Dragons of a Fallen Sunの続きです


ソレースの魔術師アカデミーの跡にジェンナは立っていた。パリンの呼びかけに答えて、すぐにテレポーテーションの指輪を使ってやってきたのだ

ジェンナのアドバイスのもと、パリンとタッスルは、時間旅行の装置を使った。パリンの前に過去の世界が次々と現れる、遡行していくとカオスウォーの最後、神々がクリンを去るあたりまで見えた。そして、それ以前は・・・・・・・・・何もなかった、暗闇に閉ざされていた・・・・・・・・・約40年前以前の歴史は存在しなかった。時間を旅することは出来なかった

疲労困憊して、元の時代に戻ったパリンは、混乱しながらも仮説を立てた、本来なら死んだはずのタッスルがいることが原因ではないかと。タッスルを殺せば、良いのではないかと

これを聞いた当のタッスルは、すぐに装置を使って、逃げ去った

ジェンナは、タッスルがゴールドムーンのところへ行ったのではないかと推論し、パリンに魔法のアイテムを貸した

***

神々が去って、クリンから魔法が失われた頃のこと。新たに誕生したグレートドラゴン、赤のマライストリクスは、ケンダー郷を襲撃した。リヴァーウィンドはケンダー達を助けようとして、戦死した

悲嘆に暮れるゴールドムーン。その後、賢者が現れ、彼女にミスティックと呼ばれる治癒の魔法を教えた。ゴールドムーンは新たなミスティック魔法を人々に伝えるべく、シターデルオブライトを設立し、後進を指導していた

タッスルホッフは、シターデルオブライトの中央にある、迷路の庭園に現れた。迷路の研究をしていたノームのコニュンドラムの案内で、シターデルを守るソラムニア騎士レディー・カミーラに会うことが出来た。カミーラはゴールドムーンに会いたいというケンダーの申し出に不安を抱くが、とりあえず、部屋の前へ連れていった

あの、激しい嵐の夜以来、ゴールドムーンは部屋に閉じこもっていた。誰もその理由は知らなかった

タッスルホッフが部屋の前でゴールドムーンに呼びかけるが、返事はなかった。パリンもテレポートしてきてゴールドムーンに呼びかけた。ゴールドムーンは死んだはずのタッスルホッフがいることが信じられなかったがしぶしぶ扉を開け・・・

パリンとタッスルが見たのはうら若き女だった。本来なら90歳ぐらいのはずのゴールドムーンは、何故か若返っていたのだった。嵐の夜、突然、若返ったのだった、理由はわからなかった

ゴールドムーンが若返ったという報にわくシターデルで、ゴールドムーンは、平素のごとく、治療の魔法で瀕死の患者を癒そうとした。しかし、ミスティックが使えなくなっていた。そればかりか、周囲の亡霊達の姿が見えるようになってきた

パリンはキャラモンの夢を見た。キャラモンは、タッスルホッフを殺さないでくれと懇願する。このままでは、レイストリンと再会できないとも告げる

パリンは、ふさぎこむゴールドムーンを訪問した。ゴールドムーンはパリンの周囲をうごめく亡霊達を見て、正気を失い、突然走り出し、シターデルを出て、海に飛び込んでしまった

偶然にも、近くにいたノームのコニュンドラムが潜水艇で救出に向かった

遠方から、緑竜が現れる。ベリルが装置を奪いにやってきたのだ。パリンとタッスルは、装置を使って、ひとまずはこの地を離れることにしたのだが、どういうわけか、装置は作動しなかった

もはや、逃げ出すことは不可能


ジェラルドは、クオリネスティーを支配するネラーカ騎士の司令官メダンの命で手厚い看病を受けていた

ベリルは、クオリネスティーの裏切りを知り、ネラーカ騎士団と配下にローラナの逮捕とクオリネスティー制圧を命じた

長年、クオリネスティーに住んでいるメダンは、その自然を愛で、ベリルに荒らされることに耐えられなかった。メダンの本心は、ローラナを助けたかった。ジェラルドの助力が必要だった

ベリルの使者のドラコニアンに、ジェラルドはローラナを逮捕した旨の手紙を渡し、一緒にドワーフの火酒をあおるように見せかける。泥酔したドラコニアンを、ジェラルドは難なくしとめた。使者を殺せば、時間が稼げるはずだった

