とかならないかなという思いがムクムクと...

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