ストーリー
神々が去った後のクリンに、新たな脅威、グレートドラゴンが誕生した。彼らは、アンサロン大陸を制圧した。暗黒のタキシス騎士団はネラーカ騎士団と改名し、グレートドラゴンの支配を代行した
しかし、世界から希望が失われたわけでなかった
神々が去り、3つの月が消失することは、魔法の消滅を意味した。しかし、新しい世界には新しい魔法が、新しい癒しの技が存在した。神々の力を借りることなく、自らの意思で起こすことが出来る、新たな力が
3つの話が同時に進行しますが
便宜上、分割して紹介します
見捨てられ、荒廃したネラーカ
谷間に吹き付ける風が、あたかも死の歌を詠うかのごとく聞こえる
パトロールに訪れたネラーカ騎士の小隊が、不意に、激しい嵐にみまわれる。嵐の去った後、ミナという名の少女が現れ、騎士になりたいと希望し、ミノタウロスの騎士ガルダーの戦いで失われた片腕を再生し、名前の明かされない神と自分に忠誠を誓わた
ミナは、隊のリーダーとなり、サンクションへ向かうことを命じた
ソラムニア騎士団が占領していたサンクションを、ネラーカ騎士団軍が包囲していた。ソラムニアの騎士たちは街から遁走したように見うけられたが、ミナは、ソラムニア騎士団が待ち伏せしていると弓隊のサミュヴァルに告げ、歩兵隊が突撃したら、弓を射掛けるようにアドヴァイスした。弓を射掛けられた歩兵隊は混乱し、ソラムニア騎士団はその混乱を好機と考え出撃してきたが、実は、街から引きずり出されたに過ぎなかった
戦いの後、ミナはミスティックと呼ばれる癒しの魔法で兵士達を癒す。サンクションを包囲するネラーカ騎士の一部がミナに心酔するようになったが、その報を遠方の地で聞いた、ネラーカ騎士団のリーダー、タルゴンヌは脅威と感じ、一計を案じた。ミナに南下して、エルフの国家、シルヴァネスティーへ進攻することを命じたのだ。途中には強暴なオーガ族の領土があり、万一、これを突破できたとしても、シルヴァネスティーは魔法のシールドで数十年間閉ざされたままで、後方からオーガが攻めてきたら全滅は必定だった
シルヴァネスティーへの途上で、盲目の乞食が隊を止め、ミナと話さねばならないと告げる。乞食はミナの過去を知っていた。そして、何故、シターデルオブライトを離れたのかと詰め寄る
盲目の乞食の正体。シターデルオブライトを守る、シルバードラゴンのミラー、ケレレンドロスの宿敵でもある
名も知れぬ神の加護だとミナが形容する悪天候のさなか、一行はオーガの領土を無事に通過できるかにみえた。シルヴァネスティーの領境まで数日というところで、ミナはガルダーとサミュヴァルに今日中に到着すると請け負う。不意に後方からオーガが迫るが、ミナは後方の輜重を捨てて前進することを命じ、言葉通り、その日のうちにシルヴァネスティーのシールドに到着した。疲労困憊し、輜重を棄てたために補給のない、ネラーカ騎士たちの前で、ミナが歌を歌う。たちまち、騎士達は眠りについた
翌朝、騎士達は目覚ると、間近にオーガどもが押し寄せていて驚く。しかし、オーガどもの前に見えない壁のようなものがあり、攻められることはなかった
騎士達は、シルヴァネスティーのシールドを越えていたのだ
追放されてダークエルフとなったポルシオスとアルハナは、玉座奪還のためにゲリラ活動をしていたのだが、すでに40数年の月日が流れていた。アルハナはシルヴァネスティーのシールドの外に駐屯し、中に入る方法を画策していた。ポルシオスは数年来、別行動を取っていたが、連絡は途絶えていたために、すでに死んだものだと思われている
アルハナのグループにオーガの集団が迫り危機が訪れる。一人息子のシルヴァノシェイは、援軍を求めて、中立の騎士団、レガシーオブスティールの駐屯地を目指す。しかし、激しい嵐の中で起こった落雷によって樹が倒れ、意識を失った
シルヴァノシェイが意識を取り戻すと、エルフ達に介護されていた。シルヴァノシェイはシールドを越えて、シルヴァネスティーの領土に入っていたのだ
