誓言
私が天国と地獄の間に取り決めの期間を過ぎた後でも居るのは、私が真のキリスト教徒でもなければ、異教徒でもないからだろう。何事にも確信を持てないのは、文明の病であり、私は当時この病に取り付かれたほとんど唯一の者であった。
私は生前、ガーウェインという名前を持っていた。今より遥かな昔、キリスト紀元五世紀に私はキャメロットなる都の一人の王に忠誠を誓い、円卓の輪の中にいて、王の栄光と勢力を発威する騎士であった。
誓約は神への挑戦であり、十戒に戒められている。運命の非情な指に、言葉の力はた易く捻じ曲げられ、呪いに変えられてしまう。騎士道はいかに否定しようとも、キリスト教以前の異教の伝統に封じられている。