2001決勝成績(12)

ピットインはミヒャ優先、モン長持ちせず

2001.12.5

2001年のシーズンサマリー、決勝の12回目は、ピットインのタイミングです。3強の6選手は1ストップ・2ストップのとき、全体の何%でピットインしたでしょうか。フェラーリでのM・シューマッハ優先、ウィリアムズはモントーヤのタイヤが長く持たないことがわかりました。

 

フェラーリ(ミヒャ優先・ルビ後回し)


M・シューマッハは、15レース中、1ストップが6レース、2ストップが9レース、3ストップはありませんでした。バリチェロは15レース中、1ストップが5回、2ストップが7回、3ストップが3回でした。バリチェロが3ストップという奇策を3回も取らされました。

タイヤ各セットの使用周回は、1ストップ(2セット)の場合、M・シューマッハが59%:41%、バリチェロは69%:31%でした。2ストップ(3セット)の場合、M・シューマッハは35%:34%:31%、バリチェロは38%:31%:31%でした。

バリチェロは1セット目を長く走らされています。交換タイミングはM・シューマッハ優先ということがわかります。

 

マクラーレン(1セット目を延ばす傾向)


ハッキネンは、10レース中、1ストップが3レース、2ストップが5レース、3ストップが2レースです。クルサードは15レース中、1ストップが7回、2ストップが7回、3ストップが1回でした。マクラーレンはフェラーリよりも1ストップの割合が多かったと言えます。

タイヤ各セットの使用周回は、1ストップ(2セット)の場合、ハッキネンが61%:39%、クルサードは66%:34%でした。2ストップ(3セット)の場合、ハッキネンは38%:33%:29%、クルサードは42%:28%:30%でした。

クルサードが1セットで長く走らされています。また、マクラーレンは2ストップでも、1セット目を延ばす傾向が見られます。

(※ペナルティのピットストップは、給油・タイヤ交換ができないため、ここでは回数に含んでいません。)

 

ウィリアムズ(モントーヤはタイヤが長持ちしない)


R・シューマッハは、14レース中、1ストップが5レース、2ストップが8レース、3ストップが1レースです。モントーヤは13レース中、1ストップが6レース、2ストップが7レース、3ストップはありません。ウィリアムズは、フェラーリと同じくらいの2ストップ重視です。

タイヤ各セットの使用周回は、1ストップ(2セット)の場合、R・シューマッハが65%:35%、モントーヤは55%:45%でした。2ストップ(3セット)の場合、R・シューマッハは38%:32%:30%、モントーヤは41%:29%:30%でした。

モントーヤは1ストップの1セット目周回が、6人の中で最も短くなっています。タイヤの使い方に難(磨耗大)があったのかもしれません。

 

 

ピット回数で勝敗を分けたレース

イギリスGPは、ハッキネンが2ストップ、M・シューマッハが1ストップでしたが、ハッキネンに軍配が上がりました。前半のタイムペースはハッキネンの方が1〜2秒も速く、M・シューマッハはついていけませんでした。

イタリアGPは、ウィリアムズ勢が1ストップ、フェラーリ勢が2ストップでしたが、モントーヤが優勝しました。前半、モントーヤはM・シューマッハの攻めをしのぎきり、後半もリードを保つことができました。また、バリチェロは給油トラブルと2セット目のタイヤが不調という不運がありました。

 

ピットインのリスク

ドイツGPは、ピットでのリスクが重要なポイントになりました。まずモントーヤが給油リグのトラブルでタイムロス。さらに、モントーヤをはじめ、M・シューマッハとクルサードが、ピットアウト直後にリタイヤしてしまいました。高速で走るマシンは、停止することによって水温・油音が極度に上昇するリスクがあります。