本 堂 

ご本尊様

 當山のご本尊様は、阿弥陀如来座像でありまして、約330年前(延宝8年1680)に第十一世廊天上人が元阿弥陀三尊立像より現在の本尊様に改められました。

体内に書き付けがありまして、造立仏師は恵心僧都となっています。 また、當山の檀家総代でもある伊藤次郎左衛門氏のご先祖様の寄進によるものである事が判りました。

先の太平洋戦争で、お身体の一部が戦火で焼けこげてしまいましたが、いまだ修復できておりません。これも長い年月を見守って頂い下さっている中での悲しい出来事として、しばらくはこのままのお姿で後世に伝承して行こうと思っています。     合 掌

本堂の設備

 本堂には窓がありません。向拝からの出入りは出来ますが、中の扉を閉めると完全に外光が遮断されます。ただ、天蓋の上部は消防法で決められた排煙窓があり、そこからの光だけが唯一の外光です。 そのかわり、照明設備だけは充分に施しました。それによって、いろいろなシーンが演出出来るようになり、現世での「お浄土」を私なりに再現できるようになりました。

床面から天井まで約6メーターあります。それによって反響はちょうど良いです。それと、窓がないので道路に面しているにも関わらず、とても静寂な空間となりました。また、今までの本堂は空調設備がありませんでしたが、今回は、少しでも長く留まりたいと思う空間にするために「床暖房」とエアコンを入れ、快適に過ごせるように致しました。また、椅子席も用意しましたので、足に故障をかかえている方でも気楽にお参り出来るよう配慮しました。付け加えますと、床暖房は空気の流れによる埃の巻き上げが無いので、喘息などの呼吸器系に疾患のある方でも安心して過ごせるようにもしました。

本堂も、辛い苦しい思いをしながら修行をする空間も大事ですが、物理的な面で取り除かれた苦から、いままで参拝出来なかった方も足が運べるようする事も大変大事だと考えました。

それから音響設備ですが、マイク・スピーカー等も用意(主に録音用として)し、教化ビデオによる視聴覚教化が出来るよう、プロジェクター・スクリーン(100インチ)も取り付けました。小規模(50人程)のミニコンサートや結婚式等の行事に最近開放したこともあります。

またその他のバリアフリー関係では、手すり・段差解消・本堂入口のスロープ・触香用像香炉(写真)を埋め込む、等の配慮を施してあります。    合 掌