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 2004
2004 レースペース
佐藤は後半戦に成長していた−

2004.11.8

ラップタイム分析のハンガリーからレースペースを見始めた。レースで各ドライバーが何秒台を何周していたかを表したものである。何秒台は0.5秒刻みで分けた。この図からわかることは、各ドライバーにはピークがあり、それがレースペースを示していることである。ドライバーごとの違いは、そのまま結果に反映されている。ここでは、2004シーズン18戦をトータルで見てみる。
 
 
全戦通算
フェラーリがファステストラップ+2.0秒をピークとしており、ライバルより抜き出て速かった。M・シューマッハとバリチェロの山は0.25秒ずつずれており、二人の差が表われた格好になった。

BAR、ルノー、ウィリアムズ、マクラーレンの4チームは、フェラーリには1周で0.5秒の差をつけられたが、4チーム間ではほとんど差がなかった。各チームとも2人のドライバーに差があった。バトンと佐藤、アロンソトゥルーリには山のずれが見られる。バトンとアロンソは互角だが、モントーヤもその二人とまったく同じ稜線を描いている。R・シューマッハは6戦休場があったが、山がなだらかになっているのはメリハリのある走りができなかったことを示している。ライコネンはピークがバトンらと同じだが、8戦リタイヤが響いて低くなっている。クルサードは3戦リタイヤで山が高いがピークはライコネンより0.5秒遅い。

トップ5チーム以外では、+3.5秒ピークにザウバー、ジャガー、トヨタの3チームが位置している。フィジケラはマッサよりも速い走りができていた。ウェバーとクリエンはそれほど大きな差はないが、クリエンは安定感がなかった。

ジョーダンは+4.5秒、ミナルディは+7.0秒のところにある。ミナルディは遅いだけでなく山がゆるやかで、安定しない車だった。
 
 
前半戦(開幕戦オーストラリア〜第9戦アメリカ)
前半9戦と後半9戦で分けて見る。前半戦ではM・シューマッハが圧倒的な差をつけていることがわかる。バリチェロはバトンとの争いになっていた。

アロンソがトゥルーリより低目なのは3リタイヤのためだが、トンガリ度と速さではわずかに上だった。モントーヤとライコネンはそれぞれ速さを見せるものの、マシンの問題に抑えられた感がある。

佐藤は2戦おきにエンジンが壊れたが、山が緩やかなことからバトンほど速い走りを続けられなかったと言える。
 
 
後半戦(第10戦フランス〜最終戦ブラジル)
後半戦になってもフェラーリとBARらとの0.5秒差は変わらなかった。前半と違うのは、M・シューマッハの山が低くなったことだった。M・シューマッハがレースペースで圧倒したレースは日本GPだけで、ほかは接戦だった。それでも最速の位置にいた。フェラーリに唯一食いついたのはライコネンで、3リタイヤで低いがピークはフェラーリと同じ位置にある。クルサードは結果を出せなかったがバトンと同じ稜線を描いている。

後半戦にトガッた走り(マシン性能を引き出す)が顕著だったのは、アロンソとモントーヤだった。バトンは前半に比べてわずかに陰りが見られた。

佐藤は後半戦にバトンに近くなった。山が高くなり、速く走らなければならないところでそれが出来ていたことを示す。佐藤は後半におとなしくなったように見えたが、着実に成長していた。

トヨタはトゥルーリがわずかにポテンシャルを引き出す走りを見せていた。ミナルディではバウムガートナーが後半戦はブルーニに遜色ない走りだった。
 
 
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