グローランサにおけるシェイクスピア劇(Peter Metcalph筆)
.以下はGlorantha-Digestに掲載された原文を原著者の許可のもとに翻訳したもの。翻訳の過ちの責任は訳者にある。
原文はこちら。
私:
Peter:
「タイタス・アンドロニクスTitus Andronicus」はルナー化されたターシュ、もしくはルナー帝国本土で演じられるべきだろう。「博識」ファザールがアンドロニクスだとするなら、ファランドロスはサトルニウス、そして「詩人」オンジュールはルキウス。アンドロニクスに仕えるゴート人たちはサーター人で、タモーラ女王はおそらく「星の眉」カリルだろう。グローランサでラヴィニアは疑いなくゲーラ女神として知られる者だ。(このことについて一言、誰か今、ジョナサン・リース・マイヤース(訳注:
Jonathan Rhys Meyers、「退廃的」をうりにしている俳優)が「タイタス」で二度も首になったことをいぶかしく思う人は他にいないのだろうか?一度でたくさんと思う人もいるだろうに・・・・)「赤の月」信者の群集は同様に「アントニーとクレオパトラAnthony
and Cleopatra」の群集としても用いることができるように思われる。
「オセロ」はクインポリック連盟(訳注:the Quinpolic League、ノロス、パソス、パイスダロス三公国から成立するセシュネラ地方南部、タニソール政権からの半自立組織。海上交易を支配している。)で演じられるべきだろう。「ロミオとジュリエットRomeo
and Juliet」もカプラティス家とド・テュマーリン家のいさかいの関係上ここが舞台となる。
(訳注:ド・テュマーリン家du Tumerineはノロス公国の豪商一族で、パソスのカプラティス家Capratisとケタエラなどとの交易利権をめぐって争っている。Tales#13、LARP: Seventh Ecclesiastical Councilなどの記事を参照のこと。)
「マクベスMacbeth」はオーランス人の悪い王の一人であるとみなすことができる。ひょっとするとアーグラスがマクベスであり、カリルがダンカン王、「鉄の目の」ムラリクがバンクォーとなり、ファージェンテス二世が「善良王」エドワードの援助で玉座につくマクダフとなってしまう。
「ジュリアス・シーザーJulius Caesar」は少しばかりルナー帝国に適用するには共和国の雰囲気が強すぎる。しかしこれは「赤の皇帝」は単なる名目上の看板で、「帝国」が実際にはベレックス・マクシムス(訳注:赤の軍とヤーナファル・カルトの大司祭)によって運用されていると君が仮定しない限りだが。ブルータスはつまるところ「聡明なる」タティウスになるが、そうするとこの対照のやりかたはあまりにもこじつけになりすぎる。おそらくラリオスを舞台にした方が良いだろう。
「リア王King Lear」はシンディックス封鎖以前の「ロスカルム内戦時代」のことのおこりを描写するものとして適当なものになりうる。(「善良なる王」リアはその王国を北ロスカルム、南ロスカルム、とジュノーラに分けた―残念なことにコーデリアがジュノーラを相続することはなく、そのためにこの地は失われた。)他にこの内戦で荒廃した土地は「封鎖」以前のジョナーテラの地になったが、最低でもこの地域は(訳注:「封鎖」で)三つに分割されていた。ただし、黒澤監督は日本で「リア王」と「マクベス」の両方を演出するのに成功していることを忘れないように。ゆえにヴォルメインも候補になりうる。
「リチャード三世Richard 3rd」は称号やら司教やらの数の豊富さからタニソール地方に設定することができる。
私には「ハムレットHamlet」を特定の地域に絞り込む要素を取りたてて見つけられない。「西方」と「オーランス人」の地域の両方ともうまく設定できるように思われる。
- --Peter Metcalfe
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