母が逮捕されたという知らせを聞いて憤慨したギルサスの前に、メダンはローラナを連れてきた。逮捕は見せかけだったのだ。ジェラルドも現れた。ジェラルドは、ドラコニアンが火酒を飲んでいる時に話したことを伝えた。すでに、クオリネスティー周辺に、ベリルの配下が集結している、と


ネラーカ騎士団がシルヴァネスティーに進攻した報を聞いた、シルヴァノシェイはエルフを率いて、立ち向かうことを決意した。コンナル将軍は、反対しなかった、シルヴァノシェイが戦死することもありえるのだから

戦いの日、ミナは「戦闘には負けるが、戦争には勝つ」と言った。騎士たちにはその意味がわからなかった

シルヴァネスティーエルフとネラーカ騎士団の戦闘が始まった。混戦のなかシルヴァノシェイはミナと一騎打ちになる。ミナはバランスを崩し、落馬し、捕らえられた。騎士達は背走した

意識の戻ったミナを一目見て、シルヴァノシェイは惹かれた。魔術師のグロウカスが、シールドに入ることの出来た理由を尋問すると、ミナは意識がなければ、シールドの方が移動して来るのだと答えた

ミナは翌日処刑されることが決まった。シルヴァノシェイは人気のないところを見計らって、ミナを逃がそうとするが、ミナは拒否した。シルヴァノシェイは、ミナに愛していると告げるが、私を愛しているのではなく、私の中の神を愛しているのだと言い返されるだけだった

翌日、腕の立つ射手達の前に立たされたミナは、魔術師グロウカスに雷撃を放ち、彼の正体が、緑竜カイアン・ブラッドベインだと叫んだ

グロウカスは、エルフの姿を維持できなくなって、ドラゴンに戻った。そして、姿そのものが、見たものを圧倒するという、<竜の恐れ>といわれる動作を誇示した

エルフ達は圧倒され、動きが取れなくなると、カイアンは毒霧を吐いた。シルヴァノシェイは毒に侵される

ミナは、エルフの射手達に、弓を射掛けるように叫んだ、カイアンに畏怖し、動けなくなった射手達だったが、ミナの声で正気を取り戻し、カイアンの腹部に矢を放ちまくった。ひるんだカイアンは、腹部を散々に射かけられ、瀕死の重傷を負い遁走したが、飛行を維持できず、シルヴァネスティーの樹々の上に墜落した

かつて、エルフ王ロラックはドラゴンオーブを使ってシルヴァネスティーを守ろうとしたが、カイアンの介入で失敗し、悪夢の世界が現れた。樹々は無様に歪められたのだった

そして、その原因となった、カイアンを、樹々たちが許すはずはなかった。落下してきたカイアンは、硬い樹々に貫かれて死んだ

***

カイアンの毒霧で死にかけたシルヴァノシェイにミナがくちづけする。シルヴァノシェイは毒から回復した。愛をささやくシルヴァノシェイを、ミナはアスタリンの庭園に連れていく。シールドツリーと呼ばれる樹があった。この樹がシールドを作っていた。ミナは、このシールドツリーはエルフの生命力を糧としているのだと教えた

シルヴァノシェイは、シールドツリーを引き抜いた。シールドは消滅し、薄暗いシルヴァネスティーに太陽光が降り注ぐ

ふりかえると、ミナの姿はなかった

***

リーダーを失い、背走したネラーカ騎士達の前に、太陽光を背に受けて、ミナが現れた。ミナはエルフの王がシールドを止めたと告げると、倒れ込んだ。ガルダーはミナを受け止めた。ミナは寝ていた

熟睡するミナを抱きかかえたまま腰を落ち着けたガルダーは、サミュヴァルに質問した、エルフ王は何故自分たちを防御するシールドを止めたのだろうと。サミュヴァルは、王がミナに惚れたに決まっているさ、と答えた


ミナがガルダーの腕に抱かれて眠る一方で、

ノームの潜水艇は、潮に流されるゴールドムーンを追い、

パリンとタッスルの上で、緑竜のベリルや配下の竜達が旋回し、

クオリネスティーでは、ギルサスが決断の時を迎え、

そして、魔法のシールドを失ったシルヴァネスティーには、ネラーカ騎士団の後続の部隊が侵入してきた

(了)