2001予選成績(5) ミシュランタイヤが終盤に差を縮める

2001.10.24

2001年のシーズンサマリー、予選の5回目は、タイヤです。ブリヂストン13PPに対し、ミシュラン4PPでしたが、これは復帰初年度のミシュランにとって予想以上の成果でした。

 

終盤に差を縮めたミシュラン

ブリヂストン(BS)とミシュラン(Mi)の全ドライバーのGP別平均値を表しました。ベルギーは雨上がりの特殊状況で異常値になっています。

BSとMiは、トップチームだけでなく全チームを平均すると、当初はBSが優っていました。しかし、12戦ドイツ以降、両者の差は急速に縮まっています。

この傾向からすると、2002年はBS対Miで互角の激戦が予想されます。ミシュランの弱点が克服されつつあったからです。

 

 

超高速サーキットに強いミシュラン

サーキットの平均速度帯ごとに分けてみました。140〜200km/hの低中速コース(モナコ、ハンガリー)、200〜240km/hの中高速コース(13GP)において、違いはありません。250〜260km/h(ドイツ、イタリア)の超高速コースで、両者の差が縮まっています。

超高速コースはストレートとシケインの組合せであり、低速から高速への立ち上がり加速重視のミシュランは得意とします。それ以外のコースは、コーナリング時にタイヤへ横圧力がかかります。ここでミシュランがブリヂストンに遅れをとります。


 

路面温度の影響はない

予選において路面温度帯ごとの平均です。19〜27度の"低温"、34〜44度の"常温"、46〜53度の"高温"に分けています。ここからは差はほとんど変化がありません。巷間で言われているような、ミシュランは低温時に弱いが高温で威力を発揮、ということはないようです。


 

 

 

ブリヂストンは低速コースと地元鈴鹿でフェラーリ優先

ブリヂストンがフェラーリとそれ以外のチームを公平に扱っているかどうか見てみます。差は平均で1.7%しかありません。後述のミシュランほど、トップチーム優先はしていないようです。

ただ、モナコとハンガリーの低速コース、そしてブリヂストンの地元鈴鹿においては、フェラーリの速さが際立っています。ここでブリヂストンはフェラーリの特性に合わせたタイヤを用意したかもしれません。


 

ミシュランはウィリアムズ絶対優先

ミシュランはウィリアムズ優先が明らかです。ウィリアムズとウィリアムズ以外で平均3%の差が出ました。

雨上がりのベルギーは、ウィリアムズのみ、ドライタイヤに賭けました。ジャガーのアーバインなどは最後までレインタイヤだったのです。

ドライ状況で差が大きいのは、サンマリノ、オーストリア、ヨーロッパ、ドイツでした。これらはエンジンの平均回転数と全開率の高いサーキットです。縦方向の圧力に強いミシュランが、高出力のウィリアムズBMWに適合させた可能性があります。


 

つづく