PFM-3


管理人自身イタリア語がわからないので,邦題のあるものはすべて邦題を併記しています.
1.P.F.M. その(3)
(1)1st 〜 3rd(英語バージョン)

1.「PHOTOS OF GHOST/幻の映像」
pfmghost.JPG - 6,991Bytes 1. RIVER OF LIFE/人生は川のようなもの 
2. CELEBRATION/セレブレイション 
3. PHOTOS OF GHOSTS/幻の映像 
4. OLD RAIN/オールド・レイン 
5. IL BANCHETTO/晩餐会の三人の客 
6. MR. 9 'TILL 5/ミスター9〜5時
7. PROMENADE THE PUZZLE/プロムナード・ザ・パズル

 Pete Sinfield の目(耳?)にとまり,マンティコア・レーベルより世界デビューすることになったPFM英語バージョン第1弾.内容はイタリア語版の2nd の楽曲を中心に構成され,英詞をPete Sinfield が書き下ろしています.このアルバム自身も素晴らしい仕上がりなのですが,個人的にはイタリア語バージョンのほうが上と感じます.わたしはイタリア語バージョンを先に聴いていたので,Pete Sinfield が制作に関与する以前に,すでに彼らは世界に通用するものを備えていたことを再確認.
 ただし,録音技術をはじめ技術的な面から見れば,やはりこのアルバムが以前2作より優れているのも事実.イタリアにこだわるか,プログレというジャンルにこだわるかで評価は分かれるかもしれません.

 1,3,5,6,7はイタリア語版の2ndから,2は1stからで,4は書き下ろしです.英詩はPete Sinfield が書いていますが,単にイタリア語を英語に翻訳したものではなく「作詞」しています.また,「6.MR. 9 'TILL 5」はインスト曲だった「生誕」に新たに歌詞を付けたものです.「5.IL BANCHETTO」はなぜかイタリア語のまま.


2.「THE WORLD BECAME THE WORLD/甦る世界」
pfmworld.JPG - 5,404Bytes 1. THE MOUNTAIN /マウンテン
2. JUST LOOK AWAY/通りすぎる人々 
3. THE WORLD BECAME THE WORLD/甦る世界 
4. FOUR HOLES IN THE GROUND/原始への回帰
5. IS MY FACE ON STRAIGHT/困惑
6. HAVE YOU CAKE AND BEAT IT/望むものすべては得られない

 このアルバムは英語版とイタリア語版がほぼ同時期に録音・発売されています.世界市場をはっきり意識しているにもかかわらず,イタリア語版を同時に出すことに,彼らの自国文化への愛着や誇りを感じ,後に彼らが国内志向へと転換して行く布石と考えるのは邪推でしょうか.

 アルバムの印象はイタリア語版で書いたとおりですが,この英語版には1stに収録されながら「幻の音像」に未収録だった「九月の情景」が,「THE WORLD BECAME THE WORLD/甦る世界」としてリメイク・収録されています.

 「THE WORLD BECAME THE WORLD/甦る世界」以外の曲はイタリア語版とそう印象が違うわけではありません.もともとこちらの方が先に発売されたのですから(ほぼ同時期ですが).
 ただ,しつこいようですがイタリア語の質感,語感はやはり全体の印象に特別な”何か”を付加しているようです.やっぱり個人的にはイタリア語版を推します.とくに「JUST LOOK AWAY」は同じメロディーでも「DOLCISSIMA MARIA」の方が断然雰囲気出ます.



この時期のライブ盤はOfficial では前述の「COOK」などですが,BOOTLEGでは最近おもしろい音源が出回っています.

3.「CADENCE & CASCADE」   73/05/31・TEATRO VALDOCCO/TORINO/ITALY
pfm_cadn.JPG - 7,924Bytes DISC 1
1. RIVER OF LIFE 
2. IL BANCHETTO 
3. MR.9 TILL 5 
4. MANTICORE JAM

DISC 2
1. CADENCE & CASCADE 
2. SONGS OF THE SEAGOAT 
3. UNDER THE SKY
4. THE NIGHT PEOPLE 
5. THE PHOTOS OF GHOSTS

 とにかく,Pete SinfieldとMel Collinsが参加していると言うことが最大の目玉でしょう.DISC2の1〜4のボーカルはSinfield なので,P.F.M.のbootleg というよりPete Sinfield のbootleg とも言えるかもしれません.曲もDISC2の2〜4はSinfield のソロ・アルバム「STILL」の作品であり,King Crimson に関心のあるものにとっても大変貴重な音源です.

 で,内容の評価はどうかというと,P.F.M.の実力を再確認し,同時にPete Sinfield というのは素晴らしいby-player だな,というのが正直な感想です.

 P.F.M.の既出の曲はもちろん,各メンバー&Mel Collins のソロが堪能できるDISC1「4.MANTICORE JAM」など演奏内容も素晴らしく,音質も比較的良好.Mel Collins のソロなんかCrimson のライブを彷彿とさせる箇所もありニヤリとしてしまいます.とくにわたしはMel Collins 好きだし(笑) DISC1のみでも十二分にお奨めの内容です.

still.JPG - 4,081Bytes 
DISC2のSinfield をメインに据えた部分もおもしろいですが,やはり「貴重な音源」という前提がなければ評価は一歩後退.Pete Sinfield のボーカルは凡庸ですし,曲の展開も平板という印象が先に立ちます.ただ,このことがPete Sinfield の評価を下げるかというと「否」でしょう.彼は詩人として,プロデューサーとして,舞台の袖でそのセンスを発揮してこそ光り輝く人です.

 彼のソロ・アルバムもリマスターCDとしてP.F.M.と同時期に発売されましたが,くり返し何回も聴くのは正直つらい内容です.まあ,彼の繊細な感受性にはとうてい及ばないわたしの評価ですけど.ちなみに,この頃のSinfield はGreg Lake やMel Collins と親しかったようで,ソロ・アルバムでも重要な役割を担っています.ソロ・アルバムの発表と上のライブは同時期なので,親密だったMel Collins と二人してP.F.M.の応援に駆けつけたというところでしょうか.参考ながら,上がそのジャケット.タイトルは「STILL」.リマスターCDが出たばかりなので入手は比較的容易でしょう.



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