シルヴァノシェイを助けたのは、その昔、ポルシオスがロラックの悪夢を打ち破るために組織した軍隊の生き残りで、現在はシールド周辺の警護をする、キラスと呼ばれる集団だった。ポルシオスとアルハナを追放した後、シルヴァネスティーは、コンナル将軍が支配していた。第2大変動の後のグレートドラゴンの侵攻を避けるために、魔術師のグロウカスはシールドをシルヴァネスティー全体に張り巡らせた。シルヴァネスティーは薄暗い太陽光の入るだけの、生気を失った国になっていた。また、緑竜のカイアン・ブラッドベインがシールドの中にいるのではないかと噂されていたが、姿を見たものはいなかった。キラスとシルヴァノシェイは、星の評議長の座を奪還するために、首都シルヴァノストと目指す。しかし、キラスのなかにコンナル将軍のスパイがいた。将軍は一計を案じる
首都シルヴァノストで、シルヴァノシェイはコンナル将軍をはじめとするエルフ達から思わぬ歓待を受け、評議長の座についた。しかし、まつりごとは全てコンナル将軍が取りしきった。コンナル将軍はカルドラン家の血をひくシルヴァノシェイが玉座につくことで、エルフの信用を得ようとしたのだ。コンナルにはカルドラン家の血族の甥がいた。万一の場合、甥に継がせてしまえばよかった
結局、シルヴァノシェイは傀儡にされてしまったのだ。クオリネスティーにいる、従兄弟のギルサスと同様に
ソレース
カオス神との戦いの戦死者の遺骸を安置した、<最後の英雄たちの墓所>を、ソラムニア騎士団が警護している
ソラムニア騎士のジェラルドは幼児期の病で醜くくなった顔に引け目を感じるのか、同輩達とは距離を置いていた。ジェラルドは、憩いの我が家亭で、数ヶ月前に妻を亡くしたキャラモン老人と朝食を共にし、昔話を聞いていた。ジェラルドは戦時下のサンクションで戦いたかったが、分限者の両親が許さなかった。墓所をケンダーにからかわれながら行進するだけの任務に、鬱屈する毎日を過ごしていた
激しい嵐の翌日。ミッドイヤーデイと呼ばれる祝日の日、ジェラルドが墓所を警護していると、タッスルホッフの墓所を巡礼するケンダーたちが騒ぎ出した
現在のタッスルの墓は、ケンダーたちが幸運のお守りとして、切りとっていってしまうという災難に見舞われるようになっていた。やがて、ケンダーたちがハンマーまで持ち出して墓石を壊し始めるという事態なって、柵が設けられていた。誰も墓所の中に入れるはずがないのだが・・・
墓所の中に何かがいた。ジェラルドがカギを開けると中からケンダーが現れた
ジェラルドは、ケンダーを逮捕した。ケンダーは自らをタッスルホッフ・バーフットと名乗った。カオス神を倒したケンダーの英雄タッスルホッフの名を名乗るケンダーはざらにいたので、ジェラルドは信用しなかったが、ケンダーのキャラモンに会わせてほしいという願いは聞き入れた
キャラモンはケンダーが本物のタッスルホッフだとすぐにわかった。タッスルはキャラモンの葬儀でスピーチをするようにフィズバンから命ぜられて、時間飛翔の装置を使ってこの時代にきたのだが、キャラモンはまだ死んでいなかった
タッスルが話を終えると、キャラモンの様態が不意に変化する。キャラモンは、ジェラルドに、タッスルホッフをダラマールの元へ連れていってくれと懇願し、息を引き取った
しかし、ダラマールは40年近く行方不明になっていた。第2大変動後、グレートドラゴンの一匹となったスカイア(ケレレンドロス)が、魔法のアイテムを狙ってパランサスの上位魔法の塔に進攻した際に、ダラマールは塔を破壊し、失踪したのだ
キャラモンの葬儀は、娘のローラのほかには、参列すべき家族がいないまま執り行われた。息子のパリンはクオリネスティーに行ったきりだし、娘のデズラと嫁のウーシャはヘイブンで足止めを食らっていた。孫のウーリン(魔術師)とリンシャ(ソラムニア騎士)も帰ってくることは出来なかった
タッスルによると、本来なら、キャラモンの葬儀の際には、マジェーレ一族、ゴールドムーンとリヴァーウィンドと2人の子供と孫、統一エルフ国家の王シルヴァノシェイ、などが参列するなかで、スピーチをしなければならなかったが、状況はまるで違っていた
タッスルホッフは、時間を旅することのできる魔法のアイテムでこの時代にやってきたのだが、誰もそのことは信じがたかった。過去へ旅したことのあるキャラモンから話を聴いていたジェラルドですら信じられなかった
