PFM-8


1.P.F.M. その(8)
(4)「LIVE IN JAPAN 2002」〜「PIAZZA DEL CAMPO」

 2002年,27年ぶりの来日公演が実現.さらに,来日公演のライブCDとDVDの発売.....2002年は日本のPFMファンにとって忘れられない年になりました.
 日本公演のセット・リストは日本のファンの嗜好を重視して,(メンバーたちもインタビュー等で話しているように)”プログレ”のコンサートを意図したものでした.が,今現在の彼らの持ち味,”プログレッシブ・ロックをしっかりルーツに持ちながら,年齢相応・キャリア相応のアダルト・ロック”,という点では大きな変化はないようです.しかし,ここは日本語サイト.この年を節目として,PFMと日本のファンの関係は新しい一歩を踏み出したと考え,ページを新しくさせてもらいます.

1.「LIVE IN JAPAN 2002」
PFM2002J.JPG CD1
(bonus track)
1. SEA OF MEMORY     2. BANDIERA BIANCA  

(LIVE IN JAPAN)
3. LA CARROZZA DI HANS              
4. RAIN BIRTH (Intro to the River)〜5. RIVER OF LIFE     
6. PHOTOS OF GHOSTS  
7. PENINSULA  
8. OUT OF THE ROUNDABOUT  
9. LA RIVOLUZIONE  
10. SUONARRE SUONARE  
11. PROMENADE THE PUZZLE 
12. TOKYO PIANO SOLO  
13. DOVE...QUANDO (part 2) 
14. DOVE...QUANDO  

CD2  
1. IL BANCHETTO 
2. DOLCISSIMA MARIA  
3. MAESTRO DELLA VOCE 
4. SI PUO FARE  
5. MR.9 TILL 5 
6. SCARY LIGHT 
7. TOKYO ELECTRIC GUITAR JAM including ALTALOMA 5 TILL 9 
8. TOKYO VIOLIN JAM (part 1) 
9. ROSSINI'S WILLIAM TELL OVERTURE 
10. TOKYO VIOLIN JAM (part 2)  
11. IMPRESSIONI DI SETTEMBRE  
12. E'FESTA  
13. LA LUNA NUOVA     

 約7ヶ月.首を長くして待ち続けた来日公演のライブCDが発売になりました.今回わたしが入手したのはイタリア盤ですが,2003年1月16日には日本盤も発売になる予定です(2002/12).

 まず,CD1の1,2曲目...いきなりボーナス・トラック(笑) ライブCDを購入した身からすれば,「はぁ?」って感じの出だしですが,CD1-1はPeter Hammillをリード・ヴォーカルに迎えた新曲,2曲目はFranco Battiatoのカバー曲です.
  Peter Hammillは2002年11月11日の”CELEBRATION DAY thirtieth anniversari of PFM’ discografy”と銘打ったミラノのライブにもゲスト参加しているように,PFMとはかなり親密な交流があるようです.お互いの持ち味が出た秀作で,今後のニュー・アルバムやライブでのコラボレーションに期待が膨らみます.また,2曲目は最近Franco BattiatoがPFMの曲をカバーしたらしく,その返礼の意味もあるのでは?といった見方もあるようです.

 さて,ちょっと肩透かしをくいましたが(笑,けっしてこの2曲が悪いというわけじゃない),3曲目からは”あの”すばらしい来日公演が見事に甦ります.オープニングの「LA CARROZZA DI HANS」から最後の「LA LUNA NUOVA」まで文句のつけようがない内容!

 演奏面・音質面とも近年のライブ盤「www. pfmpfm. it」を遙かに凌駕し,そして日本のファンが切望していた曲が”これでもか!”と続きます.初期の代表曲は,今までライブで演奏されたことがない曲を含めて,ほぼすべて網羅し,アレンジも’70年代当時の雰囲気を極力尊重したものです.

 来日公演をご覧になった方は当日を思い浮かべ,また残念ながら観ることが出来なかった方は思い切り想像力を逞しくして(弊サイトのライブ・レポートが参考になれば幸いです),どっぷりと彼らの音楽に浸ってください.
 はっきり言って,このアルバムで聴ける音の素晴らしさは,ライブを観たかどうかなんかには関係ありません.このアルバム自体が彼らの代表作だと言ってもいいでしょう.「PFMってどんなグループ?」という人にまず紹介するアルバムとしても文句ない1枚だと思います.

 ”PFMファンは黙って買って聴くべし!”  ”そうでない人も聴く価値あり!” 

 以上が全体的な感想.以下は個人的な体験がだぶったり,個人の嗜好の部分が大きいので,異論は多数あると思いますが,ごく個人的な感想です.

 まず,ボーナス・トラックがいきなりCD1の冒頭に納められている理由を少し邪推してみました.

 何を隠そう(あんまり隠してもいませんが...)わたしは「PASSUPARTU」以降のPFMもけっこう好きです.そりゃあ,いきなり「SUONARE SUONARE」や「ULISSE」を聴いて,ここまでPFMに心酔するようになったかははなはだ疑問です.しかし,巷では(評論家陣には?)評価の芳しくない「JET LAG」以降も素晴らしい作品を作っていると思うんですよ.
 「www. pfmpfm. it」にしても酷評する意見も多々あるようですが,わたし自身は気に入っています.彼らはKing CrimsonのRobert Frippほどプログレッシブ・ロックと評されることを嫌悪してはいませんが,”プログレ”の範疇のみに押し込められることには抵抗あるんじゃないでしょうか.
 「www. pfmpfm. it」のラストを飾る「IL PESCATORE」.わたしは心底感動しました.どうしようもない哀しみや苦しみを背負って,それでも精一杯陽気に生きていく...本当の歌詞がそんな意味かどうかは知りません.でも,理性・知性や技術だけでは到底表現できない,ある程度人生を生きた大人だけが表現できる音がそこにあるような気がしたんです.それを”プログレではない”という一言で片づけてしまってはあまりにも勿体ない.

 で,ボーナス・トラックの話.上で書いたような脈絡から,彼らはこの初期プログレ色の濃厚なライブを,現在の,そして今後の彼らの全てだと(とくにイタリア国内で現在のPFMを支持してくれるファンに)解釈されることに抵抗があったのではないか?,と考えたわけです.まず,現在進行形のPFMを聴かせる.そして,27年の空白を埋めるべく行われたPFMの集大成とも云うべき渾身のライブを聴かせる,という順番にしたような気がしてるんですが...

 2点目は「LIVER OF LIFE」に関して.
 ライブ・レポートにも書きましたが,この曲は大阪と東京ではかなり印象が違いました.今回のライブ盤に収録された東京ヴァージョンは曲本来の味わいを堪能できます.でも,大阪ヴァージョンはパワフルと一言で済ますにはあまりにも攻撃的.繊細な叙情美が一瞬で暗転し,暴力的と表現して良いほどの攻撃性を垣間見せ,そしてまたもとの叙情性をたたえた旋律が帰ってくる...この一種異様な感覚はこのCDでは味わえません.この感覚だけは”あの一瞬”のみに訪れた特別なもののようです.


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