タッスルホッフは別の未来、グレートドラゴンのいない未来から来たのだった。1度目の飛翔では、すでに葬儀は終わっていた。そして、今回は2度目の葬儀だった
ジェラルドはタッスルホッフとともに、ひとまずは、クオリネスティーにいるパリン・マジェーレの元へ向かう
***
クオリネスティーは、グレートドラゴンの緑竜ベリリンスラノクス(緑のベリル)に降伏し、ネラーカ騎士団が代行して支配していた
ハーフエルフのタニスとローラナの一人息子にして、太陽の評議長のギルサスは、病弱で、意思の弱い性格だった。カオスウォーの頃はソラムニアに住むタニスとローラナの手の届かないなかで、ラシャスというエルフの操り人形にすぎなかったのだが、タキシス騎士団が進攻してきた際には、ローラナがラシャスから実権を奪って、クオリネスティーを降伏させた
現在も、ローラナがギルサスの後ろだてとなっている
ジェラルドはネラーカ騎士に変装し、タッスルを魔法の品物を騎士団から奪った廉で連行していると偽って、クオリネスティーへ入ることができたが、その情報は、緑のベリルとネラーカ騎士団に伝わってしまう
2人は、エルフの反乱分子に襲撃され捕らえられる。ベリルとネラーカ騎士団以外にも情報が漏れていたのだ。2人が連れていかれた先には、パリン・マジェーレがいた
第4の時代の最後に神々が去っても、魔法のアイテムは使用できたが、魔術師達は魔法を使えなくなった。しかし、魔法が失われたわけではなかった。新しい魔法をパリンは発見した。神々の力を借りるのではなく、自分の力で魔法が起こせることに気づいたのだ。パリンは、ソレースに魔術師のアカデミーを設立して、後進の指導に乗り出した、はずだった
数年前からパリンは自分の魔力が弱まっていること知り、その原因を調べた。年齢は関係なかった、クリンの新しい魔法自体が、弱まってきたのだった
2年前、パリンはネラーカ騎士団に拉致され、拷問を受け、いくつか質問に答えたのち解放された。アカデミーはベリルの配下によって破壊された。1年後には、ウェイレスの上位魔法の塔も、ベリルに破壊された
グレートドラゴンに対抗するには、前の時代の魔法のアイテムに頼るしかなかった。その探索のために、パリンはクオリネスティーにいたのだ
パリンの指は拷問で捻じ曲げられていた。以前の快活なパリンは、陰鬱な性格に変わっていた
パリンはタッスルホッフが本物かどうが判別がつかなかったので、反乱分子を支援しているローラナの元へ連れていった。ローラナはすぐにタッスルだと悟る。もっともタッスルはみんなが信じてくれなかったので「タッスルホッフじゃないと思うよ」とか「僕はタッスルホッフにはなれないんだ」とか嘆くのだが
ギルサスは、ライオネスと呼ばれる警護のカガネスティーエルフ、ケリアン(以前はRashsの奴隷だった。いまは、ギルサスと秘密裏に結婚している)とともにパックスタルカス近くのどぶドワーフ経営の酒場「ガルプアンドベルヒ」でドワーフと会合。ギルサスは、ドワーフに依頼して、クオリネスティーの地下にトンネルを掘らせていた。緑のベリルが襲撃をかけてきたときに、脱出口になるのだ。あと一月で、トンネルは完成するはずだった
タッスルホッフの話を聞いたパリン達は、ダラマールの恋人で魔法のアイテムショップを開いていたジェンナに相談することにした。パリンはジェンナと魔法で連絡をとり、ソレースへ来てもらうことにした。ローラナはパリン達にグリフォンを貸して支援した
しかし、ベリルにはすでに情報が入っていた。時間を旅行できるほどの魔法のアイテムは魅力的だった、赤のグレートドラゴン、マライストリクスを凌駕出来るのだから
パリンとタッスルとジェラルドがクオリネスティーを出立しようとしたところ、ベリルの命を受けたネラーカ騎士たちが襲ってきた。ジェラルドがネラーカ騎士と戦って時間を稼ぐ間に、パリンとタッスルは脱出できた
ジェラルドはネラーカ騎士に気絶させられ、捕らえられた
と、ここまでで、話の3分の1くらいです
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